ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2017年12月

我が家に3台目のCMOSカメラ、通称赤カンがやってきました。ZWO社の新製品ASI294MCで、目的はもちろん電視です。1台目の224MCは星見屋さん、2台目の178MCはZWOのwebサイトから直で、今回はKYOEIさんでの入手になります。

元々は今回もZWOで手に入れようともしたのですが、国内の販売店の方がサポートなども楽にできるのでお勧めとのことです。実はKYOEIホームページを見てもZWOの新製品は載っていないので、最初ZWOに直に行ったのですが、残念ながらZWOでは在庫切れでした。一方KYOEIさんの方は、webには載せていなくても在庫があるとのことで、問い合わせてみることが大事だとよくわかりました。


ASI294の中身

さて、実際に箱を開けてみた中身ですが、

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  • まずはセンサーサイズの大きさに驚きます。これまで使っていたCMOSカメラとは全然違う印象です。
  • ASI224MCやASI178MCと違って、まずCSマウントの簡易レンズが入っていません。なので初めてのCMOSカメラとして一番最初に使おうとすると、簡単にテストができないので戸惑うかもしれません。フォーサーズレンズか、鏡筒を別途用意しておくといいでしょう。
  • 1.25インチ(φ31.7mm)に変換するアダプターは同じですが、それに加えてT2径を11mm伸ばすアダプターが付いていて、そこに先のφ31.7mm変換アダプターを取り付けることができます。そのため普通のアイピース差込口にそのままはめることができます。
  • さらに16.5mmと書いてあるアダプターがあるのですが、これは「M43-T2 adapter」と呼ばれるものなのでしょうか、4/3レンズをつけるマウントみたいですが、私はまだフォーサーズレンズを持っていないので確かめられません。
  • どうもいくつかZWOのASI294MCページの説明と写真とは少し違うようで、まず説明の方の1から7番の部品で、3、5、6番がオプションとなっていますが、2番のEOS-T2アダプターもオプションで付属はしていません。私は以前電視用に購入しているのですが、Canonレンズを使いたい場合は持っていてもいいかもしれません。
  • 1番のM43-T2 adapterは写真の方には載っていませんが付属しています。代わりに写真の「T2-1.25'' adapter」は付いてこないようなので注意が必要です。
  • キャップが1.25インチ、2インチともに付いているのは好感が持てます。


ASI294MCの特徴

さて、ASI294MCの特徴ですが、電視観望という観点からなにが面白いかと言いますと、

1. まずはフォーサーズという大きなサイズでありながら、2017年6月とかなり最近発表されたSONYの裏面照射CMOSセンサーIMX294を使うことで、SNR1s0.14lxという驚異的な数値を出しているところでしょう。これはこれまで最高だったASI224MCにも使われてるIMX224や、ZWOのもう一方の新製品ASI385MCに使われるIMX385の0.13lxに相当する値で、なおかつセンサーサイズが2.5倍から4倍と圧倒的に大きいということです。同じ画角で焦点距離の長いレンズを使うことでより暗い星まで映し出すことができるはずです。SNR1sは電視にかなり直結する値だというのが以前調べた時の印象で、今回は大きく期待できるところです。

2. また画素数も4144x2822もあり、不足気味だったASI224MCの1305x977と比べると、撮影にも十分対応できるくらいの分解能です。

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右がフォーサーズサイズのASI294MC、左が1/3インチサイズのASI224MCになりますが、実際のセンサーサイズを比べてみると、その差は歴然です。単純に一辺で4倍なので、面積は16倍になります。

なお、中の黒いリングは最初から固定されていて、取り外して使うことは想定していないようです。私は最初これにフィルターをつけることができるのかと思っていましたが、よくみるとネジを切っているわけではないので、取り付けることはできなく、下手に取り付けようとすると下のガラス面を傷つけるので気をつけた方がいいです。

3. 一素子のサイズも3.75umから4.63umと大きくなっているので、一素子あたり受けるフォトン数も約1.5倍となります。

それでもSonyのα7Sに使われている一素子8.4umでフルサイズ35mmというお化けセンサーに勝つことは到底できませんが、あれはセンサー単体では発表されていないのと、一眼レフカメラという制限がどうしても付いてしまうために、星食い問題があったり、別途スタックができないということなどから、意外に今回のIMX294でもなんとか太刀打ちできるのではないかと考えています。

