ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2017年09月

飛騨コスモス天文台のドームの修理をするという機会がありました。もちろん初心者の私はドームなど持っている訳がないので、ドームの仕組み自体よくわかっていないのですが、今回の修理を通じてとてもいい勉強になりました。考えたこと、やったことをメモがわりに書いておきます。他の人にはなんの参考にもならないです。多分。

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事の発端は、前々回の観望会でドームの屋根が開かなかったと、代表のYさんから聞いたことです。この時の観望会は胎内星まつり最終日と同じ日に開かれ、さすがに疲れ果てていた私は参加できなかったのですが、故障の様子は次の週に行った原村の星祭りで、一緒に行った飛騨コスモス天文台の常連の中3のS君から聞いていました。遠方の業者に頼むのも大変だということで、先月のペルセウス流星群の観察の時に中を一度見せてもらって、必要そうな道具を揃え、娘のNatsuと一緒に昨日2017/9/10の午後から飛騨コスモス天文台に向かい、13時半頃に到着し、早速作業に取り掛かりました。

まず前回確かめたことは、

  1. 2つのモーターと2本のチェーンを使って、屋根の可動部分を両側から引っ張って、開けたり閉めたりしていること。
  2. 開きすぎたり閉じすぎたりしないように、屋根がある位置まで来ると電気的にスイッチを切るストッパーが付いていること。
  3. そのストッパーを解除すると、開く方向には屋根もモーターも全く動かないのに、閉じる方向にはモーターも屋根もきちんと動くこと。
  4. さらにチェーンを緩めてモータに負荷をかけない状態でスイッチを入れても、開く方向にモーターが全く回らないので、モーター自身が動かないということが確認できました。この時点で、何かつっかえていて動かないという可能性が消えたということになります。
  5. 夜遅く暗いため、見通しも悪いので、これ以上はモーターが壊れているのか、電気的に何かおかしいのかの切り分けができませんでした。

2台のモーターが同時に一方向のみ壊れる可能性は少ないです。それでも一方向だけにすごい負荷がかかって何かおかしなことが起きる可能性もゼロではないです。

今回は、まずモーターの故障がないか確かめるために、モーターを台座から外してチェックしてみることにしました。やはり閉じる方向にはモーターは動きますし、開く方向には動きません。モーターのところに電圧が来ているか調べるために、結線を外そうとしましたが、再度繋ぐ接続用の金具とそれをかしめる工具を持っていないので、モーター付近での電圧チェックは諦めます。その代わりに、もっと電源近くで電気的に色々確かめてみました。

まず、モーターを駆動しているのはSW-03という、電磁開閉器でした。これを二つ使って、開く方向と閉じる方向でコントロールしているようです。ここでモーターはAC100Vでそのまま動くものと理解できました。SW-03に外部スイッチをつないで電流を供給するかどうか制御しているようです。

SW-03の右下2つのネジはAC100V電源をつなぎます。左下2つは外部スイッチにつないで、ここで制御するみたいです。右上2つはモーターにつなげます。左上2つと、下の奥に2つ接続できるネジがありますが不明です。あと、2つ並んだSW-03の右に二つ何か繋げそうなところがありますが、これも不明です。

電磁スイッチ自身は開く方向にも閉じる方向にも、二つともきちんと働いていました。これは外から見てスイッチ部分がパチンと押し込まれるのですぐにわかります。でも、モーターにつながっている線のところの電圧を測ると、明らかに閉じる方向と開く方向で違いがあります。ここでこのSW-03の出力側が何か悪さをしているのか、つないでいるモーターの先に何かおかしなことが起きているかに限られてきました。

そこで次に試したのが、動かない開く方のモーターへつながるケーブルを、動いている閉じる方向のスイッチにつなぐことでした。ここで動けば確実にSW-03の問題と確定します。結果は見事開く方向にモーターが回りました。モーターに問題がないこともわかりました。

