ほしぞloveログ

天体観測始めました。

県天の行事で天体写真展があるというので、初めての経験なのですが応募しようと思って準備を進めています。

といっても、写真をまじめにやり始めたのは去年の11月のことで、しかも結構ゆっくりと進めているので、応募できるような写真の数がありません。かろうじて見せることができそうなのが、以前数河高原でとったすごくメジャーなM31とM45だけです。メジャーな天体は他の人と重なる可能性が高いので、ベテランの方は遠慮してくださいというお達しも流れていたりするのですが、初心者なので許していただいているような状況です。しかもM45はかなり白飛びしてしまっているので、簡易的に先日試したHDR法を応用して、少し白飛びを抑えました。といっても短い露光時間の別ファイルをとっておいたわけではないので、レベル補正で明るくする前の元の画像に近いものを使いました。

New5_histgram_digital_ps_SI_print


まだ全然完全ではないですが、以前がかなりひどかったので、多少はましというところでしょうか。

さらに、展示のためには印刷して額に入れる必要があるのですが、この期に及んでプリンターを持っていないことにいまさらながら気づきました。ところがこのプリンタというのが結構曲者だということが調べていてわかってきました。天体写真の印刷は普通のプリンタだと相当厳しいらしいのです。基本的に黒がバックで、その諧調を表すために一番いいプリンタだと、黒だけでなんと6色を使い、計12色のインクを使うというのです。安いプリンタだと、インクの種類が少ないため淡い諧調の違いを出すことができずに、思った色が出ないというのです。あと、インクが顔料系か、染料系かで大きく変わるらしく、顔料系は色の安定性がよく光沢は控えめ、染料系は光沢は素晴らしいが色が時間とともに変わるとのことです。しかも、プリンタ自身も結構高価ですが、インク代も相当かかるとのことです。雑誌に写真を投稿したりする際にはプリントしてから送るので、そこまで見込んで無理をしてそろえるか、安いプリンタでとりあえず試すか、いろいろ迷っています。

そんな中、業者に印刷してもらう方法もあることがわかりましたが、こちらもまた厄介なようです。基本的に業者は風景や人物などの印刷を想定しているので、天体写真を印刷しようとすると、よほど好きな人が対応してくれない限り、とにかく思った色が出ないというのです。そんな中、たまたま富山にもあるカメラのキタムラの印刷結果がいいという情報がありましたので、一度試してみようと思っています。4つ切りワイドとかいうサイズで、A4より少し大きいくらいらしいのですが、2枚印刷すると1200円程度のようです。4つ切りワイドサイズより大きいサイズだと印刷に何日かかかるみたいですが、4つ切りワイドまではその場で、10分程度でできるようなので、明日にでも店舗に行ってみようかと思っています。(追記: 結局キタムラの印刷でそこそこ満足な結果でした。)これでだめならプリンタを用意するつもりです。

ついでに、額も用意しました。写真展が終わってからも自宅で飾ることができるように、黒地の木枠で4つ切りワイド用の安価なものをAmazonで頼みました。

まだ写真展までは日にちがあるので、もう少し撮影をしています。昨晩、日付も変わって2016/1/7の0時半頃から娘と一緒に、久しぶりに楡原に行ってきました。月が沈む夜中の1時ころに到着して、もう少し分子星雲を炙り出したかったM42のリベンジと、何かもう一枚くらいと思っていましたが、スティックPCのトラブルなどで、撮影を開始したのが2時半くらいからでした。結局オリオン座が沈むまでの1時間くらいをM42、その後バラ星雲を1時間くらい撮影し、5時ころ退散しました。いつものFS-60QにEOS 60Dでiso3200、5分露光です。それそれ10枚撮りました。

赤道儀と鏡筒の接続ですが、現在は赤道儀のアリミゾ、アルカスイスクランプ、鏡筒と固定しているのですが、今回、一番弱かったアルカスイスクランプを倍の幅のものに変更しました。途中風が吹いていたのですが、星像がぶれているものはありませんでしたので、多少強くなったのかと思います。

撮って出し画像を載せておきます。

LIGHT_300s_3200iso_+6c_60D_20170107-02h31m16s929ms

C49_LIGHT_300s_3200iso_+8c_60D_20170107-04h25m10s869ms

いま300秒用のダークライブラリーを構築しているので、画像処理はまた後日やるのですが、もしかしたらどうもピントが合っていない気がしています。Backyard EOSのピント合わせ機能で合わせているのですが、FS-60Qの回転つまみだと、合わせこもうとしても粗すぎる気がしているので、早く以前買ってきた減速装置を付けたいと思っています(追記:  後日ピントがあったバラ星雲。上の画像と比較すると今回のピンボケがとてもよくわかります。)。もう一つの可能性が、ガイド鏡の精度がCCD一ピクセル当たり15秒と甘いので、赤道儀を揺らしてしまっている可能性があります。取り付けているレンズの焦点距離を長くするか、複数のガイド星を使い精度を上げるかですが、電子ファインダーとしても使っているので、次はDEF Guiderを使って複数ガイド星を試みようかと思っています。