4. 伏兵なのがFull wellが63700とかなり大きいということかもしれません。これまでASI224MCでの電視で不満だったことの一つが、明るい恒星がすぐに飽和してしまうことでした。大きなFull wellはダイナミックレンジに直結するので、飽和を緩和できるかもしれません。


考えられる使い方

まず一番に考えられるのが、大きなセンサーサイズを利用した、50mm以下の短焦点レンズを用いての広角の電視です。星が画面一面に散らばったような映像を楽しむことができると期待しています。
(追記: 2017/12/17にやっと少しだけ雲間から星が見えてファーストライトが実現しました。本当に圧倒的な迫力で星がちりばめられていました。)
その中に色がついた星雲がいくつも見えるような電視観望ができたらと思っています。実際、天の川などの淡い部分もかなりの光害下でも見えてしまうのではと思っています。いろいろ試してみたいと思っていますが、問題が一つ。これまでASI224MCの電視で使っていたようなCSマウントやCマウントのレンズを使うことは苦しくなってくるはずなので、別途レンズを揃える必要があります。以前買ったNIKORの50mm、f=1.4でまずは試して見たいと思います。

これまではASI224MCのセンサーサイズの制限から、星雲などを見るときも200mm以下の非常に短い焦点距離のレンズを使っていましたが、もう少し長い焦点距離のレンズを使うことができます。具体的にいうと、FS-60CBに0.5倍のレデューサーをつけて180mm程度にしていたものから、FS-60Q状態の600mmで使うことが十分できるようになります。圧倒的な解像度で楽しむことができるでしょう。その一方、当然焦点距離が伸びた分暗くなるので、電視にとっては幾分不利になるのも事実で、より明るい光学系が欲しくなるかもしれません。もしかしたら一番最初に買って最近あまり出番のない口径20cm、焦点距離800mmのSKYWatcherのニュートン反射BKP200がかなり使えるかもしれません。

できることなら撮影にも使いたいと思っています。冷却タイプではないのですが、解像度、14bitという分解能、圧倒的なセンサー感度から考えて、かなり「気軽」にそこそこの撮影ができてしまうのではないかと密かに期待しています。

さて、富山は冬型の気圧配置で今日も雲一面です。雪も降り始めているのですが、新CMOSカメラのテストができるように、晴れてくれる日がとても待ち遠しいです。


その2でASI294MCの性能評価しています。
 

天文ショップを少し回りました。

特に買いたいものがあったわけではなかったのですが、スターベースで入門用の望遠鏡を選んでいるお客さんがいろいろ迷っているみたいだったので、お手伝いがてら話すことに。迷っていたのはSCOPETECH、Vixen、Celestron、MEADの入門用の屈折です。スターベースに置いてあるものなので、どれも入門用としては十分で、月や惑星を見るぶんには困らないと思います。その途中に、もう一人話に参加して来た他のお客さんがいて、その人と私でえらい盛り上がったのがスターベース製の入門用の屈折です。タカハシ色になっていて、国産品で作りはかなりしっかりしているようでした。アクロマートなので値段も特別価格のせいか、先のメーカと十分競争になるような価格帯なので、下手をしたら上記メーカーの入門機を食ってしまうような感じです。店長さん曰く「そうだといいんですが...」とのことで、さらにいろいろ聞くと、まだつい昨日かそこらでタカハシの工場に届いたばかりと、出来立てホヤホヤの新製品のようです。最初に迷ってたお客さんも、私たち二人の盛り上がり具合を見てさらに迷いだしたのですが、その方が一番重要視するのは、子供が使うということで重さとのことです。最後はSCOPETECHを選ばれたのですが、うちの小学5年生のSukeもSCOPETECHの大ファンで、軽さは何物にも変えがたいことも十分わかっているので、いい選択だったのではと思います。

