ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2018年08月

今回の胎内星まつりの戦利品です。雨のせいもあり、特売品もあまりなかった気がします。今回はカメラ関連がほとんどです。

唯一興味が惹かれたのが、国際光器に置いてあったファミスコ60Sです。ハレー彗星の時のトミーの製品で、当時ものすごい数が出たとかの話には聞いていましたが見るのは初めてでした。しかも赤色なので珍しいそうです。レンズに少しカビがあるそうですが、掃除したら十分使えそうです。電視観望とかにもいいかも。今回はこれが唯一のジャンクです。

IMG_5298



あとは大物から挙げていくと、2年前のX7に引き続きNatsuがまたしてもお小遣いとお年玉をほとんどつぎ込んで買ったRICHOの360度カメラのTHETAです。所有権はNatsuにあるのでピンク色になりました。私も頼んで貸してもらいたいのですが、ピンク色が...。

IMG_52662

自撮り棒と三脚になる足が星まつりサービスでついて来ました。値段もネットで調べたものよりやは安かったので十分お得です。早速帰ってNatsuと自宅で撮ってみましたが、これ面白そうですね。Facebookとかだと360度表示できるみたいですが、ブログでも360度表示にできないのでしょうか?

IMG_5281
でもこの自撮り棒の下部の部分の固定が弱くて、部品ごと簡単にもげてしまいます。昨日カメラをつけたまま石畳に倒れこんでいって、外のガワ部分がパカッと外れてしまい、天頂部が何処かに飛んでいってしまいました。さっそく壊れたかと思いましたが、飛んでった部品を暗い中見つけて、気をつけながら横の細いカバーもパチンパチンとはめていったら、なんとか問題なく使えるまで戻りました。それにしても本体ちょっと弱すぎます。


カメラ関連で、三脚をたくさんです。まずはVANGUARDで、少し昔のもので在庫品だと思いますが、まあ安いです。自由雲台の単体のものは、スイッチを入れると水平を自動で取れる優れものだそうです。三脚はエレベーターの棒が外に出て斜めとかに伸ばせます。これも欲しいと思っていたものでした。

IMG_5265

同じくVelbon。小型の物はわずか800gできちんと目の高さまで持ってこられるくらい足が伸びる優れものです。Natsuが中学生ということでさらに値引きしてもらいました。あと特筆すべきはポールで、キャンプとかのタープを作るときに役立ちそうです。伸ばすと2.3mほどになり、先端にブルーシートの端の穴に入れることができるように細い棒になっていて、キャップもついています。キャップには紐をかけることができるようにもなっていて、電源ケーブルとかを這わすこともできそうです。三脚を作っているような工場で製作したものらしく、かなり頑丈とか。ちょうど去年も買った人が、今年は友人に頼まれたと大量購入していました。私も6本買いました。

IMG_5267


Kenko Tokinaブースではカメラバッグを買いました。

IMG_5268

ピンク二つはNatsuが買いました。値段の割にかなり丈夫で使い勝手が良さそうなのでずいぶんお得です。色的に私はあまり使いたくないですが、多分ピンクなので安いのでしょう。カメラバッグであえてピンクを使うユーザーは普通に考えたらあまりいないのかと思います。

私は短焦点の鏡筒と三脚を入れるつもりで、背負うタイプのカメラバッグを買いました。登山でこれを持っていって、夜に電視観望セットを取り出してみんなで見るというのをやってみたいです。でも多分山歩きはしないだろうなあ。

あとは各種フィルターとカメラ2台用のアダプターマウント、望遠鏡を三脚に固定するアダプターです。

IMG_5269

激落ちくんのレンズクリーナが大量に入った袋です。でもこれカバン買ったらおまけになりました。一生分とは言わないですが、10年分くらいありそうです。アルコールが入っているタイプらしく、iPadとかに使ったら一発でものすごく綺麗になりました。かなり便利そうです。

IMG_5271


細かいもので、中古のフィルターセットと、アイピースキャップです。キャップはすぐになくなるのですが、なかなかぴったりのサイズが売っていなくて、今回も見つけたのはこの2つだけです。