もしかしたら今晩も楡原に行くかもしれません(追記: 結局曇りで行きませんでした)。





久しぶりに電視ネタです。

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年末実家に帰った時に、中古でニコンのかなり古いレンズを購入しました。レンズ前面には

NIKKOR-S Auto 1:1.4 f=50mm Nippon Kogaku Japan No.85578

と書かれています。焦点距離50mm、F値はなんと1.4で、我が家初の明るいレンズです。というより、うちには娘が最初に買ったEOS X7のダブルズームキットで付いてきたレンズしかないので、初の別買いのレンズです。

このレンズ、調べて見るとニコンの明るいレンズの標準と言われるくらい相当数が出たらしく、いまでも安く手に入れることができるようです。しかも今回はジャンク扱いだったので、値段は格安です。ジャンクといっても絞りはリングを手で回す完全マニュアル絞りですし、ピントもどうせ星を見るだけでマニュアルしか使わないので、レンズさえ綺麗なら十分です。少しだけ曇りがありましたが、これもクリーニングすればすぐに取れそうです。カメラ初心者の私にとって希少価値などはまだ気にしていないので、古くても良い性能のものが安価に手に入れられることが助かります。

実は同じ値段で同じ50mmで現行のCanon EFマウントのもあったのですが、AFでいいのかとも思いましたが壊れている可能性もあるのと、F値が1.8になってしまうので、とにかく明るいのを試したくて、アダプターをつけるのを前提にニコンにしました。 アダプターはアマゾンでレンズ側がNIKON Fマウント、ボディー側がEOS用という、安いものを買いました。注意したところは無限遠を保証しているかどうかです。星を見るので、無限遠が出ないと意味がないです。

EOS 60Dに取り付けてみたのが以下の写真です。

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ちょっと変わった雰囲気になりました。ところが、取り付けたのはいいのですが、アダプターをレンズから外すのにすごく苦労しました。下の写真のように

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指でつまみを押して、小さなピンを1mmほど上に引き抜いた状態でアダプターを回転させるのですが、まずアダプターを反時計回りに力をいれて少しだけ締め込んだ状態にしないと、ピンが出て来ません。うまくつまみを押すことができてピンが出たのを確認して、その状態でアダプターを「時計回り」に回転させます。注意ですが、CanonとNikonは回転方向が逆らしく、時計回りが取り外す方向です。アダプターを外すだけで色々調べたりして20分くらい格闘しました。

試し撮りをしたのですが、これまで持っていた50mmでF4.5のものと比べると、当たり前ですが圧倒的に明るいです。星はリングの無限遠位置より少し手前でピントがあいました。

さて、ここからが本番です。これだけ明るいので、以前試したMagic Lanternの長時間露光ライブビューで電視ができないかを明るいレンズで再度試してみました。場所はいつものように自宅の庭です。

以前の記事の繰り返しになりますが、手順を再度書いておきます。
  1. まずEOS 60Dを動画モードにします。
  2. isoは6400にします。
  3. ゴミ箱ボタンを押してMagic Lanternを起動し、メニューの「Expo」というページの「Expo. Override」をオンにします。
  4. 「Movie」の「FPS override」をオンにし、さらにQボタンを押して「Desired FPS」を小さな値にします。今回は0.33とか0.25とかを使いました。それぞれ3秒露光、4秒露光に相当します。0.2までいくので、5秒露光までできることになります。前回の記事では露光時間をある程度長くすると、これ以上明るくならないと書きましたが、今回は5秒露光まで、きちんと段階的に明るくなるのを確認しました。
  5. さらに「Display」メニューの「LV contrast」を「Very High」に、「LV Saturation」を「High」にするともう少し見やすくなります。
ポイントはこんなところです。今回は雲が出てきていたためにあまり時間がなかったので、PCに接続したりせず、ライブビュー画面だけの結果ですが、それでもそこそこ実用的なレベルになってきています。

最初はオリオン座です。3秒露光です。

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そこそこの星の数と、オリオン大星雲、雲の向こうの星なども見えると思います。オリオン大星雲のところを10倍に拡大してみると

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のように見えます。あくまでカメラ付属のモニター上のライブビュー画面の表示をいつものようにiPhoneで撮っただけなので、PCやHDMIでモニターに出すともう少し綺麗に見えるのかと思います。

だんだん雲が多くなって来たのですが、最後に木を写してみました。

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夜にもかかわらず木の緑色が綺麗に出ています。当然ですが目で見る限り木のところは真っ暗にしか見えません。写真では星が写っていますが、目で見ると実際には薄雲でほとんど何も見えていません。

