ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2017年02月

関東に行ったついでに少し時間があったので、CP+を覗いてきました。

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いうまでもなくCP+はカメラの展示会で、その中のごく一部に望遠鏡関連の展示があるだけです。来ている人を見ているとカメラ人口と天文人口の差を見ている気がしました。というのも、望遠鏡の展示は端から順にKenko、Vixen、Borg、Celestronくらいで、せいぜいあとは双眼鏡が二つあるくらいで、いまいち盛り上がりに欠けているのです。

それでもVixenではAXJというAXDの廉価版のような赤道儀があったり、星好きな人にとってはとても簡単なクイズ(写真に写っている天体は?「M31」など)に答えるとポーチがもらえるなど、それなりに楽しむことができました。

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KenkoはMEADEを扱っていたので、いくつかハイエンド機を見ることができたり、

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Borgは欲しいと思っている55FLが展示してあったので、じっくり見ることができました。

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Celestronにはシュミットの店長さんもいて、挨拶がてら少しだけお話ししました。

やはりメインはカメラなのですが、ここで改めて分かってしまったことが、私自身カメラにはまだそれほど興味がないということです。星祭りの望遠鏡コーナーはどれだけいても飽きないのに、カメラ展示はすぐに飽きてしまいます。というより、多分あまりまだよくカメラの世界に浸っていないので、見るべきところが理解できていないのだと思います。一応Canonの新製品のX9iとかもちらっと見たり、Sonyのα7SIIがいいなと思ったりしたのですが、結局明るいところでカメラを見ても普段暗いところでしか写したことがないので、何もわからないのです。そんな中、気を取り直してカメラの中古販売コーナーに行ったのですが、店舗こそたくさん集まっていましたが、今興味がある超広角レンズはほとんどなく、他もそれほど興味があるものには出会わず、時間もそれほどなかったので早々に立ち去ってしまいました。

少しだけ都内を回る時間があり、せっかくなのでキタムラの中古店を何軒かと他にも中古カメラ店を何軒かまわりました。特に秋葉原と新宿のキタムラの品揃えがよく、今回買おうと思っていたFS-60のカメラ回転装置が売り切れだったこともあり、半分衝動買いに近かったのですが、SIGMAの10-20mm F3.5 EX DC HSMのCanon用の超広角レンズを買ってしまいました。実はCanon純正の10-22mmも同じ値段であったのですが、ズーム時に軋み音がなるなどちょっと難があったのと、設計がSIGMAの方が新しいので結局SIGMAにしました。去年の5月の本当に一番最初の頃に少しだけとった星景写真をずっと再開したいと思っていたので、今の季節でも冬の天の川など楽しみが増えそうです。

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関東に行く機会があり、少し時間があったのでいつものように天文ショップをハシゴしました。

今回の収穫はコプティック星座館です。ホームページが長いこと更新されていないので、もうやっていないのかと思っていたのですが、関連会社の清原光学に連絡すると、まだやっているというので行ってみました。都内でも数少ない天文ショップの一つなので、貴重な存在です。場所は東新宿駅から歩いて数分のところです。電話して連絡すると店を開けてくれるそうなので、もし店舗に行かれる方はあらかじめ連絡しておくといいと思います。

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手前に見えるのがコプティック星座館で、奥に見えるのが清原光学で、隣同士です。あいにく詳しい人は土曜日だけしかいないとのことで、代理のような女性の方が対応してくれて、店内をざっと見て来ました。雑誌の新刊や大量のバックナンバー、ボーグの新しいカタログが大量にありました。評判通りボーグの品揃えがよく、細かいジャンク品のようなものもたくさんあり、ボーグユーザーなら随分と楽しめることと思います。私も55FLを狙っているのですが、FS-60Qがお気に入りで、未だに手が出ていません。気になったのは自己出版のような反射望遠鏡の光軸合わせのマニュアルなどの、見たこともない冊子で、中身を見たかったのですが、袋に入っていて見ることができませんでした。店員さんによると、お店の方は細々とやっているとのことで、昔からの常連さんはよく来てくれて、観望ツアーなども行なっているそうです。この方は星のことはあまり詳しくないとのことで、今度は担当の方がいる土曜日に来てみようと思いました。