IMG_5272

IMG_5270


書籍関連。ノートと便箋は抽選会の全員プレゼントで選んだものです。あと、原村でNatsuが作ったブレスレットが、数珠と言われてずいぶんご立腹だったのでしょうか、同じようなものですが今度はきちんとブレスレットに見えます。星空風景の本ですが、執筆したカメラマンにサインをしてもらいました。技術的なことよりも、作例に対してどうアプローチしたかとか書いてあるので、今の私にちょうどいいかもしれません。

IMG_5274

野鳥の会のところで、本はこれがいいと進められて買いました。妻へのお土産です。でもそれよりももっとインパクトがあるものを見つけました。今回買わなかったですが、ものすごくコンパクトにたためる長靴です。

IMG_5253

あまりに生地が薄いので、クルクル巻くことができます。また、生地の薄さを利用して下の写真のように長さを調節することもできます。ズボンをかぶせているわけでなく、長靴側を短くして履いています。

IMG_5254

長靴は雪国には必需品ですが、都会との行き来にどうしても困るときがあります。そんな時は持ち運びできる長靴として重宝しそうです。むしろ、都会の人が雪国に行くときに持っていくという使い方のほうがいいのかと思います。

頂き物です。Tさんありがとうございました。

IMG_5275


その他、ステッカー、冊子などです。全部貰い物です。

IMG_5273



今回いろいろ安くしてもらいましたが、Natsuのおかげというところが大きいです。やはり女の子は得ですね。そのかわりでもないのですが、抽選会は何も当たらず、オークションでも特に手に入れたものはありませんでした。

帰りの車では雷の中帰ってきました。あとで聞いたら会場も雨がすごかったようです。

 

 

今年は忙しくてなかなか時間が取れないのですが、それでも胎内星まつりに少しだけ顔を出してきました。

IMG_5251

会場は雨が降ったり止んだり。土砂降りの時も何度かありました。例年よりお客さんが少なくて、一時はお客さんより店員さんの方が多い時もあったくらいです。その代わりにショップの方とはゆっくり話すことができました。昨年の福島以来のHBさんとも会うことができました。雨の中、昔話に花を咲かせましたが、娘のNatusも我々の学生時代の話に興味深げでした。あ、今回はNatsuと二人での参加で、Sukeは自由研究が終わらないため留守番となりました。

HBさんの紹介でもないですが、ものすごいベテランのプロのような方達とマニアックな会話を楽しむことができました。中でも印象的だったのが、CelestronとMEADEシュミカセの比較です。どちらがよく見えるかという話になり私はこれまでの自分の経験から「Celestron」と即答したのですが、実はMEADEではないかというのです。簡単に光軸調整できるのはCelestron。でもシュミット補正板から主鏡までの距離を設計値通りに最適化する自由度が残っていて、MEADEの場合それを合わせてやらなければ見え味はCelestronより悪くなってしまうとのことです。そこの距離が適当でも、接眼レンズ側の位置でピントは合ってしまうが、それは最適解ではないという至極真っ当な意見です。MEADEに手こずっていた私は完全にこのことまで考えが及びませんでした。ただ、その最適解は実際は描像を見て決めるしかないとのことなので、調整は簡単ではないのかもしれません。それでも実際試して見て、25cmの性能を引き出したいと思いました。この方達は京都の「星を求めて」にも行くとのことなので、私は初めてになるのですが、できたら行こうと思います。また会うことができそうなので楽しみです。

星まつりでもう何度もお会いし、Natsuが本当にお世話になったオオザカレンヂKeisukeさんの歌をまた聴くことができました。雨の中のコンサートでしたが、歌の間に一瞬月を見ることができました。コンサートの中で、小さいころワゴンで父親に連れられて流星群を見たという思い出を歌にしたという曲がありました。天文台の方から1991年のペルセウス座流星群に間違いないということを教えてもらって、何十年ぶりかになってやっとに日にちまでわかったと語ってくれていました。子供の頃の忘れられない思い出が歌になっているそうですが、私も子供たちにそんな思い出を与えてあげることができているかどうか。大きくなって星まつりに一緒に行ったことも思い出してくれたら嬉しいです。

IMG_5264


コンサートが終わって挨拶に行きましたが、Natsuのことも覚えていてくれて、嬉しい限りでした。NatsuはオオザカレンヂKeisukeさんのファンの方にTシャツを頂いて、さらにオオザカレンヂKeisukeさんのサインまで頂いていました。今回Natsuはギターも持って行ったのですが、その日のうちに帰らなければならなかったので、次回の再開時にギターを披露することを約束してその場を去ることになりました。

