10月2日、やっと晴れました。日曜の夜で明日は仕事なのですが、久しぶりの全天に近い星空なので、自宅の庭で少し見てみました。
前回の記事に引き続き、電視観望の検証の続きです。まずやったことはRevolution Imager (以下RI) とASI224MCの比較です。特に星雲に色がつくかという観点で比較しました。
最初はC20、北アメリカ星雲です。CSマウントの8mmでの比較です。
ASI224MC: 1秒露光、Gain450 (45dB)、8回スタック、
色は付いていて、メキシコ半島の形もなんとかわかります。
続いてRI: 64FLD, 36dB
全然色がつきませんでした。形は多少わかります。でもこれはまだ設定不足だったことが後に判明し、次のM57で評価はいい方向へと覆されました。でも、その前にASI224MCで16mmで写したものを載せておきます。
なぜかというと、同じF1.2でも明らかに16mmレンズよりも8mmのほうが明るいからです。写真を見てもらうと分かりますが、かなり無理をして色を出しています。このときの設定が1.5秒露光、Gain 480(48dB)、9回スタックです。スタックの回数はノイズが落ちるだけなのでそれほど差はないのですが、これで8mmのときとだいたい同じくらいの明るさだと思うと、1sec/1.5sec x (45-48)dB = 1/(1.5 x 1.4) ~ 1/2.1 で約半分くらいの明るさです。確かに8mmのほうが値段も高いし、作りもしっかりしてるのですが、同じF1.2でも大分違うなあというのが感想です。メキシコ半島の形はよりはっきりわかります。
次はBKP200にカメラを取り付けての電視です。まずは以前も撮影したM57です。ASI224MC: 1秒露光、Gain600 (60dB)、8回スタック、
綺麗に色がでています。電視観望としては十分でしょう。
次はRI: 64FLD, 36dBです。最初の設定は画面を見ればわかりますが、
真ん中にうっすら見えています。先の北アメリカ星雲と同じ設定です。ここの「画面調整」をいじったものが
になります。これならば電視観望としては十分合格圏でしょう。先の北アメリカ星雲も、もっとマシに見えるはずですが、今回は試すことができませんでした。次回以降リベンジしてみます。
続いて、これも以前撮ったM27、亜鈴状星雲です。ASI224MC: 2秒露光、Gain550 (55dB)、8回スタック、
続いて、RI: 256FLD, 44.8dB
「画質調整」のところはいじっていないのですが、露光とゲインは最大です。ここら辺がRIの限界な気がします。ASI224の方はまだ余裕がありそうです。
だいたいここまででASI224とRIとの比較はできたので、これ以降ASI224のみですが、その前に少しまとめてみます。やはりASI224のほうがソフト上でいろいろ調整でき、解像度もいいので、性能としては上ですが、RIの方も値段からいったらとても充実したセットで、入門者も扱えることを考えると、なかなか見えなかった星雲の色が楽しめるという観点からは、すごくお得なセットだと思います。日本でも是非販売されれば、天体観測の裾野が広がることにかなり貢献するのではないでしょうか。自分の目で星雲に色が付いているのをみるなんて、私自身少し前まで本当に憧れでした。あと、もう少し試したいことは、入門用の6cmクラスの口径と合わせてみることです。また後日、子供と一緒に試してみたいと思います。
続いてこと座の球状星団M56です。ASI224MC: 1秒露光、Gain600 (60dB)、16回スタック、
十分綺麗に見えています。球状星団は比較的このシステムに向いている気がします。
だんだん厳しくなってきます。C27、白鳥座の三日月星雲です。ASI224MC: 4秒露光、Gain450 (45dB)、22回スタック、
ずいぶん無理をして色を出していますが、かろうじて形が見えています。
さらにC33、白鳥座の網状星雲。ASI224MC: 5秒露光、Gain450 (45dB)、11回スタック、
こちらも相当無理がありますが、形は一応多少見えています。
最後は同じく網状星雲の西側のC34です。ASI224MC: 10秒露光、Gain400 (40dB)、8回スタック、
ほとんど形もわかりません。ここら辺が限界でしょう。
やはり輝度の低い星雲はあまり得意ではないようです。撮影するときは分のオーダーで露光するので、まあ当たり前といえば当たり前なのですが、それでも自宅の庭での撮影なので、もっと暗いところに行けばもう少しマシなのかもしれません。一度天気がいい日に、いつもの牛岳に行って試してみようと思います。
あと、今回焦点距離800mmのBKP200で試したのですが、もう少し広角でみたいこともあり、実は0.5倍のレデューサーも試しました。しかしながら、結局どうやっても合焦しませんでした。(追記: 後日解決しました。)
ASI224もRIのCCDも同じように1.25インチに変換するアダプターの先につけたのですが、センサー面から多分5cmくらいのオーダーで離れているところにレデューサーが位置していると思います。フォーカサーではあわしきれなかったので、フォーカサーのアダプターを外して、かなり大きな範囲で前後させたのですが、全く合焦する気配がありませんでした。何か間違っているのか、ちょっと不本意なので、C8か6cmの屈折で試してみようと思います。
前回の記事に引き続き、電視観望の検証の続きです。まずやったことはRevolution Imager (以下RI) とASI224MCの比較です。特に星雲に色がつくかという観点で比較しました。
最初はC20、北アメリカ星雲です。CSマウントの8mmでの比較です。
ASI224MC: 1秒露光、Gain450 (45dB)、8回スタック、
色は付いていて、メキシコ半島の形もなんとかわかります。
続いてRI: 64FLD, 36dB
全然色がつきませんでした。形は多少わかります。でもこれはまだ設定不足だったことが後に判明し、次のM57で評価はいい方向へと覆されました。でも、その前にASI224MCで16mmで写したものを載せておきます。