天文ショップではないのですが、秋葉原近くの書泉ブックタワーで天文関連の本を見に行きました。なんと以前中古で結構高い値段で買った「デジタル天体写真のための天体望遠鏡ガイド」が新品でありました。もう絶版のはずなのに、さすがマニア向けの本が集まる書泉ブックタワーです。しかも当然定価販売なので、中古より安く買えます。ここでは今回はナツメ社の「星座の事典」と誠文堂新光社の「四季の星座神話」という本を買いました。理由は星座をあまりに知らなさすぎるのを実感したからです。雑誌で毎月季節の星座の記事は読んでいるのですが、いざ人に説明しようとするときちんと覚えていないとほとんど説明できません。富山でも普通に見る星は明るいものばかりで、星座をきちんと追おうとすると自宅とかでは結構大変です。Widebino28を使うと結構暗い星までちょうどいい大きさで見えるのでじっくり見て見たのですが、意外にもこれが面白くて、位置とかも苦労せず覚えることができます。望遠鏡や撮影もいいですが、雲間からの星くらいしか見えないときはこういった星座観察がとても楽しいです。「星座の事典」は全ページカラーで、その星座にある星雲や星団、面白い天体など、事細かく買いていてくれて、読むだけで楽しいです。写真もとても綺麗で、名著の部類に入ると思います。もう一つの神話の本はまだなかなか頭に入りませんが、驚いたことに星座の事典と著者が全く同じ二人組で、事典の方があれだけ面白いので、神話の方ももう少し興味が出ればとてもうまくまとめてくれているのかと期待しています。

さて、話が逸れてしまいましたが、天文ショップに話を戻します。

スターベースではいつものようにS君と会い、ここではFS-60Qのエクステンダーの前後のキャップを手に入れることができました。エクステンダー単体で買った時のみついてくるものらしいです。私はFS-60"Q"でのセット購入にあたるので、エクステンダーを外した時に埃などが入らないように苦労していて、適当なキャップをずっと探していたのですが、専用品があるとは知らなかったです。さすがタカハシ直営だけあります。今回は雑誌のバックナンバーは買いませんでしたが、子供用に子供の科学特別編集の「不思議発見図鑑なぜだ!?」という本を買いました。2007年発行と少し古いのですが、虫眼鏡をつかった望遠鏡の詳しい作り方や、サビ鉄ラジオの作り方などが載っていて、科学好きの子供にはたまらない内容の本です。

シュミットでは沖縄から来ているお客さんとお話しすることができました。天文歴40年のベテランの方で、とても教育熱心な方のようです。子供達に星を見せるのが大好きな感じの方でした。その方がやっているブログを後で見たのですが、ジャンクで同じ望遠鏡を5本も持っていて子供達に開放するなど、とても面白方のようです。名刺交換をしたので、沖縄に行ったら是非連絡を取って一度遊びに行きたいです。

KYOEIではMさんとまた長話をしてしまいました。ネタはMさんが始めたブログで、天文ショップの店員がさん実際に試した天文機器を、店員さんの感想とともに紹介していくという内容です。最初の記事はオートガイダーのM-GENをなんと秋葉原で使うというもので、さすがにあの光害の中で使えるのなら、暗いところなら余裕で使えるのだろうと思わせてくれる内容です。ちょうど5つ目の記事をアップした直後だったらしく、結構な頻度で更新していますので、今後が楽しみです。

他にも中古のカメラ屋を何軒か回りました。安い広角レンズを探していたのですが、残念ながら購入には至りませんでした。それでも秋葉原に何軒か中古カメラの店があるとわかったのは収穫でした。

相変わらず東京の空は晴れていました。富山に帰ってから昨日たまたま夜晴れたのですが、疲れ切っていて不覚にも寝てしまいました。また今晩から雨みたいです。残念。

 

以前から準備をしてきた、県天メンバーによる天文写真展が富山市天文台で先週から始まっているのですが、先週はインフルエンザでさすがに外には出ることができなかったので、土曜日(2/18)になって家族で行って来ました。

駐車場から800mほど歩くのですが、途中に池があって鳥が見えたりするなど、自然の感じられるとても気持ちのいい道です。 冬は寒いので、暖かい格好をしていくことをお勧めします。入館して職員の方と少しお話ししてから、写真はそこそこにまずはみんなでプラネタリウムに入りました。ここの特徴は何と言っても「ゴロ寝タリウム」と呼ばれる、寝転びながら見ることができるプラネタリウムです。そのプラネタリウムも手作り感満載で、一つ一つの星がLEDで表示されていて、春夏秋冬の4つのモードが楽しめます。一般のプラネタリウムでありがちなテープ解説なんてものはもってのほかで、当然のように生解説です。解説員さんとの距離がとても近い(頭のすぐ上で普通に話してくれています)ので、なんと解説員さんと会話のできる生解説で、質問なんかもし放題です。今回のお題は「富山で呼ばれて来た天体の名前」というので、一例を挙げるとオリオン座の三つ星は「だんごぼし(飛騨地方では「みたらしぼし」だそうです)」、赤いベテルギウスと白いリゲルは「平家星」と「源氏星」(場所によっては落ち武者の影響で平家と源氏が逆に伝わっている地域があるらしいです)、プレアデス星団は「ごちゃごちゃぼし」など、富山らしいこれまで聞いたことのない面白い話を聞くことができました。

