ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2016年05月

昨日に引き続き、5月28日の日が沈む前から、翌日日が昇るまでずっと牛岳にいました。今回は娘のNatsuに加え、息子の4年生のSukeも連れて行きました。前回はKさんがすでに来ていましたが、今回は着いた時にはまだ誰もいませんでした。最初曇っていて、ダメかなと思っていたのですが、9時頃から晴れ始め、それとともにKさんを始め、何人かの県天のメンバーが続々と登場しました。みなさん聞いてみると何十年も続けている大ベテランの方ばかりで、話していても色々学ぶことが多かったです。みなさんこれからもよろしくお願いします。

夜の11時頃、Kさんが天の川を見ないかと誘ってくれました。階段を上ったところに展望台のようなところがあり、ここまで登ると南の空が開けていて、登ってきた天の川がとてもよく見えます。楡原よりもよりはっきりとした濃い天の川を見ることができました。下の子は実はこの時には、草っ原にシートと寝袋を敷いて、とっくに寝ていたのですが、天の川があまりに綺麗なので無理やり起こして見せてやりましあ。とても感動していたみたいですが、その後またすぐに寝てしまいました。

さて、今日は昨日と違い、少し撮影をしてみました。前回の自宅での直焦点撮影での惑星撮影では、ものの見事にゴマ粒のようにしか小さくしか取れなかったことを反省し、今回ついに拡大撮影に挑みました。 現在Hyperionのアイピースを使っているのですが、Hyperionシリーズはアダプターをつけることによりカメラを直接取り付けることができます。今回用意したものは、国際後期に発注したバーダープラネタリウムのHypeironシリーズのオプションの#25Bと2958080の二つのパーツです。これらと、手持ちのTリングの3点でアイピースに接続できます。こちらに詳しく図解されています。(追記: 実は、これとは別にVixexの拡大撮影用アダプターを購入したのですが、結局使用するに至っていません。惑星撮影はバローレンズを使ってのCCDカメラによる撮影の方が適しているという判断です。)

セットアップが終わり、X7の動画モードで撮影をして、その後帰宅してからスタックやらWavelet変換やら色々試しながらやってみました。ソフト自身は色々調べながら初めて使ったものばかりで、これはこれで結構楽しかったのですが、結局出来上がった画像は、まだまだとてもじゃないが見られたものではありません。木星の縞も、土星の輪も、火星の模様もどうやってもこれくらいが限界でした。

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見ての通り、特に土星と火星は無理やり模様を出した感が溢れ出ています。Kさんによると、この日は富山としてはシーイングはかつてないほどいい(自分ではまだシーイングがいいのか悪いのかさえ判断できません)とのことなので、少なくともシーイングのせいではないと思います。拡大率がまだ低いのか、そもそも拡大撮影自身がだめで、直焦点撮影にバローレンズの方がいいのか、一眼レフカメラでの動画撮影がダメなのか、そもそも焦点距離が短いこの鏡筒自身がダメなのか、光軸調整が甘いのか、ソフトの使い方が悪いのか、まだまだ謎だらけです。(追記: 結局、鏡筒を焦点距離の長いC8に変えたことと、カメラをASI224MCに変えたことで、やっと少しまともな惑星撮影ができました。)


撮影もそうなのですが、実は眼視の方でも同じようなことがありました。この日KさんのタカハシFS128で土星と火星を見せていただきました。眼視にもかかわらず、土星はカッシーニの間隙が、火星は黒い模様がはっきり見えていました。ところが自分のBKP200で同じ土星を見ても火星を見てもそんなものは全然見えないのです。アイピースを変えて倍率を変えても、ピントをどう合わせても、何をしても土星の輪はどう見ても二重に見えないし、火星も黒いものがあるのかと言われれば有るような無いようなという感じです。口径だけはBKP200の方が大きいのに、なぜ見えないのか。光軸調整ができていないのか、反射型の方が根本的に見えないのか、理由がよくわかりません。機材の値段が全然違うのはもちろん承知の上なのですが、それでも悔しくて、どうしても理由が知りたくなり、後から色々調べてみました。

まず反射型は必ず副鏡とスパイダーがあるので、コントラストが屈折型に比べるとどうしても劣る場合があること、光軸があっていないとどうしようも無いことがわかりました。その代わりに反射型はコマ収差は出るのですが、色収差があまり出ないので、惑星を見るときのように中心に一つ見る分には有利だということもわかりました。FS128クラスの屈折型は色収差も十分出ないようなレンズを使っているので、反射型に比べて色収差がそれほど劣ることが無いということも納得できました。