明るいレンズの威力は相当なものです。HUQさんのα7Sでの電視が、iso10万とか20万、0.25秒露光が最長なので、レンズが同じとしたら、今回はiso6400でこれが15倍から30倍くらい暗く、露光時間が5秒まで持っていけるので20倍くらい明るいので、ほぼ打ち消しあい、だいたいコンパラなくらいのオーダーになります。もちろん、露光時間が長いということは、リアルタイム性を犠牲にしているという点で不利なのは否めません。さらにHUQさんは最初の頃のレンズは58mmでF1.2くらいだったと思いますが、最近は100mmでF1.0のとんでもないレンズを使っているとのことなので、どうしてもレンズの差は出てしまいます。それでも実用上はかなり楽しめるところまで来ているのではないかと思います。

もう少し時間があるときに、PCかHDMIでモニターにつないでみようと思っています。とにかくやっとある程度広角で電視が楽しめそうな状況になってきました。
 

ETX-60AT (その1): 落札とその理由からの続きです。

年末の2016/12/28、久しぶりに空が晴れた際、以前落札したMEADEのETX-60ATを試すチャンスがやっと訪れました。一応到着時に電池だけは入れてみたので、電源が入ることは確認してあります。夕方星がではじめたので、マンガ形式のマニュアルを見ながら試したのですが、モーターが動かないとかいうエラーがでてしまいます。どうやら2軸あるモーターのピッチ方向がうまく動かないようです。改めて電源を入れ直し方向ボタンを押して動かして見ると、確かにヨー方向はスムーズに動きますが、ピッチ方向は全然動きません。それでも電気的には何か反応はしているようで、少しピッチ方向に押してやるとたまに動く時があります。おそらく駆動系が機会的に何処かおかしいと思い、その日は諦めて箱にしまい直しました。

年が明けて2017/1/4、改めて電源を入れ直して見て、やはりピッチが全然動かないことを確認して、修理のために分解することにしました。分解は結構手こずります。分解方法ですが、英語のページは見つかるのですが、日本語のページは見つけることができなかったので、ここに書いておきます。これはETX-60シリーズだけでなく、ETX-70シリーズでも同じかと思われます。ただし、ETX-90以上は全く違う構造のようなので、この方法では分解できません。

1. まず、底面の真ん中の直径4cmくらいのプラスチックの蓋をマイナスドライバーなどを突っ込んで明けます。その中に入っているプレートのようなネジを緩めるのですが、これが固くて、適当な工具がないので、とてもやっかいです。私はラジオペンチを写真のようにして

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外しました。どうしても外せない場合は、水道管などに使う

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のような工具がいいかもしれません。いずれいせよ、これさえ外してしまえば後は楽です。

2. 底蓋を外します。

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3. 鏡筒の横についている、目盛りがあるところの大きなつまみを両側とも手で緩めて外します。

4. ピッチのモーターが入っている側の上に向か腕の方のネジは外す必要はありません。モーターが入っていない、同じ太さの太いネジが3本ある方を、3本とも外します。

5. 腕を外すと、鏡筒も合わせて外れます。

6. モーターがついている方の腕のネジを内側から5本外して蓋をあけると、中の回路や駆動系にアクセスできます。

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さて、今回の問題点はピッチのモーター回転時に、シャフトを動かす最後のギヤと、途中のギヤが当たってしまい、その途中のギヤが歪んで回転しにくくなることでした。写真を見ると

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二つ並んだギヤが平行になっていないのがわかると思います。写真で見ると上のギヤが斜めになっているように見えますが、実際には下のギヤが斜めになっています。シャフトを動かす最後のギヤが当たってしまっているためです。今回はこの最後のギヤの当たっている部分を削ってしまうことにしました。

そもそも、最初からこうなっていたはずはないので、何らかの経年劣化でギヤが移動したとか思ったのですが、どうやってもきちんとした位置に移動するような様子はなく、全部のギヤがきっちり収まっているので、今回は諦めて削る方向で解決することにしました。

削り終わった写真がつぎです。もう二つのギヤが平行でなくなるようなことはありません。

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きちんとモーターが回ることを確認して、再度組み立てです。組み立ては逆の手順ですが、いくつか注意点があります。

1. 底蓋をはめ込むときに、上側のギヤの部分が内側に移動してしまっていると、底蓋が最後まではまりません。手で外側に押すと簡単に移動するので、金具に当たってこれ以上外に行かないところまで押せば、底蓋は簡単にはまるはずです。

2. 底蓋の外しにくかったネジを締めるときに、きちんと締めないとヨー方向のスリップが多くなり、少し力をかけただけでヨーがズレるようになります。ある程度きちんと締めてスリップしないようにします。台座中心部の上側にレバーがついているのですが、これがヨーのスリップを微調整するためのもののようです。これが結構きつくなるくらいまでネジを締めるといいと思います。
 