さてここからが問題です。SW-03を交換すればいいのかどうか。でもよくあることなのですが、一度外してまたつなぐとなぜか動くということもあります。そんなことをみんなと話しながら、試しにやってみたら今回これが見事に当たって、これまで動かなかった開く方向のSW-03に開く方向のケーブルを再度つなぐと、きちんと開く方向にモーターが回るのです。スイッチがたまたま故障気味でたまたま一旦直ったのか、まだ謎でした。

とりあえずモーターに問題がないことは確定しているので、モーターを再度定位置に取り付けました。この時チェーンの張りがきつくて、ネジが穴になかなか到達せず、実はこのモーターの再取り付けが一番大変でした。

モーター取り付け後、屋根を試しに開いていくと、また開く方向に止まってしまって、全く動かなくなります。同じようにケーブルを外し、スイッチを一度入り切りをし、再度ケーブルを取り付けると、再びモーターが回るようになります。これを数度繰り返して、やっとこのSW-03には電流リミッターのようなものが入っているのだと理解ができました。一旦リミッターが入ると、リセットするためには負荷のない状態で一度スイッチを入れてやる必要があるようです。SW-03の説明書などを見ればわかるのかもしれませんが、その場でぱっとはみつからず推測に頼らざるを得ませんでした。

なぜ負荷がここまで大きいのかは謎でしたが、とりあえず最低限動くようにはなった訳です。ここで開閉のテストをしました。まず、途中でガタンガタンと言いながら、動きが鈍く、同じようにモーターが動かなくなってしまう時があります。チェーンを見ると、左右で張りの具合が全然違うことに気づき、きつい方のチェーンのギヤを緩めてみました。ギヤのところでチェーンを外に多いく外してやると、2、3段づづジャンプしてきつかった方向が緩んでいきます。これを何度か繰り返し左右のバランスが取れて来ると、もう不可でモーターが止まるようなことはなくなりました。

ところがまだ完全には開かずに、途中で止まってしまいます。モーターが止まっているわけではなく、屋根がどこかに当たって止まっているようです。チェーン部分がよく見えるように、カバーになっているところを外して何度かくりかえると理由がわかりました。チェーンがたるみ過ぎていて、ある段差を越えるところでチェーンが折り重なってしまって、そこを越えることができないのです。ここは、モーター位置をずらして、よりチェーンを張ってやることで、ほぼそのようなことはなくなりました。

3度ほど開閉テストをして、まだ多少の緩みや、ガタゴトはあるものの、最初に比べたらはるかにマシで、開閉もスムーズにいったので、これで良しとしました。

今回のをまとめると、
  1. 長年の経年劣化か何かで左右のチェーンのバランスが崩れて、開く方向の負荷が常時大きい状態になってしまった。
  2. 電磁開閉器のリミッターを超えた電流が流れるために、リミッターが働いてしまった。
  3. 負荷を取り除くことができなかったので、リセットしようにもできない。
  4. 負荷を取り除きリセットしても、左右バランスが悪いままだと再びリミッターが入ってしまう。
  5. 左右バランスをチェーンの張り具合の調整で整えてやることで、スムーズに動くようになり、モーターの負荷もへった。

ということです。

昼13時半頃から初めて、ちょうど17時の放送くらいで終わりました。娘は最初の頃は手伝ってくれてましたが、途中からは飽きたのかギターで大声で歌っていました。とにかくドームが無事に直ってよかったです。帰りにぶどうや梨などいただきました。家族でいただきましたが、とても美味しかったです。

疲れて昨晩はすぐに寝てしまったのですが、こういうことは大好きなので、とても楽しかったです。だいぶん仕組みがわかったので、次回問題が起きてもなんとか対処できそうです。何かあったらまた遠慮なく言ってください。