それはそうとNatsuは今回ずいぶん得をしている気がします。小学生くらいの子はまだ会場にいるのですが、そもそも中高生はあまり参加していなくて、しかも女の子でこういった星まつりに毎回参加しているのは多分珍しがられてか、いろいろおまけとかしてもらったりしています。特に、去年の胎内で赤道儀のモーターをいただいたTさんとはずっとしゃべっていたみたいで、Tさんの紹介で何人かの方とも知り合いになったみたいです。Tさんにはものすごい強力なモーターを使ったファンをいただいたり、知り合いの方にはお札のお菓子とかももらっていたみたいです。また、三脚関連の店に行ったら「中学生にこそ、この三脚を使って欲しい」と、軽量の三脚をさらに値引きしてもらっていました。他にも、カメラカバンが欲しかったみたいで、ちょうど手頃な特価のピンクのカメラカバンが2種類あり本人は迷っていたのですが、あまりに安かったので2つとも買ってしまいました。そもそもピンクのカメラカバンはユーザー層から考えてもあまり売れるはずもなく、そのピンクのカバン2種だけ他の同じ値段で売られていたものよりも格段に高級なのです。私もピンクでなかったら自分で使いたいくらいです。あとでマニュアルを見たら、黒と黄色があったらしいのですが、それらは星まつりにくるまでに普通に売れてしまったのかと思います。

もう一つ思い出しました。今回、星空風景写真家の講演があったのですが、これもNatsuが誰かから50人限定の整理券をもらってきました。しかもショップのMさんからつきたてのお餅をいただいたとのことで、お餅とチケットを手に、講演開始直前に私のところへ来たのです。最初整理券は一枚だったのですが、さらにその方がもう一枚手に入れてきてくれました。その方にお礼を言い、結局私も講演を聞くことができました。そのおかげで迷っていた天の川の画像処理に少し光明が差し込んだのが前回の記事になります。

IMG_5249

この講演ではLAOWAの12mmがすごくいいという情報を得たことと、メタボーンズのSpeed BoosterがAPS-Cサイズになってしまうが、1段階明るく撮れて画質も劣化しなくていいとの情報を得ました。ただしBoosterは本体側の接続が私が持っているCANONの対応ではないので、もう少しCanonレンズがたまり、いつかSONYのα7Sなどに乗り換えたときに考えることになると思います。講演は総じてマニア向けというよりは初心者向けの基本的なことが多く、SONYカメラの解説が中心だったのですが、それでもさすがにプロの言うことは迫力があります。実際の経験と自信に裏打ちされたものなのでしょう。心意気というか、信念みたいなものを垣間見た気がして、ものすごく参考になりました。

Natsuがだんだん親の手を離れて勝手に知り合いを作り出していきます。女の子なのでいつまで星に興味があるかはわかりませんが、今のところ楽しそうについて来ます。ホントにいつまでついて来ることやら。

今回行けないと思って諦めていた胎内ですが、少しだけ顔を出すことができました。逆に行けると思っていた福島のスターライトフェスティバルが少し怪しくなってきています。行けても2日目の日曜の夕方くらいからになりそうです。NatsuがオオザカレンヂKeisukeさんのコンサートに行く約束をしていたので、それには間に合うといいのですが。

その2: 戦利品」へ続きます。



 


過去の胎内星まつりの記事もどうぞ。

 

ここしばらくブログの更新が滞っていました。忙しかったのもあるのですが、一番の原因は天の川の画像処理でずっと悩んでいるからです。

8月初めに撮った木曽シュミットを背景にした天の川。ところが、気合を入れて画像処理を始めたのが、今回の迷走の始まりでした。Lightroomのレンズプロファイルでの補正と、PixInsightのDBEで周辺減光とさらカブリを除きます。星マスクを利用したり、景色部分にマスクを施したり、天の川部分のマスクも苦労して作ったりして色々試しました。多分正しい方向で進めているはずです。でもなぜでしょう、やればやるほどわざとらしくなって自然感が損なわれていく気がします。

