ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2017年01月

2017/1/14の午前2時半頃寝るときに外を見たら、一瞬だけ雲間から星と満月に近い月が見え、雪景色で周りが明るく、とても幻想的な世界でした。写真を撮っておけばよかったのですが、眠くて諦めました。

朝起きても富山は連日の大雪で、星に関することは何もできません。せっかくの休日の昼間なので、以前秋葉原で見つけてきた格安減速機をやっと取り付ける気になりました。最近ピントがイマイチで撮影をしてしまったので、うまく取り付けることができたらリベンジしたいと思っていたところです。

今回使ったのは7分の1の減速機です。というか、7分の1しか見つけることができませんでした。タカハシ純正のも7分の1なので、もしかしたら減速機自身を製作している場所は全部同じなのかもしれません。取り付け方法は色々考えたのですが、極力シンプルにというのを方針としました。

まず、使った部品は次の写真のような、減速機本体、M4のキャップネジ、コメリで110円で買ってきたプレートの3点です。

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FS-60Qのピント回転つまみを外すのは最初少し戸惑うかもしれません。つまみ中心についているネジを外し、少し力を入れてつまみを引っ張ると、テーバー部分の摩擦で付いていた所からパカっと外れます。これはなかなかうまい機構で、ネジを締めると摩擦力が増すので、プラスチックのような柔らかいつまみでも壊れることなくうまく微少変形して軸と固定されます。

ここに新たな減速機を固定する必要があります。今回はM4のキャップネジを減速機側の穴に入れて固定し、そのネジで最初についていたネジと同じように、摩擦で減速機を軸に固定する方法をとりました。ただし、キャップネジの頭の径が減速機の穴の径よりも大きいので、ネジの頭を削ることにしました。下の写真の左が元のネジ、右が削ったネジです。

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最初はドリルとヤスリでちまちま削っていたのですが、いかんせん能率が悪いので、途中からディスクグラインダーとドリルを併用して削ることにしました。これだとすぐ削れるのですが、最初一本削りすぎてゆるゆるになり、ネジが垂直にならなかったので、2本目は穴の径ギリギリにして少しきついくらいではめました。

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鏡筒側にねじ込むのはどこを持っても空回転するので、減速機のイモネジのところに六角レンチを入れ、レンチを回転軸回りに回す方向で締めると、ある程度きちんと締めることができました。

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ピント合わせつまみの近くの、鏡筒の真ん中についている穴が二つあるネジは、カニ目レンチで外します。ペンチでも簡単に外れますし、細いドライバー二本をクランプなどで固定してネジの二つの穴のの幅に合わせて外すなどの方法もあるのですが、どうせ必要と思いアマゾンで安いカニ目レンチを購入しました。

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カニ目レンチで外したネジをプレートの穴に入れるのですが、穴が少し小さかったため、M4.5mmのドリルで径を広げました。もう一方はM2の穴ですが、プレートの既存の穴では位置が合わないので、先の穴の中心から52mmくらいのところにドリルでM2の穴を開けました。ここのネジはすごく短いので、厚いプレートを使うとネジを交換しなくてはならなくなります。M2のネジは入手しにくいので、できればそのままついているものを使いたいです。少しでもネジ山を出すために、M3のドリルでテーパーのザグリを入れました。鏡筒の真ん中についているネジも実は短いので、厚いプレートを使うのは、(後で書きますが強度的な心配があまりないので)必要無いと思います。ねじを交換できるのなら、厚さは自由です。 

プレートをつけると以下のようになります。

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今回使ったプレートは0.8mm位の薄いものなので、強度的に心配でした。さらに減速機とプレートを固定するネジがM2のネジ一本なので、きちんと固定できるのかも心配していたのですが、意外にも減速機とプレートとの回転方向には力がほとんど入らないため、特に問題にはならないようです。それよりも減速機自身の回転軸の回転方向の遊びの方が大きいです。

完成した写真が以下の通りです。

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 アルカプレートも元々あったように付け直してありますが、今回付けたプレートの厚みの分だけ鏡筒中心の二つ穴のネジの頭が飛び出るので、元々隙間が小さかったアルカプレートと当たってしまいました。そのためM6のワッシャーを2枚アルカプレート下に挟むことで干渉を防いでいます。

最後に写真のように金属製のつまみをつけました。実際の動作ですが、減速機の動きもスムーズで、ガタもほとんど気にならなりません。自分の工作精度からは、珍しく綺麗にシンプルにできたと思います。減速機のぶん最大幅が2cm程大きくなってしまいましたが、これは仕方ありません。

つまみの径は少し小さいですが、それを考えなければ7倍の精度になるはずなので、実戦投入が楽しみです。

かかった値段はつまみを入れても、タカハシ純正の減速機の定価の10分の1以下でした。ただし、先日ユーシートレードに行った時に、参考にと思い純正の減速機を触らせてもらったのですが、減速機側だけでも高速回転と低速回転が両方とも使え、見栄えもはるかに良く、さすがにきちんと作ってありました。予算に余裕がある方には純正の方がはるかにいいということは、言うまでもありません。


 

