天気予報では今も明日の朝までもずっと晴れのはずなのに、なぜか空には一面の雲。富山の空は相変わらずさえないです。

仕方ないので今日は家族サービスで、子供二人を連れて映画を観に行きました。選んだ映画は実は全シリーズ欠かさず見ているドラえもん、今回は「のび太の南極カチコチ大冒険」というタイトルで、南極についてです。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、近年稀に見る傑作だったと思います。オリジナルストーリーで、長編映画の名に恥じないスケールのワクワクできる大冒険。ストーリー展開も無理がなく、何より藤子不二雄時代の科学的な考察や説明が随所に入っているところは非常に好感が持てます。藤子F不二雄はあまり知られていないかもしれませんが、SF漫画も多数描いていて、「藤子・F・不二雄 SF全短編 全3巻 中公愛蔵版」今でも手に入る傑作漫画の一つです。

実は私は、月刊コロコロで第1作の「のび太の恐竜」連載当時小学一年生で、リアルタイムで連載開始から読むことができた現役世代です。映画版の「のび太の恐竜」は、それはそれは楽しみにしていて、映画館に行く途中で階段でサラリーマンのカバンか何かに背中を押されてあごを大怪我し、5針縫って映画は結局その日中止になってしまったと、未だに鮮明に覚えています。結局映画は後で連れて行ってもらえたのですが、その頃のドラえもんはまだ科学的な要素が散りばめられていて、例えば「宇宙開拓史」のガルタイト結晶の軸のずれの話や、「大魔境」での水蒸気で唸る岩の話など、子供心に色々学んでいた気がします。そのうちだんだん科学的な説明がなくなってきて、できるだけ簡単に話す方向にいってしまっていたので残念に思っていたのですが、やはり多少難しくてもそれらしく説明してくれたほうが気分が盛り上がります。そう行った意味で、4回前の「ひみつ道具ミュージアム」の道具の開発過程の説明や、今回は南極の氷ができていく過程や、氷が気泡を含んでいる理由など、随所に科学的な説明が散らばらせてあり、古き良き時代の冒険心溢れるドラえもんを久しぶりに見た気がしました。

と、ここまでは大満足でした...が、一番最後に出てくる反射型望遠鏡。ネタバレになるのでなぜ望遠鏡が出てくるかは書きませんが、ニュートン型なのにアイピースが下側にきていて、あの某CMでやらかしたことと同じ間違いをしています。10万光年離れている惑星がなぜか見えるのはいいです。赤道儀らしきものがないのもいいです。未来の技術で進化したのだと思うことができます。でも現代の望遠鏡を間違えて理解して、そのまま公開まで持っていってしまったことが透けて見えるのはいただけません。

でもいまひとつ腑に落ちないのは、アイピースは下の横についているのに、ファインダーはなぜかきちんと上の方についているんですよね。アイピースが鏡筒の横に出ているのでニュートン型を参考にしたとは思うのですが、ニュートン型でファインダー位置とアイピース位置が離れてそれぞれの端についているのはあまり見たことがありません。某CMはファインダーも下についていましたから。なので、もしかしたらあれはやはりニュートン型でもなんでもなく、22世紀の未来の反射型望遠鏡なのかもしれません。


反射望遠鏡の写真です。ん?やはりこれだとおかしいですね。
 
IMG_1573