プラネタリウムを出ると望遠鏡を見るのですが、天気が悪いのとついこの間見たばかりなので今回はパスしました。ですが、1mの反射鏡で富山では一番大きい望遠鏡になります。天気がいいとその季節のいろいろな天体を見せてくれます。今回のメインの天体写真は61点もあり、県天メンバーの力作が揃っています。内容は1階が珍しい天文現象、星と景色を同時に撮影した星景写真、2階が星雲星団と銀河、3階には月の出、階段には月、惑星、彗星、太陽と、分野ごとに分けてあり、いろいろ見比べることができます。立山に上る天の川はとても綺麗ですし、昴と彗星の共演はとても珍しいです。星雲星団も綺麗な写真が揃っています。個人的に一番面白かったのはレンズに乗っかった虫でした。私も恥ずかしながら4点出しましたが、もう少し腕を上げなければと反省しきりでした。なお、一階には天体写真の写し方の解説の展示コーナーもできていたので、興味のある人は参考にするといいかもしれません。

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天体写真の関連情報ですが、2月26日の15:00から県天メンバーによるサイエンスカフェ「天体写真の楽しみ」というタイトルで、天体写真の写し方の解説が行われます。私は仕事で残念ながら行けないのですが、星の写真を写して見たいという方にはお勧めですので、ぜひお出かけください。あ、入館料がかかりますので、ご注意ください。大人210円、小人(小・中学生)100円ですが、土曜、日曜、祝日は小・中・高校生は無料など、他にもいろいろ割引などもありますので、お問い合わせの上お出かけください。

天文写真展は2016年2月11日から5月14日まで開催されています。 開館時間は日曜日 - 火曜日が午前10時 - 午後5時30分(入館は午後5時まで)、水曜日 - 土曜日が午後1時 - 午後9時30分(入館は午後9時まで) となっています。夜は晴れていると望遠鏡を覗かせてもらえます。天気が悪い場合でもごろ寝タリウムで楽しむことができます。 


ちなみに、この日の帰りには富山では屈指のうまさの楓でラーメンを食べて来ました。
 

インフルエンザにやられてしまい、ずっと寝込んでいましたが、昨日あたりからやっと回復して来ました。昨日今日で、少し試したことを書いておきます。ちょっとした工夫で結構な進歩です。

一つはStick PCのワイヤレス接続の安定化で、アクセスポイントモードにならないのを解決したことで、こちらの記事の中に追記記事として書いておきました。

もう一つは、Stick PCにインストールしたStellariumからAdvanced VXで自動導入できるようにしたことです。これは以前やったのと全く同じことなので簡単でした。ただし、(もともと、CCDから出ているガイドケーブルを利用して自動導入もできないかという試みでしたが)シリアルケーブルを省くことはできないため、ガイド撮影状態から実質ケーブルは一本追加です。でもこれでリモートで自動導入ができるようになったようなものなので、よしとしましょう。


今日の本題です。以前ETX-60ATの記事を書いてから、だいぶん時間が経ってしまいました。 なぜこんなに間が空いてしまったかというと、手持ちの0.5倍のレデューサーが、ETX-60ATの可動範囲ではどうしてもピントが出ず、このままだと画角が狭すぎていまいち電視に向かないため、やる気が出なかったからです。ETX-60ATはもともと眼視用のアイピースで焦点が合えばいいように作られているので、当然のことながらレデューサーの使用なんかは全く想定に入っていないため、調整範囲がそれほど広くないことから起こる問題です。

今回のセットアップでピントを出すためには
  • 調整つまみがもう少し回って、鏡筒の(多分2枚玉なので)2枚のレンズ間の距離がもう少し縮まる
  • CCDをもう少しだけ望遠鏡の中に入れ込む
  • CCDの前に取り付けられるレデューサーをもっとセンサー側に近づける
などがあります。

なんとかうまい方法はないかと、手持ちのアダプターを色々組み合わせたりしたのですが、いずれも解無しで、最後はどうしても取り外せないアイピース取り付け口を切ってやろうかと、半ば諦め掛けていました。その過程でレデューサー自身を分解してみたのですが、中身は結構な厚みの2枚がさねの平凸レンズの形をしているということがわかりました。通常に取り付けると平側がCCD側、凸側が鏡筒側に向きます。これを見ていて、はっと思いつきました。凸側をCCD側に向けてやれば多少なりともCCDとレンズの距離は縮まるのではと。でも変わる距離としてはミリメートルのオーダー、これで効果はあるのか?とも思いましたが、結果は思った以上で、余裕で鏡筒の調整つまみの範囲内に無限遠でのピントが入ってきました。


