ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2016年11月

西はりま天文台に寄る機会がありました。四方を山の中に囲まれていて、光害も少なそうな非常にいい立地の中に建てられています。

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時間的にはわずかでしたが、60cm反射鏡型望遠鏡と2m反射鏡型望遠鏡「なゆた」を見ることができました。

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これだけのものを一般の人に普段から見せているのは驚きです。

兵庫県立大学に付属の施設で、基本的には研究が主体のようで、学生を含めて10人程度の研究者が常駐しているとのことでした。途中センター長とお話しする機会があったのですが、一般の方にも大型望遠鏡を使ってもらう機会を設けるなど、プロの天文屋とアマチュアの天文屋が交わる世界最先端というような表現をされていました。

ここには宿泊施設があり、一般の人の宿泊も可能のようで、この施設に宿泊した人には何種類かの天体望遠鏡を有料もしくは無料で使わせてもらえるようです。26cmの反射型やタカハシのε-180でしょうか、かなり上級者向けのものもあるのと、それを使って自分で撮影もできるようです。他にもBORG77は8台もあり、こちらは無料のようです。SDカードやカメラを持ち込むこともできるようです。あいにくこの日は曇り空で星は見えそうもありませんでしたが、このような施設がそばにあるというのは羨ましい限りです。

数河高原でオートガイドで撮影したM31とM45を画像処理してみました。基本は画像処理練習(その1): 一連の工程を試すに沿っていますが、フラットフレームは画像処理練習(その2): フラットフレームでの議論から、ISO100の0.5秒のもの32枚にダーク減算をしたものをコンポジットして使いました。 

一つ大きく違うところが、HUQさんのコメントの参照ページを参考に、途中まできちんとホワイトバランスに気をつけたところです。少なくともSI7でのデジタル現像まではホワイトバランスに気をつけています。ですが、 最後のPhotoshopのところで迷いました。細部を出そうとNik collectionを使ったのですが、これだとバランスを保つことができません。自分の好みの色みたいなのもあるのですが、客観的には何も正しくないことも重々承知です。淡い部分もまだまだ引き出せているとは到底思えません。色々触っていて、何が正しくて何が間違っているのか、まだまだよくわかっていないことを思い知らされました。ですから今回の画像は、やはりあくまで習作です。


M31アンドロメダ銀河

M31up

撮影データ: 2016年11月24日20時10分, タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀, キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x9枚 総露出45分, f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド, ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理, 撮影地/岐阜県飛騨市・数河高原

周りを少し青く出してみました。他の方のを見るともっと派手に出しているのもあれば、すごく地味に真面目にホワイトバランスを取っているようなものも見受けられます。細部を出すのにNik collectionのColor Effect Pro 4の「ディテール強調」を使っています。天文ガイドでも話題のSilver Wdex Proはまだ使っていません。一度試してみたいと思っています。


M45プレアデス星団

M45up

撮影データ: 2016年11月24日21時19分, タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀, キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出5分x8枚 総露出40分, f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド, ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理, 撮影地/岐阜県飛騨市・数河高原

周りの淡い部分を出すかどうか迷いました。周りを強調したためノイジーになってしまったことと、中心が飛んでしまっています(追記: 後日印刷のために白飛びを補正しました。方法はここにあります。)。マスク処理をマスターする必要がありそうです。でもやっと念願の溢れるような星間ガスを捉えることができました。


上の写真の二枚とも、blogのサイズ制限でオリジナルのものよりかなり小さくなって1600x1200が最大になってしまっています。仕上げたものだけはフルサイズで置ける場所を探す必要がありそうです。

今回も色々反省すべき点は多々ありますが、それでも撮影に関しては前回の M31とM45よりはオートガイドで露光時間を長くできたのと、数河高原の素晴らしい空のせいもあり、出来上がった画像は格段に進歩したのではないかと思っています。なんとかガイドまではたどり着いて、やっと最低限の撮影ができるだけの準備が整ったところです。次の挑戦はSWAT-200での一軸制御でどこまで迫ることができるかでしょうか。

一方、画像処理の方はというと、現在色々悩んでいる時期で、そもそもどういった部分が一般的に重要視されるのか、例えばM45は一部飛んでしまっているところもあるのですが、マスクを使ってでも飛びは抑えたほうがいいのか、ホワイトバランスは死守したほうがいいのかなど、肝と言われる部分がまだ根本的にわかっていない自分がいます。もしこのページをご覧になられた方がいましたら、忌憚のない意見をコメントに残していただけるとありがたいです。


牛岳での前回の撮影の際、フラットフレームの一枚撮りを無加工でjpegで載せておきました。今回の話はこれがスタートなので、今一度このページでも載せておきますが、

FLAT_Tv1s_100iso_60D_20161118-20h48m10s699ms

真ん中に黒点があるのと、四隅が少し暗いことくらいがわかります。これを再度よく見てみます。

あらためて撮影条件の確認ですが、2016年11月18日、天体撮影後、鏡筒やピントなどもそのままでフラットフレームを撮影。PCの画面を真っ暗になる一段階前(10%)にして、そこに鏡筒を平行に寄せて、ISOは100、露光時間は1秒で撮影しました。その際の一枚撮りのフラットフレームのRAWファイルをステライメージ7(以下SI7)で「ベイヤー配列」で開き、すぐに「ベイヤー・RGB変換」。その際ホワイトバランスを自動で整えました。

まずはその時の状態をjpegに画質6(画質が高すぎるとblogのサイズ制限ではねられてしまうので画質を落としてあります。)で落としたもの。

FLAT_Tv1s_100iso_60D_20161118-20h48m10s699ms_org_6


先の前回の画像は取ってから無加工なのですが、この画像はホワイトバランスをとっているので、少し明るくなっています。よく見ると、上の右のほうにももう一つ黒い丸があります。

次に、ヒストグラムの「σ(1,1)」でかなり粗(あら)が見えるようにして、jpegの画質6で保存したものが次の画像です。

FLAT_Tv1s_100iso_60D_20161118-20h48m10s699ms_sigma_6


驚くことに、今まで見えていなかっただけで他にもホコリでしょうか、黒い丸が多数あります。色も上下左右でかなり違います。

次に、前回の画像処理に使うためにフラットをダーク補正し、16枚をコンポジットしたものを同様の条件で見てみます。

FLAT_Tv1s_100iso_60D_20161118-20h48m_x16_sigma_6


16枚のコンポジットなので、ランダムノイズはsqrt(16)=4で4分の1になっているはずなのですが、見た目にはほとんど変わっていません。フラットのダーク補正が必要なことは、他のページで検証されている方がいらっしゃるので、そこはいいとして、コンポジットの肝であるランダムノイズが改善されているようにはどうしても見えません。jpegファイルは細かい画像だとファイルサイズが大きくなり、のっぺりした画像だとファイルサイズが小さくなる傾向にありますが、コンポジットした方が6.3MB/5.6MB=1.125倍程度逆に大きくなっています。これはノイズが減った方向とは逆のセンスです。


話をもどして、その後11月24日の数河高原での撮影の際にカメラのミラー部分を掃除してから、天体撮影をしました。最後は計算機のバッテリー切れと霜でフラットが撮影できなかったので、昨日11月25日に自宅で夜中にフラットを撮りました。その際の設定が、鏡筒はFS-60Qのまま、ピントはいじっていない状態を保ちつつ、PCの画面を真っ暗になる一段階前(10%)にして、そこに鏡筒を平行に寄せて、ISOは100、露光時間は前回の1秒だとヒストクラムのピークが8割くらいのところまで行っていたので、0.5秒に落として撮影しました。その際の一枚撮りのフラットフレームのRAWファイルをステライメージ7(以下SI7)で「ベイヤー配列」で開き、すぐに「ベイヤー・RGB変換」。その際ホワイトバランスを自動で整え、ヒストグラムの「σ(1,1)」でかなり粗が見えるようにして、jpegの画質6で保存したものが次の画像です。