組み立ててから試運転して見ましたが、きちんと導入成功のところまで行きました。今度夜に星が見えたときに試してみようと思います。それにしても追尾のモーター音はかなりうるさいですね。音はギアの噛み合わせで決まるのですが、そのうちにもう少し駆動系を調整してみるかもしれません。

少なくとも自動追尾するということはわかりましたが、所詮経緯台なので、視野の回転だけはどうしようもありません。それでもSharpCapは回転も含めて追尾してくれるので、電視観望に限ってしまえば自動導入も可能なため、SharpCapと合わせれば必要かつ十分な機種かと思います。

あと、鏡筒についている対物レンズの内側にあからさまにカビのようなシミが少し確認できたので、レンズを外して、洗浄しました。洗浄液は最近はFUJIFILMの「レンズクリーニングリキッド」という30ml入りのものを使っています。ペーパーは同じくFUJIFILMの「レンズクリーニングペーパー」50枚入りを使っています。見ている限りカビのようなものはうまく取れたようで、電視観望なら十分なくらいに綺麗になりました。


その後、夕方の暗くなる前にASI224MCをアイピース取り付け口に実際に付けて像を見てみたのですが、一つ致命的なことがわかりました。普通にCCDだけつけると無限遠にピントが合うのですが、0.5倍のレデューサーをつけるとどうしてもピントが合いません。これだと焦点距離が350mmとなるので、少し長いです。ただ、不思議なことにレデューサーをつけたほうが対物レンズまでの距離が短くなる方向でピントが合うセンスなので、逆の気がしています。今回試していないのですが、もしかしたらもっと長くする方向に解があるのかもしれません。さらに検証してみます。

2017/2/12 追記: ちょっとした改造でうまい方法を見つけました。

 

ダークライブラリーの構築を始めたため、年末に撮影したM42に必要なダークフレームも撮れたので、やっと画像処理をしてみました。

今回も基本は画像処理 (その1): 一連の工程を試すに沿っています。一番の違いは、オリオン座はトラベジウム付近が明るいので、他を炙り出そうとするとすぐに白く飛んでしまうため、120秒露光に加え、3秒露光の画像でHDR(High Dynamic Range)処理を試してみたことです。

120秒露光のものは星が流れてしまったものや、静止衛星の軌跡がひどいのを除くと使えるものはわずか9枚でした。これらを通常のベイヤー配列で開き、ダーク、フラット処理をして、ホワイトバランスを自動でとりつつRGB変換をしてからスタックし、いったん保存します。ここから色々試すのですが、今回はステライメージの流儀に忠実に、レベル補正で白飛びを気にせずに攻め込みます。デジタル現像機能で白飛びを抑えて.tif形式で保存し、Photoshopに渡します。

PhotoshopではNik collectionのColor Effect Pro 4の「ディテール強調」とトーンカーブ補正を少ししました。Sharpner Pro 3: (1) RAW PresharpnerとDfine 2も試しましたが、今回はほとんど効果は見られませんでした。両方とも前回は目を見張る効果があったのですが、なぜでしょうか?画像によって得意不得意があるのかもしれません。

一方、3秒露光のほうも同様にデジタル現像まで済まし、Photoshopでファイルを開きます。120秒露光の方に新規レイヤーを作り、そこに3秒露光の画像をコピペします。そのレイヤーを全選択して、不透明度などを利用しながら、下のレイヤーと星の位置をぴったり合わせます。

ここからは西條善弘著「天体写真のレタッチテクニック」の一番最後に出ているHDR画像の生成を参考にしました。まずは3秒画像のレイヤーを選択状態にし、「レイヤー」->「レイヤーマスク」->「すべての領域を表示」と選択して3秒画像のレイヤーマスクを作ります。次に120秒画像をCTRLキー+Aなどですべて選択し、CTRLキー+Cなどでコピー。そして3秒画像のレイヤーマスクをALTキーを押しながら選択し白い画面が見えたところで、「編集」->「ペースト」で120秒画像が白黒になった画面が見えればOKです。あとは適当に3秒画像のレイヤーの不透明度を適当に調整すると、M42の中心が飛ばない程度の中トラペジウムも含む恒星が埋もれない画像ができます。

いったんここで保存し、少し背景がざらついていたので、その後、再度ステライメージ7に持っていって、バックグラウンドスムースをかけました。

出来上がった画像が以下のものです。


final_ls

撮影データ: 2016年12月28日21時44分, タカハシFS-60Q(D60mm f600mm F10 屈折), Celestron Advanced VX赤道儀, キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出2分x9枚+3秒x15枚 総露出18分45秒, f50mm Cマウントレンズ+ASI224MC +PHD2による自動ガイド, ステライメージ、Photoshop CC+Nik collectionで画像処理, 撮影地/富山県富山市


