ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2019年04月

2019年のGWはなんと10連休。初日は今年初の数河高原の飛騨コスモス天文台での観望会です。昨年の11月が最後で雪で入れなくなっていたため、久しぶりです。4月初めにはまだ雪が残っていて入れなかったみたいなのですが、ここひと月近くで流石に雪も溶けたようです。でもこの日はGWにもかかわらず寒い寒い。近くの道路表示では氷点下2度。山の上の方は雪も降ったみたいで真っ白でした。


出発とアイス事件

夕方17時過ぎにNatsuとSukeと私Samの3人で出発。いつも行く神岡の「もりのや」に行きたかったのですが、どうやらこの日はお祭りで休みみたいです。仕方ないので近くのすき家で夕食を早々と済ませ、そのまま移動。途中山に入る最後のファミマで夕食後のおやつを購入。そこでSukeが選んだマンゴーアイス、「値段がわからんかった」とか言いながら会計して見たら、なんと328円!!!。3人の合計が500円ちょっとだったので私とNatsuの分を合わせた値段よりはるかに高いです。「材料見て、マンゴーだけだよ。」「たまには美味しいものを食べないと舌がダメになる。」とかグルメ気取りで全く反省していません。アイス代の分だけ働いてもらわないと割りが合わないので、ゴミ捨てとか命じましたが、さすがに大人しく従っていました。


現地到着とイカ

夕方18時半過ぎに現地に着くと、すでにいつものSさんが来ていました。実はSさん、先月末の夜中の3時頃にメールがあって、釣ったイカを自宅のところもまで持ってきてくれてました。でもその日は私は出張中。朝まで待って家族が起きてきてからでもいいよとか言ってくれたのですが、あいにく家族は休日は寝坊で9時とか10時にならないと起きてこないので、泣く泣く御遠慮しました。その時のイカの写真を見せてもらいましたが、大きいものは30cmもありました。イカ刺しにしたら本当に美味しそうでした。

Sukeは早速星景写真。ピントが合わんとか言っていましたが、レンズの方がAFになっていました。直して何枚か撮っていました。下のがSukeの作品です。

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西の空で星が山に沈むところです。EOS kiss X5に3千円くらいで買ったキットレンズクラスのもので、撮って出しのJPEGですが、それでも楽しんで撮っています。露光時間とかISOはだいぶんわかってきたみたいです。でもこれどこの領域でしょうか?西の方だとは思うのですが。

前回カメラを三脚につけてパタンと倒したので、今回は反省してか撮影が終わったらすぐに外していました。Natsuは寒いと言って車から出ようともしません。

しばらくしたらKさん一家、看板設置をしていた代表のYさんとSさんが同じ車に乗ってきました。Kさんのお孫さんに当たるのでしょうか、いつもきている高校生の子が同じ高校の天文部に入った友達を連れてきました。岐阜の高校は天文部があるところもまだあるとのことです。まだ星を始めたばかりというので、今は昼間の活動だけみたいです。この観望会をきっかけに星をもっと好きになってくれると嬉しいです。

今回Yさんにある本をもう読まないからと頂きました。クリストファー・ウォーカー編、山本啓二点川和田晶子訳「望遠鏡以前の天文学」という本です。完全に専門書の類です。古代エジプトの天文学に始まり、メソポタミア、プトレマイオス、ギリシアと続き、紀元後からルネサンスへと続きます。最後の方には中国を含むアジアの記述もあります。最後の結論がすごいです。「古代の天文学者が残した観測記録がなければ、われわれは、宇宙の遥かなる広がりの中や、地球それ自体の上で起こる多くの変化に気づかなかったかもしれない。現代の天文学者が、十分な装備を持たずとも勤勉であった先人たちに感謝するのは当然である。」ということです。私もその通りだと思います。古代天文学の知識はあまりないのでじっくり読みたいと思います。


そのうちにO一家も到着。いつものS君とYちゃんです。S君はもう高2で今は愛知の全寮制の高校に通っているそうです。連休ということで飛騨に帰ってきていました。駅から観望会に直行だそうです。でもみんな薄着で寒そうです。小学4年生のYちゃんはなんとスカートで生足。さすが子供です。全く寒さは気にならないみたいです。私も子供の頃は半ズボンで普通に過ごしていたことを思い出しました。

この日は寒くて曇っていたせいのか、流石に一般の人は誰もきていませんでした。子供たちは寒くてすぐにドームにこもってしまいます。のぞいてみると、星を見てるんだだ単におしゃべりをしてるんだか、よくわからないです。話を聞いていると学校の先生の悪口とか、社会はつまらんとか、先生のモノマネとか、本当にろくなことを話していません。まあ楽しそうなのでいいのでしょうか。


電視観望とドーム

私は電視観望です。この日は雲が結構多かったのですが、沈みかけるオリオン座大星雲をまず見ました。もう春です。このオリオン座も程なくして山の端に沈んでいきました。次に見たのがM51子持ち銀河
です。これは結構迫力があるので受けがいいです。

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最後に見たのがしし座の三つ子銀河。今日は雲が多かったので雲の合間合間に見ていたような感じです。電視観望では雲が流れていく様子もわかるので面白いです。他にもばら星雲とか、終わりがけにベガも東から上がってきたのでM57を入れようともしましたが、雲に覆われていてあまりみることができませんでした。ちなみに下のは雲越しに見たばら星雲。必死に炙り出してこれくらいです。うっすらバラの形が見えているのわかるでしょうか?雲さえなけばもっと見えるはずですが、この日はほとんどこんな感じでした。

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一方ドームの方は少し調子が悪かったです。Yさんに聞いたら電気系の制御ボックスに冬の間にカメムシとてんとう虫が入り込んでいてショートを起こしたみたいで、先日取り換えたとのことです。虫達にとっても暖かかったのでしょう。この日はPCとモータをつなぐケーブルが少し調子が悪くて、ステライメージ9で操作をしていてもケーブルを触ると切断されてしまいます。いったん切断されると再接続とかしようとしてもダメで、いったんステライメージを落として、再度立ち上げないと再接続できません。これが3ー4回起こりました。ケーブルのせいなのか、コネクタのせいなのかなどはまだ不明ですが、ケーブル類に触らないように気をつければ大丈夫みたいです。でもこの日は雲が多くて、ドームの方ではテストでシリウスとプロキオンとアークトゥスルを入れたくらいでした。


コスモス天文台と富山県天文学会

雲も多く、とても寒くて、代表のYさんが風邪気味とのことで、この日は22時過ぎに解散となりました。詳しくは下を見ていただきたいのですが、来週には飛騨コスモス天文台と富山県天文学会の合同の観望会があります。「また来週」といって帰路につきました。自宅に着いて見たら、この日は雨が降った後か透明度がすごくいいようで、低空の星もくっきり見えていました。ただ、雲が残っているのは同じで、この日は眠かったのでそのままベッドに潜り込みました。



GWの予定

GW中の天文関連の予定です。もしどこかで顔を合わせたら「ブログ見たよ」とでも声をかけてください。青いFS-60CBで電視観望をしていたら多分私です。
  • 4月30日の夜から5月1日午前3時頃まで、(変更になりました) 5月1日19時から5月2日午前3時まで名古屋の高校生の智志君がTwitterで呼びかけている、岐阜県の藤橋城駐車場での観望会に参加します。電視観望機材を持っていこうと思います。ただ、天気が心配。曇りだった予報が雨になっています。
  • 5月1日の午後1時くらいから、名古屋の名城公園スターバックス横で、少し前に太陽を始めた名古屋在住のkymさんと太陽観測。私は10cm魔改造PSTを持っていって、太陽電視観望をしてみようと思います。興味がある方は是非来てください。太陽も面白いですよ。でもこちらも天気が心配。
  • 5月2日、まだ未定ですが2日もそのまま名古屋にいたらスコーピオに行こうと思っています。13時開店なので、その頃に行こうと思います。余裕があればスターベースに朝から行っているかもしれません。でも前日1日が天気が悪くて太陽がダメだったら、この日はリベンジするかも。ここら辺もまだ少し未定です。
  • 5月6日の連休最終日の月曜日、19時から21時まで飛騨コスモス天文台と富山県天文学会の合同観望会を開催します。参加無料、一般の方にも呼びかけています。お子さん大歓迎で、惑星輪投げや、クイズ大会など、豪華天文グッズが当たるかもしれません。 場所はgoogleの地図で「飛騨コスモス天文台」と検索してください。数河高原のラグビー場の駐車場です。こちらは寒いので防寒具必須です。 -> 雨天の方のため中止となりました。

Twitter
でも呼びかけるつもりです。 よかったらフォローしてください。

星座用のビノがたまってしまいました。いつの間にやら7個です。今回は実際に見たときの感想も含めて、それぞれレビューしてみます。

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左上から下に向かって、
WideBino28(新)、WideBino28(旧)、星座望遠鏡(双眼)、星座望遠鏡(単眼)、
右に移ってテレコンビノで、cokin、JAPAN OPTICS(?)、Nikonです。

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接眼レンズ側です。cokinのレンズ径の大きさが群を抜いています。



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ケースやキャップなども一緒に。順序は上と同じです。

タイトルには星座用ビノと書きましたが、正式な一般名称がよくわかりません。もともと2倍テレコンを利用して自作していたのが主流だったこともあり「テレコンビノ」と呼ばれていることもあります。商品名になるのでしょうが「星座望遠鏡」は分かり易い名前だと思います。でも一般の人にはそれでもなんのことやら、星座用の望遠鏡って???だと思います。「星座観察用双眼鏡」なんて長い呼び方もあるようです。とりあえずここでは「星座ビノ」と呼ぶことにします。