FLAT_Tv05s_100iso_60D_20161126-01h13m13s465ms_sigma_6


まず、濃い黒丸が2つ少なくともなくなっています。これは掃除のおかげでしょう。エアーで吹き飛ばしただけなので、大きなものは取れますが、くっついているような細かいものは取れないようです。また、鏡筒に対してカメラの取り付け角が変わっているのですが、それでもその他のホコリの位置は変わっていないことから、これらの汚れはカメラ側ということがわかります。

もう一つ気づくのは、少しわかりにくいかもしれませんが、ランダムノイズが多くなっているように見えることです。違いは露光時間が1秒から0.5秒に変わったけで、相対的に少し暗いものを写しています。ヒストグラムのσ(1,1)で見ているので、見た目の明るさは同じになるように調整されています。このことを元に、次に同条件で天体撮影時の感度に合わせたISO3200、ヒストグラムのピークを真ん中らへんに持ってくるように露光時間を1/100秒に合わせ、同じようにσ(1,1)で見てみました。

FLAT_Tv1100s_3200iso_60D_20161126-00h29m20s793ms_sigma_6

圧倒的にノイジーです。黒い丸さえも見えません。ISO x 露光時間は100 x 0.5 = 50と3200 x 1/100 = 32でほとんど同じなのに、ISOが大きいために大量のランダムノイズが乗ってしまったというわけです。これは果たして何を意味するのでしょうか?

ここからは推測です。そもそもフラット補正の目的は画面の明るさの分布の違いや、ホコリなどでできた不連続なシミを取ることです。ランダムノイズの除去は目的ではないはずです。そうするとランダムノイズが乗っているフラットフレームは、そもそも適していないということになります。本来見えていて欲しい黒丸さえも、いろいろ試したのですが、どうやっても影も形も見えなくて、情報が欠落しているような状態になっています。ISOは天体撮影時と同じ方がいいという説がありますが、もし上の考え方が正しいとすると、トータルで同じ明るさならばフラット撮影時のISOは低くしてノイズを出さないようにした方がいいということになります。また、今回コンポジットであまりランダムノイズが減ったようには見えなかったですが、たとえ理論通りに枚数のルートでノイズが減ったとしても、ISO3200で例えば16枚取るよりも、ISO100で一枚撮った方がsqrt(16):sqrt(3200/100) = 4:4sqrt(2)で、ISO100で一枚撮りの方がノイズが1.4分の1に少なくなるということになります。もしランダムノイズがアルゴリズムのせいなどで理論通りに減っていないとすると、さらにこの差は開きます。

もし、今回の推測が正しいとすると、牛岳でISO100でフラットを撮ったのは間違えだったと撮ってからずっと思っていたのですが、奇しくも偶然正しい方向で進めていたことになります。少なくとも画像処理の段階で四隅の補正に関しては問題はありませんでした。ただし、以下に示すように一つだけ困ったことがありました。

もう一つ気づいたことが、このページの上から3枚目の画像と5枚目の画像を比べると、下の部分が5枚目の方が明るいのです。最初これが謎だったのですが、よく考えると、おそらく下側に何らかの明るい部分があって、その明るさの絶対量は変わらないのですが、5枚目の方が全体が相対的に3枚目よりも暗いので、見た目の明るさを合わせると下の部分が5枚目の方が明るく出てしまっているのではないかという結論に至りました。実は牛岳の写真を処理している時に、M45の方だけどうしても下側が明るくなってしまうということがあって、泣く泣く一部トリミングしたという経緯がありました。少なくともここの部分はまだ補正がうまくいっていないのだと思います。


今回の話は、調べた限りあまり聞かないような話ですが、ごくごく素直に考えていて、奇をてらっているわけでも何でもないので、あまり間違ったことは言っていないと思いますがどうでしょうか?実際にこれから処理をする過程で、できた画像の結果を見ながらもう少し検証していきたいと思います。

それにしてもフラットは奥が深いです。


 

2016/11/24 仕事を終え空がすごく綺麗なので、急遽近くの数河高原に向かい撮影を試みました。今日の目的はとりあえずオートガイドを試すこと。ところがあいにく、またもやCCDにつける長焦点距離のレンズを忘れてしまったので、50mmのCマウントレンズで試してみました。

使ったソフトはPHD2で、以前Stellariumとの接続の時に、ついでにPHD2もCCDと赤道儀までは接続確認してあります。鏡筒はいつものFS-60Q、ガイド用CCDはこれもいつも使っているASI224MCに安物の焦点距離50mmのCマウントレンズをつけたもの、赤道儀はとりあえず使い慣れているAdvanced VXで、これはピリオディックモーションが15秒角程度で、FS-60Qでは2分程度の露光が限界、実用上は1分程度ということを確かめています。 撮影用カメラは天体改造済みのEOS 60Dです。

まず、 現地の駐車場に降り立った時の空の見事なこと。冬の天の川がはっきりと見えていました。あとはとても寒い! さすがスキー場になるようなところです。あいにくこの日は12月下旬の寒さと、この冬一番の冷え込みらしく、準備が嫌になるほど寒かったです。もちろんこの寒さでは他に誰一人いませんでした。

それでも30分くらいかけて、赤道儀の組み立てとSharpcapを使っての極軸調整、赤道儀のアラインメント、カメラのセットとBackYard EOSを使ってのピント合わせと試し撮りと、順調に進んでやっとガイドを試す段階になりました。

まず接続しようとすると、COMポートがなぜか3から4に変わっていたのでこれを変更したのですが、トラブルといえばこれだけで、あとはほとんど問題もなくすごく順調でした。というよりも、まだ使い方があまりわかっていないので、適当にやっているだけなのですが、とりあえずCCDの露光時間を0.5sにして「露出ループの開始」を押し、「ツール」メニューの「ガイド星の自動選択」を押すと、すぐにガイド星が見つかったので、そのまま「ガイドを開始」としたら、きちんと赤道儀がガイドされて動いているようでした(2016/12/4 追記: ガイドの一番最初にキャリブレーションを自動で行なっているようです。あとで写真を見直したら、一番最初の写真のみすごく大きく流れているのがありました。なんだったのかわからなかったのですが、多分これがキャリブレーションを行なっている際に撮影されてしまったものだと思います。)。あまりにあっけなかったので、もう少し突っ込んで探っても良かったのですが、寒いのと平日であまり時間もないので、このまま続行としました。あとでガイド中の画面のグラフの写真を撮ったのです。

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ちょっと調べたところ(そもそもガイドをしている最中には数値の見方もわかっていませんでした。なんとも情けない。)、出ている数値はそれぞれの自由度の誤差で、左がピクセル単位、右が秒角とのことです。RMSで赤径0.22、赤緯0.21ピクセルの誤差です。PHD2を稼働させたときの典型的な目標値は0.2から0.3ピクセルということのなので、ピクセルで見ている限りガイドの精度としては十分出ているということがわかります。一方秒角で見ると、概ね4秒角程度で制御できていることがわかりますので、まだ角度誤差としては結構大きいです。これはCCDのレンズの焦点距離が短いため、そもそもCCDの1ピクセルあたり15秒もあるのが問題です。レンズを焦点距離の長いものに換えるか、HUQさんが最近使っているというDEF-Guiderという複数の星をガイドに使うことできるソフトを使うことで解決できると思います。

それにしても、CCDの1ピクセルを十分下回って誤差を抑えることができるということに結構驚いています。おそらく基準星の中心の周りのピクセルの明るさ情報から、1ピクセル以下の精度で位置を出しているのだと思いますが、だからサチっている星は不可というのが納得できました。


とにかくこの状態で以前よりははるかに流れなくはなっているので、試しに撮影を開始してみました。下の写真は露光5分、ISO3200のM31で加工なしの撮って出しjpegファイルです。加工しなくてもすでに綺麗です。