先週の富山市天文台の天文台まつりで知り合いになった家族の元に、胎内星まつりでジャンクで買って整備したミニポルタ A70-LFが巣立っていきました。

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Sさん一家は子供がなんと4人姉妹で、中でも上の高1と中2の二人が星がすごく好きで、昨年は天文台に毎週のごとく通っていたとのこと。 天文台の職員のWさんの紹介で知り合ったのですが、Wさんからいろいろ教わって星に本格的に興味が出たとのことです。まだ小学生くらいだと恐竜とかと同じで純粋に宇宙に興味を持つのですが、特に天文サークルなどに入っているわけでなく、女の子で中学や高校まで星に興味を持ち続けるのは珍しいのかもしれません。 天文台祭りでも娘のNatsuに星のことをいろいろ教えてくれていたみたいです。星だけでなく、そこらへんは年頃の女の子たちで、いろいろ楽しそうに話していたみたいですが、親は当然仲間に入ることはできません

星は大好きなのですが、望遠鏡はきちんとしたものを持っていないとのことです。なんとか格安で望遠鏡を手に入れたいということなので、自宅に来てもらい欲しいものを選んでもらいました。実際に持っている望遠鏡というものを持って来てもらったのですが、学研の図鑑についていたもので、 学研とKenkoとのコラボで作ったものらしく、口径は30mmもあったでしょうか、すごく小さくて、三脚もプラスチックのすごく可愛いものです。さすがにこのクラスだと導入自体も難しく、これまでなかなか星も見ることができていなかったようです。

今回豪華(?)に、
  1. 持って来てもらった図鑑についていた望遠鏡
  2. 安価なものとして胎内星まつりで特価で購入したKenko製のSKY WALKER SW-0
  3. 古いけれどもものはしっかりしているものとして先週Iさんから頂いて、やっと整備ができたばかりのVixenの口径70mm、焦点距離400mmの鏡筒
  4. いつも下の子が使っているSCOPETECH
  5. 今回巣立っていったミニポルタ
の計5台で使い比べと、見比べをしました。

2017/9/8、夕方も薄明が終わる19時頃にSさん一家が到着して、まずは家の中でSKY WALKER SW-0を二人に組み立ててもらいました。勘所は分かっているようで、特に迷うことなく組み立てているので、これならば望遠鏡を渡しても問題なさそうです。

  • 2. 組み立て終わったSW-0を早速のぞいてもらいました。ファインダーの調整が出来なかったので、それだけは最初に私がやって、土星を導入してもらいました。ですが、なかなかうまくいきません。三脚が軽く柔すぎて、しかも角度の微調が全く出来ないことが原因です。相当苦労して、なんとか土星を入れたみたいです。
  • 3. 次にVixenの単焦点の方を試してもらいました。こちらの三脚も入門クラスのカメラ用三脚なので、微調はしにくいですが、それでもSW-0に付属の三脚よりははるかにマシです。土星もまあどうにか導入できたようです。
  • 4. SCOPETECHはいつものように下の子Sukeが一瞬で導入していました。
  • 5. 最後にミニポルタです。二人とも導入に慣れて来たのと、微動ハンドルがついていることもあり、ずいぶん簡単に導入していました。
  • 1. でも実は一番面白いのは学研図鑑に付いていたもので、この簡易望遠鏡での導入はとてつもなく難しく、子供が土星を入れるのは全く無理でした。私も試したのですが、かなり苦労してやっと視野に入れることができました。しかもすごく軽いので、ちょっと触っただけですぐにずれてしまいます。

5機種で試してよく分かったのは、初心者が手に入れやすい簡易で低価格のものほど導入が難しいということです。低価格のもので全然見ることができない(見え味が悪いという意味ではなく、導入することができないという意味)ので、使わなくなってしまった、興味が無くなってしまったという話をこれまで何度か聞いたことがあるので、これは不幸です。初心者ほど、入門クラスの中で多少無理してでもせめて微動ハンドルがついているくらいのものを買った方がいいということは間違いなさそうです。


でもこのクラスって、新品で安いところを探してもやはり最低数万円はするんですよね。いろいろ話をすると、子供の天文機材で1万円を超えるものを出す親はほとんどいないことがわかります。もちろん親が興味を持てば別ですが、子供が欲しいと言って、且つかなり理解がある親でも、聞いている限り1万円くらいが限度です。