星座ビノとは

ここで少し、どれくら星座ビノがすごいのか説明しようと思います。まずこれらのビノを昼間にのぞいてもほとんどその価値はわかりません。ちょっと拡大されるだけで目で見るのとあまり変わらない。なんでこんなものにこんな値段を出すのか、全くわからないと思います。実際私がそうでした。原村の星まつりで昼間にのぞいても全然理解できなかったのです。でもこれを夜に、しかもある程度の光害地で使うと評価は全く変わります。大抵は「何これ!」「めっちゃくちゃ見える!」「こんなに星があるの!」と驚嘆の声を上げることでしょう。


見える星が増える理由 

見える星の数が増える理由はひとえに低い倍率にあります。普通双眼鏡というと10倍とかそこそこの倍率で、一見倍率が高い方がいいと思ってしまうかもしれません。ところが星座ビノの倍率はどれも2倍程度です。この2倍というのが非常にバランスが取れた倍率なのです。2倍の倍率ということは、2x2=4で4倍暗い星まで見ることができます。これはビノをのぞいたときに一辺2倍の長さに拡大してみるということなので、面積で考えると4倍に拡大してみることになります。すなわち明るさは4分の1になるわけです。ところが星は点光源なので、面積がなく広がらないために明るさは変わりません。星の明るさは変わらず周りの明るさを4分の1にするので、4倍暗い星まで見えるということになります。

では4倍暗い星(明るさが4分の1倍の星)とはどういうことでしょう?星は等級という単位で明るさを表します。都会や光害地では肉眼ではせいぜい2等星程度までしかみることができません。3等星まで見ることができればまだそこそこ暗いところになりますい。この等級という単位、2等級の差があると明るさは5倍違います。星座ビノでは4倍くらいの暗い星を見ることができるので、ざっくり2等級近く暗い星まで見ることができます

では等級ごとにいくつくらいの星があるのでしょうか?

1等星:21個、2等星:68個、3等星:183個、4等星:585個、5等星:1858個、6等星:5503個

だそうです。たとえば2等星までしか見えない都会や光害地では約90個の星が見えます。これが2等級余分に見えるようになって4等星まで見えるとすると、約850個にまで見える数が増えます。なんと約10倍の数の星が見えるのです。実際には上の表には南半球で見える星も入っているので、数としては半分程度ですが、10倍近くの数の星が見えるようになるということは変わりません。高々2倍倍率を上げるだけで、10倍近くの星の数が増えるというのだから効率がものすごくいいのです。

では調子に乗ってさらに倍率を上げたらどうでしょうか?確かにより暗い星までみえるので、見える星の数は増えます。が、今度は視野が狭くなって「一度に」見える星の数が減ってきます。しかも狭い範囲を見ることになるので、いったい空のどこを見ているかがわからなくなってくるでしょう。この2倍程度という倍率は、大多数の星座の一つ一つがすっぽり視野に入るくらいの倍率なので、自分がなんの星座を見ているかすぐにわかるのです。しかも星座にある小さな星まで見えてくるので、星座早見盤と見比べながら星座を自分で一つ一つ確認して形をトレースすることができます。自分でやってみるとわかりますが、これはかなりおもしろいですよー。星座ってホントにこんな形を結んでできているんだと実感することでしょう。こんな理由から「星座」ビノなんて呼ぶのが適しているのかと思います。

2倍という倍率は本当に微妙で、覗いてみてもあまり視野が狭くなった気がしません。もちろん視野は狭くなっているのですが、人間の目が焦点を合わせられる範囲はそれほど広くはないので、ちょうどそこらへんの範囲と、星座ビノで視野が狭くなる範囲が一致するくらいにあるためだと思います。一方星の数は上の理屈通り、本当に増えて見えます。これはびっくりするくらい増えたように感じます。「わー、こんなに星が隠れてたんだー」という言葉を発したくなるくらいです。

さて長くなりましたが、いよいよレビューといきます。まずは現行機種で、簡単に手に入れらるものからです。


現行機種

WideBino28

販売: 笠井トレーディング
倍率: 2.3倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で39mm、接眼側が実測で8mm)
入手方法: アマゾン、各種天文ショップ
値段: 1万6千円程度

長所: 入手しやすい。歪みは少ない。おすすめ。
短所: 接眼側の径が小さい。ピント合わせが軽いので首からぶら下げておくと服とかに当たってずれる。光軸中心から目がずれると大きくぼやける。現行機種の中では少し値段が高いほう。


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私が一番最初に手に星座ビノです。星を始めた年の原村の星まつりで見たのが最初です。もっとも、その時は価値を全く理解できずに、「なんだ大して拡大もしないのに高い双眼鏡だなと」思ってしまいました。望遠鏡で暗い星が見えるようになる理由がわかってから、天の川を倍率の低い双眼鏡で見たらどうなるのだろうと思った時に、初めて「あ、だから原村であんなのが売ってたんだ!」とやっと理解できてすぐに入手しました。

もともと笠井トレーディングからの販売で、私はKYOEIで買いましたが、一般の天文ショップでも売っています。今ではAmazonで手に入れられるとのことで、とても入手しやすくなっています。たまにヤフオクとかで元の笠井よりも高額な値段をつけてあることがありますが、専門業者でもなんでもないところが高く売りつけようとしているだけなので、こんなところでは買わないように注意してください。

とても見やすく、値段もそこそこ。入手性もよく、一番おすすめです。ピントも合わせやすいですが、つまみが軽くて、首からぶら下げていると服とかに当たって勝手につまみが回ってしまい、ピントがずれてしまうことがよくあります。見え方も特に不満なく、よく見えます。倍率も2倍より少し高いので、多少暗い星まで見ることができます。

接眼レンズが少し小さいのですが、視野に関しては特に不満はありません。光軸中心から目の位置がずれると大きく像がボケるのが気になります。なんでこんなことを書くかというと、子供はなかなか上手く光軸中心に目を合わせられないからです。子供は最初はピントを合わせるのさえも難しいです。大人なら多分全く問題ないです。

私としては入手性や見え方なども考え、これが一番おすすめで、とにかく迷ったらこれです。


星座望遠鏡(単眼、両眼)

販売:  スコープテック
倍率: 1.8倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で42mm、接眼側が実測で20mm)
入手方法: アマゾン(単眼双眼セット)、各種天文ショップ
値段: 単眼7千円程度、両眼1万4千円程度

長所: 現行機種では接眼側のレンズ径が大きい。入手しやすい。日本での開発、設計で、スコープテックが日の出光学に持ち込んで企画したもの。単眼だと一番安価(ただし、この記事を書いている間に笠井から最安値のCS-BINO 2x40が販売されました)。
短所: 周辺が少し歪む。

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発売は2017年だったと思います。原村星まつりで販売された直後のものをスコープテックのブースで手に入れました。もともと単眼で売っていたものを、去年2018年の原村の星まつりの頃に両眼アダプターの販売が始まりました。2つとアダプターを買うと双眼になるというものです。私は双眼の方も原村の星まつりで手に入れました。今では双眼用のセットとして、2つとアダプターが一緒になって売っているようです。

私が買った時は全部単眼(合計3つ)でレンズキャップがついてこなかったですが、今は単眼のものは対物側のキャップは付属するみたいです。でもアマゾンの写真を見ている限り、双眼セットにはキャップがついてこないように見えますが、どうなのでしょうか。

倍率が1.8倍とより視野を広く取れる代わりに、暗い星までは少し見えにくくなっています。光軸ずれに対しては上のWideBino28よりはるかにマシですが、周辺像が少し歪みます。でも実は、星座ビノ一般に言えることですが、歪みは昼間は目立って気になるかもしれませんが、夜に星を見ているとそこまで気にならないです。

値段が安いのも特徴で、試しに単眼でというなら7千円程度で購入できます。倍率も低いのであっさりした見え味が特徴でしょうか。でもこのあっさりというのは、コストも考えたらなかなかできるものではなく、日本のメーカーという特徴が出ている一品だと思います。とりあえず単眼で試してみたいというのならこれ一択です。


その他、現行機種

現行機種でまだ購入していないものが2つ (3つ?) あります。VixenのSG2.1×42とサイトロンの星空観測双眼鏡Stella Scan 2x40です。Vixenのは現行機種では結構高めなのと、サイトロンのは店舗に行ったときに何も欲しいものがないときに買おうと思ってとってあります。特にサイトロンのものはケーズデンキで購入することもできるので、天文ショップなどがないところでも、実際のものを見て決めることができると思います。これらはいつか購入したらまたレビューしたいと思います。

さらにこの記事を書いている間に、つい先日WideBino28を販売している笠井トレーディングからCS-BINO 2x40という星座ビノが発売されましたが、どうやらこれはサイトロンのものと同等の色違いらしいという噂があるのですが、実物を見たわけではないのでわかりません。単眼でも販売しているようで、価格もかなり戦略的なものになっていて、星座望遠鏡よりも安価になっているようです。(追記: 初出でCS-BINO 2x40の販売元を間違ってしまいました。ご迷惑をおかけしました。)


旧型機

ここからは現在では普通には販売されていない、多少入手困難なものです。入手順に書いていきます。普通のお店で手に入れるのは難しくなりますが、それでも特筆すべき特徴を持ったものもありますので、参考に書いておきます。


旧型WideBino28

まずはWideBino28の旧型。

販売: 笠井トレーディング
倍率: 2.3倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で39mm、接眼側が実測で8mm)

長所: 歪みは少ない。
短所: 接眼側の径が小さい。光軸中心から目がずれると大きくぼやけるのは現行機種と同じだった。

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三重県のアイベルに行ったときに入手しました。現行機と違って白色がベースです。笠井のページで見ると、旧型機でも黒いので、さらにもう少し昔のもかと思われます。適合目幅や重量など多少違いはありますが、倍率など大きなところは同じです。見え味も現行機とほとんど変わらない印象です。中古のせいか、紐がついていなかったりキャップがなかったりします。安く入手できるのでなければ、現行機を買ったほうがいいかと思います。