M31_LIGHT_300s_3200iso_+4c_60D_20161124-20h10m16s390ms

それでもガイドのエラーがまだまだ大きかったので少し心配していたのですが、ピクセル等倍に拡大しても星は円状を保っているようです。12枚取ったのですが、1枚のみ何かの振動で揺れたのでしょうか?少しだけずれたのがあったので、12分の11の確率で使えます。以前のノータッチガイドでは1分露光で使える画像が半々くらいだったので、そこから比べたら十分な成果です。

あと、また前回と同じM45も、同条件で8枚撮りましたが、こちらは8枚全部使えそうです。無加工のjpegを載せておきます。こちらもすでに星間ガスがかなり見えています。空がいいとこんなに綺麗に撮れるのですね。

M45_LIGHT_300s_3200iso_+4c_60D_20161124-21h19m48s921ms


惜しむらくはダークフレームを取っている最中にPCのバッテリーが切れてしまったことです。ダークは3枚しか撮れませんでした。気づくと機材に霜がかなり分厚く凍りついて来たので、ここでギブアップです。フラットを取ることもできませんでした。

ピンボケですがセットアップの写真を載せておきます。テーブルに何か模様のようなものが見えますが、これら全部霜です。PCの画面も一部凍り始めていました。あ、ちなみに撮影中の待ち時間は車の中でエアコンをつけていたのでとても快適でした。

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23時ぴったりに帰路について、その途中たまたま道路にあった温度表示板を見ると−3℃の表示が。寒いはずです。今回は冬の天体観測の過酷さの一部を垣間見た気がします。

週末はゆっくりと画像処理です。








 

ここ最近ずっと基本的なことを色々考えていました。とりあえずはタイトルの通り、なぜ望遠鏡を使うと星がたくさん見えるのかを、だいぶん理解できてきたので、簡単にですが一度まとめておきます。


まず最初は望遠鏡で恒星が見えやすくなるわけからはじめます。見やすさということなので、恒星と背景のコントラスト比で考えます。Sをシグナル(恒星の明るさ)として、Nをノイズ(背景の明るさ)とします。

まずはSのシグナルから考えます。
  1. 恒星は点光源のため面積がありません。だからどれだけ倍率を上げても恒星の面積は広がりません。
  2. 集光力は望遠鏡の対物レンズの面積に比例するので、口径を大きくすると口径の2乗に比例して明るくなります。人間の瞳孔は通常の活動下では直径2mm程度と言われています。夜の場合は瞳孔は大きくなっているので、その場合の瞳の直径を7mmとすると、例えば200mmの口径の望遠鏡を使うと集光力は(200/7)^2=816.3、すなわち約800倍もの光を見ることができます。これが直径60mmの望遠鏡だと(60/7)^2=73.4、すなわち約70倍です。集光力は口径の二乗で効くので、高々3倍ほどの口径の違いが10倍の集光力の違いと、随分と大きな差になりますね。
  3. 夜空を見上げた時に例えば3等星まで見えたとしましょう。この状態では4等星以下が見えないとすると、4等星が夜空の背景の明るさと同じということになります。都会では条件の良い時でもせいぜいこのくらい、田舎の暗いところに行くと4等星も余裕で見えると言ったところでしょうか。これ以降仮定として4等星が背景の明るさと同じと考えます。星は1等級違うと明るさが2.5倍変わります。5等級かわると2.5^5~100倍かわります。なので、4等級と同じ明るさの空の背景から見て0等級は100倍明るいというわけです。
上記のことを式で表します。

S: 4等級の星に比べた明るさx (口径/瞳の直径)^2

となります。繰り返しますが、点光源なので倍率は関係ありません。

次にNのノイズを考えます。
  1. 背景は面積を持つので、倍率をあげると明るさは倍率の2乗でその分薄まります。
  2. 集光力に関してはSと同じ扱いです。
  3. 4等級の星の明るさを基準と仮定したので、例えば背景が4等星と同じ明るさの場合1になります。それより明るい場合、暗い場合はそれぞれ係数をかけますが、ここでは簡単のため背景の明るさは4等星と同じとします。

N:  (口径/瞳の直径)^2 / 倍率^2

S/N = (4等級の星に比べた明るさx (口径/瞳の直径)^2) / ( (口径/瞳の直径)^2 / 倍率^2)
       = 4等級の星に比べた明るさ x 倍率^2

となり、コントラスト比は倍率のみで決まるようになります。

最初からS/Nに行ってしまうと、見通しが悪くなるので、まずはそれぞれのSとNに式に具体的な数値を入れて、その後S/Nを計算してみます。4等星に比べて100倍明るいマイナス1等星を見たとしましょう。

a. 裸眼
S: 100 x (7/7)^2 = 100
N: (7/7)^2 / 1^2 =1
S/N = 100

b. マイナス1等星を口径200mm、倍率50倍で見る場合
S: 100 x (200/7)^2 ~ 100 x 800 = 80000
N: (200/7)^2 / 50^2 ~800/2500 = 0.32
S/N = 80000/0.32 = 250000

c. マイナス1等星を口径60mm、倍率50倍で見る場合
S: 100 x (60/7)^2 ~ 100 x 70 = 7000
N: (60/7)^2 / 50^2 ~ 70 / 2500 = 0.028
S/N = 7000/0.028 = 250000

と口径が変わってもコントラスト比は変わりません。


ちょっと脱線して望遠鏡を使うと昼間でも星が見えるわけを考えます。背景の青空はマイナス4.7等星の金星を見ることができるという話があるので、-5等級としましょうか。0等星より100倍明るいということです。この状態で、例えば0等星を倍率50倍の望遠鏡で見ると、口径は関係ないのですが仮に入門用の60mmの口径を使います。瞳孔の直径は昼間なので2mmです。

S: 100 x (60/2)^2 = 100 x 900 = 90000
N: (60/2)^2 / 50^2 x (100 x 100) = 900 / 2500 / 10000 = 0.000036
S/N = 900000/0.000036 = 25

それでも背景に比べて25倍も明るくなります。うちの子供が持っている口径60mm、焦点距離800mmのSCOPETECHでいつも20mmのアイピースを使っているので、倍率は40倍になります。倍率は2乗で効くのですが、それでも25 x (40/50)^2 = 16と背景より16倍も明るく見えます。16は2.5の3乗くらいなので、計算に使った0等星より3等級くらい暗い星、すなわち頑張れば2等星くらいまでは見える計算になります。

実際に手持ちの望遠鏡でも昼間の星を見ることはできるので、興味がある方は是非試してみてください。でも、くれぐれも絶対に望遠鏡で太陽を見ないように。失明の恐れがあります。安全のため、建物の日陰などで観測すればより確実です。

下の写真はFS-60CBにASI240MCで昼間の星を見たときの一例です。わかりにくいですが、真ん中あたりに白い点が見えます。アルタイルです。実際にはアイピースでの眼視の方が見やすいです。

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しかしながら、一番の難しさは、その星を昼間に何の手がかりも無く視野に導入することだと思います。倍率が高いほどコントラストは高くなりますが、倍率が高いとその分視野に入れるのは逆に難しくなります。自動導入でも、そもそも北極星が見えないために極軸合わせが難しいので、そんなに簡単ではありません。もし昼間の月が明るい星の近くにあったりすると、目印になるので導入しやすいかもしれません。


もう一つ脱線です。CCDで恒星を見る場合を考えてみましょう。露光時間と感度は一定とします。上の説明から、コントラスト比は倍率のみに依存します。直焦点撮影の場合は倍率の代わりに、鏡筒もしくはレンズ側の焦点距離に依存します。倍率と焦点距離は比例関係にあるので、コントラスト比は焦点距離の2乗に比例します。HUQさんが以前コメントで言われていたことが、これにあたります。ここで難しいのが、広角でより恒星のコントラスト比を上げることです。センサーサイズの小さいものは安価に手に入りますが、同じ画角を得ようとしたら焦点距離の短いレンズを選ばなければなりません。一方、センサーサイズが大き場合は同じ画角を出すのに、より焦点距離の長いレンズにしなければならないので、その分コントラスト比が上がります。私が持っているASI224MCは1/3インチサイズ、対するHUQさんが持っているα7Sはフルサイズで、一辺で7倍くらいのサイズの差があります。同じ画角を出すのに、7倍くらいの焦点距離の差が出るので、2乗で50倍くらいのコントラスト比の違いがあります。4等級以上暗い星が見える計算なので、同じ画角だと流石にα7Sの方がはるかに星の数が多くなるはずです。