ついでに気を良くして、ラジコン用のHe-NeバッテリーがEXT-60ATに使えないかも試して見たのですが、これも上々です。そもそも充電式の乾電池6本だと1.2V x 6 = 7.2Vくらいしか電圧が出ません。アルカリ電池ならまだマシなのですが、このために大量のアルカリ電池を用意するのもいまいちです。9Vの角型アルカリ電池も試したのですが、こちらは電流不足で、モーターの回転が始まると止まって、復帰してを繰り返します。ラジコン用He-Ne電池は公称7.2Vなのですが、実測は8.5Vくらいは余裕であります。今回試していないですが、Li-Poなら公称7.4Vで、実測はさらに高いです。何れにせよ大電流が前提の電池なので、こういった負荷が大きいモーター駆動には向いているようです。

とりあえず、やっとこれでETX-AT60の電視の準備が完了しました。あとは晴れるのを待って実戦投入です。またレポートします。


 

県天の仲の良いメンバーから飲み会のお誘いを受けました。富山駅近くのスペイン料理の店で、コース料理に飲み放題がついています。料理はとても美味しくて、前菜の一つにフォアグラがあったり、海鮮スープが美味しかったり、肉はローストビーフ状に塊で焼いてあってそれを分厚く切ってあったりと、とても美味しかったのですが、それよりも皆さんとのお話の方がとても面白かったです。

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というのも、今日来ていたメンバーは私よりも年上の方ばかりで、しかもみなさん天文少年だった方ばかりです。この間見て来た1980年代の雑誌の頃の話を直に体験している人たちばかりです。 パノップ、スリービーチ、ダウエルの話はもちろん、他にも知らない名前の怪しそうなメーカーのこともたくさん知っていました。初めて買った望遠鏡の話で盛り上がり、意外にもミザールが多かったのが印象的で、この間ニューアポロ型を手に入れた話をしたら、一部ですごく盛り上がりました。昔の天の川が普通にどこからでも見えていた時代に、子供の時分を過ごしたというのは、羨ましい限りです。私は子供の頃は都会の方で、すでに星なんかほとんど見えていなかったので、もしもう少し星が見えているところにいたら、子供の頃かもっと星に興味が持てたのかもしれません。

実はこの間、35年位前の天文ガイドの広告で、前橋至誠堂という会社の富山支部の方が私と同じ町内に住んでいるということを知りました。もしかしたらと思って名前をメモっておいたので聞いてみると、やはり皆さんその方のこともご存知で、自宅のすぐ近くに住んでいていまだ元気でいらっしゃるとのことでした。もうかなり年配の方らしいのですが、その方にもらった双眼鏡の話だとか、天気のいい夜に家にいると怒られた話だとか、色々話してもらえました。もう天文はやめられてしまったとのことですが、近くなので機会があればお話ししてみたいと思います。

機材の話でも盛り上がり、特にZWOのCCDを何人かの方が購入されていたのが印象的でした。ASI1600MMの冷却型でとった綺麗なバラ星雲も見せてもらいました。皆さん本当に星が好きな人ばかりで、話題が尽きることはありません。

一部の方は、その後カラオケに行かれたとのことですが、私は帰りのバスがなくなってしまうので一次会で退散させていただきました。とても面白かったので、久しぶりに飲みすぎて酔っ払ってしまいました。自宅に着くと星が綺麗だったのですが、フラフラでとても撮影できる状態でなかったので諦めて寝てしまいました。またなにかありましたらご一緒させていただけると嬉しいです。



 

以前の記事でSWATの揺れが風と特定したと書きましたが、どうやらこれは嘘を書いていたことが判明してきました。つい先日の晴れ間のテスト (その後、こちらに移動)で3秒のトラベジウムが赤経方向にのみ伸びているので、ガイドが悪さをしているのではないかと疑いを持ち始めたわけです。これに決着をつけるべく、同様にトラペジウムをガイドのあるなしで撮影し、優位に差が出るのかを試しました。

