ここの記事で、一眼レフカメラのライブビューで星雲を見ることができるかどうかということ少し書いたのですが、その後のコメントでHUQさんから情報を頂いたマジックランタンを、Canon EOS X5で早速試してみました。インストール方法などは他の解説ページに譲るとして、今回の目的は
まずは現状確認として通常のライブビューでどのように見えるかですが、マジックランタンなしでのライブビューの画面をiPhoneで撮ったものが以下になります。実際に目で見た画面にかなり近い感じです。
普段星の撮影をする方ならすぐにわかると思いますが、通常のライブビューでは、かなり明るい星がやっと見え、それを拡大してピント合わせが何とかできるくらいです。あいにく今日は薄曇りで、デネブ周りを撮影したのですが、ほとんど何も写っていません。少し定量的に示すとISO3200でシャッター速度1/8 = 0.125秒くらいまで、ISO6400でシャッター速度1/15 = 0.065秒くらいまモニターの明るさの変化が、目で見ての判断ですが、あるとわかります。すなわちISO x シャッター速度で400位までならモニターの明るさが変化し、それ以上はサチって明るさは変化しないということです。
次にマジックランタンのExpoというページのExpo. Overrideをオンにします。
この設定で、少なくともライブビュー画面がこれまでよりもはるかに明るくなります。その時同じくデネブ周りの星をライブニューで映して、その画面をiPhoneで撮ったものです。
マジックランタンの画面なので、はるかに情報上が多くなっています。ISO3200でシャッター速度4秒くらいまで、ISO6400でシャッター速度2秒くらいまで明るさが変化します。すなわちISO x シャッター速度で12800位までならモニターの明るさが変化し、それ以上はサチって明るさは変化しないということです。これだけ明るくなると、星を見てのピント合わせがずいぶん楽になります。
数値だけ見るとISOとシャッター速度の積が長時間露光なしの400から長時間露光ありの12800まで大きくなっているので、ライブニューの画面は32倍くらい明るくなることがわかります。ただし、空の状態が悪かったと言え、ノイズがひどくあまり見えたものではありません。決定的なのは次の画像で、これはこの状態で露光時間を10秒で撮った「写真」です。
ISOが6400で露光時間が10秒なので、積は64000でライブビュー画面より5倍明るいのですが、ライブビュー画面よりはるかにたくさんの星が写っています。5倍明るいので、星の数が増えるのも当たり前だと思うかもしれませんが、何が言いたいかというと、たとえマジックランタンで長時間露光を設定したとしても、
また、この長時間露光の機能はカメラについているモニター上では機能しますが、EOS Utilityを使ってPC上で見ると一番上の写真のように暗いままです。HDMI出力はモニターがないので試していません。また、SharpCapなどのキャプチャーソフト上からはカメラとしては認識されないようです。
というわけで、欲しい機能としては、
結論としては、
最後に、マジックランタンは他のページにもくどいほど書かれていますが、あくまで自己責任で試すソフトです。カメラが壊れる可能性があります。私も実際、短時間で2回ダウンして、反応が全くなくなってしまい、電源を切っても落ちずに、バッテリーを抜いてやっと元に戻るという経験をしました。最悪壊れても構わないという機器で試した方が無難です。
- マジックランタンの長時間露光機能をオンにしたライブビューで星がどこまで見えるか試す
まずは現状確認として通常のライブビューでどのように見えるかですが、マジックランタンなしでのライブビューの画面をiPhoneで撮ったものが以下になります。実際に目で見た画面にかなり近い感じです。
普段星の撮影をする方ならすぐにわかると思いますが、通常のライブビューでは、かなり明るい星がやっと見え、それを拡大してピント合わせが何とかできるくらいです。あいにく今日は薄曇りで、デネブ周りを撮影したのですが、ほとんど何も写っていません。少し定量的に示すとISO3200でシャッター速度1/8 = 0.125秒くらいまで、ISO6400でシャッター速度1/15 = 0.065秒くらいまモニターの明るさの変化が、目で見ての判断ですが、あるとわかります。すなわちISO x シャッター速度で400位までならモニターの明るさが変化し、それ以上はサチって明るさは変化しないということです。
次にマジックランタンのExpoというページのExpo. Overrideをオンにします。
この設定で、少なくともライブビュー画面がこれまでよりもはるかに明るくなります。その時同じくデネブ周りの星をライブニューで映して、その画面をiPhoneで撮ったものです。
マジックランタンの画面なので、はるかに情報上が多くなっています。ISO3200でシャッター速度4秒くらいまで、ISO6400でシャッター速度2秒くらいまで明るさが変化します。すなわちISO x シャッター速度で12800位までならモニターの明るさが変化し、それ以上はサチって明るさは変化しないということです。これだけ明るくなると、星を見てのピント合わせがずいぶん楽になります。