テレコンビノ

ここからはテレコンビノと呼ばれる、デジタル用の2倍程度のテレコンを双眼用に自作したフレームに取り付けたものになります。基本的にピントを合わせる機構がないので、目が悪い人は星もボケて見えてしまいます。その代わりにレンズ径が大きいので、メガネをかけても視野が狭くなりません。目が悪い人はメガネをかけて見るほうがいいです。


cokin テレコンビノ

販売: ケンコートキナー (DIGITAL TELE LENS-200-52mm)
倍率: 不明、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡とほぼ同じなので1.8倍?
口径: 対物側が実測で65mm、接眼側が実測で38mm

長所: とにかくレンズ径が大きい、ピント合わせをする必要がない(できない)ので、子供でも扱いやすい。
短所: 周辺ひずみが大きい。分解能が少し劣る。

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cokin製の2倍のテレコンを利用した自作のビノです。昨年の小海の星フェスで、趣味で作っているという方から手に入れました。このビノの特徴はとにかくレンズ径が大きいことです。対物側も大きいのですが、接眼側もそれに負けないくらい大きいのが特徴です。そのためすぐに星を視野に入れることができて、ほとんど迷うことなくすぐに見ることができます。初心者の方、特に子供に大人気です。観望会でも「これが一番いい」という方が多いです。欠点はピント調整ができないこと。これはテレコンビノに共通で、私はこのピント調整ができないということを最初知らなくて、購入してから「あ、しまった」と思いました。ところが意外や意外、観望会では調整をする必要がない(できない)ので、逆に扱いやすく、これも一番人気の理由です。このことが元で、もっとテレコンビノが欲しくなり、下の2種を最近ヤフオクで落としました。

ピント調整ができないと言っても、パンフォーカス(被写界深度を深くする事によって、近くのものから遠くのものまでピントが合っているように見える)なので、調整がないこと自体は気になりません。それでも目が悪い人はそれなりにしか見えないので、眼鏡をかけて見たほうがいいです。私は最近度が進んでしまっていてメガネがあまりあっていないので、ちょっとボケてしまいます。

見え味ですが、レンズが大きく見やすいのはとてもいいのですが、かなり歪みます。夜だとあまり歪みが気にならないのと、レンズ径が大きいのには代え難い扱いやすさがあるので、もし入手できるのならこれはかなりおすすめです。ただ、分解能が少し劣るのを不満に思う方がいるかもしれません。


メーカー不明 テレコンビノ

販売: 不明、JAPAN OPTICS? (DIGITAL HIGH DEFINITION 2X TELEPHOTO LENS)
倍率: 公称2倍?、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡とほぼ同じなので1.8倍?
口径: 対物側が実測で45mm、接眼側が実測で31mm

長所: ひずみが少ない。軽い。安価だった。
短所: 多分入手がすごく困難。色収差が目立つ。分解能が少し不満。

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まだ購入したばかりなので、実戦では使えていません。でも明るいところで見る限り、歪みとかは少ないです。あえていうなら少し色収差が大きく、分解能が他と比べると足りないことがわかります。


Nikon TC-E2 テレコンビノ

販売: Nikon (Tele Converter TC-E2 2x)
倍率: 公称2倍、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡より倍率は高く、笠井WideBino28よりは倍率が低い。
口径: 対物側が実測で52mm、接眼側が実測で17mm

長所: ほとんど文句がない。キリッとしていて、ひずみも少ない。意外に入手しやすい。
短所: 中古だが、最近レンズ単体が高騰していて高い。

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念願のNikon TC-E2を使ったテレコンビノをやっと手に入れることができました。以前、小海で実物を見せてもらったのですが、見え味は素晴らしかったです。その時は他に買いたいものもあり手が出ませんでしたが、ヤフオクで手の届く値段で出ていたので今回落札しました。ところが、フレームの作りやパッケージがcokinのテレコンビノとよく似ています。もしやと思ってヤフオクで連絡を取ってみたら、小海でcokinを売ってくれた方と同じ人で私のことも覚えていてくれていたらしく、Facebookでも友達になってしまいました。この方はまだいくつもNikonのTC-E2を持っているとのことで、最近フレームを大量に作ったのでこれからもいくつか販売するらしいです。フレームを自作するのは結構大変そうなのと、テレコン自身も高騰しているのですが、こういった方から入手できるというのはありがたいことです。

見え味は改めて見ても素晴らしいです。歪みも色収差も少なく、これがテレコンの最高峰と言われている理由がよくわかります。接眼側のレンズ径がcokinには負けているので、子供とかの評価ではパッと見の視野は負けるかもしれませんが、大人なら間違いなくこちらの方が見え味に納得すると思います。


まとめ

7機種(実質はWideBino28が新旧の違いだけ、星座望遠鏡が双眼と単眼の違いだけなので5機種)をじっくり見比べてみました。1機種だけだとあまり気にならないことも、さすがにこれだけ一度に見比べると違いがよくわかります。Nikonは間違いなく見え味は最高でしょう。ピントを合わせられないのが唯一の欠点と思えてくるくらい、本当に素晴らしいです。今ならまだ入手することもそれほど難しくはありません。笠井のWideBino28は現行機種の中ではおすすめです。SCOPTECHの星座望遠鏡は双眼で買っても2つの単眼として二人で使うこともできるのでお得です。私は持っていませんが、サイトロンのStella Scanは全国にあるケーズデンキで実物を見ながら購入できるので、こちらもいいかもしれません。

色々比べましたが、基本的にはどの機種を持っていっても、実際の星空を見ればびっくりするでしょう。本当に「こんなに星が隠れてたのか!」というのを実感できるはずです。一般の方にはこんな小さな双眼鏡にしては少し高価に感じるかもしれませんが、下手な望遠鏡とか、倍率の高い双眼鏡よりもはるかに楽しかったりします。まだ経験されたことがない方は、騙されたと思って是非とも一度お試しください。

つい先月の末にも天ショップ巡りをしましたが、今月も関東方面に用事があり少しだけ時間が取れたので、秋葉原でスターベースとKYOEIに行ってしまいました。

スターベース

まずはスターベースです。

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ここで面白かったのは、仲のいいS君に紹介された新人のK君です。4月からアルバイトで来ているとのことで、上の写真にも姿が写っていますが、入店した時にちょうど店の前で鏡筒を触っていました。「あ、見慣れない人だ、ずいぶん若そうだな。もしかしたらメーカーの人かな?」とか思っていましたが、スターベースでのアルバイトさんとのことなので、これからも会うことができそうです。S君によると、K君はガチガチの眼視マニアだそうです。現在都内の大学院生で、高校の頃から天文部で活躍していたとのことです。でもよくよく話してみると、このほしぞloveログのことを知っていて、しかもTwitterでフォローしあっているということがわかりました。というか、ブログを相当読み込んでいてくれて、かなり突っ込んだ話をすることができました。眼視中心なのは撮影が大変だというのも理由の一つらしいのですが、この間のラッキーイメージの記事も読んでいてくれて、ラッキーイメージはガイドとかもなく機材がシンプルそうなので興味があるとのことです。

K君がせっかくの眼視マニアということで、これまでわからなかったことをいくつか聞いてみました。例えば「撮影用にいい鏡筒なのに、眼視用に向かないとはなぜか」とかです。単純に考えると撮影でアラが見えないくらい十分に使える鏡筒なら、眼視なんかは全然問題ないのではと思っていたからです。K君曰く、「眼視では中心像を強度に拡大することがあって、ディフラクションリングだとか見えた方がいいが、4隅はあまりこだわらないことが多い。逆に撮影用には4隅もこだわるために中心像だけを求めるようなことはないので、中心像だけを比べた場合、眼視に向いた鏡筒があるのでは。」とのことでした。私自身はあまり眼視のことはよくわかっていないので、本当に素人質問で申し訳なかったですが、わかりやすく答えてくれました。

実はスターベースのブログでFOA-60を使って、鉄道や航空機をものすごくシャープにとっているページがあって、かなり興味を惹かれていたのですが、ちょうどK君が触っていたのがFOA-60でした。アイピースのチェックをしているとのことで、少し見せてもらいましたが、ものすごくシャープに見えました。しかも軽いとのことなので、確かに長焦点レンズとしても使えるのかと思います。私も今度、手持ちのFS-60Qで航空機とかの撮影を、一度試して見たいと思っています。

あと、ちょっと前にTwitterで知り合った高校生の話が出ました。高校生でなんと光学設計までやってしまうような子なのでもう完全な天文マニアかと思いますが、K君も彼のことを知っていたので、一部で話題になりつつあるようです。彼が今度、岐阜で観望会を企画しているようです。ちょうど元号が変わる日の夕方から夜中にかけてで、私もたまたま近くに行くので、できたら電視観望機材を持って参加しようと思っています。「こんな子が将来光学設計とかの道に進んでくれたらなあ」とか3人で話しながら盛り上がっていました。スターベースのS君もK君も、高校生のS君も期待の若手です。この分野を引っ張っていってくれるような存在になってくれると嬉しいです。アマチュア天文界が、若い人や女性も含めて広がっていくような、未来のある分野になっていってくれればと、切に思います。


KYOEI

その後、夕方遅くにKYOEIに移動しました。途中、アイドルらしき女の子たちが走っているバスの中で歌って踊っているのを横目にKYOEIまで向かいました。

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秋葉原もどんどん変遷しています。私が初めて秋葉原を訪れたのは大学で東京に出てきたときでした。その頃は電気街とかパソコン街とかいう雰囲気でした。天文を初めた3年前からでさえも、秋葉原の天文ショップは変わっています。4件あった天文ショップが、今は2件だけなので少し寂しいですね。せいぜいそこにヨドバシとキタムラが加わるくらいです。もう少し天文とかカメラ関連で回れる店が増えるとより楽しいのですが。