今回は自宅撮影で、それほどいい環境でなかったことと、使える枚数が少なくて結局露光時間があまり稼げなかったので、暗い部分の細部を出し切ることが出きませんでした。背景もまだまだざらつき感が残っています。また、中心部はもう少し白を落としてもよかったかもしれません。それでも3秒露光を併用することで、ホワイトを飛ばさない手法がある程度確立できたのがすごくうれしいです。これは明るい恒星一般に有効みたいで、今回は恒星周りも飛んでる範囲が前よりかなり少なくなっています。

もう一つ、今回ステライメージ7のデジタル現像の効果を少し見直しました。HUQさんとの議論でトーンカーブでデジタル現像のようなことをできることを教えてもらったのですが、白飛びをなくすことを目的に、気軽に処理をするという観点から考えると、このデジタル現像は非常によくできた機能かと思います。「デジタル」とか「現像」とかいう名前から色々想像してしまって、これまであまり理解できずにブラックボックスに近かったので少し不安だったのですが、ある程度理解した上で使うとかなり便利で効果的です。


先日のオリオン大星雲の撮影で、途中でStick PCのバッテリーが切れてしまい、ダークファイルが撮れずじまいでした。まあ、後で取ればいいと気楽に思っていたのですが、なかなか気合が入らず画像処理が一向に進みません。そんな状況だったのですが、Stick PCが実用的になったのもあり、EOS 60DBackyard EOSと組み合わせて気合を入れてダークライブラリーを構築することにしました。富山の冬は晴天率が悪く暇な時が多いのと、貴重な晴天時の撮影時間がもったいないこと、また、撮影時にダークファイルがあるかどうか気にするのもだんだん嫌になって来たのもあります。

まず、Backyard EOSのファイル名の管理が秀逸です。Backyard EOSは撮影時の温度も測定でき、ファイル名にその温度を自動で入れ込むことをできます。他にもダークモードにしておけばこれもファイル名に自動に「DARK」と入ったり、時間はミリ秒単位出記録されたりなど、ダークライブラリーを作る気になるだけの機能があります。ちなみにファイル名は

DARK_60s_1600iso_+19c_60D_20161112-21h21m38s575ms.CR2

のようになり、ステライメージ7でそれぞれのダークファイルをスタックしたものは32ビットのfits形式で保存するので、

DARK_60s_1600iso_+19c-20c_60D_20161112-21h21m-21h50m_x15.fts 

のようなファイル名にしています。

実際の撮影方法はカメラにキャップをして、さらに光がカメラに入り込むのが嫌なのと、外の寒い気温に近づけたいので、カメラとStick PCを接続して両方とも冷凍庫に入れリモートでコントロールすることにしました。

3秒露光、3秒ミラーアップで撮影を続けながら、ダウンロードなどの時間もあり、192枚を19℃から摂氏1℃まで約40分程度かけて撮影しました。1度分が約10枚取れている計算になります。1℃以下にも下がりそうでしたが、カメラの温度体制と、結露なども心配だったので、とりあえず1℃で止めておきました。

その後、温度を反転させて上げるために、カメラとStick PCを冷凍庫から冷蔵庫に入れ替え120秒露光のダークファイルを撮影しました。1時間15分ほどかけ、32枚撮影しました。冷蔵庫は1℃から始めて17℃で上昇が止まり平衡状態になりました。1度分が2枚程度撮影できています。

各温度分の枚数が足りないので、何度か冷蔵庫と冷凍庫の行き来をする必要がありそうですが、これで必要枚数を貯めておけばライブラリーの構築は問題なさそうです。

 

私がいろいろ悩んでいるのを見兼ねてか、いつもコメントをいただいているHUQさんからお誘いをいただき、自宅へお伺いさせてもらいました。実は今まで星まつりなどの暗いところでしかHUQさんの機材を見たことがなく、今回はやっとじっくり見させていただくことができました。結局午前11時くらいから午後5時くらいまで、ほぼ6時間ずっといろいろお話しさせていただいて、私にとってはとてもとても有意義な時間で、すごく楽しかったです。覚えている範囲ですが、聞いたことを忘れないようにメモしておきます。