IMG_1312_DBE1_ps

多分上の処理でも悪くないのかと思います。でも、ふと元のJPEG撮って出し画像を見直してみると、もちろんホワイトバランスも取れていないし、周辺減光はありまくりだし、天の川も強調されていないのに、なぜかわざとらしさのないこちらの方が好きな自分がいることに気づきます。ここら辺で完全に迷走状態になりました。
  • 周辺減光はきちんと補正するのが善か?天の川を中心に持ってきたらむしろ周辺減光があった方が天の川を目立たせることができるのでは?
  • 背景のホワイトバランスを撮ることは本当に正しいのか?なぜ青い夜空はダメなのか?
  • 星景写真は、科学なのか?芸術なのか?
などなど疑問が尽きません。天体写真は自分の場合あくまで趣味なので、科学写真とは違います。それでも星雲などの天体写真は宇宙の深淵を覗くという意味でまだ科学に近い気がしますが、星景写真はその名の通り景色を入れます。景色と星の組み合わせという意味ではなにか主観を入れたいという意図があることが普通なので、やはり芸術に相当近いような気がしています。こんなことを悩んでいても、正解もなければ答えが出ないこともよくわかっています。

そんな時に、ちょうどプロの星空風景写真家の方の話を聞く機会がありました。その方に上のような疑問をぶつけてみたのですが「一旦補正した周辺減光をあえて加える場合もある」「結局は自分が何を表現したいかではないか」という助言をいただきました。おそらく天体写真として撮っているアマチュアと、生計を立てているプロの写真家というのでは、全然目指している方向は違うのかもしれません。それでも人に見せるという意味では、この写真家の方の言うことは正しいのではないかと思いました。

まだ迷いはとれませが、星景で自分の見せたいものを見せてもいいという道があることがわかっただけでも大きな進歩です。でも個性を出すということは怖いですね。それを凌駕して魅力的な作品を生み続けるのがプロということなのでしょうか。色々悩んでいたことも少し吹っ切れた気がして、今回の星景写真に関しては少し自分が好きなものを目指そうと思いました。

IMG_1312_low

素材がいい場合は、画像処理も最小限で済みます。強度なあぶり出しもしていませんし、周辺減光も必要以上にとったりしていません。ホワイトバランスも多少合わせますが、好みを残しています。カブリもそのままで、この黄色から黄緑を経て青へと変わっていくような色が結構好きです。

くだらない悩みかもしれませんが、ここに至るまでに二週間くらいかかりました。まだ迷走する気はしますが、しばらくは技術にあまりこだわらずに処理をしてみようと思います。

先週のお寺観望会で赤道儀の止め方の不具合で落下したC8。落ちた瞬間に少しでもショックを和らげるように足を伸ばして鏡筒を横に蹴飛ばす形で落下させました。鏡筒自身は問題なさそうでしたが、ファインダーとマイクロフォーカスの部分で地面に接触したようで、大きく傷がついていました。ファインダーは光軸ズレかと思いましたが、ピントを調節し、ファインダーホルダーの位置をネジを緩めて少しずらしたら実用上問題ないレベルになりました。問題はマイクロフォーカスです。こちらはかなりダメージが大きく、つまみを回そうとしても軸が全く回転しなかったので、分解して様子を見てみました。

まず外観ですが、つまみのところが完全にに傾いているのがわかりますでしょうか。

IMG_5207


順にイモネジを六角レンチで外していき、シャフトを取り出すと完全に曲がっています。最初このシャフトは全く取り外すことができず、ベンチバイスにシャフトを固定して手で力を入れて大まかにまっすぐにすることでやっと取り外すことができました。その後、金槌で叩きながらできるだけまっすぐに直します。

IMG_5208


微動つまみも全く回転しなかったのでよく見ると、先っぽの細いシャフトが少し曲がってしまっています。これも取り出して、ベンチバイスに挟み、金槌で軽く叩くことでまっすぐになるように戻しました。

IMG_5210


それにしてもこの微動の仕組みはすごいですね。部品はベアリングボールと細いシャフト、それを囲む真鍮のケースだけです。シャフトの先に少しだけ窪みがあり、そこで3つのボールと触れ合います。シャフトが回転するとボール3つも摩擦によって反対方向に回転します。ボールは外側で写真真ん中に写っている外側の回転体に触れていて、この回転体もまたボールとの摩擦によって回転します。すなわちシャフト軸の外径と、外側の回転体の内径の比で減衰率が決まるというものです。シンプルなのに非常によく考えられています。