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まずは、前回の再現です。条件は、FS-60Q(焦点距離600mm)、SWAT-200での一軸追尾、極軸合わせはSharpCapで今回は1分程度の精度。撮影のカメラはEOS 60D、Backyard EOSでピント合わせをしています。その上で焦点距離50mmのガイド鏡(ASI224MCにCマウントレンズを組み合わせたもの、1ピクセル3.75umで、1ピクセルあたり15秒角とかなり大きい)を用いたPHD2での一軸のガイドありで、ISO1600、3秒露光で撮ったトラベジウムです。ガイドの条件はCCDが1秒露光で、あとはデフォルトの状態です。ただし、鏡筒の取り付けをより安定にするために、SWATから鏡筒への部品点数をできる限り少ない状態にしました。これは外乱による揺れの影響をできる限り避けて検証したかったからですが、少し条件が変わってくるので、ここが影響するようならまた別に検証する必要がありますが、以下の結果を見る限りその心配はなさそうです。さてこの状態で撮影すると以下のようになりました。

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写真を見る限り以前のブレの再現性はあり、赤経方向に明らかに流れているものが20枚中13枚、気持ち赤経に流れているようなものが4枚、真円に近いものが3枚でした。その際のPHD2の制御状況を見て見ると、RMSでは赤緯の方が小さくなっています。

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これは赤経の方がガイドにより乱されているという結果と一致します。赤緯の方のピーク値があまりずれていかないのは、極軸の精度がそこそこあっているからです。先日試した時には北極星が見えなくて、適当な極軸合わせでやってしまったので、赤緯のピーク値(オフセット)がどんどん大きくなっていきましたが、今回はそんなことはないようです。


次に、ガイドを切ってSWAT-200の赤経方向の追尾だけで撮影しました。条件はガイドがなくなっただけで他は全て上と同じです。

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これは典型的なものですが、写真を見ると明らかに赤経方向の伸びがなくなっているのがわかります。20枚取って赤経方向のみに流れているものは一枚もありませんでした。その後さらにガイドありなしで何度か繰り返してでやってみましたが、再現性もあるため原因はこれでほとんど確定です。さらにミラーアップの影響があるかどうかを3秒のディレイを入れて試してみましたが、有意な差は見られませんでした。


ここまでの結論は、やはり焦点距離50mm、ASI224MCとの組み合わせのガイド鏡では、PHD2によるガイドだと4秒角程度の精度でしか合わせることができず、ガイドをすることによりむしろ誤差を増やしてしまっているということが言えると思います。


次に、ガイドレンズを200mmにしてみました。一番最初の頃に買ったEOS X7についてきた55-250mmのズームレンズです。これを200mmに合わせて、以前買ったCanonレンズをASI224MCに取り付けることができるマウントを使って、55mmから250mmの可変のガイドCCDを実現しました。

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統計情報を見てみると、1.5秒程度の揺れに収まりほぼ期待通りの結果になっています。この状態で撮った写真が以下のようです。

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微妙なとことで、赤経方向に伸びているものもあれば、真円に近いものもあるという、言ってみればまだ精度が足りていないような感じの結果でした。内訳は20枚のうち、明らかに赤経に流れているものが5枚、流れているような気がするものが8枚、流れていないものが9枚でした。

少し納得できなかったので、EOS 60Dでの位置ピクセルあたりの画角を計算してみました。すると1.6秒程度と、今回の精度とほぼコンパラな値です。実際に画像に写るのは揺れのバラツキなので、それをルート2倍ほどとすると、まあガイドにより画面で見て伸びが見えたり見えなかったりというのは納得できるような結果かもしれません。言い換えると、もう2倍ほど、できれば1秒以下くらいの精度が欲しいということになります。精度を上げるとすると、300mmクラスのレンズにするのか、もっとピクセルサイズの小さいCCDを使うのか、Def-Guiderなどでソフト的に精度を上げるかなどですが、もう少し検討です。


あと驚くべきことは、赤緯方向も短時間ならガイドをしなくても少なくとも1秒角ちょっとの精度が出ていることです。CCDのピクセルあたりの誤差が大きいので、実際にはもっといいかもしれません。200mmレンズの結果を見てもまだ赤経の方が伸びている場合が多いので、赤緯の精度は見えていないだけで実際もっといいと言えるでしょう。実はノータッチガイドの時の精度は正直もっと悪いかと思っていました。ここら辺の見込み違いが今回の誤解につながっていることは否めません。


さてこの結果を踏まえて、この日は空が晴れわたっていたので、月も沈んだ0時頃から満を持して撮影に入ろうとしたのですが、何と大結露大会で鏡筒はおろか、CCDのレンズ、カメラ本体に至るまで全て結露し、しかもだんだん凍りついてきたので、泣く泣く退散しました。真冬の深夜の撮影は思ったより厳しく、ヒーターを増強させる必要があります。

追記: 2017/3/26、やっと3分露光で星像が真円になりました。

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