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さて、KYOEIではずっと欲しかったZWOのフィルターホイールを購入しました。電動の5枚のフィルターを入れることができるものです。在庫切れのところが多かったのですが、KYOEIさんが在庫をもっていたので、無事に購入することができました。開けてみたら細かいネジやら、多分フィルターを固定する薄い板だと思うのですが、これが何枚もとか、いろいろ部品が入っていました。これで手持ちのバーダーのRGBフィルターと唯一のモノクロのASI290MMで少し遊べそうです。惑星も今年はRGB撮影に挑戦しようと思っています。いつかナローバンド撮影とかもやってみたいと思いますが、そちらは一からフィルターを揃える必要があります。

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もう一つ、最近話題になっているケンコートキナーのスターリーナイトフィルターが欲しかったのですが、どうやらちょうど次の日発売で、しかもサイズがいろいろあり、大きいのは結構高いとのことで、今回は手に入れることができませんでした。Samyangの14mmには大きいものでもそのままでは取り付けることができないそうです。なので購入する際にはどのサイズをどうやって取り付けるかをきちんと考えなかればダメみたいです。

と、こんなことを含めていつもの仲のいいMさんとずっと話しをしていました。MさんはRevolution Imagerの頃からいろいろ相談に乗ってもらい、いつも親切にしてくれるのでとてもありがたいです。この日も、星や機材ネタ、鳥のことなど、話は多岐にわたります。最後はインフレーションやビッグバンのことまで話が広がりました。そんな中で、先週撮った黒点の画像を見せたら流石にびっくりしていました。このブログをずっと読んでくれている方はわかるかと思いますが、あの太陽画像は、実売の1/4位で買ったジャンクPSTと、貰い物(実売価格も全然安価だったみたいです)の10cmのアクロマート屈折の魔改造機で作ったもので、機材としてはとてもじゃないですが高性能とは言い難いものです。単に値段と口径のみが取り柄で、高級機と比べたら操作性やらエタロン精度やら、欠点も数え切れないほどあります。撮影に使ったカメラのASI290MMだけはKYOEIさんで(めずらしく)新品で購入しているので、その成果をお見せできたような形になります。それでも私的にはこの機材でここまで撮れれば結構満足だったのですが、そのことを話すとMさんも大いに喜んでくれました。いつも小物ばかりの購入で話を聞いてもらって申し訳ないです。

あともう一つ、途中の「あきばおー」というお店で7インチの小型のモニターを購入しました。Stick PCのモニター用です。Remote desktopですんなり繋がればいいのですが、最悪遠征先とかで繋がらなかった場合の非常用です。IPS方式というもので、小さいですがデモを見る限り結構綺麗に表示できるみたいです。

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とこんな調子でお店を回っていたら、今回はいくつかモノを購入してしまいました。最近はできるだけ無駄遣いは控えようと思っているのですが、ホイールも小型モニターも前々から欲しいと思っていたものなので、その場で見てしまうとどうしても手が出てしまいます。まだ小物だからなんとかなりますが、大物だけはその場の雰囲気で買うことは、今の所かろうじて止めることができています。でも鋭い星像の大口径の鏡筒がものすごく欲しい今日この頃です。はい、値段もものすごいことになるので実際はおいそれとは手が出ません。


先週4月13日、土曜日の太陽黒点は、シンチレーションの観点からもどうやら相当状況が良かったようです。休日だったこと、久しぶりの大きな黒点だったこともあり、他の方の画像も随所にアップされていました。これまでほとんどの場合疑似カラーで画像処理をしていたのですが、コントラストの観点からか多少情報が出にくいようで、モノクロので処理してみました。

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カラー画像と比較するとわかりますが、モノクロの方がコントラスト的に細部がより鮮明に見えます。黒点などは無理に疑似カラー化せずにモノクロの方がいいのかもしれません。

その後、17日と19日、時間を少しだけ見つけて撮影を試みました。17日は夕方太陽が沈む寸前でさすがに低高度で厳しかったこと、19日は昼間でしたが、薄い雲がちょうどかかっている時間しか取れなかったの、いずれも13日の画質にははるかに劣ります。

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2019/4/17、西に沈む寸前。


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2019/4/19お昼頃。新たな黒点が左上に見えています。

画像のクオリティの違いを除いても、どうやら活動がすこし弱くなってきたように見えます。また、19日の画像には小さいですが新たな黒点が出てきたことがわかります。昨日19日の時点でかなり西寄りになっているので、週末には活動領域をまた真横から見ることになりそうです。再びジェットのようなものを撮影できると楽しいのですが、天気はどうなのでしょうか。土曜日は撮影できないので、日曜にかけていますが、どうやらちょっと天気は期待できなさそうです。

13日の画像はおそらく口径で制限された分解能に達しつつあるようです。本格的に20cm計画を再稼動しようかと思っています。

ラッキーイメージングを少し始めたのですが、どうも腑に落ちません。トラベジウムの分離がイマイチできていない気がするのです。


星像の大きさについて

もともとは、MEADEの25cmシュミカセで0.1秒と1秒と10秒で星像を比べたのがきっかけです。もしシーイングが悪いせいで揺らぐなら、露光時間が短い場合と長い場合で、星像にあからさまに差がつくはずです。ですが、結果は差はつきますが本当にごくわずか。いろいろ試していたとき気づいたのが、そもそも中心像でもボタっとしていて、星像が大きすぎるのではないかということ。

それでも念の為ですが、M42を高解像度で撮ったと言われている、他の方の、すでに画像処理を施した他とトラペジウム周りを見比べてみると、自分のものはベストではないが、それほど悪いわけでもなさそうです。画像を見比べただけの分離度はそんなに差はありません。

また、もう一つ気づいたことがあって、微恒星がどこまで出るかも一つの指標になりそうです。例えばトラペジウムだけを分離度よく見せかけようとしたら、画像処理でどうにかできてしまいます。でも微恒星が写るかどうかは解像度に結構依っているようで、トラペジウムだけよく分離しているように誤魔化しても微恒星が出てこなくなります。なので、微恒星も同時にみるとどれだけ分解能が出ているかが判別しやすくなります。


目的

と、ここまでが前置きで、今回試したかったのは果たして理屈の上ではどれくらいの分解能があるはずで、実測した分解能とどれくらい乖離があるかを見極めることです。

もともとの目的は、今の手持ちのMEADE25cmおよびC8の性能がきちんと出ているのか、まだ性能が引き出せるい可能性があるのかを探りたいということです。要するにボテっとしている星像はこんなもんで正しいのか、それとももっと改善できるかが知りたいのです。

今回検討したことは4つ。
  1. エアリーディスク(Airy disk)
  2. レイリー限界(Rayleigh criterion)
  3. スポットダイアグラム(spot diagram)
  4. シーイング(seeing)
です。


エアリーディスク

エアリーディスクによる星像がどのようになるかですが、式の上ではエアリーディスク径Dairy

DD=2.44Fλ

のようになります。ここで、は鏡筒のF値で、λ は波長です。ただ、エアリーディスク径といっても、式だけみると一体どこの径のことを言っているのかよくわかりません。よく調べてみると直径とのことです。それでも直径といってもどこのことなのか?これはなぜこの式が出てきたのかの導出を調べるとすぐにわかります。エアリーディスクの振幅は横軸を星像の半径方向、縦軸を振幅ととると1次ベッセル関数で表すことができます。式としては
2J1(x)/x

となり、半径 の関数である1次ベッセル関数 J1(x) を半径xで割ったような式です。この式の導出自身は平面波仮定した波素を無収差レンズに入れた時に、結像点でどのような振幅になるのかを積分してやるのですが、ここでは式の導出自体は目的ではないので、解説はその他専門の文献に譲ります。

上の式は振幅なの、実際の光強度にするためには2乗してやる必要があります。2乗したものをグラフに表すと、
airydisk

のようになります。エアリーディスク径といっているものは、このグラフで0からみて正負の方向に最初に0になる点の間の距離のことを言います。この点を求めるのはちょっと面倒なのですが、Mathematicaなどがあれば

In[192]:= FindRoot[(2 BesselJ[1, x]/x)^2 == 0, {x, 1, 5}]

Out[192]= {x -> 3.83171}

のように簡単に求めることができます。最初にゼロになるxは+/-3.83程度とわかります。

なんでこんなことをするかというと、実際の星像では強度がゼロになるところなど見えるわけがなく、普通真ん中が明るくて徐々に暗くなっていくような正規分布のような強度を持っているものにはFWHM(Full Width Half Maximam, 半値全幅)といって、最大強度の半分になるところの直径で評価します。

ではエアリーディスクのFWHMはどれくらいでしょうか?先ほどの式を2乗したもので、今度は0ではなく0.5になるようなところを求めればいいということになります。

In[198]:= FindRoot[(2 BesselJ[1, x]/x)^2 == 0.5, {x, 1, 5}]

Out[198]= {x -> 1.61634}

で、xが+/-1.62程度です。上のグラフで見ても実際にそれくらいのところですね。 なので、エアリーディスクの式を1.62/3.83=0.42倍したものがFWHMでみたエアリーディスクからくる星像と考えることができます。波長は目視の標準的な緑の550nmを選び、例えばC8の場合F10を考えると

DC8,FWHM=2.44Fλ=2.44×10×0.55[um]=5.66[um]

となり、FWHMでみたエアリーディスク径は5.66[um]となります。

これを現在使っているASI294MCProで何ピクセルに相当するかも見たいので、画素ピッチ4.63[um]で割ってやると、1.22[pixel]となりますが、これだけみるとエアリーディスク径とピクセルサイズが大体同じくらいと、ずいぶん小さいことがわかります。