画像処理:
  • ダーク補正、フラット補正、バイアス(フラットのダーク補正のこと)をやった後に、さらにカブリ補正と(フラットの過補正ででた)周辺減光補正をやったほうがいい。縦、横共にやること。通常はステライメージ7などの上で手作業でやる。
  • 星雲の情報は原理的にはヒストグラムのピークより右側に入っている(私はずっと左側に入っていると勘違いをしていました)。また、撮影時には周辺減光、被りなどの影響で星雲の情報が左側に来ることもあるので、実際にはピークが128/256から150/256くらいの右寄りになるようにisoと露光時間を調整する。190/256だと明るすぎ。
  • この原則からいったら、ほとんどヒストグラムのピークが左に寄っているような画像からでも星雲など暗い天体をあぶり出すことは可能であるが、高感度ノイズのレベルとの差が小さいので、多数枚をスタックして十分ノイズを落とす必要がある。
  • 逆に明るすぎると上側の階調不足のために、特に恒星の青などの色が出ない場合がある。カメラの個性にもよるので、いろいろためしてみるべき。
  • 適度な明るさでとったものは、彩りが鮮やかになる。
  • 調整が終わった時のような理想的な状態では、ヒストグラムはピーク位置でまっすぐに切って左半分がなくなったようなものになっているはず。実際には理想的にはならないので、RGB各色のピークの横軸での位置は合わせるが、縦軸の高さは違っていても構わず、左側の裾野の3本の線が一点で交わっている状態ならばいい。
  • 暗いところで黒、明るいところで白になっているべき。暗いところと明るいところのRGBのバランズが崩れているのはおかしい。
  • 暗黒星雲は黒、もしくは色がつくとしても暗い赤(茶色)が正しい。青い星雲というのはそもそも恒星からの光の反射のはずなので、暗黒星雲が青みがかっているのは反射がないため、あり得ないのではないか。
  • 暗黒星雲がバックグラウンドより暗くなることはありえない。
  • 恒星のところでサチっている面積が大きい場合は、DEF DECOで補正して正規化することができる。
  • ステライメージ7のデジタル現像はトーンカーブで再現することができる。特に明るいところでサチるのは、カーブの真ん中をあげ、高いところをサチらせてから、高いところに新たにポイントを加え、なだらかにつなぐことで同じような効果が得られる。
  • トーンカーブまでステライメージ7やPixinsight上ですませてしまい、Photoshop上ではNIKなどの微調整のみにする。
  • Pixinsightはトーンカーブを拡大しながら調整することができる。
  • Pixinsightだと固定撮影した時のひずみの出るような画像でも、補正してスタックすることができる。


SWATと鏡筒の接続の構造など:
  • 三脚はReally Right Stuffは思ったより強固。ねじりなどに対しても大丈夫。Gitzoの3号?のものも十分強固。ただしアルミ製のものはもう売っていないが、カーボン製のものは現在も売っている。トッププレートはエレベーターを無しのものに改造するといい。
  • アルカクランプをSWATに取り付ける時は3つのネジでしめることができるようにクランプにネジ穴を開ける加工をするといい。
  • アルカプレートはやはりねじれ方向に弱い場合が多い。
  • アルカプレートはHejnarのものが丈夫でいい。特に裏側を見ると、フレームが太くとってあるのがわかる。厚さも3/8インチから7/8インチまで選択可能。ただし日本語のページはないようなので、輸入になるようである。
  • 赤系の自由度に関して重心が赤経の回転の軸上にくること。そのためには長い棒(アルカスイスのプレートなど)を渡して、片側に鏡筒やカメラを乗せ、もう片側に重りを乗せる。こうすることにより、カメラがSWATに当たらなくなる。結局ドイツ式のようだが、カメラ側の距離はSWATにぶつからない程度にできるだけ短くする。重り側は多少たわんでもいい。また、赤緯の自由度に関しても赤緯の回転の軸上に重心が来ること。もうひとつ重要なことは、全体の重心が三脚の中心上に来ること。
  • 接続部を増やすと、たわみが発生するのはある意味み仕方がない。それでも重心をきちんととっていればかなりマシになる。
  • Jillvaの微動回転台はオフセットがついていて、重心を三脚の中心に持って来やすい。ただしSWAT本体に改造が必要。

SWATでの制御について:
  • SWAT-200だと2軸制御の方が実用的。SWAT-350なら1軸制御でも実用的。違いは回転台の固定方法で、200は350に比べて極軸が少しぶれるため、長時間の赤緯方向の安定性が出ない。
  • 2軸制御で頑張れば焦点距離1200mmでまともな星像にすることができる。ただし簡単なことではなく、相当経験した上での話。重心位置は特に重要。普通にやると400mmくらいまでで、500mmを超えると途端に難しくなる。
  • 2軸制御のために使っているHigrashiは強度的には十分。赤緯の追尾は必要のない機能だが、100倍までのスピードで動かすことができるので、導入時に便利。
  • 回転台のブレは私が持っているSWAT-200もHUQさんがもっている350もほとんど同じだった。このくらいの1度くらいのオーダーだが、このくらいで問題ないとのこと。

α7S:
  • α7Sでの星景写真はあり。30秒までの露光で微光星まで出し、30秒以上の露光でバックグラウンドの天の川を出してマージするといいかも。

電視観望:
  • ASI1600などの大きなセンサーでの電視観望の例はまだあまり知らない。
  • 思ったより電視観望をやり出す人が少ない。もっと流行ってもいいのに。