数値だけ見るとISOとシャッター速度の積が長時間露光なしの400から長時間露光ありの12800まで大きくなっているので、ライブニューの画面は32倍くらい明るくなることがわかります。ただし、空の状態が悪かったと言え、ノイズがひどくあまり見えたものではありません。決定的なのは次の画像で、これはこの状態で露光時間を10秒で撮った「写真」です。
ISOが6400で露光時間が10秒なので、積は64000でライブビュー画面より5倍明るいのですが、ライブビュー画面よりはるかにたくさんの星が写っています。5倍明るいので、星の数が増えるのも当たり前だと思うかもしれませんが、何が言いたいかというと、たとえマジックランタンで長時間露光を設定したとしても、
- 実際の露光時間分の積分をしているわけではなく、
- あくまでモニター上の明るさを、これまで制限されていた部分を解除したのみであり、
- 「ライブ」の名にふさわしく、リアルタイムで画面も動く
また、この長時間露光の機能はカメラについているモニター上では機能しますが、EOS Utilityを使ってPC上で見ると一番上の写真のように暗いままです。HDMI出力はモニターがないので試していません。また、SharpCapなどのキャプチャーソフト上からはカメラとしては認識されないようです。
というわけで、欲しい機能としては、
- 本当の意味での長時間露光、すなわち露光時間分を積分した更新頻度にして欲しい。
- EOS Utility上からもマジックランタンの効果が見えるようにして欲しい
- SharpCapなどの外部ソフトからカメラとして認識されるようにして欲しい。
結論としては、
- マジックランタンの長時間露光機能はこれまでより32倍明るくなるので、星を見てピントを合わせる際には大いに役に立つが、
- 今の所ASI224やRIなどの代わりにはならない
最後に、マジックランタンは他のページにもくどいほど書かれていますが、あくまで自己責任で試すソフトです。カメラが壊れる可能性があります。私も実際、短時間で2回ダウンして、反応が全くなくなってしまい、電源を切っても落ちずに、バッテリーを抜いてやっと元に戻るという経験をしました。最悪壊れても構わないという機器で試した方が無難です。
コメント
コメント一覧 (3)
実はα7Sも、一定以上の露光においては MagicLantern と同じことをやっているのではないか、と感じました。
というのも、Mモードで背面液晶に追従表示される露光が、動画モードで背面液晶に追従表示される露光より、かなり少ないのです。
(とはいえMモードでも 1/3sec ISO8000 程度までは追従しますが…)
ただ、Mモードでは背面液晶を8.4倍まで拡大できるのに、動画モードでは4杯までしか拡大できません。このことから、動画モードでは「2x2ビニングにより画素を減らしてノイズを減らし、その上で Mモードより高いゲインを掛けている」のではないかと推察しています。
と書きながら、ちょっと違うような気もしてきました。(^^;
α7Sでの背面液晶モードを観察してわかることは、
・Mモードで露出とISOを弄ってみると、露出×ISOが一定以上になると露光が背面モニタに反映されなくなる
・動画モードだと、設定可能な露出×ISO全ての状態が背面液晶で観れたように思える
でも高ISOほど、どんどんノイズが目立つようになる
ISO16万ぐらいから、ノイズが顕著になる
・Mモードでは部分拡大が 8.4x までできるのに対し、動画モードでは 4.0x までしか拡大できない
・動画モードでコマ露出を延ばすと、延ばしただけコマ送りになる
です。
以上から想像(半ば期待)されることは、次の通りです。
・動画モードでは、一応露光で得られたなりの画像が背面液晶に表示されているっぽい。
・動画モードで背面液晶拡大率が半分以下に下がることから、動画モードでは2xビニングしてノイズを減らしている可能性がある?(確証は無い-期待といったほうが良い(^^;)
・感度は結局、基準感度で得られた画像にゲインを掛けているのと同じ
α7Sの高感度のノイズが少ないのは、センサのS/Nが優れていることと、感度に応じて優れたノイズ除去処理が行われているから?
ビニングはノイズ除去として非常に有効な手段ですが、一般のデジカメがこれに対応してくれるとは到底思えないので、高画素のUSBカメラ(ASI1600MCのようなもの)でビニングして電視する、というのが現時点の本命かもしれませんね。
動画モードのことを言ってくれたのでピンときて、調べてみたら少し進展がありました。詳しくは記事の方を見てください。どうやらマニュアルモードと動画モードの関係はSonyでもCanonでも似ているみたいです。
今回使った60Dでもレンズが暗いせいもあるかもしれませんが、やはり単純に実現できるISOを比べてもわかるように、α7Sには到底比較するに及びません。電視観望としてのみ比較すると、私の手持ちではASI224の方が60Dよりもはるかに実用的です。
結局のところセンサーの感度が一番重要という、ありきたりの結論になるのだと思います。ビニングに関してはまだあまり理解できていないので、もう少し勉強してみます。
天気がいい日を狙って、あと少しだけ検証してみようと思います。
あと、もしかしたら福島行くかもしれません。行くとしたら多分日曜の朝からか、もしかしたら午後になるかもしれません。もしお会いできたらまた色々お話ししたいです。機材も持っていくので、電視観望で盛り上げましょう。