さらに、um(マイクロメーター)単位のものを秒角(arcsec)で表すために、umからarcsecに変換することを考えておきます。式としては

Cumarcsec=tan(12×60×60π180)×2×f×1000

となり、焦点距離 に依存します。基本的にはある焦点距離のレンズを通したものが、ある大きさ[mm]のセンサー面で結像し、そのセンサーの大きさを単位1としたという意味です。tanの中のセンサーの大きさ「1」を2で割っているのは、センサーの真ん中から片側分の大きさで決まるからです。3600で割っているのは秒から度にするため、あと、Excelなどの関数で計算する場合は単位がラジアンなので度からラジアンへの変換係数として180度で割って、πをかけています。最後の1000倍はセンサーの大きさを[mm]単位、エアリーディスクを[um]と考えたための変換係数です。

例えばC8の焦点距離200mmを入れてやると変換係数は9.70[um/arcsec]となりますが、実はエアリーディスクがF値の関数なので、エアリーディスクのF値と変換係数の焦点距離fがキャンセルします。そのため、エアリーディスク径は視野角の秒で書くとF値や焦点距離にによらず一定で、FWHMで書いた場合0.584[arcsec]程度となります。


レイリー限界

レイリー限界を考えてみます。これも式は調べるとすぐに出てきます。

DR=127.5D[mm][arcsec]

鏡筒の口径[mm]だけで決まる量で、C8の場合の200mmを考えると、0.638[arcsec]となります。単位が秒角で出てくるので、上で求めた変換係数ををかけてやると、6.18umとなります。ん、FWHMで見たエアリーディスク径と結構近いですね。でもこれはある意味当たり前で、レイリー限界が、2つの同じ高さのエアリーディスクを並べた時に、片側の最初の暗いリングの中心が、もう片側の強度のピークと一致する距離と定義したからです。なので結局(元の定義の)エアリーディスク径の半分程度になり、一方FWHMで見た時のエアリーディスク径も元の定義の半分くらいになるので、同じような量になるわけです。

というわけで、結論としてはレイリーレンジはエアリーディスクと同じような原因なので、とりあえずここでは考えなくていいでしょう。

でもなんで一方のエアリーディスクは[um]で求めて、もう一方のレイリー限界は[arcsec] で求めるんでしょうね?両方ともarcsecで式を書いておいた方が、F値によらないので楽な気がするのですが。


スポットダイアグラム

だんだん、現実的になってきます。スポットダイアグラムはなかなか評価が難しいのですが、とりあえずC8相当の口径20cm、F10のシュミカセをLensCalでシュミレートしたスポットダイアグラムを元にします。緑の550nm付近が支配するくらいだと下からわかるように、黒い参照円の直径が20umなので、緑の部分は8um程度です。

IMG_6880

緑だけでなく、可視光とされる範囲の波長を考えると40umくらいになってしまいます。

IMG_6881

どの色までを考えるかはなかなか難しいです。実際の色のついた星をある波長依存性を持ったカメラで撮影して像を結んだものが、映った星像となるので、一概にはなかなか言えません。ここでは最大系として可視光を仮定します。

スポットダイアグラムは点光源とみなせる線素が多数入った時に収差によってどれくらいスポットが広がるかを示している図であって、少なくともLensCalではエアリーディスクの効果は入っていないようです。なので、それぞれの線素がエアリーディスク径を持つと仮定すると、スポットダイアグラムの外部にエアリーディスクの半径分の広がりを持つと考えることができます。スポットダイアグラムのFWHMは外周にある線素のエアリーディスクのFWHMだけ考えればいいので、下の手書き図のようにFWFMで考えたエアリーディスクの半径を外周に持つような台形に近い形となり、それをスポットダイアグラムの径と考えていいのかと思います。

IMG_6879

計算すると、スポットダイアグラムの広がりの40[um]にFWHMでのエアリーディスク径5.66[um]を足すことになって、45.66[um]。ピクセルに直して、9.86[pixel]です。かなり大きく、C8の場合はスポットダイアグラムが支配的なのがわかります。

ただしスポットダイアグラムを見てもわかるように、実際には端の方ほど密度が少ないので、このモデルは多分正しくなくて、やはりもっと中心が盛り上がったような、FWHMでは測ってももっと径が小さく出るようなモデルにするべきかもしれません。ここら辺は次の課題とします。


実際の星像と比較してみる

さて、実際に撮影した星像を見てみましょう。2019/4/4にC8でASI294MCPro撮影したものです。

IMG_6884


シーイングの影響を少なくするために露光時間25msecで撮影した動画から、一枚だけ抜き出してFWHM測定します。測定はPixInsightを使いました。そのままのRAW画像だとBayer配列なので、PixInsight上でDeBayerをして、測定したい星像を選択します。選ぶのは少なくともサチっていない星。さらにFWHM測定ツールがカラー画像には適用できないので、gray scaleに変換してから測定しています。結果は12.62[pixel]とのこと。計算より3割ほど大きいですが、まあまあの一致です。

ただし、例えばトラペジウムのところを3次元の等高線図で見てみると、

IMG_6882

結構尖っていてあまり台形っぽくないので、やはりモデルの方があまり合っていないかもしれません。実際にはスポットダイアグラムも端の方の効果が小さくなる気がするのですが、その一方でそのようにすると形ももう少し尖り、計算上の見積もり径は小さくなるので、結果としてはズレていく方向になってしまいます。

もう一つは観測時に鏡筒のピントや光軸がずれていた可能性があることです。ピントはSharpCapでFWHMが最小になるように合わせたので、それほどずれているとは思えませんが、光軸はあまり自信がないです。露光時間がもっと短ければ、さらに計算値に近づくかもしれません。ここら辺も次回もう少し見直すところでしょうか。


シーイング

やっとシーイングにたどり着きました。シーイングが悪いと、露光時間が増えていけば星像が大きくなるはずです。

ではC8で露光時間を先ほどの100倍の25秒かけて撮影した動画から一枚を取り出したものを見てみます。同様のFWHMを測定してみると結果は19.56pixel。0.25秒の時の倍近くなので、明らかに肥大しています。

IMG_6885

この大きさがシンチレーションで決まっているとすると、スポットダイアグラムで決まるような径を持った星像がシンチレーションで揺らされて、ランダムにある範囲内を動き回ると考えられます。スポットダイアグラム径と同程度のゆらぎの場合にはスポットダイアグラムの形や強度も揺らぐと考えられますが、ここではそれはないと仮定します。そのため簡単なモデルとしてはやはり、スポットダイアグラムの時と同様に外周にエアリーディスクの半径が付いた台形型の星像が得られるとします。

モデルからどれくらいのシーイングがあれば星像はどのくらいの大きさになる計算できます。実測が19.56umなので、先に求めたumから秒角への変換係数を用いると、25秒露光ではシーイングにより9.3秒角も揺らされていることになります。日本では2秒角だと静かな方で、3秒角くらいが平均、ひどいと10秒角くらいになるとのことです。確かにこの日シーイングはひどかったと考えられますが、一応C8の結果の9.3秒角は10秒角という範囲内で、評価はそれほど間違っていることはなさそうです。


MEADE 25cmで測定した時の場合

以上のことを、前回MEADEの口径25cm、焦点距離1600mmで測定した時の結果とも照らし合わせてみます。MEADEの場合、エアリーディスク系はFWHMで0.85[pixel]とかなり小さくなります。これはF値が小さくなるためです。そのためスポットダイアグラム、シーイングでも外周のエアリーディスク半径自身が小さくなるので、ともに星像の肥大が多少抑えられます。

例えば、前回
  • 0.1秒露光: FWHM = 6.952 pixel
  • 1秒露光: FWHM = 7.333 pixel
  • 10秒露光: FWHM = 8.108 pixel
という結果が得られましたが、これはあくまでスタックされたものです。それでも0.1秒露光の動画から一枚だけ抜き出してきてFWHMを測定しても6.0pixel程度とほとんど変わりません。スタックはそこそこうまくできていることがわかります。また、10秒露光でも肥大がそれほどないことから、この日はシーイングが相当よかったことがわかります。

例えば10秒露光で、もし星像がシーイングで制限されているとしすると、その揺れ幅はモデルから4.4秒角程度と計算できますです。C8で測定した時よりもはるかにシーイングの影響が少なく、揺れも少なかったものと考えられます。実際の動画を今更ながら見ても、ほとんど揺れていなかったことがよくわかります。トラペジウムのところで分離が悪いように見えましたが、あからさまにサチっていたので、これは何の評価にもなっていませんでした。

このような日はスポットダイアグラムで支配されるような星像がえられているはずなので、スポットダイアグラムがさらにいい鏡筒を選ぶことで、星像の大きさは改善されるはずですが、逆に言うとラッキイメージングで星像があまり改善されない日ということもできます。

本当はC8でやったような計算をMEADEの25cmでやりたかったのですが、MEADE用のスポットダイアグラムがなかなか計算できない、もしくは見つからないのです。なので、MEADEのスポトダイアグラムは適当に仮定していますが、もしこの日がシーイングの影響が小さくて、スポットダイアグラムがほとんど径を制限しているとすると、18[um]ほどになります。これが正しいなら、中心像に関してはC8よりもMEADEの方がはるかに性能がいいことになります。ただし、四隅のコマ収差はF値の2乗に反比例して悪くなっていくので、MEADEの方が(10/6.3)^2=2.5倍くらい大きく出るはずです。コマ補正は必須でしょう。