連続ですが、もう一冊紹介します。名著です。

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読書工房というところから出版されている「ホシオくん天文台へゆく」 という絵本です。小さい子たちが多いときの観望会で使えるのではないかと思ってアマゾンで購入しました。

まず絵本なのにページ数がなんと55ページ。小さい子では話の途中に飽きてしまうかもしれません。それでも作者の必要なものを詰め込みたいという思いがすごく伝わってきます。中に使ってある星や星雲も、絵本のクオリティをはるかに超えたきちんとした写真が使われています。ステラナビゲーターで作った画像も載せています。とても星が好きな人が描いたことがよくわかります。

お話は、ホシオくんのもとに新しくできた天文台から望遠鏡を見ないかという招待状が来るというところから始まります。ワクワクするような展開ですが、それよりもインパクトがあるのは天文台にいる博士役の「ウチュウさん」です。ホシオくんとウチュウさんという微妙な名前もすごく味を出しているのですが、ウチュウさんの顔のインパクトには負けてしまいます。それでも、そんなウチュウさんの解説は秀逸です。ポイントを押さえ、手短に的確にわかりやすくまとめてくれています。そんなウチュウさんの素晴らしい解説を全て裏切るようなホシオくんの超シンプルな迷セリフの数々には、家族みんな大爆笑でした。

内容は、月、惑星、太陽系、恒星、星雲、星団と、とてもしっかりしていて、最後はM31とM51で締め、ホシオくんが天文台から帰るところで終わります。観望会前の掴みはオッケーとなること間違いなしの本です。心配なのはこれだけ綺麗な写真を見せると、観望会での眼視での惑星や星雲にがっかりしてしまうかもしれないところです。

いつか本当の観望会で実際に使って見て、そのときの様子をまた報告したいと思います。(2017/8/11追記: お寺の観望会で小さい子相手に読み聞かせをしました。つかみはオッケーでした。)

 

地人書館発行の「2009年版望遠鏡・双眼鏡カタログ」という本をアマゾンで買いました。ホームページを漁っていたら、かなり気合を入れて編集した本だという記事があり、興味をもったからです。

2009年度となっていますが、中古ではなく新品で手に入れました。昔は毎年か何年おきかに発刊されていたとのことですが、現在でも2009年が最後となっているようです。どうやら「月刊天文」という雑誌を発刊していたところが出したもので、雑誌自身は2007年から休刊とのことです。最近の機種も網羅した新しい版を見て見たいのですが、状況はなかなか難しいようです。ただ、この2009年版は本当にかなり気合が入っていて、読んでいるだけで面白いです。

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そもそもまだこの世界に入って1年も経っていなくて、昔のことがあまりわからない私にとっては、まずは少し昔の状況を網羅してくれているので、貴重な情報源になります。また、全く知らないようなはるかに古い1970年代の機器の記事が載っていて、これがすごく面白いです。以前ミザールの前身の日野金属時代の望遠鏡を手に入れた記事を書きましたが、その頃の状況が色々書かれています。「往年の名機」特集では当時どういったものが評価されていたのかがよくわかります。望遠鏡は、コンピューターなどのデジタル機器の進歩の速さに伴いすぐ陳腐化する寿命と比べると、はるかに息の長いもので、中古で手に入れたC8は多分1985年くらいのものだと思うのですが、未だに十分使うことができます。 それでもさすがに1970年代のものは時代を感じざるを得ません。こう言った時代からの工夫が今の望遠鏡の形の礎になったのかと実感させてくれる記事です。

ところが、それよりももっと面白い記事が往年の「迷」機の方で、ちょっと前に御三家について調べていたので、短い記事ですが大笑いしながら読むことができました。コメットハンターを夢見て初めてのぞいた星野に視野一杯に彗星が輝いていたとか、イガ栗のような恒星だとか、本当にマンガのような話です。御三家はまだ有名なのですが、ここに出ているN通販のことは知りませんでした。今も格安望遠鏡にある倍率競争の源流が何とここにあるとは。

こういった面白い記事に加え、各望遠鏡のユーザーの辛口な評価はすごく参考になります。きちんと悪いところを書いてくれているのがいいです。ヘビーユーザーが何を求めているかがよくわかるからです。また、大学生の天文部を舞台にした「天体望遠鏡がほしい」と「双眼鏡がほしい」はすごくわかりやすい入門記事だと思います。惜しむらくは、本当の入門者はあえてこの本は買わないだろうということです。わずか12ページの記事なので、初心者にここだけ読ませてあげても役にたつと思います。

趣味の世界を進めていくと、読み応えのある本があまりないと気づくことはよくあるのですが、この本は何度でも読み返すことができる非常に有益な数少ない本だと思います。



 

画像処理について、実は簡単そうなことでもなかなかはっきりした答えがない場合が多いので、自分で色々考えてみました。メモがわりも兼ねてまとめまてみます。話が多岐に渡り発散しそうなので、実際に起こりそうな実例に対して、答えを出すという形で進めたいと思います。自分で考えたことなので、間違ったことを言っているかもしれません。気になったらコメントに書き込んでいただけると嬉しいです。


疑問: 露光300秒を一枚撮ったものと露光3秒が100枚撮ってスタックした画像に違いはあるのか?