なぜかというと、同じF1.2でも明らかに16mmレンズよりも8mmのほうが明るいからです。写真を見てもらうと分かりますが、かなり無理をして色を出しています。このときの設定が1.5秒露光、Gain 480(48dB)、9回スタックです。スタックの回数はノイズが落ちるだけなのでそれほど差はないのですが、これで8mmのときとだいたい同じくらいの明るさだと思うと、1sec/1.5sec x (45-48)dB = 1/(1.5 x 1.4) ~ 1/2.1 で約半分くらいの明るさです。確かに8mmのほうが値段も高いし、作りもしっかりしてるのですが、同じF1.2でも大分違うなあというのが感想です。メキシコ半島の形はよりはっきりわかります。
次はBKP200にカメラを取り付けての電視です。まずは以前も撮影したM57です。ASI224MC: 1秒露光、Gain600 (60dB)、8回スタック、
綺麗に色がでています。電視観望としては十分でしょう。
次はRI: 64FLD, 36dBです。最初の設定は画面を見ればわかりますが、
真ん中にうっすら見えています。先の北アメリカ星雲と同じ設定です。ここの「画面調整」をいじったものが
になります。これならば電視観望としては十分合格圏でしょう。先の北アメリカ星雲も、もっとマシに見えるはずですが、今回は試すことができませんでした。次回以降リベンジしてみます。
続いて、これも以前撮ったM27、亜鈴状星雲です。ASI224MC: 2秒露光、Gain550 (55dB)、8回スタック、
続いて、RI: 256FLD, 44.8dB
「画質調整」のところはいじっていないのですが、露光とゲインは最大です。ここら辺がRIの限界な気がします。ASI224の方はまだ余裕がありそうです。
だいたいここまででASI224とRIとの比較はできたので、これ以降ASI224のみですが、その前に少しまとめてみます。やはりASI224のほうがソフト上でいろいろ調整でき、解像度もいいので、性能としては上ですが、RIの方も値段からいったらとても充実したセットで、入門者も扱えることを考えると、なかなか見えなかった星雲の色が楽しめるという観点からは、すごくお得なセットだと思います。日本でも是非販売されれば、天体観測の裾野が広がることにかなり貢献するのではないでしょうか。自分の目で星雲に色が付いているのをみるなんて、私自身少し前まで本当に憧れでした。あと、もう少し試したいことは、入門用の6cmクラスの口径と合わせてみることです。また後日、子供と一緒に試してみたいと思います。
続いてこと座の球状星団M56です。ASI224MC: 1秒露光、Gain600 (60dB)、16回スタック、
十分綺麗に見えています。球状星団は比較的このシステムに向いている気がします。
だんだん厳しくなってきます。C27、白鳥座の三日月星雲です。ASI224MC: 4秒露光、Gain450 (45dB)、22回スタック、
ずいぶん無理をして色を出していますが、かろうじて形が見えています。
さらにC33、白鳥座の網状星雲。ASI224MC: 5秒露光、Gain450 (45dB)、11回スタック、
こちらも相当無理がありますが、形は一応多少見えています。
最後は同じく網状星雲の西側のC34です。ASI224MC: 10秒露光、Gain400 (40dB)、8回スタック、
ほとんど形もわかりません。ここら辺が限界でしょう。
やはり輝度の低い星雲はあまり得意ではないようです。撮影するときは分のオーダーで露光するので、まあ当たり前といえば当たり前なのですが、それでも自宅の庭での撮影なので、もっと暗いところに行けばもう少しマシなのかもしれません。一度天気がいい日に、いつもの牛岳に行って試してみようと思います。
あと、今回焦点距離800mmのBKP200で試したのですが、もう少し広角でみたいこともあり、実は0.5倍のレデューサーも試しました。しかしながら、結局どうやっても合焦しませんでした。(追記: 後日解決しました。)
ASI224もRIのCCDも同じように1.25インチに変換するアダプターの先につけたのですが、センサー面から多分5cmくらいのオーダーで離れているところにレデューサーが位置していると思います。フォーカサーではあわしきれなかったので、フォーカサーのアダプターを外して、かなり大きな範囲で前後させたのですが、全く合焦する気配がありませんでした。何か間違っているのか、ちょっと不本意なので、C8か6cmの屈折で試してみようと思います。
コメント
コメント一覧 (2)
更に、網状がここまで見えますか…α7Sの電視観望では、夏の難所は網状だ(ある程度透明度に恵まれないと、箸にも棒にも掛からない)と感じているので、この見栄えは素晴らしいです。
RIのほうは、良く言えばコスパ上々、悪く言えば値段/設定の手軽さなり、という感じですね。
しかし日本語メニューがあるのにはビックリしました。
日本に上陸する気満々ですね。(笑)
冒頭のf=8mmと16mmでの北アメリカ星雲の見え具合の違いですが、16mmで星雲の写りが悪いのではなく、16mmが焦点距離が長いがために星雲より遥かに明るい微光星の写りが良くなり、その結果、星雲が埋没しているのではないでしょうか。
点光源である恒星像は、感度/露出時間が一定なら、焦点距離が長いほど暗い星まで写ります。
一方、面光源である星雲は、感度/露出時間が一定なら、F値に比例して暗い部分まで写ります。
それでも1-2時間の観望会の中に、M57やM27などの色がついた星雲や、M13などの球状星団が加わるだけでも、ずいぶん印象が変わるのではないかと思います。
8mmと16mmの比較ですが、星団とかよりも、部屋とかの普通に明るいところで比べても明らかに8mmの方が明るいです。他のレンズよりちょっと高かったのですが、その価値があったと思うことにします。
あと、マジックランタンのテストも記事にしてみました。また読んでいただけると嬉しいです。