考察

モデル化などまだ不十分な点はありますが、それでも今回のことからいろいろなことがわかります。
  • 露光時間が長くなると星像が肥大化することが確かめられた。
  • 露光時間によって径が変わる範囲では、シーイングによる影響が効いていると思って間違いない。
  • C8で測定した日はシーイングが悪かったようである。
  • このような場合、星像の大きさは現実的に撮影するような1秒以上の時間単位ではシーイングに制限されている。
  • 1秒をはるかに切るような短時間露光では、シーイングの影響のない星像を得ることができる可能性があるが、明るさが足りない、撮影枚数が増える、スタック処理が大変などを考えると、あまり現実的ではない。
  • ラッキーイメージで露光時間を短くすれば星像の改善にそのまま繋がる。
  • MEADEで測定した日はシーイングが良かったようである。
  • 短時間露光のスタック方法も、特に問題ないこともわかった。一枚だけの星像の径と、スタックした後の星像の径を比較すればすぐにわかる。
  • このような日は鏡筒の、特にスポットダイアグラムの性能が効いてくるので、より性能のいい鏡筒が星像を改善する。
  • 逆に言うと、ラッキーイメージでの星像の改善をあまり望めない日でもある。
画像を見ただけでは実際の径は全然わかりません。階調圧縮や拡大でFWHM径は容易にかわってしまいますし、単に画像処理で小さく見せてしまうこともできます。サチらない範囲で星像を撮影して、きちんと測定することが大事です。


課題もまだあります。
  • スポットダイアグラムの中心と端の部分で同じように評価していいのか。端の方が密度が薄くはずなので、実効径はもう少し小さくていいはずである。また、波長によってスポットダイアグラムがちがうので、これも端の方がより密度が低く、実効径はもう少し小さくなるはず。
  • 超短時間で露光した場合は、スポットダイアグラムで支配されるような径に一致するのか?もしそうなら、それがスポットダイアグラムの実測径とすることができそうである。

結論

まず結論の一つとして言えることは、実際の撮影では、短時間露光の動画を見て、明らかに揺れている場合は露光時間を短くとるといいということでしょう。短時間露光の動画を見て、あまり揺れていなければ露光時間を延ばしてリードノイズの効きを緩和していった方が有利です。

それでは今回の元々の目的の、C8やMEADEで撮影した星像はおかしいのでしょうか?それとも正しかったのでしょうか?計算してみると、シーイングにかなり左右されますが、少なくとも説明できる範囲内には入っているようで、光軸など多少の改善の余地はあるものの、性能としておかしなことが出ていると言うことではないようです。

シーイングがいい時にはこの鏡筒の性能に制限されることもありますが、シーイングが悪い時には性能は何ら問題ではないということがわかります。ただし、ラッキーイメージングでシーイングの影響を除いていく時に、鏡筒の性能で制限される時がくることがあるはずです。それでも現実の1秒程度の露光時間でもまだシーイングが効いている(星像が揺れている)時には鏡筒はこのままで十分でしょう。ただしこれはあくまで中心像のみの話で、周辺像の例えばコマ収差が効いてくるような場合はシーイングの影響よりもスポットダイアグラムで見た径が効いてくるので、この補正をきちんとするなりする必要があります。四隅の短時間露光映像もきちんと見て、全然揺れていなければラッキーイメージの効果はあまりなく、むしろ鏡筒の性能を改善した方がいいということです。

いずれも、結論としては短時間露光の動画を見てスポットが動くならラッキーイメージングで鏡筒の性能に迫る努力をする、動かないなら鏡筒の性能で制限されていると判断して差し支えないと思います。


まとめ

色々長々と書きましたが、計算量は大したことはありません。これだけの検討でかなりのことが納得できました。ラッキーイメージングで露光時間をどれくらいにすれば価値があるのかもだいぶんわかってきました。次回以降、実際の撮影で試していきたいと思います。

 

週末の金曜日、夕方から天気がだんだん良くなってきたので久しぶりに牛岳に向かいました。実際には自宅でラッキーイメージを試すのか迷っていたのですが、星仲間のかんたろうさんから電話で「どこか富山で星見スポットに行きましょう」とのことです。牛岳がもう雪もないと聞いているのと、Twitterで学生さんたちも観望会かもという情報もあったので、牛岳に向かうことが決定。夕食後午後8時頃に出発しました。

私は21時前に到着しましたが、この日は半月前の月が出ていたのでまだこの時間では明るすぎるのか、誰もいません。空は6割ほどが雲で覆われていたのと、少し眠かったので車で仮眠をとっていました。21時半を過ぎた頃でしょうか、起きてみると学生らしき人影が見えます。空もすっかり晴れ上がっています。「こんばんは」と挨拶をすると富山県立大の学生たちでした。 少し話していると、星を見始めて星座のことになったので、星座望遠鏡を渡してみました。星座望遠鏡のことは知らなかったようで、実際に見える星の数が増えるのが実感できたみたいで、すごく喜んでくれました。早速スマホで購入できるか調べていたみたいです。

下の方に歩いて降りていくと、いつもの県天のメンバーがすでに何人か撮影準備をしていました。Oさんと、Kさんです。OさんはOrionの結構大きい鏡筒でオメガ星団狙いだそうです。程なくしてかんたろうさんから電話があり「今着いた」とのことです。すぐ目の前の車の中から電話をかけていたみたいで、そのまま無事に落ち合うことができました。かんたろうさんは富山に引っ越してきたばかりなので、牛岳の場所もよく知らなくて、牛岳を最初宇奈月の方かと勘違いしていたそうです。いやいや、八尾の上ですと説明し、無事に到着。確かにこの場所も、知らないとたどり着くのは夜だと大変かもしれません。この日はY君も途中から到着。Y君は先々週もも牛岳に来たそうです。Y君もかんたろうさんも県天に入会しそうな雰囲気です。仲間が増えていくのは嬉しいことです。

再び上のエリアに行くと、県立大の学生の数が増えています。それでもこの時点でまだ10人くらい。すごいのはここからです。富山大の天文同好会の学生がどんどんやってきて、最終的に車10台ほど、総勢40人程の、多分新歓観望会でしょうか、すごい人数になっていました。県天のK会長も上に銀次を出して観望と撮影。私も牛岳にこんなに人が集まっているのは初めて見ました。

この日は月が沈むのが午前1時頃。私は次の日太陽の黒点を撮りたかったので早めに退散するために撮影は諦めて、この日は電視観望のみです。学生さんにも少し見てもらいたいと思い、導入がてら月から初めました。

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ここで実際の月と向きが違うと指摘され、適当にカメラをセットしたことがバレバレです。気を取り直して向きを整えます。それでも月を拡大すると大気の揺らぎも見えることにびっくりしていたみたいです。

次に獅子座の三つ子銀河。

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うーん、なぜか粗いです。どうやら細部が出ない感じ。ここで勘太郎さんからフィルターのせいではとの指摘。と言うわけで常時つけていたQBPを外したらきれいに出ました。きれいに出た画面を撮り忘れてしまったのですが、どうも系外銀河などはQBPでは情報を落とすことがあるのかもしれません。恒星の集まりと考えたら白色光に近いので、正しい気もします。と言うわけで、これ以降はQBP無しでの電視観望です。QBP無しの三つ子銀河を学生たちに見せたら「実は今日これが見たかったんです。でも望遠鏡で見てたんですがなかなか見えなくて。こんなにきれいに見えるんですね。見れて良かったです。」と、いたく喜ばれました。その中の一人と話していると、なんと出身地が同じで中学校も同じ、小学校は隣だと判明しました。世間は広いようで狭いです。でも私が中学校にいたのはもう30年も昔のこと。今の大学生が中学にいたのはわずか5年ほと前なので、もうずいぶん様変わりしているはずです。それでも地物とのあの地域のガラの悪さはいまだに変わらないみたいで、妙に意気投合してししまいました。

もう一つQBPで面白かったのが、QBPを外してから月を見たときです。明らかに締まりがなくなっています。眠い感じです。もしかしたら明るいものはQBPを入れることでコントラストを上げるとかの効果を期待できるかもしれません。いずれ検証したいと思います。

他に見たのはM51子持ち銀河です。スタックさえしてしまえば結構きれいに見えます。これも学生たちに見せたら感激してくれていたようです。学生の中には大学に入ってから天文を始める人もたくさんいます。銀河を見たことがないことも多いので、やはりインパクトがあるようです。でも、4年生クラスでも電視観望を見たことがある学生はいなかったので「いやー、楽しいですねえー!」と電視観望の楽しさが少し伝わったみたいで嬉しかったです。

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あと、見たのはM13とかくらいでしょうか。意外にダラダラと話しながらなので、観望というよりは雰囲気を楽しんだ感じでした。

再び下に降りると、県天のYamayoさんも来ていて、さらにSさんも到着。Y君も撮影を始めていて、アンタレス狙いだそうです。かんたろうさんと私はオメガ星団観察。かんたろうさんは星景写真にオメガ星団を入れて、私は双眼鏡で。でも双眼鏡は自分で導入できず。かんたろうさんに入れてもらいました。流石に40mmの双眼鏡だとボヤーっと薄く、導入してもらってど真ん中だと言われてやっとわかりました。自分だと全然導入できないはずです。Oさんの撮影したオメガ星団も見せてもらいました。この日は低空の透明度が良く、オメガ星団が狙い目だったようです。かく言う私も、オメガ星団を見たのは生まれて初めてで、最大の球状星団の姿を楽しむことができました。いつか撮影してみたいと思います。

ここではYamayoさんの導入トラブルをかんたろうさんが解決。YamayoさんはタカハシのEM11をINDI経由で操作しています。LX200モードをタカハシで対応するうように内部で変換させているらしいのですが、自動導入時鏡筒がどうしても反対方向に行ってしまうとのこと。以前はうまくいっていたとのことですが、私が「もしかして何かバージョンアップしたのでは?」と聞いてみるとINDIをちょっと前にアップデートしたとのこと。もしかしたらそこで変わったのかもしれません。結局かんたろうさんの指摘で、初期位置の違いが決め手でした。タカハシの初期位置の鏡筒を天頂に向けるのではなく、Celestronのようなシンタ系のように鏡筒を極軸側に向けることで解決。さすがかんたろうさん、以前赤道儀の水平出しで議論して色々教えてくれたように、経験豊富です。