ちょっと脱線しましたが、次に望遠鏡で惑星が見えやすくならないわけを考えてみましょう。

恒星の場合との違いは、惑星は面積を持っているから、倍率をあげるとS(惑星の明るさ)の方も倍率の2乗で薄められ暗くなるのです。例えば、マイナス1等級の惑星を見たとしましょう。

a. 裸眼
S: 100 x (2/2)^2 = 100
N: (2/2)^2 / 1^2 =1
S/N = 100

b. マイナス1等星を口径200mm、倍率50倍で見る場合
S: 100 x (200/2)^2 / 50^2= 100 x 10000 / 2500 = 400
N: (200/2)^2 / 50^2 =10000/2500 = 4
S/N = 400 / 4 = 100

c. マイナス1等星を口径60mm、倍率50倍で見る場合
S: 100 x (60/2)^2 / 50^2 = 100 x 900 / 2500 = 36
N: (60/2)^2 / 50^2 = 900 / 2500 = 0.36
S/N = 36 / 0.36 = 100

と口径を変えようが、倍率を変えようが、見えやすさ(コントラスト比)という意味ではかわりありません。

これまでのことをまとめると、上の説明により

恒星: 倍率をあげるほど見えやすくなる。星の大きさは変わらない。口径を変えても見えやすくはならない。 
惑星: 倍率を上げても惑星の像は大きくはなるが 、同時に惑星自身が暗くなるので見えやすさは変わらない。

となります。では口径の効果はどこに出るのでしょうか?答えは明るさの絶対量に出ます。集光力は口径の2乗、すなわち望遠鏡の面積に比例します。なので、恒星、惑星ともにより明るくみえるようになります。口径を大きくしてもコントラスト比が変わるわけではありませんが、木星や土星、火星などはもともと夜空の背景の明るさに比べて十分明るいので、そもそもコントラスト比がいいのです。ところが惑星の場合は、さらに倍率を上げても見えやすくなるわけではありません。これは小さくしか見えない惑星をもっと大きくしようと思って、倍率をむやみにあげると暗くなって逆に見にくくなったという実体験を持つ方も多いのではないでしょうか?


ここまで書いたことはごくごく簡単に考えた場合で、夜空の明るさとの関係や、人間の感覚などを盛り込んだもっと実際に近い解析はこちらのページが詳しいです。私が書いた上の話は夜空の明るさが一定(というよりは、眼の感度の限界があまり効いてこないくらい明るい空という仮定が暗に入っています)という条件のもとで話しましたが、このページの言わんとしていることは、

  • 夜空が明るいところでは口径が大きくなっても限界等級にあまり変化はない。これは上で書いたことと一致します。
  • 夜空が暗くなればなるほど、大口径の効果が出てくる。言い換えると、目で見分けられる暗さの限界に近づいてくると、口径増加による絶対的な明るさが効いてくる。
  • 夜空が明るいところでは、倍率がそのまま限界等級をあげる。これも上で書いたことと一致します。
  • 夜空が暗くなればなるほど、倍率の効きが悪くなる。言い換えると、倍率をいくら上げても眼の感度に比べて絶対光量が足りないくらいの口径だと、見え方は改善しない。

ということです。

実は今回の文章は、一ヶ月くらい前に書いたもので、本当は「なぜ星雲が見えやすくなるのか?」というタイトルをつけていたのですが、先のページでも

"星雲星団にはこの話はそのまま当てはまらない、理屈では面積を持つのでコントラストは倍率に依存しないはずなのだが、実際には高倍率で見やすくなることがある"

などと書いてあるとおり、なかなか話は簡単ではないようで、どうやってまとめようかずっと悩んでいました。加えて、普通は露光時間を稼ぐために写真に撮るなどして相当見やすくするための画像処理のようなものが絡んでくるので、なかなか直感的に理解できないでいます。やっと最近真面目に撮影と画像処理をし始めたので、できるならきちんと理解したいと考えています。

今悩んでいることは、主に画像処理に関しては、
  • RAW画像の各ソフトでの読み込みに違いがあるのかどうか?
  • フラットフレームはどの程度まで実用として許容されるのか?
  • レベル調整の最適解はあるのか?
  • レベル調整で失われた(粗くなった)階調は、コンポジットで本当に補完されるのか?
  • ステライメージのデジタル現像は正しい処理方法なのか?もっといい方法もあるのではないか?
  • ステライメージとPhotoshopなど、ソフトをまたぐと階調はどのように保存され、どこが切られるのか?
  • 色調補正と、ホワイトバランスを取るということは相反するのではないか?

撮影に関しては、
  • 夜空の背景の明るさに比べて星雲の明るさが、少しでも勝っていれば、背景の明るさのオフセットを取り除き、階調差を増幅し、増幅した分の階調の粗さを埋めるために多数枚のコンポジットで補完すればいいはずなのだが、本当にそうなのか?
  • 光害防止フィルターは、どのタイプがどれくらい効くのか?必要なのか?暗いところに行ったほうがいいのか?
  • 冷却CCDの効果はどれくらいあるのか?すごく暗い天体は冷却CCDでしか撮れないのか? 

などです。色々参考になる先人の方の情報がホームページを探ると色々出てきますが、自分自身で納得するためには、まだまだ相当さまよいそうです。


中古で誠文堂新光社の「デジタル点写真のための天体望遠鏡ガイド」という本を購入しました。きっかけは赤道儀の極軸の精度の話で、参照ページにこの本の紹介があったからです。

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特に印象深かったのが、2.4の「実際の望遠鏡の収差」です。具体的にメジャーな望遠鏡の例を多数示してあり、やっとスポットダイヤグラムの見方が感覚的に理解できた気がしました。

正直言いますと、いままで高い望遠鏡の意義がイマイチ理解できていなかったこともあり、安い望遠鏡でも眼視では十分で、撮影でも使えるのではと勝手に思っていました。ですがこの章を読んでようやく、 実は今持っているタカハシのFS-60Qは、青ハロは少し出るようですがそれでも相当収差は少ない方で、撮影をしても収差で星像が歪むこともほとんどなく、非常に恵まれた状況にあったということがやっと理解できました。多分FS-60Qを手に入れる前、「いつかはタカハシ」と言われているくらいなので、タカハシの望遠鏡に憧れのようなものがあって、その中でも一番安価な機種ですが星の村のスターライトフェスティバルのオークションでやっと初タカハシを手に入れることができてなんとなく満足していたのですが、実はとてもとてもラッキーだったのかもしれません。HUQさんがFS-60"Q"がいいとしきりに言っていたわけがやっとわかりました。逆に、FS-60CB状態にしてフラットナーを入れた時やレデューサを入れた時は今より収差を覚悟しなければならないこともわかりました。

他にも、タカハシTSA-102+35フラットナーやTOA-130NFにフラットナーやレデューサをつけた状態なども相当収差は少なく、特にタカハシのCCA-250のレデューサ、エクステンダー無し、ε-180ED、昭和機械の30PAG(IF)、VixenのAX103S、VC200L(ともにレデューサなしの場合)は周辺に至るまで特筆すべき収差の少なさです。逆に、補正のない反射型は当然四隅が相当流れることも、十分に理解できました。また、上に挙げた収差の少ないものも、レデューサの有無で収差は相当変わるようです。

この本を参考に、自分の中で次回鏡筒を選定するときに、スポットダイヤグラムを見て、これらのものと比較することで、ある程度目的に沿った性能といいコストパフォーマンスのものを選ぶことができるのかと思います。