条件:
  • 機材、isoは合わせる。
  • センサー素子の温度は同じとする。
  • 暗い場所で露光300秒で背景がサチらない空の下で撮影する。

答え1:
もし、3秒露光の画像に出ているノイズが、十分短い時間で撮影しても一定値存在するようなノイズに支配されているとすると、1枚撮りの場合は1回分しかこのノイズは出てこないが、画像を100枚スタックするということは、そのノイズも100枚分スタックすることになるので、そのノイズがランダムノイズであるならば(通常はそう考えていい)、sqrt(100)倍損をする。そのノイズがランダムでない、コヒーレントなノイズならば100倍損をする。

答え2:
もし、3秒露光の画像に出ているノイズが、積分時間に比例するようなノイズに支配されているとする。撮影時の階調が無限にあるならば、露光300秒を一枚撮ったものと露光3秒が100枚撮って「加算」スタックしたものはノイズからくる誤差の範囲内で同一になる。しかしながら、現実的には諧調は限られているため、3秒露光で撮ったものは階調のダイナミックレンジを十分に使っていないため、たとえそれをスタックしても、滑らかでない階段状の階調の画像が出来上がる。



考え方:
私は噛み砕くために、すごく具体的にこんな考え方をしました。まず1画素で100階調で明るさを分解して記録できる100x100ピクセルのシステムがあるとします。ここに階調が0から50で表すことができる真ん中の明るさが25で正規分布の星雲を写します。また、光害があるため別の一定値50の明るさが全ピクセルに入るとします。とりあえず簡単のためにノイズは無いとします。

すると、100x100=10000ピクセルには50から100の明るさが記録されます。0から49までの明るさのピクセルの数は0で、50や100の明るさのピクセルは少なく、75の明るさのピクセルが一番多い状態になります。それでも50の階調で表しているので、光害の分の明るさ50を引いてやれば、星雲の階調を損なうことはなく、星雲が50段階の階調であらわされます。これは画像処理ソフトのレベル補正の左のマークを50のところまで持ってくることで実現できます。

さて、上の状態より露光時間を10分の1に縮めた状態で写してみましょう。何が起こるかと言うと、光害は5の明るさで記録され、星雲はそれに0から5の明るさで加算されます。そのため0から4までの明るさのピクセルの数は0で、5や10の明るさのピクセルは少なく、7か8の明るさのピクセルが一番多い状態になります。10より明るいピクセルの数も0です。これを10枚加算します。この時点で階調のビットを増やしても、もう意味がありません。50、60、70、80、90、100の明るさのピクセルは存在しますが、その間、例えば55とか、75とか、98とかのピクセルは存在しません。いわゆる階調が不足している状態というのがこれにあたります。これが疑問1に対する、答え2の噛み砕いた考え方になります。

ノイズに関しても同様に、すごく具体的に考えてみます。答え2の仮定にあるような、画像に出ているノイズが積分時間に比例するようなノイズに支配されているとします。上で、画像処理ソフトのレベル補正の左のマークを50のところまで持ってくると、光害分のオフセットが消えると書きましたが、ノイズがある場合には完全に消えません。たとえ光害が完全に明るさ50だったとしても、測定側にノイズがあるために50と記録されずに、50をピークとしたその周りで散らばるからです。その散らばり具合が大きいことをノイズが「大きい」といいます。10分の1の時間で露光した場合には5をピークとした周りに散らばります。散らばり具合の割合は50の場合も5の場合も同じなのですが、5の周りの階調は少ないので、5が最大で、4と6が次に多く、3とか8は数えるくらいのピクセル数になっているかもしれません。字のごとく階段状の分布が見られると思います。そんなものを加算スタックするわけですから、明るさの散らばり具合が飛び飛びの階段状の画像になります。

また、ノイズは光害の部分の暗いところにのみ存在するわけではなく、明るい星雲部分にもある散らばり具合を持って当然存在します。ノイズが光量に依存しないならば、散らばり具合は暗い部分と同じですが、光量に依存するノイズがあると散らばり具合は変わって来ます。例えば光量子ノイズなどは光量に依存するので、明るいところほど散らばり具合が大きくなります。それでも明るい光に対して同じような散らばり具合のノイズなので、目で見ると暗い部分より目立たなくなりますが、依然として存在はします。


考察
さて、単純に考えただけなのですが、ここから実用的なことがわかります。
  • 恒星の中心などの飽和を許容できる範囲で、できるだけ明るく撮っておいた方がいい。これは長く露光をとるとも言えますし、isoを高くするとも言えますが、どちらがいいかはまた後で検討します。現実的にはヒストグラムで背景のピークが、全明るさの真ん中以上に来ていれば、飽和を無視してこれ以上最大得をしたとしても2倍なので、十分と言えるでしょう。ピークが左から4分の1のところで撮った場合は半分のところに比べて階調が倍ガタガタになり、8分の1までしか行かないところで撮ると4倍ガタガタになるということです。

よかったら撮影と画像処理についての考察(その0): 基本的なことも合わせてお読みください。

次回その3に続きます。

撮影や画像処理に関して、色々基礎的なことについて、これまでの知識と天体写真の世界で新たに知ったことなどを混ぜて書いておきます。最終的な目的はある条件のもと、どのような方法で淡い天体を炙り出せばいいかの最適解を頭で理解するためです。天体及び写真の部分については、まだ初心者ということもあり、間違ったことを書いているかもしれません。気づいたことがありましたら、コメントなど頂けるとありがたいです。