いずれにせよ、それでも200mmのニュートン反射ならカッシーニの間隙は見えてもおかしく無いとのことなので、やはり光軸調整かなという結論です。

他の皆さんは午前2時頃までには帰っていかれましたが、我々はこの日タイムラプス撮影も兼ねて夜明け過ぎまでいました。タイムラプスはレンズが途中で曇ってしまい、ほとんど無駄骨でした。さすがに一晩中なので下の子は相当疲れたらしく、「もう二度と星は見に行かん!」と言われてしまいました。徹夜は子供にはやはり厳しいかもしれません。でも実際は、ほとんどの時間は車の中で寝てたんですけれどね。


アマゾンで光軸調整用のレーザーコリメータータイプの光軸調整ツールを購入したので、以前ユーシートレードで購入した光軸調整用アイピースと合わせて、BKP200の光軸調整を試してみました。

調整すべき箇所はアイピースを覗いた先にある「副鏡」と。鏡筒のお尻の「主鏡」の2箇所で、それぞれについている調節ネジで合わせるわけです。いろいろホームページを見たりして理解しながら進めたのですが、なかなかややこしく、結局私がやったことは以下の様になります。

  1. 光軸調整用アイピースの精度を信用し、アイピースを覗いたときの目からの光軸はきちんと副鏡の中心に当たっていると仮定する。
  2. 光軸調整用アイピースを覗きながら、副鏡のネジを調整して、主鏡の中心のマーカーがきちんと中心に見える様にする。 これで副鏡がきちんとアラインされたと仮定する。
  3. レーザーコリメーターから出てくるレーザー光の光軸の角度の精度が悪いので、レーザーコリメーターを適当に回転させたりして、まずは主鏡のマーカーの真ん中にレーザー光を当てる。これは2で副鏡が調整されているという仮定の元で行う。
  4. 3で主鏡の真ん中にレーザーがあたっていることを確認しつつ、主鏡の傾きを調整し、レーザー光がレーザーコリメーターの真ん中に戻っていることを確かめる。
原理的にはこれでいいはずなのですが、この方法の問題点は

  • 光軸調整用アイピースの中心軸と普段使っているアイピースの中心軸がずれていると、1. の時点でずれしてまうことになる。光軸調整用アイピースの精度はそれほど悪くなく、ここは信用していいと思います。
  • レーザーコリメーターの筒の径が少し細く、アイピース取り付け口につけてもブレてしまい中心が出ないので、そもそもレーザー光が主鏡中心に当たっていても、その光が副鏡中心からきている保障が無い。
それでも、副鏡のアラインメントは2で合わせた上で進めているのと、しょせん出射レーザー光の角度の精度が無いので、いくらアイピース取り付け口のところでレーザーコリメーターの位置を合わせても同じことなので、おそらくこれで問題無いと思います。レーザー光が副鏡の中心に当たっていないことにより、レーザー光を主鏡中心に当てても角度にずれが生じてしまうのですが、アイピースから副鏡までの距離に比べて服教から主鏡までの距離が十分長いので、誤差はそれほど効かないはずです。

レーザーコリメーターの筒にテープでも巻いてブレない様にするなどの工夫はしてもいいかもしれませんが、逆に適度にずらして調整する自由度がなくなってしまうので、3.の時に主鏡中心にレーザー光を持ってくるのに苦労するかもしれません。

結論としては、上記方法でいいと思うのですが、もしレーザーコリメータしか持っていなかったりした場合は、副鏡のアラインメントの保障ができないので厳しかったかもしれません。





これまでは楡原に3回いったのですが、少し他の場所も探してみようと思い、5月27日にずっと以前、昼間に行ったことのある牛岳のスキー場のリフトで上がった先に、娘のNatsuと一緒に行ってみました。車で行く道もあるのと、標高もそこそこ高いはずなのでいいかなと思ったからです。

山頂に着いた時にはすでに暗かったので、夜8時くらいだったと思います。すでに先客がいて、望遠鏡をのぞかせてもらいました。タカハシの屈折型だということはわかりました。コンピュータとかにも繋いでいるようで、ケーブルなども何本か張ってあったので、ガイド撮影のようなこともやっている、ベテランのような方でした。非常に親切で、娘ともども望遠鏡を見させていただきました。

さて、早速自分たちも赤道儀望遠鏡を出してセットし始めましたが、セットに戸惑っているその間にも続々と人が来て、あ、ここは地元の天文愛好家達が集まってくる場所なのだと、やっと理解できました。確かに場所としては、アクセスがしやすく、トイレもあって、光害は少なく、富山市街地からも近場で、申し分ない場所です。

セットアップですが、なぜか自宅だと赤道儀の極軸合わせはすぐにできるようになったはずなのに、牛岳だとなかなかうまくいきません。何度か失敗し、その度に電源を入れ直したりして、思ったより時間がかかってしまいました。理由は星が多すぎるからです。牛岳は南の空が暗く、北の空は市街地側なのでそれほど暗くはないのですが、それでも北の空も自宅よりはずっと星が多いので、極軸望遠鏡を覗くとどれが北極星なのかよくわからなくなってしまうのです。

