ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2018年11月

週末土曜日に飛騨コスモス天文台に行って、M57とM27を撮影しました。それぞれの撮影枚数は、露光時間が20秒と短いこともあり、かなりの枚数になります。具体的にはM57が282枚、M27が244枚をなり、処理の前に簡単に閲覧するだけでも大変になります。しかもSharpCapで撮影したRAWファイルなので、拡張子が.fitsファイルとなり、開けるソフトも限られています。

最初の頃はfitsファイルもステライメージで確認していたのですが、これだけ数が多いと大変になります。PixInsightでも開くことができますが、一枚一枚が結構重いので、全部を気楽に開くわけにいかなくて、選別するのが結構大変です。

そんなときはPixInsightの「ImageInspection」->「Blink」が便利です。

IMG_5690

  1. 下のフォルダマーク「Add Image Files」から複数ファイルを選択して読み込みます。
  2. 読み込みは数百枚だど数分かかるので、50枚くらいずつにしたほうがいいと思います。
  3. RAW画像でも、Debayerした画像などでも読み込むことができます。
  4. 画像が暗くて見にくい場合でもSTFがかけられた状態で表示されるので、見やすくなっているはずです。これは真ん中に3つ縦に並んでいるアイコンの、真ん中を押すと確認することができます。
  5. 読み込んだ後は、左右の矢印を押すか、画像のファイル名を一つ選択してあとはカーソルの上下で、すごい勢いで画像を連続で切り替えることができます。
  6. 左の三角ボタンを押せばアニメーション表示することもできます。
  7. ただし、ソート順はファイル名のみのようなのがちょっと残念なところです。
  8. 弾きたい画像は、マウスでファイル名を選択(複数も可能)してから、下のアイコン群の左から5つ目の小さい矢印がついているアイコンを押すと、移動したいフォルダが選択できるので、そこに移動されます。
  9. 終わった後は、下の左から3番目のアイコンを押して、すべてのファイルを閉じます。
  10. これを次の50枚とか繰り返すと、かなり効率よく見た目で明らかに悪い画像ファイルを弾くことができます。


もう一つ便利なのが、「Script」->「Batch Processing」->「SubframeSelector」になります。各画像の星像のFWHM(半値全幅)やEccentricity(偏心度)を測定してくれます。自動でだめな画像を別ディレクトリに移動することなどもできます。

詳しいことはマニュアルを読むといいのですが、英語で結構大変なので簡単な説明を書いておきます。

IMG_5688

  1. いつものようにAdd Filesで解析したいファイルを複数選択します。
  2. 最低限解析するだけなら、そのまま一番下の「Measure」を押します。
  3. CPUや解像度にも依りますが、一枚解析するのに7-8秒程度なので、数百枚でもなんとか耐えられる時間の範囲です。結構かかりますが、それでも一枚一枚やるよりははるかに楽です。最初は少数枚でテストするといいでしょう。
  4. 「Plots」を開くと結果が出ています。「FWHM」や「Eccentricity」で飛び抜けている画像を判断することができます。
  5. 飛び抜けているところをクリックするとx印がつくので、Outputで弾きたいファイルをMoveなどする設定をすると、移動してくれます。
  6. 式で評価して、自動で弾くこともできますが、そのためには下に示すようなパラメータを入れたほうがいいですし、式の入力にはいろいろやり方があるようなので、詳しくはマニュアルなどを参照してください。「星見庵日記」さんのこのページが日本語で比較的詳しく説明しています。
IMG_5689


もう少しきちんとしようとすると、最低限入力する値は、「System Parameters」の中の「Subframe scale」になります。ざっくりした見積もりの「1ピクセルあたりの画角は焦点距離600mm、ピクセルサイズ4umで約1.5秒」とかから考えてもいいですし、こんなサイトから焦点距離と自分の持っているセンサーのサイズを選択して、センサーのピクセル数で割ってやっても簡単に求めることができます。

「Camera gain」も入れるべきでしょう。でもこれは結構難しいです。メーカーのページに行ってもいいですが、例えばASI294MC場合ここの「GAIN」というグラフの横軸「Gain」の実際に撮影した時の値のところを見ればいいのですが、グラフから読み取ろうと思っても0近くになり正確な値は読み取れません。SharpCapがあれば自分で測定することもできます。結果の表からある程度の値は読み取ることができます。それでも誤差があるので、ある程度の値でかまわないでしょう。

ここまで入れると、結果もある程度(絶対値に近いという意味で)正しい値になってくるので、センサーやカメラが変わっても比較することができるようになりますし、式を使った評価でも正確性が出てきます。が、とりあえず面倒なら何も考えずに「Measure」ボタンを押してしまったほうが幸せかもしれません。



さて今日の元々の目的はAZ-GTiで実際に撮影がどれくらいできるかのテストです。焦点距離600mmのFS-60QにEOS6Dをつけて、かなりガチな撮影機材になります。果たしてAZ-GTiは600mmの撮影に耐えることができるのか?