信号について:
まずはCCD内のセンサーの沢山ある画素のうちの1素子だけで考えます。一つのphotodiodeがあると考えてもいいでしょう。センサーとしては、その1素子に入ってきた光子に比例した光電流を流します。回路としてはその電流を時間積分し、露光時間の終わった時に溜まった電流値をADC側に書き込みます。ここまでがアナログの話です。デジタル側ではADCビット数に応じてその値を読み込み、その露光時間で測定された一つの数値として記録します。カラー画像の場合にはそれぞれ光の波長に応じた感度を持つセンサーが4つ並んで、光の3原色(赤、青、緑)のそれぞれの数値を記録します。CCDには沢山の画素がありますが、いずれの画素も露光時間において一つの値を記録します。これらを平面に並べ直して表示したものが画像となります。この信号には大きな値(=明るい)もあれば、小さな値(=暗い)もありますが、明るくても暗くても、記録された「信号」です。


ノイズについて:
一方、ノイズについて考えてみましょう。これも簡単のため最初はCD内のセンサーの沢山ある画素のうちの1素子だけで考えます。まずは原理的な光量子ノイズ(ショットノイズ)と呼ばれるものです。一つの画素と等価なphotodiodeに光を入れますが、いくら光の量が一定といっても、単位時間あたりにphotodiodeに当たる光子の数には必ず統計的な揺らぎが存在するので、光電流は一定になりません。この光子数起因からくる光電流の測定値が揺らぐことを光量子ノイズと言いいます。光量子ノイズは一般的に光子の数の(=光の量の、光のパワーの)ルートに比例するため、明るければその揺らぎ量は大きくなりますし、暗ければその揺らぎ量は小さくなります。


暗電流:
それではとことんまで暗くしていけば、測定値の揺らぎは限りなく小さくできるのでしょうか?そんなことはありません。光子の数に関係なく、Photodiodeには真っ暗な時でも存在するある一定量の電流値の揺らぎが存在します。これを暗電流と言います。どれだけ暗くしてもこれ以下には測定値はいかないので、この値がある意味、画素としての性能を決める指標の一つになります。一般的にはこれを「ダークノイズ」といいます。天体写真の画像処理の世界では、真っ暗にして長時間露光をした時に画像に出てくるノイズを撮影したときのことです。本質的には同じことですね。

最低限、暗電流を超えるような光の量を入れてやらなければ、S/N的には著しく損をします。信号0でノイズが存在するので、S/Nは0です。あまりに暗い空を、低いiso、短い露光時間で撮った場合の背景などがこれにあたります。

画像処理の記述を探してホームページを漁っていると、時折光量子ノイズと暗電流を区別せずに使っている記述が見受けられるので注意です。光量子ノイズは明るい時の測定値の揺らぎ、暗電流は暗い時にそれでも存在する測定値の揺らぎです。


SN比:
さてもう一つ良くある誤解が、S/N (Signal to Noise ratio, SN比)を決める時に、Nはダークノイズのことだけだと思い込んでいるケースです。実際にはノイズは暗電流以外にも沢山存在します。むしろ暗電流で支配されているような理想的な状態の方が珍しいです。実測の場合はダークノイズも含めて、現状存在するノイズを全て入れてS/Nを考えるべきです。もちろん理論的なS/Nを求めたいときはノイズはダークノイズだけでいいのですが、これが限界性能になりますので、実際の使用ではこのようなS/Nが出ることはまずありません。

  • もしノイズが信号の大きさに比例して存在するなら、信号の増加、すなわち明るく写したらノイズも同様に増えるのでS/Nは得しません。例えばアンプ回路の電気ノイズでリミットされている場合に、アンプのゲインを上げて信号を増やしても得しないということです。デジタルゲインなんかもこの類ですね。
  • もしノイズが、信号の大きさに依存しないで存在するなら、信号の大きさを上げればそれに比例してS/Nがよくなります。より明るい望遠鏡を使って撮影する場合などがこれにあたります。
  • もしノイズがショットノイズにリミットされているなら、面白いことに信号が大きければS/Nは信号のルートに比例してよくなっていきます。Sは比例、NはSのルートに比例なので、例えば100倍の信号を入れてやれば信号は100倍、ノイズはルート100倍で、S/Nは100/sqrt(100)で10倍よくなるというわけです。

天体画像のノイズ:
天体画像におけるノイズについてもう少し考えます。基本的にある露光時間分だけ測定値を積分した積算値が一つの画素の値になります。ノイズのようにAC的に揺らいでいる場合は露光時間で積分した時のRMS値が測定値となります。信号のようにDC的で時間的に一定の場合は、DC的な値x露光時間が測定値となります。これらのアナログ値がADCでデジタルの値に変換されビット数に応じて、離散的な値になります。例えば8ビットならば0から255のどれかの値、16ビットなら0から65565のどれかの値ということです。