下が全バラした写真です。分解すると非常によく構造がわかります。

IMG_5213


さて、シャフト2つは大体まっすぐにできたのですが、想定外だったのは真鍮のベアリングケース自身がよく見ると少しだけ曲がっていたことでした。なのでどれだけ軸だけを伸ばしてもつまみ側がどうしても傾いてしまいます。このケースもまっすぐにしようとしましたが、変に力をかけると破壊しそうで今回はそのままにしておきました。ベアリングボールはうまく回転しているようなので、つまみの見た目の傾きさえ我慢すれば問題なさそうです。

あと、写真の右側のつまみのシャフト軸を入れる方の内径が小さくかなりきつかったので、4.5mmのドリルで穴を広げたらすんなり入るようになりました。

組み立てるときに一つだけ注意点。ベアリングと回転体を押さえつけるためにナットとさらに内側に金属板状のバネが入っていますが、このナットが使っていると緩んできて微動が効かなくなってくることがあります。このナットが緩まないように、ねじ止め剤が最初から付いているようでしたので、それに合わせて組み立て時もねじ止め剤を添付します。こうすることで微動の効きが変化したり、動かなくなったりすることを防ぐことができます。

IMG_5218
ナットのところの青い液体がねじ止め剤です。

あとは下側の2つのネジの役割をしっかり理解することです。アイピース側から見て奥側の長いネジはフォーカス可動部の筒自身を固定する役割、手前側のネジがシャフトと可動部の密着度を調整するネジで、ここでつまみの固さを調節できます。

今回の修理の結果、まだ多少つまみの回転に渋いところは残っていますが、実用上問題無いくらいにはなりました。微動も多少渋いこともありますが、ほとんど問題なく動いています。もう少し使って、もし実戦で不満が出るようなら次はモーター付きに買い換えるかもしれません。

 

一昨年の自宅での「お化け屋敷観望会」昨年のお寺での「きもだめし観望会」に引き続き、今年も下のSukeが計画した恒例の夏のきもだめし。場所は去年と同じ近所のお寺。先週地域観望会をやったのと同じお寺です。Sukeに「きもだめしなのに...」とブツブツ言われながらも、私はついでに観望会を敢行。


IMG_5184


数日前の準備の時に「パパ、スピーカーある?」とかいうので、PCにつなげるスピーカを渡したのですが、どうやらそれをきもだめしで使うようです。去年くらいからSukeがSCRATCHに相当凝っています。今回はPCのカメラで見て画面に反応があったらいろんな音をランダムで出すプログラムを組んでいて、結構複雑なことをやるみたいです。私も今日準備中のテストの時に見てみたのですが、きちんと動いているようでした。私も誰も一切手伝っていませんが、SCRATCHを使って実用上で動くものにまで仕上げているので、まあ大したものです。昔からそうでしたが、やりたいことがあると周りから何をどう言われてもやり通す子で、今回も全部一人で準備からセットまで、脅かし役は友達まで巻き込んでやっていました。きもだめしのお客さんは学区内の子たちで、学校に頼んで全校生徒にチラシを配っています。最終的には30-40人は来ていたでしょうか。

19時にきもだめしのはじまりでみんなお堂に集まります。簡単な経路の説明の後に、妻のつながりでお話専門の方が何人か来て、怖い話を聞かせてくれます。当然本を読むとかではなく、全て覚えていて何度も繰り返しているプロのような方達なので、多分小さい子は相当怖かったのかと思います。

IMG_5195


そのあとはお待ちかねのきもだめし。コースはお寺をぐるっと裏まで周り、裏のお墓の前を通り抜け、お堂の中に入りお札をとって、お寺の廊下をお堂まで歩きゴールです。


IMG_5188
お札をとっていきます。日本人形が本気で不気味です。
この人形は私が生まれた時に親が買ったものらしいで、もう40年以上前のものです。
ちなみにお札の中身は飴とかお菓子です。


途中何体かのおばけがいて、子供達のきゃーという声が響いてきます。私も最後に回らせてもらいましたが、暗い中懐中電灯の光だけを頼りにかなり長いコースを歩くので大人でも結構怖いです。SCRATCHの仕掛けもうまく動いていて、音も20種類くらいあり、どれも不気味で、小さい子は本気で怖がっていたようです。