この差を埋めるのはおそらくきちんとした天文機器メーカーでは至難の技で、今の所古かったり、ジャンクで、かつ格安で程度のいいものくらいしか思いつかないです。もちろん初心者が一人で古い望遠鏡を買っても、メンテナンスが大変なのでオススメはできないので、必ず詳しい人のサポートが必須です。なので、私も自分が面倒が見える範囲でしか格安のものを渡すことができません。しかもせっかく手に入れた望遠鏡が見えないのは、やはりショックなはずなので、ある程度見えるものを責任持って渡すのも、気を使わなくてはなりません。


さて5機種の見え味ですが、これも比較して見ると値段相応ということがよくわかります。簡易なものは当然レンズも安価なものを使っているので、収差がひどく、例えば今回のように土星を見ようとして倍率を上げると赤と青の収差でぼやけたように見えてしまいます。

その後、倍率を落として5台で地平線から上ってきた月を見ました。月はすぐに逃げていかないのでゆっくり見ることができるので、じっくり比較できます。月でさえも、安価なものはクレータなどをくっきり見ることはできませんでした。

もちろん月をちょっと大きく見て、わあ綺麗!というくらいなら、どの望遠鏡でもいいでしょう。でもこのように比較しながら土星を見てみると、SCOPETECHやミニポルタが初心者用といえども、いかに丁寧に作られていて、くっきりと輪っかまでよく見えるということがよくわかります。

あ、さすがに一番小さな望遠鏡は月の導入もなかなか大変で、ピントを合わせようとするとすぐに視野がずれたりで、落ち着いては見えませんでしたが、地面に這いつくばって頑張って導入するのは、なぜだか一番楽しく、子供達にも大うけだったことを付け加えておきます。

あと、散々望遠鏡の話をした後にするのも何なのですが、KASAIの「WideBino28」とSCOPETECHの「星座望遠鏡」、あとこれも星まつりのジャンクで手に入れたミザールの4倍の双眼鏡で、低倍率星座観察もしました。星のことを知っている子には実は望遠鏡よりもこちらの方が面白くて、星座の形がきちんとトレースできてしまいます。特に4倍だと16倍くらい星が明るく見えるので、3等位暗い星が見えます。視野は多少狭くなりますが、こと座くらいだったら全体像を把握することができます。この4倍が一番インパクトがあったみたいで「すごい星の数が見える!」と喜んでいました


この日は星を見るのはもちろん、休憩中に、持ってきて頂いたケーキを食べながらみんなでお話ししたり、子供たちはオセロをしたりギターを弾いたりと、夜遅くまで盛り上がっていました。結局望遠鏡は、操作性、見え味など総合的に判断して、ミニポルタを持っていってもらうことになりました。星まつりでジャンクで買った値段に、アイピース2つと整備した時に追加した微動ハンドル2本も星まつり価格そのままで、市販で買うよりははるかに安価です。もちろんそのぶん汚れていたりもするのですが、そこらへんは納得してもらうしかありません。

願わくばこの望遠鏡で存分に楽しんでもらって、いつか赤道儀を使ったり星雲まで挑戦したりと、興味を持ち続けてくれればと思います。

手塩にかけた望遠鏡なので、なんだが娘を嫁に出したような気分ですが、女の子の元に行ったので婿に出した気分といった方がいいのでしょうか。



 

先週に引き続き、昨晩も晴れわたっていたので月齢13.7日の月を撮影しました。澄み渡った空に浮かぶ、満月直前の透き通るように綺麗な月でした。


「月齢13.7日の月」

2017-09-04-1131_2-RGB-Moon_lapl6_ap1821_w_ps

富山県富山市 2017/9/4 20:31
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 4.0ms, 28fps, gain 50, 200/1000 frames



「湿りの海付近」
 
2017-09-04-1150_5-RGB-Moon_lapl5_ap6181_w_cut

富山県富山市 2017/9/4 20:50
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10.0ms, 27fps, gain 100, 200/1000 frames 



