地人書館発行の「2009年版望遠鏡・双眼鏡カタログ」という本をアマゾンで買いました。ホームページを漁っていたら、かなり気合を入れて編集した本だという記事があり、興味をもったからです。

2009年度となっていますが、中古ではなく新品で手に入れました。昔は毎年か何年おきかに発刊されていたとのことですが、現在でも2009年が最後となっているようです。どうやら「月刊天文」という雑誌を発刊していたところが出したもので、雑誌自身は2007年から休刊とのことです。最近の機種も網羅した新しい版を見て見たいのですが、状況はなかなか難しいようです。ただ、この2009年版は本当にかなり気合が入っていて、読んでいるだけで面白いです。

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そもそもまだこの世界に入って1年も経っていなくて、昔のことがあまりわからない私にとっては、まずは少し昔の状況を網羅してくれているので、貴重な情報源になります。また、全く知らないようなはるかに古い1970年代の機器の記事が載っていて、これがすごく面白いです。以前ミザールの前身の日野金属時代の望遠鏡を手に入れた記事を書きましたが、その頃の状況が色々書かれています。「往年の名機」特集では当時どういったものが評価されていたのかがよくわかります。望遠鏡は、コンピューターなどのデジタル機器の進歩の速さに伴いすぐ陳腐化する寿命と比べると、はるかに息の長いもので、中古で手に入れたC8は多分1985年くらいのものだと思うのですが、未だに十分使うことができます。 それでもさすがに1970年代のものは時代を感じざるを得ません。こう言った時代からの工夫が今の望遠鏡の形の礎になったのかと実感させてくれる記事です。

ところが、それよりももっと面白い記事が往年の「迷」機の方で、ちょっと前に御三家について調べていたので、短い記事ですが大笑いしながら読むことができました。コメットハンターを夢見て初めてのぞいた星野に視野一杯に彗星が輝いていたとか、イガ栗のような恒星だとか、本当にマンガのような話です。御三家はまだ有名なのですが、ここに出ているN通販のことは知りませんでした。今も格安望遠鏡にある倍率競争の源流が何とここにあるとは。

こういった面白い記事に加え、各望遠鏡のユーザーの辛口な評価はすごく参考になります。きちんと悪いところを書いてくれているのがいいです。ヘビーユーザーが何を求めているかがよくわかるからです。また、大学生の天文部を舞台にした「天体望遠鏡がほしい」と「双眼鏡がほしい」はすごくわかりやすい入門記事だと思います。惜しむらくは、本当の入門者はあえてこの本は買わないだろうということです。わずか12ページの記事なので、初心者にここだけ読ませてあげても役にたつと思います。

趣味の世界を進めていくと、読み応えのある本があまりないと気づくことはよくあるのですが、この本は何度でも読み返すことができる非常に有益な数少ない本だと思います。