この積算値は様々なノイズが測定された結果なので、一画素で同じ状態の光を同じ時間測定したとしても、毎回違う値が出てもおかしくありません。毎回の値を数えていくと、その分布は山型のような分布、すなわち正規分布 (ガウス分布)と呼ばれるものに近い形になります。

CCDセンサーは沢山の画素があるので、ノイズは画素ごとの明るさの値の違いになって出て来ます。一定の光を当てて、全画素の明るさの値の分布を取っても正規分布に近い形になります。カメラ撮影時や、画像処理ソフトのヒストグラムがこれにあたります。ノイズが大きいとその分布のばらつき具合は大きくなり、画像でいうとザラザラした画像ということになります。背景のような暗いところでは、ばらつきが相対的に大きく見えるので、ノイズがよく目立ち、ザラザラな印象を受けます。一方、信号にも当然ノイズは含まれていますが、ばらつき具合が一緒なら、明るい部分では目立ちにくくなくなります。


ランダムノイズとコヒーレントノイズ:
さて、ノイズには大きく分けて2種類あります。コヒーレントでないランダム (無相関) なノイズと、コヒーレント (相関のある) なノイズです。一番の大きな違いは、ランダムなノイズはある意味あっちこっち向いている状態なので、時間積分とともにそれらを足し合わせていけば打ち消しあいますが、コヒーレントなノイズは一定方向を向いているような状態なので、足し合わせていけばいくほど大きくなっていきます。中途半端に相関があるノイズも存在するので、足し合わせても必ずしも打ち消しあったり、そのまま足し合わさったりするわけでもないので、注意が必要です。これらの混ざり具合は数学的にはコヒーレンスという値で表すことができます。無相関ならコヒーレンス0、完全に相関があるならがコヒーレンス1という意味です。

一つ誤解をしないように。ランダムノイズですが露光時間を増やすと減るというわけではありません。信号の増加分に対して、ライダムノイズの増加分が小さいため、S/Nで得をするということです。例えば、ある時間で撮った画素の信号をS、ノイズをNとしましょう。次に10倍の露光時間をかけると、どうなるでしょうか?階調やサチりなどの制限はないと仮定します。信号Sは10倍になります。ノイズのは2乗和のルートで増えていくので、露光時間10倍時のSignal to Noise rarioは

(S+S+S+S+S+S+S+S+S+S) / sqrt(N^2+N^2+N^2+N^2+N^2+N^2+N^2+N^2+N^2+N^2) = (10 x S) / (sqrt(10)xN) = sqrt(10) x S/N

となり、ルート10倍、すなわち約3倍得します。10回足し合わせるのも、10倍の時間をかけるのも同じことなので、合計の時間が同じならば、(階調などの制限がなければ)同じ画像が出来上がります。加算「平均」をとると、明るさの平均値が、元の一枚の明るさの平均値と同じになり、ノイズ部分が最初より小さくなるというわけです。

センサー部から記録値になるまでの過程で、積分をしている箇所までに出てくる全ての信号、ノイズは、時間とともに蓄積されて出てくるので、写真の世界では「長時間ノイズ」と呼ばれる類の一種となります。例えば、積分をADCの手前の回路が担当していたら、ADCの読み出しノイズ自身は長時間ノイズにはなりませんが、もし積分を計算機側で担当していたら、ADCから計算機に入る回数ぶんだけのADCノイズが加算され、これは長時間ノイズの一種になります。

たとえ、どんなに短時間で積分しても必ず存在するノイズもあります。例えばADCの読み出しノイズは、いくら時間を短くしても必ず一定値残ります。

カメラisoを上げることは読み取り回路のゲインを上げることに等しいです。そのため、その回路より手前にある信号、ノイズはそのままゲイン倍されますし、回路より下流にあるノイズは、相対的に小さくなるため効いてこなくなります。ゲインをあげる時に出てくるノイズは写真の世界では「高感度ノイズ」などと呼ばれます。ただし、ゲインを上げるということは、大きな信号だとサチル可能性も高くなることは言うまでもありません。

少し例を挙げておきます。

ランダムなノイズ: 
例1: 光子起因のショットノイズ(Sのルートに比例)
例2: 暗電流ノイズ(十分暗い時でも一定値存在するノイズ、一般的にはダークノイズという)
例3: 素子の熱雑音(温度の関数)
例4: 回路の電気ノイズ
例5: ADCノイズ

コヒーレントなノイズ
例1: ホットノイズ、コールドノイズなど、ある条件下で決まった素子に現れる時間とともに変動しないノイズ(ダーク減算で除去)
例2: 周辺減光、埃などからくるノイズ(フラット補正で除去)
例3: 長時間露光した時に画像に見える線のような、CCDの構造由来などによる画像の一部にいつも現れるノイズ



「加算」と「加算平均」:
これもよくある誤解ですが、加算と加算平均では階調に制限がなければ、本質的にはどちらが得だとかどちらが損だと言うことはありません。加算した枚数で割っているか、割っていないかだけの違いなので、例えば100枚加算した画像をゲイン100分の1で表してやれば全く同じものになります。ノイズに関しても同じで、100枚加算すればノイズは2乗和のルートなので、sqrt(100) = 10倍増えますが、加算「平均」だとその後に100で割るので、ノイズが10分の1に小さくなったように見えると言うわけです。ただし、階調に制限がある場合、例えば加算していったら表すことができる最大の明るさを超えて飽和していたなどという場合は、当然平均処理を飽和する前にした場合に比べて損をします。もちろんたとえ加算「平均」だとしても飽和した後に平均していたら元も子もないです。