「ティコ」

2017-09-04-1152_0-RGB-Moon_lapl5_ap7347_w

富山県富山市 2017/9/4 20:51
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10ms, 30fps, gain 100, 200/1000 frames 



「シッカルド」

2017-09-04-1218_6-RGB-Moon_lapl4_ap6466_w_cut


富山県富山市 2017/9/4 21:19
C8 + Celestron3倍バロー + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 7.5ms, 27fps, gain 300, 200/1000 frames 



「コペルニクス、ケプラー、アリスタルコス」

2017-09-04-1229_9-RGB-Moon_lapl5_ap6609_w

富山県富山市 2017/9/4 21:30
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 5.0ms, 18fps, gain 150, 200/1000 frames 



「雨の海と氷の海」

2017-09-04-1235_4-RGB-Moon_lapl5_ap5446_w


富山県富山市 2017/9/4 21:35
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 5ms, 28fps, gain 150, 200/1000 frames 



C8の焦点距離2000mmは高解像度のASI178MCで多数枚のスタックが生きてくるような範囲で、ほとんど画像処理が必要ないくらいシャープに出てきます。

一方3倍バローでの拡大撮影はシャッタースピードを速くしてみましたが、それでもまだ眠たい感じが残ってしまいます。少しピンボケのような感じもします。鏡筒自体の調整をあまりしていないので、一度きちんと見直してみようと思います。もしくはもっとスタック枚数を増やす方向の方がいいのでしょうか?






 

胎内星まつりで、なぜか2年連続でテントサイトが隣同士になった、富山在住の方と知り合いになりました。原村の星まつりでも再会し、その時に雑誌のバックナンバーが楽しくて集めているとかいう話をしていたのですが、今回、昔の天文ガイドが大量にあるのでいらないかとのオファーを受け、日曜にその方の自宅に行ってきました。

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まず、冊数がすごいです。最近引っ越したために置き場所がなくなったとのことですが、持って帰って数えてみるとなんと280冊。一番古いのが1989年からあって、1990年台前半は少しだけ、1990年台後半から2016年まででは一冊抜けただけて、ほぼ全部揃っています。もちろん自分で集めていた多少のバックナンバーもあったのですが、9割方被らなかったので、相当補完された形です。特に、以前手に入れた1990年台前半が被らなくて助かりました。さすがにこの冊数だと読むのに時間がかかりそうですが、必ず目を通して、またこのブログでまとめ記事にしたいと思います。

実は雑誌だけでなく、自作ピラーや余っている昔の鏡筒など、色々なものも同時に頂きました。特に鏡筒は、整備して星好きだけどなかなか望遠鏡を手に入れられない子に渡したいと思っています。ポイントは1インチ接眼部から1.25インチ接眼部の変換でしょうか。アイピースは星まつりで集めた安いものがあるのですが、三脚や赤道儀、経緯台などの余りがないので、ここら辺をなんとかしなくてはいけません。細かいパーツでも新品で買っているとすぐにいい値段になってしまうので、中古やジャンクなど、できる限り安価にと思っています。

Iさんは眼視が好きと言っていました。カメラもフィルム時代のものが多いそうです。それよりもっと面白いのは、ジャンク品を安く買ってきて自分でいろいろ直して使っているところです。私もジャンク大好きなのですが、長年集めた圧倒的な機材の数には到底及ばないと思いました。屈折の対物レンズだけ手に入れて、自分で鏡筒と組み合わせて、光軸まで調整できるとのことです。いままで屈折だけは怖くてあまり分解したことがなかったのですが、これから自分でも挑戦してみようと思いました。いろいろ面白くて、午前中ずっとお話しさせてもらいました。