ただ、自宅を出たのが遅かったのと準備に手間取ったので、撮影を始めたのが23時半過ぎ。もともと少し暗い天体を試したかったのですが、大して時間がないのでちょうど上がってきていたM42に急遽決定しました。

今回は機材の調子を見たいために、ガイドは無しです。月が出るまで時間があまり無いので、ISOも6400と高め、露光時間は90秒と短めです。セットアップから極軸設定までは特に問題なし。初期アランメントに少し戸惑うも、撮影をなんとか開始しました。

とりあえず結果をまず。63枚とって、24枚使いました。ISOが高いのと枚数が少ない(トータル36分)のでノイズが多少多めです。機材テストなのでフラット補正もダーク補正もしていません。5秒撮影の画像を10枚使い、HDR合成をしてトラペジウムあたりを出しています。

M42


問題は少し風が強かったことです。そのため後で画像を見たら、結構揺れていました。甘く見積もっても40%弱くらしか使い物になる画像は残っていませんでした。次の一枚画像を見てもらえると、人工衛星の軌跡から実際どれくらい揺れているかよくわかると思います。

LIGHT_6D_90s_6400iso_+12c_20181103-00h35m00s555ms_cut



実際に揺れた原因は二つ問題が考えられて、
  • 一つは、タカハシの三脚アジャスター (小)のところで、三脚の脚がずれてしまう
  • もう一つは、今朝改めて見てみたらAZ-GTiのアルカプレートのネジが少し緩んでいたこと
です。二つ目はただのミスなので、きちんとチェックすれば次回は問題ないでしょう。問題は一つ目で、カメラ三脚のメタル製の尖った石突きが、アスファルトとかならほとんど動くことはないのですが、ある程度滑らかな三脚アジャスターの表面では結構簡単にずれてしまいます。風が強いと致命的です。調整はしにくいですが、三脚アジャスターなしの方がいいかもしれません。

ちょっとまだ検証不足です。晴れたら再チャレンジでしょうか。

実は月が昇る時間を1時間早く間違えていて、時間がないと思って色々焦ってしまいました。でも実際には月が出て来るより先に薄雲がかかってきたので、午前1時半頃にはその場を後にしました。


その他細かい反省点です。
  • FS-60CBからFS-60Qへの切り替えに手間取ってしまった。
  • ファインダーカメラは画角が広い方がいい。モノクロの方がいいと思い、ASI290MMにしていたが、ASI178MCの方が画角が広く、画素が小さいので、ファインダーにもガイドにも向いているかもしれない。 このため初期アラインメントで結構な時間をロスした。
  • StickPCでのワイヤレス撮影の準備がまだ不十分。最近メインPCがUSB Type-Cになったので、逆にStickPCにつなぐはずのType-Aケーブルを忘れてしまった。結局ノートPCでの撮影となり、用意していなかったソフトのライセンス認証などで時間を食ってしまった。 
久しぶりの撮影ということもあり、結構準備不足が露呈しました。昼間のうちに色々調整しておくことが大事だと改めて実感しました。


 

新月期に向かう週末の2018/10/3、晴れていて透明度もよさそうだったので、車で20分くらいの近場の撮影スポットに向かいました。5月にアンタレス付近を撮った場所です。今回は撮影モードなので珍しくNatsuもついてこなくて一人で出発です。

現場に到着して、まずは秋の天の川が綺麗だったので少しだけ撮影しました。EOS 6DとSAMYANG 14mm F2.8でのISO3200、30秒の一枚撮りです。今回はLightroomでのみの処理です。最近星景写真はPhotshopいらずです。一枚撮りなのでスタックとかしないですし、あまり強調処理もしないので、Lightroomで閉じてしまい、かなり楽です。

今回2構図撮影しました。一枚目は西側の沈んでいく天の川です。下の道路が入らない構図もとったのですが、車の光の軌跡が面白かったのでこちらを採用しました。山を抜けて、富山の街(右手側)に行くに従って明るくなっていくのがわかります。

20181102-IMG_2077-3_cut
撮影地: 富山県富山市伏木, 2018年11月2日21時42分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC、Lightroomで画像処理 


次は逆の東側の天の川です。「昇り来るすばる」といったところでしょうか。すばる、アンドロメダ銀河、カリフォルニア星雲、左のほうにはハートと胎児星雲もうっすら写っています。結構な範囲で星座も写っているので、これまで試したことのないソフトフィルターでの明るい星の強調も試してみたくなってきました。 

20181102-IMG_2080_cut
撮影地: 富山県富山市伏木, 2018年11月2日21時46分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC、Lightroomで画像処理 



少しノイズが多いので、ポタ赤で何枚か重ねるという手も試してみたくなりました。次の記事とかで書きますが、AZ-GTiの赤道儀モードは長焦点だと少し問題がありそうなので、ポタ赤がわりというがちょうどいいくらいかもしれません。

富山の街明かりで北の空は流石に厳しいのですが、自宅から車で20分でこれくらい撮れるので、まあ満足です。






このページのトップヘ