次回その2: 露光時間かスタックか?に続きます。

Monotaroで頼んでいたものがやっと一部届いたので、その中の部品でCCDの固定方法をもっと丈夫になるように変えました。

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ついでにFS-60Qの固定方法を少し変えました。具体的には鏡筒バンドの上下を入れ替えたのですが、これは写真を見るとわかりますが、アルカプレートと鏡筒バンドを固定しているネジが一本だけなのがわかると思います。鏡筒バンドン仕様で上側は一本しか止められないのです。下側の方は2本のネジで止めることができます。これまで下が一本ネジ、上が2本ネジだったので、下の強度の方が重要と思いひっくり返したというわけです。

もう一つ、アルカプレート中央ラインの前側のネジを、上下ともつまみがついているものに変えました。これは、これまでアルカプレートと鏡筒バンドが前後共に固定ネジでしめてあったため、ピントを合わせる時に、前側の鏡筒バンドが緩むように鏡筒バンドのネジを緩めて、鏡筒バンドと鏡筒がずれていくことでピントを合わせていたのですが、滑りが悪く時折バネのようになってしまい、つまみの回転と鏡筒のズレがあまり線形でないため、ピントを合わせる時の微調整に苦労していました。今回、つまみ付きのネジをピントを合わせる際に毎回緩めることで、アルカプレートと鏡筒バンドが上下ともに相対的にずれるようになって、随分とスムーズに動くようになり、ピントつまみの応答がかなり線形になりました。これでピントもぐっと合わせやすくなるはずです。一方、この方法の欠点は、上下ネジを毎回緩めたり締めたりするために、特に下のネジに指でアクセスできるスペースを確保しなくてはならないことです。そのため、鏡筒全体の前後位置に多少制限がつきます。

あと、回転減速機の取り付け方法を考えていました。こちらは道具などを揃えているので、またうまく行きましたらレポートします。 

昨日印刷できた写真展用の額を早速天文台の方に持って行きました。NatsuとSukeを連れてのお出かけです。天文台のところに池があるので、望遠鏡で鳥を見ようと張り切って準備したのですが、結局雨で野鳥観察はおあずけでした。

よくよく考えたら、天文台に行くのは久しぶりで、実は星を始めてからいくのは初めてだったことに気づきました。以前は子供を連れてよく言っていたのですが、星を始めてからは、夜は天気がいいと星を見ることに夢中で天文台の方に行く機会が減ってしまったのかと思います。かといって天気が悪いと天文台の方も行かないので、結局行けずじまいだったというわけです。観望会のお手伝いとかもあるので、これからはちょくちょく顔を出そうと思っています。

天文台に写真を置いて、ついでなので館内見学で望遠鏡を見せてもらったり、野鳥観察スペースで過ごしたりと、子供も結構楽しかったらしく、3時間ほど滞在していました。ハノイの塔パズルで夢中になっていました。私は図書コーナーで時間の許す限り本を読んでいました。途中県天のYさんも写真展用の写真の差し替えで偶然来ていて、天文台の職員さんも交って色々話せて楽しかったです。

休日は小中学生無料なのと、私は年間パスポートを持っているので、3人で行ってもガソリン代だけでかなり楽しめます。特に1mの反射型望遠鏡は富山最大なので、一見の価値ありです。あいにくこの日は天気が悪かったのですが、天気がいいと夕方くらいから行くと今の季節だと金星に始まり、色々見せてもらえるはずです。

追記: 2月11日から富山市天文台で写真展が始まりました

画像処理が終わってから、娘と一緒にカメラのキタムラに行って来ました。もちろん印刷のためです。

さて、まずキタムラの店内に行くと椅子と大きなモニター画面が並んでいるので、そこに座り持って来た画像から印刷の申し込みをします。サイズはいろんな種類があるのですが、W4切という254mm × 365mmまでのサイズなら、その場で印刷してもらえますが、それ以上のサイズだと5日以上かかるようです。

