精度追求: 極軸調整その1からの続きです。


2016/11/12 前回(5日前)の反省を踏まえ、SharpCapによる極軸設定で、三脚をアイピース台で下からきちんと締め上げ、ウェイトを付け、極軸周りの回転をモーターを使うことで精度改善を試みました。前回同様、一度SharpCapの指示通りに曲事を合わせて、10秒以下で合ったという表示を確認してから、そのまま再度極軸設定を繰り返し(設定時にまた赤径を90度向きを変えるということ)、どれだけずれるか見るということを何度か赤経正負の両方向で繰り返しました。その結果、ずれは平均的に40秒程度となりました。前回のずれが2.5分(150秒)程度だったので、誤差が3-4分の1に改善されたということになります。

さて、この状態で再びM45を、焦点距離600mm、1分露光で16枚ほど連続に撮影してみました。ただし、BackYardEOSでの撮影で、一枚撮影するごとに計算機側にファイルをダウンロードするために10秒ほど撮影が途切れます。それら16枚を比較明合成した写真が以下のようになります。

1600iso_output_comp


拡大してよく見て見るとずれがよくわかります。大きくずれている方向は、赤経(RA)方向です。それに比べて垂直の赤緯方向のずれははるかに小さいです。

拡大したピクセル等倍でみるとずれはV字の形に見ますが、Advanced VXのピリオディックモーションの周期は8分で、撮影時間は16分以上なので、約2周期分が重なっていることになります。ここからわかることは、赤道儀の極軸を1分角以下の精度で合わせれば、赤緯(DEC)方向の精度はもう十分赤経方向のピリオディックモーションの誤差からくる精度に勝っていて、極軸調整の精度としてはこれ以上やっても仕方ないということです。HUQさんがコメントでくれたように、大気の影響で1分程度のオーダーの誤差が生じるとのことですが、1軸制御の場合には赤経方向の誤差が小さくなるので、もう少し突き詰めて赤緯方向の誤差を抑える価値はあるのかもしれません。ですが、2軸制御をしてしまう場合には、極軸調整の時間の節約のことも考えると、今回のSharpCapで1分程度の誤差に抑えればもう十分でしょう。


さらにもう少し突き詰めるためにピリオディックモーションを測定して実際に見てみることにしました。ターゲットは東の空に上がって来たオリオン座のベテルギウスあたりです。赤道儀の仰角を3度ほど減らし、星を南に流して、10秒間隔の連続写真を30分ほど撮り比較明合成した写真が以下のようになります。

output_comp2


一番明るいのがベテルギウスで、左上から右下に向かって流れています。ちなみに、赤道儀の仰角を上げると東の空の星が北に逃げ、仰角を下げると南に逃げます。また、赤道儀を西に向けると南の空の星が上に逃げ、東に向けると下に逃げます。また、今回はBackYardEOSを使わずに、カメラ側で露光時間を10秒に固定して、レリーズでロックして、撮影したので、間に撮影が遮られていることはありません。

一部を拡大します。

periodic


図の赤で書いてある二つの星の間がStellariumによると19.5秒角程度なので、青で示しているピリオディックモーションは写真の線の間の幅の比から31.6秒pp = +/-15.8秒程度となります。他のページを調べるとAVXのピリオディックモーションは+/-十数秒とのことなので少しだけ大きいかもしれませんが、大きくずれてはいないことがわかります。ずれを見ると、盛り上がるところと、平坦なところが結構はっきりとわかれて出ていることがわかります。周期は図と撮影した時間から9分20秒程度でした。AVXの場合ピリオディックモーションの周期は8分くらいのはずなので、少し長いです。周期側の測定はそれほど誤差が出ないはずなので、ちょっと謎が残りました。


いずれにせよ結論はかわらず、ノータッチガイドではピリオディックモーションで露光時間がリミットされるということになります。今回の結果から、前回やった2分露光で半々くらいの枚数が使えるというのは、妥当な判断だっとことがわかります。平坦なところだけをねらって使えば、今回の600mmでも数分の露光は可能かもしれませんが、使えない枚数の確率も増えることと、それでもずれは多少見えるはずなので、ノータッチガイドは1分以内というのが現実的な解かと思います。また、PECも試そうと思ったのですが、PECの記録にオートガイド(マニュアルでもいいらしいですが)が必要とのことなので、とりあえずノータッチガイドのための課題として残しておきます。

さあ、次はいよいよオードガイドです。