さて、やっとここで今回のタイトルにたどり着くのですが、そこで一緒に盛り上がった方から「cafe TEMOって行きましたか?」と言われました。私は全く知らなかったのですが、なんでもcafe TEMOのTEMOは「てんもん」の意味だそうです。店長さんが双眼鏡が好きで、日の出光学の社長さんや、今回のSCOPETECHの社長さんもちょくちょく来ているところらしいです。そういえば天文ショップはこれまでたくさん行きましたが、天文をテーマにしたカフェなんてのは行ったことがなかったので、少し足を伸ばして行ってみました。

cafe TEMOの場所は武蔵小杉駅からだと歩いて15分くらい、武蔵中原駅からだともう少し近いみたいですが、今回は散歩がてら1kmちょっとの道をのんびり歩きました。お店は細〜い道にあり、一旦見過ごしてしまい、引き返してやっと見るけることができました。

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中に入ると、双眼鏡の棚があり、横には反射型望遠鏡が。

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この日は星月だというご主人は不在でしたが、奥様が店にいて、聞くとなんとこの反射型の鏡は貴重な木辺鏡だとか。

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私も星が好きなことを伝えると、所属グループの会報を見せてくれて、木辺鏡の由来なども知ることができました。2016年9月号の星ナビにも、由女さんのマンガにcafe TEMOの訪問記が載っていることがわかりました。いろいろ話を聞くと、ご主人は双眼鏡で星を見るのが好きで、売るほどあるので5年ほど前から販売も始めたとのこと。この日は日の出光学のD1という機種を覗かせてもらいました。

お客はずっと私一人だけ。本当に小さな、まるで隠れ家のようなカフェなのですが、もちろん食事もできます。この日はカレーを頂きました。五穀米に大きな牛肉がゴロゴロしていて、上に野菜をのせた、とても丁寧に作ってあるカレーでした。味はもちろん、ボリュームもかなりあり、大満足でした。奥様とついつい長話をしてしまい、カフェオレとチーズケーキまで食べてちょっと贅沢をしてしまいました。チーズケーキはチーズと生クリームだけで作った、何も焼いていないレアチーズケーキで、甘さも控えめで、とても美味しかったです。

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奥様とも星の話をいろいろしたのですが、その途中で娘さんがご主人にプレゼントしたという、新潮社の超大型本の部類に入る「PLANETFALL」という惑星の写真集を見せて頂きました。とても綺麗な惑星の写真を集めてあり、私は特に火星の表面の模様に感動しました。値段を見ると7000円と多少高価なのですが、本の大きさと内容の充実度から考えると全然安く感じます。それでも娘さんが高校生くらいの歳の時に、頑張って自分のお小遣いでお父さんにプレゼントしたというのを聞いて、同じ娘を持つ父親としてよほど嬉しかったんだろうなあと、その時の状況が眼に浮かぶようでした。そのお嬢さんも中3くらいまでは星見に付いて来てくれたみたいです。うちのNatsuも今中1ですが、いつまでついて来てくれるやら。

あまりの居心地の良さに、すっかり長居してしまいましたが、今度はぜひご主人がいる時に行ってみたいです。

他にも天文が好きな人がやっている店はあるはずで、こう行ったところを回るのも面白いなと思いました。また機会があれば、どこか行ってみようと思います。






 

先日の馬頭星雲と燃える木ですが、この間志摩で一緒だったAさんのFacebookでの投稿に刺激され、淡い上品な表現を目指したくなりました。それでも暗くなってしまうのを避けたいのもあり、今まで手をつけていなかった、星マスクに挑戦してみました。

先に出来上がった画像を示しておきます。前回の画像と比べてもかなり趣が変わったのと、恒星の飛びが抑えられているのがわかると思います。

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Steller Image8でのダーク減算、フラット補正、ホット/クールピクセル除去、コンポジット、レベル補正、デジタル現像までは同じなので、SI8からPhotoshopに受け渡したところから始まります。