いくつかメモ書きと、注意点です。
  • フォーマットは色々対応しているように書いていますが、JPEGしか対応していないと思っておいたほうがいいようです。実際の画面にはJPEG、Exif_JPEG(CMYK,グレースケールJPEGは除く)、Exif-TIFF、RGB-TIFF、24ビットBMP、PNGに対応していると出て来ますが、店員さん曰く、少なくともTIFFは実際には8ビットまで、もしくは全く対応していないバージョンの機種(隣同士の機器でも、画面が見た目から違っていたりしてました)もある、PNGは小さいもののみなど、書かれていない制限がすごくたくさんあるみたいです。私も試した範囲ではTIFF、PNG、JEPG200はダメでした。店員さん曰く素直にJPEGにしてもらったほうがいいそうです。JPEGで最高画質で出すことにしましたが、8ビットになってしまうのが少し残念です。
  • そのまま印刷してしまうと、画像に自動補正がかかってしまい、目も当てられない結果になってしまうと思います。必ず自動補正「無し」で印刷します。最初は店員さんに言って、自動補正なしで印刷してもらいましたが、2度目からはやり方を教えてもらいました。メディアを認識したのち、印刷したい画像を選択すると「編集」と出るので、それを押すと「自動補正」というのが右側に出て来ます。それを押して、「自動補正しない」をあらわに選択します。ちょっと戸惑うのは、そこから戻ったときの画像選択画面に、新たに自動補正しない画面が一枚追加されています。最初間違えて2枚同じ画像を入れたと思ったのですが、これは機械の方で勝手に追加されたもので、これが自動補正なしで印刷れるものになります。
  • あとは終わりまで進んで、出て来たレシートを店員さんに渡せばおしまいです。待ち時間は混み具合にもよりますが、10分かせいぜい20分位です。実際には言われた時間よりも早くできました。
  • さて、肝心の印刷結果ですが、少なくとも今の私には十分すぎるくらい十分です。光沢もありますし、黒もきちんと出ています。普段ノートPC(Macbook Pro)で見ているのですが、画面で見た印象と印刷した結果を並べても、それほど色が違うとも思えません。というより、あくまで私個人の意見ですが、画面とよく似た印象の色がすごく綺麗に出ていると言っていいと思います。新たに自前でプリンタを購入して、色を合わせて、インク代を心配しながら印刷ということを考えると、店舗が近くにありさえすれば、とてもコストパフォーマンスがいいのだと思います。雑誌に投稿するまで、もしくはプリントサービスを利用して雑誌の投稿で入選しているのもあるとのことなので、少なくともしばらくは印刷の際はキタムラにお世話になると思います。
  • 値段は1枚だけだとW4切サイズの場合800円なのですが、2枚同時印刷すると1枚あたり600円になります。この値段なら十分満足です。ただし、画面上は値引きされた金額が出てこなくて、レジのところでの割引になるので注意です。
  • 最初に提出用の2枚を印刷して満足だったので、予備の2枚をさらに印刷しました。それでもやはり大きく引き伸ばすとこれまで気にしていなかった粗(あら)が目につきます。印刷まで考えた画像処理というが次の課題でしょうか。
  • あと、待ち時間の間に、先日実家の近くで買ったNIKKORレンズのキャップを購入しました。レンズの先の方はNIKON用の52mmがぴったりで、ボディー側はEOSアダプターがつけてあるので、EOS用のがピッタリ合いました。
IMG_0904


娘は待っている間に色々店内を勝手に廻っていて、退屈しているのかと心配していたら、とても楽しかったとのことです。写真スタジオに揃っている衣装に興味があるみたいでした。キタムラでアルバムを作って見たいと言っています。

自宅に帰ってから、印刷したものをアマゾンから届いた額に入れてみました。iPhoneで撮ってみたので、実際の画像と比べてみてください。

IMG_0903


額に入れると自分で撮ったものとは思えないほど立派に見えてしまいます。明日は月曜なのですが、休日なので天文台は空いているとのことなので、早速提出してこようと思っています。


 

昨晩は晴れていたのですが、よく見ると薄雲がかかっていたので再度の遠征は諦めて、夜中は前日楡原で撮ったM42とC49(バラ星雲)の画像処理をすることにしました。

画像処理をしていて気づいたことがいくつかありました。
  • まずM42、C49ともにピントがやはり甘かったです。今の回転つまみの精度だと安定してピントを合わせることが難しそうなので、これは早急に改善する必要があります。減速機がうまくとりつけられるといいのですが。
  • 1時間ほどの間のスタックをしたところ、どうも星像が左右(実際の空では上下)でずれてしまいます。一枚一枚よく見ると、時間とともに 右の星はより右に、左の星はより左に動いていっています。これは撮影準備に手間取ったため、かなり西の空の低い位置で撮影したのですが、 大気の厚みの違いによる屈折率変化のために起こったものかと思われます。特に、山に沈む直前の移動量が相対的に大きいので、10枚撮ったうちの最後の方は使うことを諦めました。ステライメージ7のスタックは平行移動と回転には対応しているのですが、拡大縮小は対応していません。PixInsightは各点の星が合うようにスタックしてくれるらしいので、そろそろ購入を本気で考える時期に来ているのかもしれません。
  • 今回は静止衛星の線がほとんど入りませんでした。西の空だから?謎です。
  • M42は以前が 2分x9枚で18分、今回は5分x7枚で35分なので、分子間雲を多少出すことはできました。ただしまだまだザラザラなので、もっと時間をかけて、今度は下弦の月以降に南天で撮ることにします。
  • C49は電視観望では何度も見ていましたが、改めて写真で撮って炙り出して見ると、思ったより薄いというのが感想です。露光時間ももちろんですが、今回は西の低い空は少し明るいので、もっと暗いところで南天で撮ろうと思います。

cut

M42 オリオン大星雲
撮影地: 富山県富山市楡原, 2017年1月7日2時31分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x7枚+3秒x10枚 総露出35分30秒
f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


 
C49_LIGHT_300s_3200iso_lowquality
 
C49 バラ星雲
撮影地: 富山県富山市楡原, 2017年1月7日3時43分
タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x8枚 総露出40分
f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド
ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理
 