この本はこれだけではなく、もともと読みたかった極軸精度のところなど、各所に重要なことをきちんと式を用いて説明してくれています。非常にわかりやすく、また応用も効くため、とても有用な書籍だと思います。惜しむらくは、すでに絶版で、今回も定価1800円ですが、3000円以上出して古本で手に入れました。初版からすでに4年以上たっていますので、もし最近の状況も盛り込んだ改訂版など出たら、絶対に買っておくべき本かと思います。


 

2016年11月20日、朝から娘と一緒に石川県小松市にある、「サイエンスヒルズこまつ」に渡部潤一氏の講演を聞きに行って来ました。テーマは「賢治作品の中の宇宙」ということで、宮沢賢治の作品を天文学者から見た場合のお話です。娘の今年の夏休みの自由研究がちょうど「星でめぐる銀河鉄道の夜」 というタイトルだったので、面白そうだと思い申し込んでおいたものです。

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お話はとても面白く、賢治がM31だけでなく、M57もfish mouth nebulaと呼んだことなど、知らないこともいろいろあり、1時間15分くらいでしょうか、すごく楽しめました。残念ながら娘は途中15分ほど眠っていましたが、小学生には少し難しいのかもしれません。でも後から、すごく面白かった、ただ眠かっただけだと言い訳していました。質問時間がなくなるほど講演は充実していたのですが、司会者から一人だけ質問を受け付けますと言われ、いろいろ聞きたいこともあったのですが、小さな女の子がひとり「ハレー彗星は珍しいのですか?」という質問をしました。子供の質問でとても場が和みます。

一番前に座ったのですが、たまたま隣の席に富山大の天文同好会の知り合いの学生たちが二人来て、午後はユーシートレードに行くといいます。私もちょうどUNITECのSWAT-200が未使用品で安く出ていたので、帰りに寄って行こうと思っていたところでした。また、講演会場には県天のNさんも来ていました。 講演が終わってから渡辺氏とサイエンスヒルズこまつの学芸員の方と、地元の議員さんと、あと地元の天文愛好家の(後から名前がわかったのですが)Nさんと少しお話ししました。北陸ではこういった施設はとても貴重なので、盛り上げていって科学好きな子供が増えてくれればと思います。

さて、昼食は近くにあったゴールデンカレー(ゴーゴーやチャンピオンは行ったことがありますが、ゴールデンは初めて行きました。)ですませ、午後は予定通り金沢のユーシートレードに寄っていくことにしました。お目当はSWAT-200ですが、久しぶりの訪問なので、いろいろ見て見たいと思っていました。到着したらすでに学生の二人は来ていて、店長さんと一緒に4人でいろいろ天文談義に花が咲きました。娘は車の中でずっと寝ていました。公演中もそうだったのですが、最近よく寝ます。そんな年頃なのかもしれません。


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SWAT-200はリモコンや微動回転台などもあったみたいなのですが、それらはすでに売れてしまったそうです。極軸スコープだけ残っていたのですが、極軸はCCDで合わせた方が楽そうなので、極軸スコープはあまり必要ありません。本体だけでもいいとのことなので、結構迷ったのですが、いずれ必要な時期がすぐにくると思うので結局購入しました。店頭渡しということで、少しだけ安くしてもらいました。念願のSWATで、これでまた軽量化計画が一歩進みます。一軸制御でどこまでいけるのか楽しみです。HUQさんは32分まで試したとのことです。


他に、ミザールがまだ日野金属産業(私はミザールは海外の会社だとずっと思っていました。この日初めて日本の会社だったと知りました。)だった頃の何十年も前の屈折望遠鏡が3台ほどおいてあり、安くしてくれるというので子供が買えるくらいの値段で一台売ってもらいました。焦点距離は1000mmとちょっと長めです。ミザールのホームページで調べたところどうやらニューアポロ型というようです。古いですが、レンズは全然大丈夫そうで、マニュアルですが赤道儀も三脚もついています。唯一の難点が、アイピースの口が25.4mmで今の規格に合いません。幸いなことに変換アダプターの前のネジは普通の36mm?だったので、Vixenの31.7mmへの変換アダプターを買って取り付けることができました。これで手持ちの安いアイピースをつけることができるので、一度自分で確認してから、誰かに興味がありそうな子に譲ろうと思います。

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天気はイマイチでしたが、とても充実した1日でした。
 

ここ一週間ほどオートガイドの準備と、画像処理のための準備を色々していました。

ガイドはASCOM経由でPDH2からAdvanced VXを操作することですが、PDH2から操作することはできたので、あとはガイド星を実際にとらえるところくらいまで進みました。

画像処理の方ですが、ソフトはこれまでフリーソフトでごまかしごまかしやってきたのですが、とうとうステライメージ7を購入しました。PixInsightも魅力的だったのですが、まずは基本ソフトは持っておこうと思ったのです。また天文ガイドの先月号から紹介され始めたGoogleのNik collectionを以前GIMPで試していたのですが、8bitで動かしただけでもすごいことがわかり、でもGIMPだと16bitで動かすことができなかったので、あわせてPhotoshop CSを導入しました。

画像はこれまでに自宅の庭で何枚か撮ったM45で練習していたのですが、空が明るすぎるのでなかなか星間ガスとかは出てきません。ダーク減算までは試しましたが、フラット補正はまだ手付かずの状態でした。

2016年11月18日の金曜夕方、天気が良かったので牛岳に一人で行きました。目的はガイドをしての星雲の撮影です。ところが、いくつか準備不足が露呈しました。ガイドCCDのレンズを50mmまでしか用意していなかったのですが、これだとガイドCCDの1ピクセル当たり15秒角程度になるので、同程度のオーダーのピリオディックエラーを補正するのには解像度不足です。またUSBで繋ぐものが、USB3.0がASI224MC、USB2.0がBackYard EOS(BYE)経由のEOS 60D(天体改造済み)とASCOM経由のAdvanced VXと、計3つあるのですが、PCのUSB端子が2つしかないことに現地で気づきました。60Dはレリーズで撮影してもよかったのですが、BYEのファイル名管理と自動ダウンロードと温度まで読み取れる機能が便利で、ダークフレーム管理も楽になりそうなので、やはり捨てがたく、とりあえずガイドなしのノータッチガイドでまずは撮影だけしてみました。というよりも、多分ガイドは一発ではうまくいかないと思ったので、まずはノータッチガイドでいいので画像処理の練習をできるだけの画像枚数を残しておこうと思ったのが正直なところです。

撮影はFS-60Q(焦点距離600mm)を使い、ターゲットはとりあえず見慣れているM45とM31で、ともにISO6400、60秒露光(AVX、600mmでのノータッチガイドだと60秒位が実用上限界というのは前回確認済み)、それぞれ16コマ分撮影。一応16枚撮ったのですが、風が強かったせいもあり、60秒でも流れているものがあったので、この中で実際に使ったのはM45は9枚、M31は途中から曇ってきたこともありわずか5枚です。雲に隠れた時点で、ガイドの挑戦も、これ以上の撮影もあきらめました。

ダーク画像は天体の撮影後後、鏡筒にキャップをして8枚を天体撮影時と同じ条件のISO6400、60秒露光で撮影。フラットはPCの画面に白色を出して10%の明るさにし、そこに鏡筒を平行に近づけて撮影しました。ISO100で露光時間は1秒です。これは正しい方法なのか今一自信がないので、もう少し検証が必要です。

実際に撮った写真をM31、M45、dark、flatそれぞれ一枚づつ、jpgファイルを無加工で載せておきます。


M31_LIGHT_60s_6400iso_+19c_60D_20161118-20h00m07s845ms


M45_LIGHT_60s_6400iso_+15c_60D_20161118-19h31m20s354ms



M31_DARK_60s_6400iso_+17c_60D_20161118-20h28m05s407ms


FLAT_Tv1s_100iso_60D_20161118-20h48m10s699ms



・M45もM31もすでに淡い部分が多少出ていますが、最初に撮ったM45は高度が高くなかったのか、薄雲に覆われていたのかで、ずいぶん明るく出てしまっています。
・ダーク画像は輝点がいくつも写っています。
・フラットは真ん中下あたりに黒い丸があるのに気づきました。ほこりか何かでしょうか?後でチェックします。