Iさん、たくさんの雑誌と機材、本当にありがとうございました。頂いたものはできる限り有効に使わせていただきます。


8月30日と31日、ここ最近にしてはめずらしく晴れていたので自宅の庭で月を撮影してみました。上弦を過ぎ、満月に向かっていく月です。

実はその前日の29日に月面Xが出ていたのですが、あいにくその日は富山は曇りで何もできなく、その鬱憤ばらしで始めたのですが、月は思ったより面白いですね。日々姿を変えるのはもちろん、何よりその美しさは、望遠鏡で見ていると、冗談抜きにして何度見てもうっとりしてしまいます。

以前撮った時と同じように、CMOSカメラのASI178MCの高解像度を利用して、動画で月を撮影してスタックしました。まずは夕方のまだ明るいうちの月です。


「夕方の月」

2017-08-30-0904_7-RGB-Moon_lapl5_ap7907_r_mod


富山県富山市 2017/8/30 18:05
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10.0ms, 28fps, gain 0, 200/1000 frames 


もう少し暗くなってからです。

「月齢8.7日の月」

2017-08-30-0940_5-RGB-Moon_lapl5_ap920_Drizzle15_w2_ps


富山県富山市 2017/8/30 18:40
FS-60CB + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 10.0ms, 28fps, gain 50, 200/1000 frames 


C8を使ってもう少し拡大してみます。焦点距離200mmなので、上の写真を6倍くらい拡大したことになります。すごく綺麗な場所があったので撮ってみました。あとで調べたらアペニン山脈という名前だそうです。


「アペニン山脈」

2017-08-31-1213_7-RGB-Moon_lapl5_ap6619_w_sharp


富山県富山市 2017/8/31 21:14
C8 + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 12.5ms, 27fps, gain 150, 200/1000 frames 


さらに3倍バローを入れて何箇所か撮影しましたが、さすがに空気の揺らぎが大きくなってしまい、シャープさに欠けます。一枚だけ載せてみますが、こちらはまだまだ研究の余地ありです。

test_moon_20170831

富山県富山市 2017/8/31 21:41 
C8 + Celestron3倍バロー + ZWO ASI178MC + Advanced VX
Shutter 25ms, 29fps, gain 300, 200/1000 frames 
 

やはりバローを使った拡大撮影は、倍率を考えたり、シンチレーションの少ない日を狙うなど、もう少し色々試してみたいです。

最後に、撮影風景を60Dで撮って見ました。赤いライトが雰囲気を出しています。

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今回、撮影用とは別に電視用に原村の星まつりで買ったiOptronの400mmの短焦点の安いアクロマートと、オークションで買ったCelestronのNexstar 4NEの課題を組み合わせて、実戦投入を想定してテストしてみました。上の写真の左側に少しだけ見えているやつです。いろいろ改造もしているので別の記事でまとめました。
 

電視観望用システムとして長らくタカハシのFS-60QとAdvanced VXを使ってきたのですが、赤道儀が重いことと、天体写真撮影に使えるレベルの精度があり電視には少しもったいないので、もっと簡易なシステムをずっと考えてきました。機材がだいぶ揃ってきてたのと、かなり安いもので揃えているので、いくらか改造などが必要でしたが、そこらへんのことをまとめて書いておきます。


まず機材です。

1. 鏡筒

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胎内星まつりで購入した、iOptronの口径80mmで焦点距離400mm、F5のかなり明るいものです。アクロマートレンズですが、電視には十分でしょう。軽いので持ち運びも楽ですが、部品はプラスチックも多く、値段相応といったところでしょうか。使ってみて一番の問題は、ピント調節の部分に相当ガタがあり、つまみを反転すると視野が思いっきりずれるところです。それだけでなく、ピント調節つまみが軽すぎで、天頂に近いところを見るとアイピースの重みでピントがずれてしまうことがあります。この問題を解決するために、アイピースを取り付ける部分を分解して、筒の内側の対物レンズに近い側にパーマセルテープを二重にして貼り付けました。その結果、適度につまみが重くなったことと、なによりガタが相当減りました。少なくとも実用上困らない程度のレベルになりました。