県天の行事で天体写真展があるというので、初めての経験なのですが応募しようと思って準備を進めています。

といっても、写真をまじめにやり始めたのは去年の11月のことで、しかも結構ゆっくりと進めているので、応募できるような写真の数がありません。かろうじて見せることができそうなのが、以前数河高原でとったすごくメジャーなM31とM45だけです。メジャーな天体は他の人と重なる可能性が高いので、ベテランの方は遠慮してくださいというお達しも流れていたりするのですが、初心者なので許していただいているような状況です。しかもM45はかなり白飛びしてしまっているので、簡易的に先日試したHDR法を応用して、少し白飛びを抑えました。といっても短い露光時間の別ファイルをとっておいたわけではないので、レベル補正で明るくする前の元の画像に近いものを使いました。

New5_histgram_digital_ps_SI_print


まだ全然完全ではないですが、以前がかなりひどかったので、多少はましというところでしょうか。

さらに、展示のためには印刷して額に入れる必要があるのですが、この期に及んでプリンターを持っていないことにいまさらながら気づきました。ところがこのプリンタというのが結構曲者だということが調べていてわかってきました。天体写真の印刷は普通のプリンタだと相当厳しいらしいのです。基本的に黒がバックで、その諧調を表すために一番いいプリンタだと、黒だけでなんと6色を使い、計12色のインクを使うというのです。安いプリンタだと、インクの種類が少ないため淡い諧調の違いを出すことができずに、思った色が出ないというのです。あと、インクが顔料系か、染料系かで大きく変わるらしく、顔料系は色の安定性がよく光沢は控えめ、染料系は光沢は素晴らしいが色が時間とともに変わるとのことです。しかも、プリンタ自身も結構高価ですが、インク代も相当かかるとのことです。雑誌に写真を投稿したりする際にはプリントしてから送るので、そこまで見込んで無理をしてそろえるか、安いプリンタでとりあえず試すか、いろいろ迷っています。

そんな中、業者に印刷してもらう方法もあることがわかりましたが、こちらもまた厄介なようです。基本的に業者は風景や人物などの印刷を想定しているので、天体写真を印刷しようとすると、よほど好きな人が対応してくれない限り、とにかく思った色が出ないというのです。そんな中、たまたま富山にもあるカメラのキタムラの印刷結果がいいという情報がありましたので、一度試してみようと思っています。4つ切りワイドとかいうサイズで、A4より少し大きいくらいらしいのですが、2枚印刷すると1200円程度のようです。4つ切りワイドサイズより大きいサイズだと印刷に何日かかかるみたいですが、4つ切りワイドまではその場で、10分程度でできるようなので、明日にでも店舗に行ってみようかと思っています。(追記: 結局キタムラの印刷でそこそこ満足な結果でした。)これでだめならプリンタを用意するつもりです。

ついでに、額も用意しました。写真展が終わってからも自宅で飾ることができるように、黒地の木枠で4つ切りワイド用の安価なものをAmazonで頼みました。

まだ写真展までは日にちがあるので、もう少し撮影をしています。昨晩、日付も変わって2016/1/7の0時半頃から娘と一緒に、久しぶりに楡原に行ってきました。月が沈む夜中の1時ころに到着して、もう少し分子星雲を炙り出したかったM42のリベンジと、何かもう一枚くらいと思っていましたが、スティックPCのトラブルなどで、撮影を開始したのが2時半くらいからでした。結局オリオン座が沈むまでの1時間くらいをM42、その後バラ星雲を1時間くらい撮影し、5時ころ退散しました。いつものFS-60QにEOS 60Dでiso3200、5分露光です。それそれ10枚撮りました。

赤道儀と鏡筒の接続ですが、現在は赤道儀のアリミゾ、アルカスイスクランプ、鏡筒と固定しているのですが、今回、一番弱かったアルカスイスクランプを倍の幅のものに変更しました。途中風が吹いていたのですが、星像がぶれているものはありませんでしたので、多少強くなったのかと思います。

撮って出し画像を載せておきます。

LIGHT_300s_3200iso_+6c_60D_20170107-02h31m16s929ms

C49_LIGHT_300s_3200iso_+8c_60D_20170107-04h25m10s869ms

いま300秒用のダークライブラリーを構築しているので、画像処理はまた後日やるのですが、もしかしたらどうもピントが合っていない気がしています。Backyard EOSのピント合わせ機能で合わせているのですが、FS-60Qの回転つまみだと、合わせこもうとしても粗すぎる気がしているので、早く以前買ってきた減速装置を付けたいと思っています(追記:  後日ピントがあったバラ星雲。上の画像と比較すると今回のピンボケがとてもよくわかります。)。もう一つの可能性が、ガイド鏡の精度がCCD一ピクセル当たり15秒と甘いので、赤道儀を揺らしてしまっている可能性があります。取り付けているレンズの焦点距離を長くするか、複数のガイド星を使い精度を上げるかですが、電子ファインダーとしても使っているので、次はDEF Guiderを使って複数ガイド星を試みようかと思っています。

もしかしたら今晩も楡原に行くかもしれません(追記: 結局曇りで行きませんでした)。





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