ここから淡い部分を炙り出していくのですが、今回やった画像処理はあくまで基本に忠実にがモットーで、奇をてらったことは何もしていません。あえていうならNik collectionがまだ少し珍しいくらいでしょうか。流れは大まかに言うと、

1. ダークフレームファイルの作成(ステライメージ7)
2. フラットフレームのダーク減算とフラットファイルフレームの作成(ステライメージ7)
3. ダーク減算/フラットフレーム補正(ステライメージ7)
4. ベイヤー・RGB変換

5. コンポジット(ステライメージ7)
6. 現像(ステライメージ7)
7. 画質調整(Photoshop+Nik collection、ステライメージ7)

といったところです。


これ以降もう少し詳しく書いておきます。



1. ダークフレームの作成


ダークフレームの撮影のポイントは、露光時間とISOと温度を合わせることです。あと、温度が同じ場合は再現性があるらしいので、同じ温度の場合は作成したダークフレームを再利用できるようです。そのため、ダークフレームのライブラリーを作ることができるようです。BackYard EOSではダークフレームを撮影した時の温度がファイル名に入るように設定することができるため、いちいち記録を取る必要がなく結構便利なのですが、実際には天体撮影時の温度とダークフレームの温度が、もしくは天体やダークフレームを撮影している最中に、1-2度位変わることはよくあるので、ライブラリを作る (追記: 後日ライブラリーの作成を試しました。) 前にどのくらいの温度差で結果が変わるかを一度検証する必要があると思います。


枚数は当然多いほうがいいです。天体の撮影枚数と同じがいいという話もありますが、今回は時間がもったいなかったので8枚としました。これらをコンポジットするとダークフレームのランダムノイズは1/sqrt(8) = 2sqrt(2)分の1になります。


撮影したダークフレームのコンポジットは、今回はステライメージ7上で行いました。撮影したファイルを全て「ベイヤー配列」で開き、「バッチ」メニューから位置合わせはしない状態で、「加算平均(σクリッピング)」というのを選んで、閾値は「1」シグマ以上で、「コンポジット実行」を押してコンポジットします (σクリッピングとは、バッチコンポジットの際に「はずれ値」(極端に他と異なる値)のピクセルをカットして合成する処理だそうです。しきい値を大きくしていくと、はずれピクセルを捨てる効果が弱くなり、光跡などの影響が残りやすくなっていきます)。 ピクセル補完は「バイキュービック」にしています。バイキュービックは補完が弱すぎず、強すぎず適度に滑らかになるようで、よく使われている方法のようです。


上に載せたダークファイルはほとんど真っ暗で、輝点が少し見える程度ですが、ダークファイルをステライメージ7で開くと勝手にうまくレベルを調整してくれて、灰色のノイズが乗った画像にして見せてくれます。この際、レベル調整で色々いじってみると色々なムラなど見えて面白いかもしれません。


作成したダークフレームファイルは、露光時間、ISO、温度などをファイル名に記録しておくと便利です。fits形式で「32ビット」、「実数」で保存します。



2. フラットフレームの作成

フラットフレームの撮影は一般的には結構大変なようです。私は簡単のために、撮影直後に設定を何も変えずに、PCの画面に白色を出して、そこに鏡筒の先端を画面に平行になるように近づけて写してみました。ポイントは、明るさは適当でもいいですが、ピントやカメラ位置などを変えないことです。ホコリなどの汚れが移動してしまっても、処理後にうまくフラットになりませんし、余分なところを汚してしまう可能性があります。ISOは撮影時と一緒にしたほうがいいという話がありますが、今回はこだわりませんでした。フラットフレームの撮影はまだ色々不明なところもあるので、今後何が正しいのか、何が正しくないのか色々検証して行きたいと思います。

枚数は多い方がフラットファイル自体のランダムノイズが減るのでいいのですが、十分明るく、露光時間が短いのであまり重要ではない気がします。枚数を増やしたとしても撮影はすぐに終わるので、今回はとりあえず16枚としました。ランダムノイズは1/sqrt(16) = 4分の1になります。

フラットフレームのダーク減算は必ずやったほうがいいとのことです。なのでまずはフラットフレーム用のフラットダーク(バイアスともいうそうです)ファイルを作ります。同じ温度の方がいいと思うので、できれば撮影時に同じiso感度、同じ露光時間で、望遠鏡もしくはカメラにキャップをして真っ暗な状態にしてから、できればフラットフレームと同じ枚数のフラットダークフレームを撮影します。

その後ダークファイルの作成時と同様に、ファイルを全て「ベイヤー配列」で開き、「バッチ」メニューから位置合わせはしない状態で、「加算平均(σクリッピング)」というのを選んで、閾値は「1」シグマ以上で、「コンポジット実行」を押してコンポジットします。作成したフラットダークファイルは、fits形式で「32ビット」、「実数」で保存します。

その上で、やっとフラットフレームの作成です。ステライメージ7上で撮影したフラットフレームファイルを全て「ベイヤー配列」で開き、その際「ダーク補正ファイル」のところで先に作ったフラットダークファイルを指定します。

コンポジットはダークの時と同様に「バッチ」メニューから位置合わせはしない状態で、「加算平均(σクリッピング)」というのを選んで、閾値は「1」シグマ以上で、「コンポジット実行」を押してコンポジットします。ピクセル補完は「バイキュービック」にします。作成したフラットフレームファイルは、fits形式で「32ビット」「実数」で保存します。

(2016/11/26 追記: フラットフレームについて後日もう少し詳しく検証しています。)


3. ダーク減算/フラットフレーム補正

撮影した天体ファイルを全て「ベイヤー配列」で開き、その際「ダーク補正ファイル」を先に作ったダークフレームファイルでを指定します。

「バッチ」メニューから「共通ダーク/フラット補正」を選択し、「フラット補正ファイル」を先ほど作ったフラットフレームファイルに指定します。「フラット画像のダーク補正」をここでしないのは、先ほど個別にフレームファイルを開くときにすでに補正をしてあるからですが、もし済ませていない場合はここで指定します。また、ライトファイルオープン時にダーク補正をしていない場合はここで一緒にするといいと思います。 

次のベイヤー・RGB変換に行く前に、必要ならばここで「バッチ」メニューの「ホット/クールピクセル除去」を行います。しきい値は5-20%くらいでいいとのことですが、ここもまだよくわかっていません。「カラーフィルタ」は「自動」いいはずです。

 

4. ベイヤー・RGB変換

「画像」メニューから「ベイヤー・RGB変換」を選び、開いているファイル分だけ一枚一枚変換します。ここに限ってはバッチ処理機能はないみたいです。「画像生成」は「カラー画像」、「カラーフィルタ」は「自動」でいいと思います。ホワイトバランスですが、「色調整」の「設定」をまず押して、「ホワイトバランス調整」を「自動調整」もしくは、「手動」にして「自動調整値」を押すと、ここでホワイトバランスが取ることができます。「ガンマ調整」はチェックなしです。もしくはここでホワイトバランスを取らなくても、コンポジット後「階調」メニューの「オートストレッチ」(ステライメージ7の目玉機能らしいです)でホワイトバランスを取ることもできますが、どちらが有利なのかは検証してみる必要があります。

あと、枚数が多い場合は処理のし忘れを防ぐために、変換後は画像を最小化する癖をつけておくといいかもしれません。

 
 5. コンポジット

やっと天体写真のコンポジットです。「バッチ」メニューから「コンポジット」を選び、「位置合わせ」で「自動」を選び「位置合わせ実行」を押します。しばらく待って位置合わせが完了してから、「コンポジット」のところの「方法」を「加算平均」にして、「コンポジット実行」を押してコンポジットします。ピクセル補完は「バイキュービック」にします。終わったら「閉じる」を押しコンポジットを終了します。