調整もそこそこに、先ほどの方が話しかけてきてくれたので、色々聞いていると、なんと富山県天文学会の会長さんだと言います。ホームページでそういった同好会があることは知っていたのですが、まだ私の方は本当に始めたばかりで、ほとんど知識も経験もないということも話し、その上で県天(富山県天文学会のことをこう呼ぶらしいです)に入れて下さるというので、まだ早いかもと思いましたが、娘と一緒に入会させて頂くことにしました。Kさん、これからもよろしくお願いします。一緒にその場にいたYさんも一緒に入会されました。Yさんもよろしくお願いします。

Kさんはよく牛岳に来ているとのことで、この日も一般の何人かの方に望遠鏡を見せていたり、NHKの取材というのでアナウンサーの方も来ていて、今度の火星の取材の対応をしていたりと、とても親切で顔の広い方のようです。

結局この日は、Kさんといろいろと話をしていたら、だんだん曇ってきてしまい、撮影をほとんどすることなく撤収しましたが、富山県天文学会に所属するきっかけになったこの遠征は、非常に得るものが大きかったです。はじめて地元の天文愛好者にも会えたわけですし、初めて天文の同好会に所属することにもなったわけです。まだまだ色々わからないことだらけなので、こういった詳しい人からの情報が得られるというのは、とても心強いです。 だんだん世界が広がっていくようで、どんどん楽しくなっていきます。
 

しばらく眼視でBKP200を楽しんでいたのですが、やはり撮影をしたくなりました。

望遠鏡側にカメラを取り付けるにはTリングというものが必要なのですが、安いものなのでVixen製のCanon用の「カメラアダプター Tリング キヤノンEOS用(N) 37306-2」をアマゾンでを発注してカメラボディーに取り付け試してみました。BKP200に付属の変換リングを適当につければそのまま鏡筒の接眼部に取り付けることができます。

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5月17日満を持してのBKP200での初撮影です。撮影場所は自宅の庭です。それで撮った土星がこれです。

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笑ってやってください。加工なんてする気にもなりません。

なんでこんなに小さいんだと驚いて、ここで初めて焦点距離800mmでは足りないと気付いたのです。その後色々調べると惑星だと直焦点撮影ではだめで、拡大撮影というのをしないとダメだということがわかりました。次は拡大撮影に挑戦です。こうやって一歩一歩学んでいくんですね。

ちなみにこの時撮ったM57とM13 M3(2020/5/16訂正:玄さんのコメントのおかげで4年を経てM3と気付くことができました。玄さん、どうもありがとうございました。)です。

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自動導入の練習がてら撮ってみたものです。小さくてしかも未加工なので見苦しいですが、実はこれが人生初のメシエ天体になります。眼視でもうっすら見えました。

M13の方をよく見ると流れてしまっていますが、これはシャッターを指押ししているからです。レリーズの必要性を実感しました。


 

木星の縞が見えなかった件ですが、やはり空気のせいだったようです。ここ何日か木星の縞もはっきり見ることができました。 シンチレーションの具合で、こんなに変わるものなのかと実感できました。

いずれにせよ、光軸は少しいじってみたのですが、少なくともそれほどずれてはいなかったようで、ほとんど同じセッティングに近いと思います。その後、何もいじらずに日に日に見え方が変わるので、シンチレーションが原因と結論づけました。 


 

5月14日、かねてより行ってみたかった北陸で唯一の天文ショップユーシートレードさんに行ってみました。特に何かを買うという目的ではなく、どんなところか見てみたかったのです。店長さんとBKP200の光軸がおかしいかもしれないという話をして、国際光器の光軸調整用アイピースを購入しました。覗いて円を合わせるタイプのもので、レーザータイプのでは無い方のものです。また、欲しかった星景写真撮影と星野写真撮影の本も置いてあったので、購入しました。普通の本屋さんではなかなか見つからなかったので、さすがです。それと星ナビのひと月前の5月号もついでに購入しました。

面白かったのは、お店に来ていたお客さんで、私から見たら普通の家には入らないくらいの大きさの宇治天体精機の中古の赤道儀を見るために、わざわざ山口からご夫婦できている方がいたことです。天文台関係の方か何かと聞いたら、普通?のアマチュアの天文家ということで、自宅にいずれドームを作り、これを入れたいとのことでした。奥さんは置き場所に困るという様なことをおっしゃっていましたが、それでも星が好きそうな方でした。ただ、もっと驚いたことは、この赤道儀は分解できるとのことで、外に持ち出して使おうとしているということです。やはり、天文はこう言ったハイアマチュアの人たちに支えられているのだなと感心しました。

ちなみに、その後ホームページを見たら売り切れになっていたので、山口まで持って帰られたのだと思います。 

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