その他細かいこと:
  • Stick PCやバッテリーにはシールタイプのマジックテープをつけておくとくっつけて使える。
  • ELECOMのUSBハブはUSB3.0とUSB2.0が混在していてもUSB3.0のスピードが出ることを保証している。
  • Rii mini N7という小さいキーボードがある。私も小さいのを持っているが、唯一の欠点が電源のオン/オフスイッチが付いていないところ。こちらは電源スイッチもついているみたい。 
  • 風対策が必要かも。ホームセンターで売っている周りを囲むフードのようなものを検討中。

まだ聞いたのに忘れていることもあるかもしれません。思い出したら随時追加していきます。HUQさん有益な議論本当にありがとうございました。


ところで、今実家に来ているのですが、都会のあまりの星の見えなささにびっくりしています。確かに子供の頃にもあまり星が見えた記憶はないのですが、改めて久しぶりに星を見ると、富山の自宅での見え方と比べると雲泥の差です。普通で見ると星座としてはほとんどオリオン座しか認識できません。カシオベアがかろうじて形がわかるくらいです。Wide Binoを使って、やっとすばるがなんとか確認できました。というか、こんな環境でも星座を形にしてくれるWide Bino凄すぎです。HUQさんみたいにこの環境で星雲を炙り出している人がいるというのは尊敬に値します。

2016/12/28、久しぶりに綺麗に空全体が晴れわたっているので、自宅でM42を撮影しました。SWAT-200は構造的にまだ弱そうなので、一旦注文している機材が到着するまでお休みで、今日は久しぶりにAdvanced VXでの撮影です。とりあえず、何でもいいのでまともなM42を撮っておきたいという希望もあります。

いい機会なので、一度、現在の撮影までの手順をまとめておきます。
  1. Advanced VXの設置と水平出し
  2. 鏡筒を赤道儀に取り付けと水平出しの再確認
  3. CCDとStick PCの接続
  4. Stick PCの起動
  5. iPadのリモートデスクトップでStick PCに接続
  6. Advanced VXの起動
  7. SharpCapでの極軸調整 、その際の赤経回転は赤道儀のモーターを使う
  8. Advanced VXでの3-4個の星を使ってのツースターアラインメント、その際アイピースを使用
  9. アイピースを外し、カメラを鏡筒にとり付けて、カメラとStick PCと接続
  10. Backyard EOSを立ち上げ、カメラを認識させる
  11. 明るい星に向けて、Backyard EOSのフォーカスモードでピント調整
  12. PHD2を立ち上げ、CCDと赤道儀を接続
  13. PHD2で露光開始
  14. ターゲットの天体に向け、PHD2上のCCDの画面とBackyard EOSの画面で位置を確定。
  15. PHD2上でガイド星の自動選択
  16. ガイドを開始し、キャリブレーションののち、実際のガイドが始まる
  17. Backyard EOSでテスト撮影と本撮影の開始
と、こんなところです。結構な手順ですね。それでもStick PCのおかげで、その後は自宅に戻って暖かい中でネットワーク上のRemode Desktopで撮影の様子を見ることができるので本当に楽です。

その他、気づいたことは、PHD2でガイド星のS/Nが30程度ないとガイド時の誤差が大きくなることです。ダメな時は再度ガイド星を選択し直します。

今日はISO3200で2分間露光、30枚が目安です。白とび防止にISO3200で3秒露光も30枚撮っています。最初のトライは全て取り終わった後にピントが甘いのが判明して失敗と判断。暗い星を使ってピントを合わせたのが間違いでした。

2度目は近くのリゲルを使いました。ところが風が出て来たようで、少し揺れている画像が多くなって来ました。さらになんですが、なんでこんなにオリオン座の周りって人工衛星が多いのでしょう?最悪で人工衛星の軌跡が4本入る時があります。軌跡のないのを探すと30枚のうち8枚なので25%くらいの成功率になってしまいます。とりあえず軌跡が豪快に入ったjpeg撮って出しを載せておきます。

BAD_M42_LIGHT_120s_3200iso_+10c_20161228-22h22m16s537ms

撮影を続けていたら、突如家の中から接続ができなくなりました。もしやと思って外に見に行ったらバッテリー切れでした。夕方5時半頃に初めて夜11時半に切れたのでHUQさんの予測通りほぼ6時間で切れたというわけです。大容量バッテリーの必要性が出て来ました。

画像処理はまた試したら記事にします。(追記: 2017/1/3に画像処理をしてみました。)




 