午前1時位に、再び上にあがるともう富山大の大所帯は退散していて、再び静かになっていました。途中K会長の知り合いで八尾に住んでいると言う女性の方が二人きて、片付けがてら少し話していました。最後、県立大の学生と少し話して、私も今日は早めに退散です。

でもこの日、自宅に着いて改めて思ったのですが、ものすごく透明度が良くて、しかもほとんど星の瞬きもないくらいシーイングが良さそうでした。なんと街中なのに低空の星がきちんと見えています。あー、やっぱり撮影しておけば良かったかなと少し後悔したのですが、次の日太陽がきちんと撮影できたので、まあ良しとします。


星と関係ないですが、家族サービスで花見に行きました。場所は富山でもしかしたら一番有名な場所かもしれません。世界一美しいと言われているスターバックスがある富岩運河冠水公園です。

富山に越してきた頃は桜の時期になるとこのスターバックスに行っていました。最近行っていなかったので久しぶりです。星を初めてカメラも三脚もあるので、ついでなので桜を撮ってみました。

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月を写したものもあるので、一応は星空と関係するのでしょうか。鮮やかな色を出すのは楽しいですね。

うーん、でもやはり星とは違うのでカメラ用のブログでも作ろうかな?インスタでもいいかも。
 

先日撮影した、ジェットが出ていた活動領域が表面に出てきて、今週は黒点が見えています。平日はなかなか撮影はできないので、週末の土曜日、天気は昨晩からものすごい快晴。雲一つなく、透明度もかなり高い絶好の太陽撮影日和となりました。

撮影器材

昨晩牛岳に行っていて、結局寝たのが午前4時と遅かったにもかかわらず、太陽が気になって結局8時には起きてしまいました。朝ごはんもそこそこにさっそく撮影準備です。いつもの太陽器材ですが、一応記録の意味も兼ねて書いておきます。
  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.2 (64bit)
  • 撮影時間: 2019/4/13 8:45頃から10時00分頃まで、モノクロ16ビットのser形式で15本、それぞれ10ms x 1000フレーム x 12本, 10ms x 5000フレーム x 1本, 5ms x 1000フレーム x 1本, 5ms x 5000フレーム x 1本、ゲインはそれぞれサチらない範囲で最大 
  • 画像処理: AS3にてスタック。ImPPGで細部だし、PhotoshopCCで疑似カラー化と後処理。

この器材だと、準備から撮影開始まで30分程度で、もう手慣れたものです。

太陽黒点

準備完了後さっそくPCの画面で確認すると、黒点がすぐに目に飛び込んできます。ざっと回るとプロミネンスも少し出ていましたが、今日はまずは黒点です。以前も小さな黒点は撮影していますが、こんなにはっきり大きく出ているのは初めて見ます。

撮影も滞りなくうまくいって、処理をしたらモノクロ段階でも結構すごい細かい模様が出てきてちょっと興奮気味でした。疑似カラー化した完成画像をとりあえず示します。

Capture_09_09_59__09_09_59_lapl5_ap2548_IP_cut

端の方のエタロンがうまく働いていない、ボケてしまっているところはトリミングしています。それでも黒点周りは口径10cmの解像度がいかんなく発揮できていて、かなりの分解能で撮影できています。

今回撮影で特に気を使ったことは、露光時間5msecで5000枚撮影して、そのうち上位20%を使用したこと。予備で10ms、1000枚、上位40%などの設定でも10ショットくらい撮影したのですが、明らかに差が出ました。特に、5msecにしたのは効いていて、10msec、5000枚、上位20%としたのと比べても明らかな差が出ました。

両者を比較してみます。ともにImPPGでの処理を終えた段階です。

Capture_09_09_59__09_09_59_lapl5_ap2548_IP
露光時間5ミリ秒、5000枚、うち20%を使用。


Capture_08_54_54__08_54_54_lapl5_ap2514_IP
露光時間10ミリ秒、5000枚、うち20%を使用。

AS3!の設定は全く同じ、ImPPGの設定はストレッチで明るさをそれぞれ同じくらいにしたこと以外は全く同じです。時間をおいてなので、エタロンの角度は少し違うかもしれません。それを除いても、露光時間が変わるだけで解像度にかなりの違いがあることがわかると思います。実際にはずっと10msecで撮っていたのですが、最後に一応5msecで撮っておこうとしたのが吉と出ました。

また、最初のカラー写真と比べることでどれくらいトリミングしているかもわかるかと思います。


プロミネンス

蛇足になるかもしれませんが、プロミネンスも少し出ていたので載せておきます。まず西側にたくさんプロミネンスが出ています。今回は結構薄いのまであぶりだしてみました。

Capture_09_05_34__09_05_34_lapl5_ap2294_IP_cut

南東にも一本。

Capture_09_07_17__09_07_17_lapl5_ap1725_IP_cut


短時間の撮影でしたが、黒点とプロミネンスでもうおなかいっぱいの気分です。


まとめ

昨年から始めた太陽撮影で、とうとう今回は念願だった大きな黒点を撮影することができ、かなり満足です。立山を見るとすごくよく見えたので透明度もよかったのかと思います。停滞期はもう終わるはずなので、これからは太陽活動が活発になってくれると嬉しいです。

次はいよいよ、あのいわくつきの20cm太陽望遠鏡を復活させることでしょうか。



今回の太陽GIFアニメ制作の過程で太陽画像を大量に処理したので、処理方法がだいぶん確立しました。

昨年まだ太陽を始めた頃に、一度画像処理方法をまとめましたが、あれから随分経ち手法もかなり変わってきたので、ここらで一度メモがわりにまとめておきます。

ネット上で得られた情報を元に、自分で実際に試してみて有効だと思った方法です。自分自身でもいくつか発見した方法も織り交ぜています。有益なソフトを開発してくれた作者様、ネットで各種手法を公開していただいている方々に感謝いたします。


画像スタックと細部出し

AutoStakkert3

太陽を撮影した動画(RAWフォーマットのser形式推奨)ファイルをAutoStakkert3でスタックします。

1.  「1)Opne」を押してファイルをオープン後、「Image Stabilization」で「Surface」を選択。
2. 画像が見える画面で、緑の枠をコントロールキーを押しながら移動。光球面のきわと背景の境目とか、プロミネンスがはっきり見えているところとか、黒点やプラージュの周りとかの構造がはっきりわかる部分を選択。
3. 後のパラーメータはあまり影響はないので適当に、私は下の写真の通り。「2)Analysis」を押す。
IMG_6870

4. 解析終了後、画像の方に移り「Min Bright」を調整して、光球面のみAPでおおわれるように。APの大きさは小さいほうが精度が出るが、小さすぎると出来上がった画像が破綻する。破綻がない程度に小さく。
IMG_6872


5. 「Stak Options」では「TIF」を選択して保存。「Sharpend」はオフに。
6. 「3) Stack」を押してスタック開始。


ImPPG

ImPPGで細部を抽出。パラメータの一例を下に示しておく。
IMG_6873

1. スタックしたtifファイルを開く
2. 上の方のアイコンの、左から4つ目の曲線グラフアイコンをオンにしてトーンカーブ調整エディタを表示。
3. 背景の一部と光球面の一部が四角い枠で選択された状態で、トーンカーブ調整エディタの「stretch」を押す。
4. 「gamma」は出来上がり画像の傾向を見るために使う。まずチェックボックをオンにして、ガンマを調整。光球面を出したいときはガンマの値を0.6くらいまで落とし、プロミネンスを出したいときは1.5-2.0程度までガンマを挙げる。
5. ここから模様出し。「Prevent ringing」はオンに。
6. 「Iterations」は大きい方がいいが、大きすぎると逆にリンギングが目立つ時がある。
7. 「Adaptive」はほとんど使っていない。
8.  画像保存時にはガンマのチェックボックスをオフにする。->後でPhotoshopで同様の処理をするため。画像を16bit tiffで保存。


Photoshopにてフラット補正と疑似カラー化

光球面の切り出し

光球面とプロミネンスをどの様に合成させるかが難しいです。以下に示した方法はあくまで一例です。

1. Photoshop CCにおいて、上で作成した画像を開く。
2. 「イメージ」->「モード」->「RGBカラー」でカラーモードに変換。
3. 背景を全選択して、コピー、ペーストする。光球面処理用レイヤーとする。
4. ペーストで作られた光球面レイヤーを選択してから、画面で「マグネット選択ツール」で光球面とプロミネンスの境、光球面が枠の縁に接しているところをなぞり、光球面のみ選択。
5. 「選択範囲」->「選択範囲を変更」->「境界をぼかす」で4ピクセルほどぼかす。
6. 「選択範囲」->「選択範囲を反転」で光球面以外を選択された状態にし、DELキーなどで削除。光球面のみが残る。これが光球面レイヤーとなる。


フラット補正

次に、光球面のフラット補正。光球面はエタロンの影響で減光が大きいので、フラット補正をした方がいいです。以下に示したフラットフレームの作り方は、境界がボケるのでもっといい方法があるかもしれません。

1. 背景を全選択して、コピーする。ペーストを2回する。一枚はプロミネンス処理用レイヤー、もう一枚はフラット補正レイヤーとする。
2. フラット補正レイヤーを選択し、「フィルター」「ぼかし」「ぼかし(ガウス)」で半径を20ピクセルほどにして適用。フラット画面を作る。念の為もう一度同じガウスぼかしを適用してさらにフラットに。
3. このレイヤーのかぶせ方を「通常」から「除算」に変更。この時点でかなり明るく飛ぶ。
4. 「レイヤー」->「 新規調整レイヤー」->「レベル補正」でできたレイヤーを右クリックして「クリッピングマスクを作成」をクリック。
5. 調整レイヤーのレベル補正のハイライト側をヒストグラムが盛り上がっているところまで下げる。

IMG_6867

(2019/4/13 追記: 上記4、5の方法だと、プラージュなど白い領域が飛んでしまうことがわかりましたので訂正しておきます。明るい領域の諧調を保つためにも、やり方も簡単になることも含め、下に書いた方法のほうがよさそうです。)