実際に使ってみるとわかるのですが、鏡筒側の接眼部分を相当伸ばさないと焦点が合わないこともわかりました。CMOSカメラはまだいいのですが、普通のアイピースをつけるときはアイピースの延長アダプターが必要になります。

そうすると今度は伸ばしたアイピースが、次に書いてある片持ち経緯台の台の部分に当たってしまいます。それを避けるためには鏡筒を前方に取り付けたいのですが、付属のアリガタプレートでは長さが足りません。そのため、長めのアリガタプレートを既存のアリガタプレートに重ねる形で、長めのネジで鏡筒に取り付けました。これで鏡筒部を相当前方に持ってこられるようになり、接眼部が台に当たってしまうようなことは避けることができます。ただしプレート取り付けの際、接眼部を丸ごと外さないと、鏡筒内側のナットが落ちてしまって、再度はめることができないことに注意です。

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2. 自動導入機能付き経緯台

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CelestronのNextStar 4SEの架台部分をオークションで落としたものです。これも軽くて、自動導入機能がついていて、しかも自動導入の精度も、追尾の精度もそこそこ出るので重宝します。経緯台と三脚の間の隙間にネジで胎内の星まつりで手に入れた、水準器を取り付けました。

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水準器のプレートに穴が空いていて、三脚側にもちょうどいい穴が空いているので、M6ネジとナットとワッシャーで固定しました。

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これで星が雲で隠れがちな時などの初期アラインメントの精度がかなりましになります。例えば、観望会はじめはまだ明るいうちに始めることが多いので、明るい惑星のみが見えたりでなかなか初期アラインメントが難しい状況になります。それでも見はじめなければならないので、そんな時は惑星アラインメント機能(Solar System Align)が便利です。月でもアラインメントが取れるのもポイントです。少なくとも惑星アライメント機能が電視で使うぶんくらいの精度は十分にあることもテストできました。

(2017/10/21 追記: ちなみに、Nexterの初期アラインメントは3つの星を合わせるSkyAlignよりも、水平さえ出してしまえばAuto Two-Star Alignが一番手間が少なくて、導入の失敗も少ないです。最近はこちらの方を主に使うようにしています。)


3. カメラ
CMOSカメラは2種類使い分けています。
  • 月などの明るい天体で高解像度が欲しい場合にはASI178MC
  • 星雲などの淡い天体を見たい場合にはASI224MC
です。最近凝っているのは月の方で、PCの画面の解像度よりもカメラの解像度の方が細かいので、画面でかなり拡大しても破綻しません。その場で拡大するとまるで月を探検しているような気分になります。


4. Software
Windows10上でSharpCapで画面を表示しています。SharpCapの詳しい使い方はここを参照してください。PCを置く机も必須です。コストコで買ったColemanの70cm四方の折りたたみ机を使っています。椅子も落ち着いて見るためにはあった方がいいでしょう。



実際に観望会で使ってみて

そんな折、昨日の富山市天文台の「天文台まつり」でお客さんがいるところで実際に使ってみました。まず、これまでより圧倒的に軽いので、持ち運び設置など、全てにおいて楽です。また、単3乾乾電池8本での駆動で、しかも本体に内蔵できるので、外部の重いバッテリーなども必要ありません。充電式の1.2Vでも問題なく使えています。

特に夏季の観望会はまだ明るいうちから始まることが多いので、星が出ていない状態で初期アラインメントが必要となります。これまではAdvanced VXで木星くらいが見えた段階でろくに極軸も取らずに、とりあえずファインダーで入れて見える状態にして、そのままお客さんがひっきりなしでくるので自動導入するだけの極軸精度が出ないというのが毎回のことでとても苦労していました。今回上で書いたように、水準器をつけて水平を出せるようにして、月での初期アラインメントを本番で試して見ました。水平さえ出せばそこそこの精度で、一度導入すると電視レベルだと実用上30分くらいは月はほぼその位置にいてくれます。ずれても少し直す程度です。