まず、星マスクの作り方ですが、ホームページを漁るといくつか出て来ますが、どうやらよっちゃんさんが源流のようです。ここのページも合わせてみると理解しやすいかと思います。流れとしては
  1. 元画像から恒星以外の星雲を消し去って白黒反転させたマスクを作り
  2. そのマスクをアルファチャンネルに登録する
  3. マスクを加工しながら、適用範囲を調整する
  4. 元画像を白飛びを気にせず思う存分加工する
というような順序で実現するようです。

基本的には上記ページに従うのですが、私がやった過程も書いておきます。


マスク画像の作成1: 微恒星のマスク

  • まず、Photoshopで開いた元の画像を全選択してからコピーして、それをペーストして別のレイヤーを作ります。
  • ペーストして作ったレイヤーを「フィルタ」の「明るさの最小値」で2ピクセル程度に設定して適用します。ダスト&スクラッチでぼかしすのもいいようです。どこまで微恒星を残すかによるのですが、私の場合は後者の方がうまくいったようです。
  • そのレイヤーを「差の絶対値」として表示すると恒星のみが残ります。この際、大きな恒星は表示されないので、後で別にマスクを作ります。
  • これをグレースケールに変換します。その際下の画像と統合かと聞かれますが、統合しないと次のレベル補正がうまくいきません。
  • 一部星雲が残っているところはレベル補正で消します。
  • これを「階調反転」します。
  • さらに適用範囲を微調整するために、ガウスぼかしを0.5~1ピクセルくらいで適用します。
  • これをマスク画像1としますが、上の調整は適時行います。
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マスク画像の作成2: 大きな恒星のマスク
  • 再び元の画像開いて、これをコピーしてペースとして別のレイヤーを作ります。
  • 同様に「フィルタ」の「明るさの最小値」で恒星の大きさに合わせて5〜20ピクセル程度に設定して適用します。
  • その画像そのものをグレースケールに変換します。下の画像と統合かと聞かれます上と同様に統合します。
  • 一部星雲が残っているところはやはりレベル補正で消します。
  • これを「階調反転」します。
  • さらに適用範囲を微調整するために、「フィルタ」の「明るさの最小値」で恒星の大きさに合わせて5〜20ピクセル程度に設定して適用し、ガウスぼかしを10~40ピクセルくらいで適用します。
  • これをマスク画像2としますが、これも適用範囲を見ながら随時調整します。
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マスク画像の適用
  • マスク画像1と2を統合して、全選択してからコピーします。
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  • もとの画像を開き、「チャンネル」タブを選択し、一番下の「新規チャンネルを作成」というアイコンをクリックします。できたアルファチャンネルを選択して、そこに先ほどのマスク画像をペースとします。
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  • 一番下の「チャンネルを選択範囲として読み込む」アイコンをクリックするとマスク画像が適用状態になります。同じチャンネルタブのRGBを選択状態にすると、マスクが適用されたもと画像をいじることができます。
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  • あとは、普段なかなか思いっきりあげられない露光量や無理なレベル補正も思いのままです。
  • もし思ったっ通りにマスクが適用されていない場合には、アルファチャンネルを調整することで適用範囲を調整することができます。私の場合さらにレベル補正でもっと黒塗り部分を濃くすることでマスクの適用を強調したり、思ったより大きな恒星があったので、さらにガウスでぼかしたりしました。
いろいろやっていて思ったのですが、HDR用に3秒程度の撮影を毎回しているのですが、それをそのままマスクとして使っても楽なのではと思いました。

さて、できた画像が一番上に示したのものです。前回上部が赤カブリ、下部が少し緑カブリだったので、それも補正しました。ホワイトバランスもあまり崩れないようにしました。何よりピンクというよりは上品な桃色をめざしました。かなり印象が変わったのと、前回より時間をかけたので丁寧な仕上がりになっていると思います。自宅の庭でここら辺までできるのなら、自分的には結構満足です。こうなってくるといつでも撮影できる天体ドームが欲しくなってきます。天文趣味は本当にキリがないです。

星マスクは敷居が高く感じていたので、なかなか手が出せなかったのですが、やってみると思ったほど難しくは感じなかったです。むしろ明るい星の飛びに悩んでいたのですが、その効果は絶大なので、もっと早くにマスターしておけばよかったと思うテクニックです。






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