4. フラット補正レイヤーを「イメージ」「色調補正」「トーンカーブ」で調整します。トーンカーブで真ん中らへんを一点選んで上下し、明るさが適当になるように調整。
5. 光球面のみのレイヤー、フラット補正レイヤーの2つを選んで、右クリックで「レイヤーを結合」してフラット補正が完了。
6. フラット補正された光球面レイヤーを一番上に持っていく。境が自然になっていることを確認。


プロミネンスレイヤーを疑似カラー化

1. 一番上の光球面レイヤーの目のマークをクリックして非表示に、プロミネンスレイヤーを選択。
2. 「イメージ」->「色調補正」->「レベル補正」を選んでダーク側の三角をヒストグラムが下側の山(背景の暗い部分に相当)になっているところのピーク付近まで持ち上げ、真ん中の三角を下のほうまでもっていき、できるだけプロミネンスを出す。ここでいったん「OK」。
3. 再度「イメージ」->「色調補正」->「レベル補正」を選んで、「チャンネル」の「レッド」を選択。真ん中の三角を左端の山の際くらいまでもっていく。
4. 「チャンネル」の「ブルー」を選択。真ん中の三角を右端くらいまでもっていく。
5. 「チャンネル」の「グリーン」を選択。真ん中の三角を少しだけ右にもっていって赤っぽくなるように調整。
6. もし背景に赤いノイズが残っていたら、Nik collectionのDfine 2が有効。さらに背景を少し暗くするため、「イメージ」->「色調補正」->「トーンカーブ」を選んで補正。


光球面レイヤーを疑似カラー化

1. 一番上の光球面レイヤーの目のマークをクリックして表示させ、選択。
2. 「イメージ」->「色調補正」->「レベル補正」を選んで、「チャンネル」の「レッド」を選択。真ん中の三角を左端の山の際くらいまでもっていく。
3. 「チャンネル」の「ブルー」を選択。真ん中の三角を右端くらいまでもっていく。
4. 「イメージ」->「色調補正」->「トーンカーブ」を選んで、50%のところを選んで少しだけ下げ、模様を強調。これはImPPGのガンマ補正で数値を上げたことに相当する。

IMG_6869


これで完成です。あとは適当に荒れた縁の方をトリミングして、画像を保存するなどしてください。


太陽観測のススメ

他のソフトや、細かい工夫などの方法はまだまだあるかと思いますが、画像処理の基本はこんなところかと思います。太陽の隠れた面が見えてくるのはとても楽しです。あなたも太陽観測試してみませんか?

と気楽に呼びかけているのですが、太陽の一番のハードルはやはり観測機器の値段でしょうか。太陽観測に必須のエタロンは精度が必要な光学部品なので、どうしても価格が上がってしまいます。入門用のCORONADOのP.S.T.でも簡単に10万円越え。これでも口径40mmなので解像度に不満が出るかもしれません。P.S.T.より上級機ではCORONADOのSolar MaxやLUNTなど、口径60mmクラスでBFの径にもよりますが数10万円から50万円コース、口径80mm越えだと50万円からなんと100万円以上のものもあります。

この値段がネックなのか、海外などでは比較的安価に手に入るP.S.T.の改良記事もたくさん見受けられます。このブログでも改造記事を紹介していますが、くれぐれも太陽観測は安全に気をつけて、改造するにしても自己責任で、繰り返しになりますが本当に安全に気をつけながら楽しんでください。


2019/4/6: 15:01頃、太陽の北東10時方向に広がっている活動領域から、突如ジェット(最初フレアのようなものと書いていましたが、ジェットというみたいです)のような筋が一本伸び始めました。筋の成長していく様子をなんとか捉えることができました。自分的にはこんなのは初めて見るので、もう大興奮です。

all3_amime_cut
GIFアニメです。動かない場合はクリックしてみて下さい。
何かが飛び出しているようにも見えます。
長さだけでも地球数個分です。
数分単位で伸びていくのがわかるので、
分速数千kmとものすごいスピードであることがわかります。


all4_anime_cut_small
それぞれの動画から一枚だけ抜き出して速攻でアニメを作って、
速報で17時頃にTwitterに流したアニメです。
画像処理もほとんどしていないのと位置合わせも適当なので粗いです。
この時は上下逆転しているのを忘れていました。
上のように画像処理をすると相当見栄えが良くなることがわかると思います。



今年2度目の太陽観測
 
ずーっと静かだった太陽活動も、今年に入って少しづつ動きが見えてきたと各所で報告が上がっています。私も3月9日に観測をして以来、昨日4月6日は久しぶりに休日で昼間快晴だったので太陽観測をしました。

と言っても、朝も結構のんびり起きて、その後はラッキーイメージングのことで頭がいっぱいで、グダグダしていまいした。実は木曜日に少しラッキーイメージング試したのですが、撮影したものだけではあまり成果がなかったので、のんびり解析やらアイデアやら、PixInsightなど各種ソフトを触りながらいたらあっという間に午後になってしまいました。あー、そろそろ太陽見ておかないと午後から曇るんだっけ?と思いながら、セットアップです。


機材、条件など

いつもの太陽セットです。ASI294MCを使った全景はなかなかうまくいかないので、今日はASI290MMの拡大のみにしました。

  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.2 (64bit)
  • 撮影時間: 2019/4/6 14:50頃から15時40分頃まで、モノクロ16ビットのser形式で31本、それぞれ10ms x 500フレーム x 15本, 10ms x 1000フレーム x 15本, 10ms x 5000フレーム x 1本、ゲインはそれぞれサチらない範囲で最大 
  • 画像処理: AS3にてスタック。全て上位50%使用。ImPPGおよびPhotoshopCCで後処理。


実際の撮影

最初はいつも通り、太陽光球面をぐるっと見渡します。この日は北西方向にプラージュがありました。リングを形成しているプロミネンスも同じ方向に出ていたので、一つの画角に収めました。黒点は無いようでした(でも他の方の報告を見ると小さな黒点が観測されたそうでうす)が、これだけでも十分堪能できます。

_15_14_08__15_14_08_lapl5_ap377_IP_l_cut

その後、西側少し南寄りに3つのプロミネンスと下の方にスピキュール?らしきトゲトゲ(おそらく)活動領域を真横から見ているような領域を見つけて撮影。こちらも一番大きなプロミネンスはリングを形成しているように見えます。

_14_59_02__14_59_02_lapl5_ap241_IP_l_cut

その後、南東のところにも低く広がった活動領域があるので、15時01分にワンショット撮っておきました。

_15_01_49__15_01_49_lapl5_ap332_IP_l2b_cut

その後、他の場所をぐるぐる回って9分後、15時10分に再び南東のところに帰ってくると、なんか筋のような線が見えています。あまりにまっすぐだったので最初何か変な光でも入ったのではないかと思いました。それでもとりあえずおもしろそうだったので1ショット撮っておきました。

_15_10_38__15_10_38_lapl5_ap294_IP_l2a_cut

しばらく見ていたのですが、変な光とかではないようなので、どうやら本当に太陽で起こった何かみたいです。流石に9分間でこの変化はすごいと思い、その後12ショットを15時34分まで撮影しました。画面で見た限りもうほとんど動いていないと思い込んでしまったことと、曇り始めていたのでここでストップして解析に入りました。でも並べてみた結果を見てみるともう少し撮り続けておいても良かったと思いました。12ショットのうち画角的に使えない1ショットを除いてアニメにしたのが上のものです。

でも正直言うと、撮影中はあまり変化がわからなかったので、時々他の場所に行っては撮影を続けていて、時間的には結構飛び飛びになってしまっています。飛び飛びになった時間は一枚の表示時間を長くするなどして、実時間の流れ方に合わせてあります。1分を0.2秒にしたので、300倍の速度です。

アニメにしている過程で、何も写っていないと思っていた1枚目にもわずかに飛び出ている痕跡があるのがわかりました。上の画像でもその痕跡を確認できます。その次のショットまでの時間が9分間と少し空いてしまっていますが、一応かなり初期の段階から撮影できたことになります。


今回はかなりすごいのが撮れたと、撮影終了後かなり興奮していて家族にも見せびらかしたのですが、下のSukeは「これの何がすごいんけ?」と、どうも反応が冷たいです。妻からは「あー、よかったねぇ。いい子、いい子。」みたいな扱いです。それではと速攻でアニメにしてTwitterで報告したのですが、やはりなぜか自分が思っていたのより反応が薄いです。唯一特徴的だったのが、フォロワーとかでは無い海外の方がリツートしてくれたことでした。NASAとかのニュースを中心にリツートしている方みたいです。これはちょっと嬉しかったです。

でもやっとここで思い出しました。そういえばこのブログでも太陽の記事はいまいちというか、かなり反応薄いんです。PVを見ててもはっきりとわかるくらいです。まあ、太陽をやっている人は天文ファンの中でもさらにごく一部の人ですから仕方ないかもしれません。

みなさーん、太陽面白いですよ。昼夜本当に寝る間がなくなるくらい天文沼を楽しめますよー。


(追記: 少し落ち着いて色々調べてみました。NASAのSDO( Solar Dynamics Observatory)の付近の時刻の画像を見ると、同じような位置に一本筋が出ているのがわかります。SDOはこういった画像を撮り続けていて、太陽の活動をアニメにしています。これを見ると太陽活動の凄まじさを改めて実感することができます。最初スピキュールと書いたものはどうやら活動領域をちょうど真横から見たもの、また最初筋のことをフレアと書きましたが、フレアはもっと大爆発なのでこれは言い過ぎでした。ジェットというようです。さすがに衛星から撮った画像に勝つことはできませんが、太陽活動の一環を直にその場で見ることができたのは、それでもやはりとてもいい経験でした。)



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