IMG_5203


きもだめしの順番が来るまで待っている子、きもだめしが終わった子から順に望遠鏡をのぞきます。今日は午後くらいから天気も良く、月齢5日の月も少し残っているので、月と惑星の絶好の観望会日和です。

IMG_5182

きもだめしが終わった後に望遠鏡をのぞきに来た子たちに感想を聞いて見たら「めっちゃ怖かった」とのこと。中には大したことなかったと強がりを言っていた子もいましたが、大半の子が相当怖かったみたいで、中には泣き出した子もいたとのことです。去年あまり怖くないと言われたのが悔しかったのか、今年は相当怖くしたみたいです。

今日は月と木星、土星、火星とC8で見てもらいました。やはり月と土星の反応が良く、木星も縞と衛星に驚き、火星はまあ予測通りの反応でした。電視観望でM57とM27も見せたのですが、今回一つ気づいたことがあります。

Stack_22frames_35s_WithDisplayStretch
さて、M57はどこにあるでしょーか?


M57
コッコでーす!ココ、ココ、ココでございまーす。

Stack_16bits_113frames_181s
M27はどこにあるでしょーか?ってさすがにこれはわかりますね。


M27
コッコでーす。

少しでも星のことを知っている人は、星雲を見るとかなりいい反応をしてくれるのですが、今回のようにきもだめしに興味を持ってきている、星は特にそれほど興味がないというような本当に一般の人には、星雲を見せてもあまり反応がありません。どうも星雲というもの自体がよくわからないみたいです。それよりも月や土星の方がはるかに反応がいいです。実はそもそも観望会にわざわざ来るような人たちは、一般の人といってもそれなりに星に興味がある人なので、これまでも星雲に対する反応がよかったのかと思います。この違いは意識しておくべきかと思いました。なので今日はC8での眼視が中心となりました。

そのなかで、電視で見た天の川だけは、うっすらと見えたにすぎませんが反応がよかったです。天の川を見たことがないという人も多く、やはり街中で、街灯の明かりも眩しく、目でどうやって見ても何も見えない天の川が、高感度カメラを使うと簡単に見えるというのは多少インパクトがあったようです。

IMG_5204


そんな中、一人だけ異常に反応がいい子がいました。小学校4年生だそうですが、宇宙のことが大好きで、将来は研究者になりたいのだそうです。小学校1年生の時のお寺の観望会(3年前で、この時まだ私は星を始めていませんでした)で目覚めたそうです。こんな子がいると嬉しくなるので私も張り切ってしまい、C8を導入やらピント合わせやらいろいろ操作せてあげたりしました。

IMG_5205
4年生の子に赤道儀とか色々触ってもらいました。

いろいろ聞いていると、家には望遠鏡は教材の付録についてきたものがあるだけというので、きもだめしが終わってから自宅に寄ってもらい、昨年の福島のスターライトフェスティバルのジャンケン争奪戦でいただいた入門用の屈折を持っていってもらうことにしました。少しだけ自宅の庭でうまく見えるか確認して、簡単な操作方法だけ説明しました。まずは自分で月から入れてみてくださいといって渡しました。これがきっかけでもないですが、このまま興味が続いて将来天文ファンになってくれると嬉しいです。

IMG_5206

あとで聞いたら、きもだめしも観望会もとても好評だったようです。今日は大成功でした!Sukeはまたもや疲れ果てて自由研究できず。大丈夫か?


前回の記事の続きになりますが、同日牛岳でEOS 6DとSAMYANG 14mmで多数枚撮った天の川写真をタイムラプス映像にしてみます。

今回タイムラプス映像をを作るにあたり、レンズ補正のプロファイル以外でLightroomを初めてまともに使ってみました。タイムラプス映像はこれまでは簡単のためにほとんどJPEGフォーマットから作っていたのですが、事前にRAWファイルから多数枚に同じ加工を施して、各コマを作りたかっのがLightoroomを使った理由です。Photoshopでも多数枚の加工はできるのですが、LightRoomの方がはるかに簡単だったことと、SAMYANGのレンズプロファイルがLightroomにはあるのに、Photoshopにはないのが決定的でした。

