Revolution Imagerの使い勝手などの印象を書いておきます。

付属のマニュアルは英語なので、天体観測入門者がターゲットとはいえ、子供とかにはマニュアルは辛いかもしれませんが、あまり大したことは書かれていませんし、操作自体はすごく簡単です。

まずは
  1. CCDを望遠鏡に取り付ける場合は、1.25インチのアイピース口への変換アダプターを取り付ける。
  2. 必要ならばレデューサーも取り付ける。特にCCDのセンサーの面積が小さいので、眼視などに比べて思ったより狭い範囲で見えてしまいます。600mm以上の焦点距離の長い望遠鏡の場合は最初はレデューサーをつけたほうが、より広角で見えるために使いやすくなると思います。
  3. CCDには望遠鏡の代わりにCSマウントのレンズを直接つけることもできるので、その場合は変換アダプターは必要ありません。CCDを望遠鏡に固定する代わりに三脚などに取り付けてください。
  4. CCDとコントローラーを接続。
  5. コントローラーの次に付属のBNCケーブルを接続。
  6. ケーブルのもう一方の端にモニターから出ている黄色のコネクタを接続。
  7. バッテリーと、バッテリーの線を2股に分けるケーブルに接続。
  8. 2股の一方をCCDに、もう一方をモニターに接続
  9. バッテリーに付いている、小さな電源スイッチを0から1に切り替える。
で機器のセットアップは終了です。

次は実際の操作法穂ですが、CCDでは日本語も選べるので、まずは日本語に切り替えてから試すといいと思います。日本語の選び方は、
  1. コントローラーの真ん中のボタンを押し、
  2. 出てきたモニタ上の設定で、「← 1 / 2 →」のところを選び、コントローラの右を押します。
  3. するとLANGUAGEというのが見えるので、
  4. 一度下のボタンを押してそこを選択し、
  5. 左を一回(もしくは右を7回)押し、日本語を選択します。
  6. その後、下の方の終了を選び、真ん中のボタンを押し、
  7. 設定保存のところで真ん中のボタンを押すと完了です。
その後、電視観望をする時に重要なことは、露出時間と感度を適正に選ぶことです。
  1. 真ん中のボタンを押し
  2. シーン選択で左右のボタンを押し、「カスタム」になったところで、真ん中のボタンを押します。
  3. すると「画質詳細メニュー」という画面になります。ここの「シャッター/AGC」でまた左右のボタンを押し「マニュアル」になったところで、真ん中のボタンを押します。
  4. シャッターは英語のマニュアルには8FLDがいいと書いてありますが、ここはお好みで。私は128FLDくらいまで使います。
  5. 「AGC MAX」はゲインで、マニュアルには12dBがオススメと書いていますが、私は36dBくらいまで使います。

これらは見たいものに合わせて適時調整すればいいと思います。あともう一つ重要なのが、何回スタックするかです。
  1. 「画質詳細メニュー」のところのDNRを選択し、真ん中のボタンを押します。
  2. 「レベル」の数が何回スタックするかで、数が大きいほどノイズが減りますが、更新速度が遅くなります。通常は2から3程度を選ぶといいと思います。
と、こんなところなので、ほとんど問題なく使えるくらい簡単だと思います。それよりも、望遠鏡やレンズを取り付けた時にピントが合わなくて見えないとかで焦ることのほうが、よほど可能性は高いと思います。明るいうちに一度練習するといいかもしれません。

あと、充電する際は、充電器のスイッチを1の方にすることを忘れないでください。

さて使い勝手ですが、まずは一番の利点はPCなど余分なものを用意しなくていいことかと思います。CCD、モニター、バッテリー、コントローラーと必要なものはすべてそろっています。おそらく想像したよりも、はるかに星が数多く、明るく見えると思います。少なくともCanonの一眼レフカメラのライブビュー映像などに慣れていると、モニター上でこんなに見えるものかという感想を抱く人も多いと思います。これは長時間露光の効果をそのままモニターに映すことができるが一番の違いなのと、CCDの感度がソニー製で相当いいこと、リアルタイムスタックでノイズを除去する効果が大きいことからきているのだと思います。

実はCanonの一眼レフカメラで単純に同じことができないかと考え、付属のモニターおよび、PCとUSBでつないでEOS Utility上で試したのですが、ある一定上の明るさからは、付属モニターとPC上のどちらの場合も明るくなりませんでした。言って見れば「ライブ」ということにこだわっているとも言え、たとえシャッタースピードが秒単位になったとしても、モニター上ではもっと早く「ライブ」で動く様子が見えます。これは撮影ということを考えた場合には十分納得できるのですが、ソフト上でどうにでもなる機能の気がします。どうせならシャッター速度の増加と供に、露光時間も長くして、モニター上で明るくしてもらえれば、天体観測には相当使い勝手が良くなるのではと思います。Sonyのα7Sとかではそのようなモニターにしているのでしょうか? (追記: その後EOS X5及び60DとMagic Lanternで色々試しました。ただしあまり入門向けの記事ではないです。)

さて話を戻して、Revolution Imagerの場合、モニターへの出力はNTSCのアナログ信号なので、解像度、画質ともにそれほどいいわけではありませんが、電視観望という目的だとこれでも十分かと思います。それよりもケーブルの数が少し多いのは気になりました。コンピューターとかを使わなくていいが利点なので、仕方ないかもしれませんが、逆にその分電源などのケーブルが少し煩雑になります。

バッテリーの持ちはあまり良くないかもしれません。今回は3時間ほどでまずはモニターの方の電源供給が切れました。CCDだけは使えるようでしたが、モニター電源が切れると実質使えないと思ったほうがいいでしょう。付属モニターの代わりに、USB接続のPCへのキャプチャーがオプションで出ていて、今回それも手に入れたのですが、PCにつなぐのなら手軽という利点はなくなってしまうので、そこは考えものだと思います。

バッテリーの充電は5-6時間くらいはかかるようです。バッテリーは12Vなので、別の大容量バッテリーを用意したほうがいいかもしれません。コネクタだけ注意すれば、赤道儀で使うバッテリーが使用できると思います。

ここまでが使い勝手ですが、それでもこれまでの眼視で見えなかったものがその場で色付きで見えてくるというのは、十分なインパクトがあります。観望会で使えることはもちろん、特に入門者が個人で使う分にも十分お勧めできると思います。写真撮影までするとなると敷居が高いのも事実なので、眼視では見えない星雲などの色を見るために、導入するというのは悪くない解だと思います。機材の充実度を考えるとこれで300ドルというのは安いのかもしれません。ただ、実際に日本から買うとなると送料も多少かかるので、もう少し高くなるかと思います。

対抗馬は同じソニーセンサーなどを使った高感度な天体用カメラですが、例えばZWO社のASI224MCで4万円ほどです。こちらはUSB3接続のノートPCなどが別途必要になり、ソフトなどもフリーですが自分である程度使いこなさなくてはならないので、少し敷居が高くなります。解像度の点や細かい設定ができることなどは、こちらの方が上でしょう。 計算機はバッテリー駆動で、カメラと計算機を結ぶだけなので、ケーブルの本数はこちらの方が少ないことも、公平を期すために記しておこうと思います。

手軽なRevolution Imagerか、少し手間をかけてZWOかというところだと思いますが、まだまだこれからいろんな機器が発達していくと思います。今はまだ電視観望の聡明期と言ったところでしょうか。