この時点での画像をjpgに変換したものを載せておきます。まだレベル補正もしていないので、淡い部分はほとんど何も見えていません。

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6. 現像

「階調」メニューの「レベル補正」を選択し、出て来たヒストグラムの下の2つの三角を動かして、星雲が出てくるように調整します。ここでは白トビしてしまってもいいそうです。いまのところまだどこらへんまで調整したらいいかがまったく手探り状態です。特にのちにPhotoshopへ渡すので、この時点でいじるべきなのか、いじらないべきなのかもまだよくわかっていません。おいおい検証して行きます。

その後、「階調」メニューの「デジタル現像/色彩強調/ガンマ調整」を選びます。レベル補正で飛んでしまったところも回復して現像してくれるとのことです。「レベル調整」は基本的にはそのまま、「デジタル現像」と「ガンマ調整」にチェックを入れ、「ハイライト」「エッジ」はいじらず、「ガンマ値」は「1」にしています。「OK」を押し、変換されたファイルをPhoshopで開けるようにtiff形式で保存。「16ビット」「IBM PC形式」「無圧縮」を選びます。

この時点での画像をjpgに変換したものを載せておきます。

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ノイジーですが、すでに淡い部分が相当見えて来ています。


7. 画質調整

とうとう画質調整まで来ました。今度はPhotoshop CSで開きます。私はトーン補正をR、G、Bそれぞれに、暗いところを少し下げて、明るいところをあげるなどして、好みの色にします。その後Nik CollectionのColor Effect Pro 4の「ディテール強調」、Nik CollectionのSharpner Pro 3: (1) RAW Presharpner、必要ならSharpner Pro 3: (1) OUPUT Sharpner、最後にDfine 2でノイズをとります。星雲のところがザラザラしている場合はステライメージに戻って「フィルター」メニューの「バックグラウンドスムース」をかけます。

Nik Collectionがすごく強力で、ステライメージやPhotoshopの普通のメニューで色々やって納得しなかったのが、Nik Collectionを使うことでかなり簡単に思った効果が出せることがわかりました。

今回できたM31とM45の画像を載せておきます。ただしブログの設定で最大解像度を1600x1200にしてある(オリジナルの画像は5184x3456)ので、潰れてしまっている微恒星も多くあります。

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M31、M45ともに言えますが、ISO6400で1分露光、枚数がそれぞれ5枚と9枚では星雲の明るさが全然不十分です。さらにM45は薄雲の明るい中で撮っているので、相当無理をして色を出している感が否めません。次はもう少し条件のいいに日に、ガイドを用いて長時間露光で試したいと思います。(追記: 2016/11/24オートガイドで長時間露光を試しています。)


とにかく今回は画像処理の練習ということで、色々初めてのことばかりでした。特に階調のところや、色調補正のところなど、まだまだ不明なことだらけです。でも天体観測を始めた半年ほど前に目標としたことの一つ、星雲がそこそこ綺麗に撮れるようになるというのは少しづつ実現して来ているので、ちょっと嬉しいです。


最後にですが、今回の画質調整はもちろん、それ以前の撮影とその後の処理、コンポジットから現像に至るまでも、まだ星雲撮影を始めたばかりの素人がとりあえずやってみたくらいのレベルなので、全くもって正しい方法とは限りません。パラメーターは無限にありますので、色々と検証をしながら、どの方法がいいのか、これからじっくり時間をかけて楽しみながら試していくつもりです。 









精度追求: 極軸調整その1からの続きです。


2016/11/12 前回(5日前)の反省を踏まえ、SharpCapによる極軸設定で、三脚をアイピース台で下からきちんと締め上げ、ウェイトを付け、極軸周りの回転をモーターを使うことで精度改善を試みました。前回同様、一度SharpCapの指示通りに曲事を合わせて、10秒以下で合ったという表示を確認してから、そのまま再度極軸設定を繰り返し(設定時にまた赤径を90度向きを変えるということ)、どれだけずれるか見るということを何度か赤経正負の両方向で繰り返しました。その結果、ずれは平均的に40秒程度となりました。前回のずれが2.5分(150秒)程度だったので、誤差が3-4分の1に改善されたということになります。

さて、この状態で再びM45を、焦点距離600mm、1分露光で16枚ほど連続に撮影してみました。ただし、BackYardEOSでの撮影で、一枚撮影するごとに計算機側にファイルをダウンロードするために10秒ほど撮影が途切れます。それら16枚を比較明合成した写真が以下のようになります。

1600iso_output_comp


拡大してよく見て見るとずれがよくわかります。大きくずれている方向は、赤経(RA)方向です。それに比べて垂直の赤緯方向のずれははるかに小さいです。

拡大したピクセル等倍でみるとずれはV字の形に見ますが、Advanced VXのピリオディックモーションの周期は8分で、撮影時間は16分以上なので、約2周期分が重なっていることになります。ここからわかることは、赤道儀の極軸を1分角以下の精度で合わせれば、赤緯(DEC)方向の精度はもう十分赤経方向のピリオディックモーションの誤差からくる精度に勝っていて、極軸調整の精度としてはこれ以上やっても仕方ないということです。HUQさんがコメントでくれたように、大気の影響で1分程度のオーダーの誤差が生じるとのことですが、1軸制御の場合には赤経方向の誤差が小さくなるので、もう少し突き詰めて赤緯方向の誤差を抑える価値はあるのかもしれません。ですが、2軸制御をしてしまう場合には、極軸調整の時間の節約のことも考えると、今回のSharpCapで1分程度の誤差に抑えればもう十分でしょう。


さらにもう少し突き詰めるためにピリオディックモーションを測定して実際に見てみることにしました。ターゲットは東の空に上がって来たオリオン座のベテルギウスあたりです。赤道儀の仰角を3度ほど減らし、星を南に流して、10秒間隔の連続写真を30分ほど撮り比較明合成した写真が以下のようになります。

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一番明るいのがベテルギウスで、左上から右下に向かって流れています。ちなみに、赤道儀の仰角を上げると東の空の星が北に逃げ、仰角を下げると南に逃げます。また、赤道儀を西に向けると南の空の星が上に逃げ、東に向けると下に逃げます。また、今回はBackYardEOSを使わずに、カメラ側で露光時間を10秒に固定して、レリーズでロックして、撮影したので、間に撮影が遮られていることはありません。

一部を拡大します。

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図の赤で書いてある二つの星の間がStellariumによると19.5秒角程度なので、青で示しているピリオディックモーションは写真の線の間の幅の比から31.6秒pp = +/-15.8秒程度となります。他のページを調べるとAVXのピリオディックモーションは+/-十数秒とのことなので少しだけ大きいかもしれませんが、大きくずれてはいないことがわかります。ずれを見ると、盛り上がるところと、平坦なところが結構はっきりとわかれて出ていることがわかります。周期は図と撮影した時間から9分20秒程度でした。AVXの場合ピリオディックモーションの周期は8分くらいのはずなので、少し長いです。周期側の測定はそれほど誤差が出ないはずなので、ちょっと謎が残りました。


いずれにせよ結論はかわらず、ノータッチガイドではピリオディックモーションで露光時間がリミットされるということになります。今回の結果から、前回やった2分露光で半々くらいの枚数が使えるというのは、妥当な判断だっとことがわかります。平坦なところだけをねらって使えば、今回の600mmでも数分の露光は可能かもしれませんが、使えない枚数の確率も増えることと、それでもずれは多少見えるはずなので、ノータッチガイドは1分以内というのが現実的な解かと思います。また、PECも試そうと思ったのですが、PECの記録にオートガイド(マニュアルでもいいらしいですが)が必要とのことなので、とりあえずノータッチガイドのための課題として残しておきます。