いくつか欠点もわかって来ました。ファインダーの類がないので、最初は相当低倍率のアイピース(45mmとか使っています)か何かで導入してやらないとダメです。CMOSカメラのセンサーが小さすぎて、初期アラインメント時の導入は厳しいです。

カメラの画面の表示にはSharpCapを使うのですが、Windosw10のタブレット機能を使うと拡大、縮小が画面をタッチしてできます。ただし、任意の場所を見るには画面をスクロールしなくてはならず、その操作にてまどいます。iPadくらいにもっとこなれたインターフェースがあると助かるのですが、Windowsだとなかなか厳しいかもしれません。

それでも電視観望用としては、重さ、手軽さ、精度などを考慮して、必要十分なパフォーマンスを得られることがわかりました。鏡筒も経緯台もかなり安く仕上げているので、CMOSカメラが一番高価な天文機器になるくらいです。これからもますます活躍してくれそうなセットアップになり、やっと少し満足してきました。

 

2017/9/2、富山市天文台のイベント「天文台まつり」に参加してきました。イベントは昼の部と夜の部に分かれていて、メインは天気が良ければやはり星の見える夜の部になります。子供二人を連れて、3人で昼の部が始まる14時30分の少し前に到着しました。すでにお客さんも来始めていて、急いで準備をしました。

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子供二人も手伝ってくれて、上の娘のNatsuはカメラ係を任命され、今回のイベントの写真を撮るという大役を任されました。今回の昼間の出し物の一つは、いつものSCOPETECHで、外に張り出した天体写真を見ることです。下の子は望遠鏡の操作の説明を担当してくれました。望遠鏡は自由に触ってもらって、操作を体験してもらいます。私の方はというと、もし小さい子が退屈していたらと持っていった絵本「ホシオくん天文台へ行く」の読み聞かせを、なんと3回もすることになってしまいました。

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昼間の部はそれでも80人くらいと、まだ大したことはなかったのですが、19時からの夜の部はなんと350人くらい来たとのことで、大盛況でした。夜の出し物は、最近やっと実戦投入できるようになってきたiOptronの400mm鏡筒とNexstar自動導入経緯台での電視による月観測と、SCOPETECHを自由に触ってもらって月や土星を見てもらうことです。ここでも導入の仕方の説明で下の子が大活躍してくれました。

天気は最初かなりよく、途中30分くらい雲が覆いましたが、最後の方でもまた雲が晴れ、まあ満足できるくらいの天候でした。月の画面をみんなで見ることができるのと、それが拡大できるので、クレーターなども細かく見ることができ、皆さん楽しんでくれているようでした。特に雲が流れると画面でも雲が見えるので臨場感が増します。

今回は説明をずっとしていて、他のところは全く回ることができなかったのですが、空が曇っている間は建物内が大混雑だったようです。天気も良かったので、非常にたくさんの人たちに来てもらい、すごく盛り上がったのではないかと思います。

天文台の方の紹介で、すごく星が好きな家族2組みと知り合うことができました。ちょうどうちの子供達と同じような年齢の子がいたので、観望会の間仲良くしていたようです。星が好きな子は話していてもすぐにわかりますね。

ところがこれだけ星が好きでも、望遠鏡を持つということはなかなか難しいみたいです。両家族とも、子供が小さい頃に買った小さな望遠鏡があるだけみたいで、ちょっといい望遠鏡は高すぎてなかなか手が出ないとのことです。星まつりにすごく興味が出たみたいで、もしかしたら福島に行くことになるかもしれないとのことで、そこで格安で状態のいい望遠鏡を手にれることができるかもしれません。

今回のお祭りは、以前ドームに遊びに行った惑星撮影のOさんとその時一緒に会った方、富山大の天文同好会の学生さんなど、久しぶりに会うことができた人もたくさんいて、私自身すごく楽しめました。来年も時間のある限り参加したいと思います。

天文台の職員の皆様、県天はじめ富山大天文同好会やボランティアの皆様、どうもお疲れ様でした。楽しいイベントを開催していただき、ありがとうございました。


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