そもそもLightroomの概念も存在意義も全くわかっていなかったのですが、これは思ったより便利ですね。
  • Photoshopが写真を含む画像一般のためのものに対して、Lightroomは写真に特化しています。
  • また、現像というメニューがあることからもわかりまが、多数枚の処理を前提にしています。なので処理が全然軽いです。
  • あと、全ての処理が可逆なのがすごいです。元のファイルをいじりたくないというのはすごく共感できます。
  • カタログという概念が便利です。処理の過程をすべて記録しているファイルと思っていいのでしょうか。RAWファイルから独立なので、RAWファイルとカタログファイルがあればやったことをすべて再現できるというわけです。

逆にそれによって制限されることもあります。
  • Photoshopのようなものすごい細かい操作を繰り返すと履歴がたまりすぎてこんがらがって来ます。処理が重くなるとかいうわけではなく、忘れることができないという意味です。
  • 多分ですが、Photoshopよりはできることは限られています。例えばトーンカーブをRGB別にさわれないみたいとかです。トーンカーブの曲げ方もPhotoshopほど細かくできるわけではなく、記録するためか触れるポイントとかに制限があるようです。2018/8/19 追記: トーンカーブ右下のアイコンを押すことで、RGB個別に、ポイントも任意に取れることがわかりました。PhotoShopとほぼ同じですが、繰り返しトーンカーブを適用するというようなことはできないようです。

前回の記事では、一枚を仕上げるのには途中PixInsightのDBEをつかって周辺減光やかぶりの補正をしているのですが、タイムラプス用にはそんな高度な処理を全枚数にかけるのは大変です。それでもLightroomでもかなりのことはできますし、下仕上げとして使うだけなら十分すぎる機能を持っています。タイムラプス用にどう処理をするのは

  1. Lightroomを立ち上げて、新規カタログを作成し、タイムラプスように処理したい枚数分のファイルを全て読み込む。
  2. 「現像」メニューに行き、その中の一枚に、レンズプロファイルを含む適当な画像処理を施す。
  3. 「ライブラリ」メニューに戻り、上で処理した一枚を含み複数枚のファイルを下部のサムネイルからシフトキーを押しながら選択する。
  4. その時出てくる「同期」ボタンを押す。
  5. 出て来た画面で適用したい処理を選択して、OKを押すと全てのファイルに最初ファイルに施した処理が適用される。
  6. 「ファイル」メニューの「全てを書き出す」からJPEGがファイルなど必要なフォーマットに変換して保存する。
  7. 待っていると全てのファイルが順に生成される。

このように、複数枚の処理がいたって簡単にできてしまいます。

LightRoomでJPEGに出力したあと、Sirius Compでタイムラプス映像にしています。

ただし出来上がったファイルは1GBクラスと相当大きいので、アップロードのために圧縮します。Youtubeにアップすることを前提に、今回はWindowsの64ビット版のHandbreakを使いました。以前のホタル映像ではiMovieを使って編集などをすることも考えて、QuickTimeを使って一旦.movファイルにしましたが、これだと圧縮されすぎてしまい、アップロードした際にあまり綺麗に再生されないことに気づきました。そのためHandbreakを使って、Youtube推奨の設定にします。今回使ったのはHandbreakの英語版の1.1.1です。最初日本語版の0.9.4を最初使ったのですが、コマンドプロンプトが一瞬出てすぐに消えてしまい、変換できないというトラブルがありました。英語版の最新にしたら素直に解決しました。

Youtubeの推奨に合わせていじった設定は、「Video」タブの「Framerate」を選択肢の一番上の「Same as source」にしたことと、「Quality」を「Avg Bitrate」にして10000kbpsにしたことだけです。あとはデフォルトの設定で、Youtubeの推奨のH.246コーデックのmp4ファイルが生成せれ、ファイルサイズが1.06GBから17.2MBまで圧縮されました。もちろん画質は落ちますが、見た目ではそれほどひどくはなっていません。

ということでできたタイムラプス映像です。


マスク処理はしていないので、雲のところが明るくなってしまっています。あと、錯覚かもしれませんが、左よりも右のほうが引き伸ばされて見えます。レンズプロファイルで補正してもこれなので、元はもっと差があるのかもしれません。何れにしてもファーストテストで撮影した時より、ひずみが大きい気がします。もう少し例を増やしてきちんと検証した方がいいかもしれません。

でもまあ、やっとタイムラプス映像の手法も確立してきました。マスク処理とかもLightroomで多少はできそうなのですがちょっと大変そうなので、これは今後の課題にしたいと思います。

このページのトップヘ