さあ、次はいよいよオードガイドです。



いつの頃からか、夜空の視野確定の目的のためにStellariumというフリーのプラネタリウムソフトを使っていました。Windowsだけでなく、Mac、Linuxでも動くみたいです。

自分が持っているカメラやCCDなどの「センサー」、望遠鏡や望遠レンズなどの「望遠鏡」、「アイピース」、バローヤレデューサなどの「レンズ」の4種類が登録でき、それぞれの組み合わせでの視野を画面内に表示してくれるので、非常に便利です。これは一番右上のスパナマークのアイコンをクリックすることで設定画面が出て、上の4つの項目がタブになっていて、そこに自分で登録します。登録の仕方はあらかじめ登録されている例を参考にすれば迷うことなく進められると思います。

表示する星や星雲/星団などの設定も画面左下のアイコン群の中かから「空と表示の設定」から細かく設定できます。

また、どこまで暗い星をデータとしてもつかなども設定でき、画面左下のアイコン群の中かから「設定画面」を押します。出て来た環境設定の「ツール」タブから、ダウンロードすれば、最大で 18等星!まで表示できるそうです。等級ごとに段階を踏んでデータをダウンロードできるのですが、全部で9段階あるみたいで、細かい星に行くほどデータファイルのサイズがどんどん大きくなってくるので注意が必要です。

やっとここで今回のタイトルについてですが、2016/11/9にオートガイド(追記: オートガイド自身は2016/11/24にやっと試すことができました。)の準備段階として、計算機から何かソフトを利用して赤道儀の自動導入をしてみようと思い、ぱっと調べたところCartes du Cielというソフトが出て来ました。あと、いつも使っているStellariumでも自動導入できるとの記事がいくつかありましたが、ASCOM経由でしかもStellariumScopeという外部ソフトが必要とのことなので、どうしようかと迷いました。結局、Stellariumが普段使いのソフトですごく使い勝手がいいので、多少面倒でも一本のソフトで視野決定と自動導入がまとまればいいと思い、 ASCOMとStellariumScopeをインストールまでして頑張ってみました。

セットアップは、Advanced VXに付属(最初付属されていることを完全に忘れていて、自作しようとしていました。)のD-SUB9ピンのシリアルコネクタから電話の4芯線に変換するケーブルを赤道儀のコントローラーのお尻に指し、計算機側はUSB-RS232C変換ケーブルを使ってCOMポートを作ります。

手持ちのUSB-RS232CがELOCOMのUS-SGTの、さらにシリアルがEで終わるかなり古いもので、オフィシャルにはWindows7までしか対応していないため、Windows10での認識に苦労しましたが、なんとかCOMポートを開くことができました。

以下の一節は最悪Windowsを破壊することや、Windowsの再インストールが必要になることもありますので、あくまで自己責任でお願いします。

認識には色々試しましたが、結局私の場合は64bit版のWindows10でしたので、Windownそのものを書き換えるというこのページが役に立ち(注: ただし64ビット版のWindwosのみに有効な書き換えで、32ビット版のWindowsには使えません)、US-SGTのROMを書き換えることもせず、最後はELECOMでもProlific(苦労した人にはおなじみのドライバーです)でもなくMicrosoftのWindows10標準のドライバーで動かすことができました。コツは、上記アップデートをした後、デバイスマネージャーなどから「Elecom USB-Serial Converter」にビックリマークがついているなど、まだうまく認識されていないのを確認して、プロパティーの「ドライバー」タブの「ドライバーの更新」とすすんで、下の「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します」を選び、再び下の「コンピューター上のデバイスドライバーの一覧から選択します」を選び、ここで「互換性のあるハードウェアを表示」のチェックを「外し」、製造元に「Microsoft」、モデルに「USBシリアルデバイス」を選択し、「次へ」を押します。多少文句が出ますが無視して、「ドライバーウェアが正常に認識されました」と出れば成功です。


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無事にCOMポートがひらけたら、次はStellariumの設定です。

まず私が一番驚いたことは、StellariumScopeを動かそうとしてStellariumの設定を触っていると、なんとStellarium単体で自動導入ができることがわかってしまったことです。結局ASCOMもStellariumScopeも必要ありません。少なくともGoogleで「Stellarium 自動導入」で検索してもASCOM経由やStellariumScopeの情報ばかりで、単体で自動導入ができるなんていう記事はほとんど見つけることができませんでした。

さて、その方法ですが
  1. 準備したRS-232Cケーブルと必要ならばUSB-シリアル変換ケーブルを赤道儀と繋いでから、Stellariumを立ち上げ、画面左下のアイコン群の中かからスパナの形の「設定画面」を押し、出て来た環境設定の一番右のタブの「プラグイン」を押し、出て来た左側のメニューの下をスクロールして「望遠鏡のガイド」を選びます。
  2. もしここで「起動時に実行」にチェックが入っていなかったらチェックをして、一度「メイン」タブに行って「設定を保存」してからもう一度Stellariumを再起動します。
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  3. 再起動後また同じ「望遠鏡のガイド」までいったら、「設定」を押し、「Add」で赤道儀を追加します。
  4. 「Stellarium, directly through a serial port」を選び、作ったCOMポートを選び、あとはDeviceモデルを自分のに合わせて選ぶくらいでしょうか。私の場合はAdvanced VXなので、「Celestron NextSar (Compaible)」になります。
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  5. うまくいくと先の画面で「Start」を押すと「Connected」となります。
    IMG_0603
  6. 画面下の「Move a telescope...」というアイコンから移動の画面が出て、適当な天体を選んでから「現在の天体」を押して「Slew」を押すと、目的の天体まで赤道儀が移動します。茶色のマーカー(アルタイル)が現在指している位置で、白いマーカー(デネブ)が目的の天体です。
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  7. Stellarium上で赤道儀の位置までリアルタイムで表示されます。これは赤道儀の方のコントローラーで移動しても、その結果が画面上に現れるので、見失うこともありません。

この機能を理解してからGoogleで「Stellarium 望遠鏡のガイド」と検索すると、私の説明よりも遥かにマシなページが出て来ました。皆さんはそちらのページを参考にされた方がわかりやすいと思います。

とにかく、フリーのプラネタリウムソフト単体で、赤道儀との接続ケーブルさえあれば計算機から赤道儀の自動導入までできるので、お得感たっぷりです。今日は雨なので、晴れたら早速実践投入してみます。
 


2016/11/12 追記: 早速実践導入して見ました。非常に快適です。PCの画面上で選択できるのはとてもわかりやすくて楽です。赤道儀の回転も、遠い天体は速い速度で移動し、最後に直前でスピードを落とし、ゆっくり天体に近づくなど、非常にスムーズで、Advanced VX自身の自動導入と同じような動きをしています。おそらく、SharpCapの自動導入の制御部分はAdvanced VXの制御をそのまま使っているのだと思います。また、Advanced VXのコントローラーを同時に併用することもできるので、Stellariumに繋ぎながらもコントローラーの方向キー微調整できたり、コントローラーの自動導入を利用することもできます。

最初は気をつかって赤道儀本体でホームポジションにしてからSteralliumを立ち上げるとかしていたのですが、不思議なことにいつ何時Stellariumを立ち上げても、きちんと赤道儀が実際に指している位置にマーカーが来ています。どうやら、赤道儀自身が今どこを指しているかの情報を持っていて、その情報を計算機側に送ってStellariumで表示しているみたいです。ただ、赤道儀の自動導入を使って出した指した位置と、Stellarium場での表示位置が少しだけずれることがあります。ほとんどずれないこともあります。キャリブレーションなどの細かい補正情報が入っていないのでしょうか?今の所不明ですが、実用上はほとんど問題になりません。

あと、COMポートの認識に一度戸惑うことがありましたが、ドライバーをあらわに指定し直した後はそのような認識の失敗は出ていません。

ステラナビゲーターを買おうと思っていたのですが、今のところStellariumの自動導入で不満はありません。その代わりと言っていはなんですが、画像処理に備えてステラナビゲーターを購入しました。
 

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