1. 最初に買った機材

あくまで自分の経験の範囲でしか言えないので、一個人の感想レベルで聞いてください。最初に購入したBKP-200は口径200mmのニュートン反射なので、値段の割には十分に見ることができます。電視観望でも十分に使えます。撮影するにしても、星が流れるとかを気にしなければ、星雲をあぶり出すだけなら十分できます。値段も後から考えると安価な部類に入るものなので、そういった意味では最初に購入するものとしては、偶然にしては良かったのかもしれません。

鏡筒は多分趣味が高じていけば、より良いものが欲しくなりますし、中古などで安く入手する手段もわかって来ますので、そのうち鏡筒の本数だけが増えていきます。それよりも赤道儀の方を良いものを選ぶ方が大切です。私はCelestron社のAdvanced VXを選びましたが、自動導入も付いていて十分実用になるので、値段の割には満足しています。それよりも実際に良かったと思った点は、世界的に見ても売れているので、各種ソフトなどの対応に全く不安がないということです。Stellariumを使った自動導入などもASCOMに対応しているので、後から色々楽しむことができます。精度はもちろんタカハシなどの方がいいのでしょうが、最初に買うものとしてはちょっと手が出ませんでした。


2. 機材の重量

もう一つすごく重要なことですが、機材が重いと多分自分が思った以上に気が重くなることです。気合いの入っている一回、二回はいいのですが、重いとセットアップが疲れる、面倒臭い、眠い、寒いなど、機材を出したくなくなる要素が意外に大きいのです。私も今は星が面白くてしょうがないのですが、それでも一番稼働率がよかったのがFS-60CB (FS-60Qからエクステンダーをとって、さらに軽くした状態、焦点距離370mm) をManfrotteのカメラ三脚に載せた相当軽い状態で電視をしていた時でした。玄関に組んだ形で置いておき、少しでも星が見えるとほぼ毎日空を見ていました。この三脚を、自動導入が欲しくてAdvanced VXにしただけて、一気に稼働率が落ちた覚えがあります。軽い機材というのはある意味長続きさせるコツの重要な要素だと思います。


3. 鏡筒の焦点距離

ただ、一台の鏡筒だと焦点距離の種類も限られるので、やはりターゲットに合わせて何通りかの焦点距離が必要になってきます。私はこのことが最初なかなか理解できないでいました。よく初心者をターゲットにした倍率が高いだけの望遠鏡は良くないと言いますが、そのことは理解できていたのですが、焦点距離の長いだけの望遠鏡も初心者にとっては意味がないということはなかなか理解できませんでした。なので最初の購入時、焦点距離800mmのBKP200と焦点距離2000mmのEdgeHD800を迷ったりしたのですが、さすがにこれはスコーピオの店長さんに止められました。

今なら最初は星雲を楽しむためにできるだけ焦点距離の短い600mm以下の鏡筒を購入し、惑星の撮影がしたくなったら、焦点距離2000mm以上で、口径のできるだけ大きいものを次に買うというようにすると思います。ですが無知というのはおろそしいもので、BKP200の次に購入したものが、結局EdgeHD800と同系列のC8でした。これは中古でBKP200よりもはるかに安価だったので、気楽に改造などできて惑星撮影も結構楽しめました。ただし、突き詰めていくともっと大口径のものが欲しくなります。

でも最初ってよくわからなくて、星雲も惑星もどれも見たいと思ってしまうんですよね。さらに私もそうだったのですが、撮影もしてみたいと平気で言ってしまうのです。なので天体ショップの店員さんは、後で潰しの効くそこそこの入門用の屈折を勧めるのかと思います。これでも土星の輪を見るくらいまでなら十分できるのですが、カッシーニの間隙をはっきり撮影するとかまで考えるとやはり限界があります。


4. ステップアップの一例

これは完全に個人的な意見なのですが、今主力で使っているFS-60Qは眼視全般、電視、星雲のかなりのレベルの撮影までこなせる相当まともな部類の鏡筒で、口径が小さいこともありタカハシの中では一番安価な部類で、しかも軽いです。なのでコストパフォーマンスはとてつもなくいいと思います。それでも性能を引き出そうとすると、初心者ならなおさらですが、できれば自動導入のある赤道儀の方が楽なので、鏡筒と赤道儀を合わせたらこれだけでも普通の人から見たらとんでもなく高価なものになるのかと思います。

FS-60Qでできないことの一つは惑星の撮影です。口径も焦点距離も全く足りません。アイピースで見るだけなら、あまり大きくは拡大しない方がいいですが、適度な倍率ではキレッキレの、ムチャクチャ綺麗な土星や木星が見えます。ただし撮影は別です。

惑星の撮影は口径の点から反射型の方が有利で、鏡筒の長さや重さからシュミットカセグレン方式が人気があります。私も使っているCelestron社のC8も人気がありますし、世界的には同社のC11やC14で成果が上がっている例が多いです。C11は口径11インチすなわち25cm程度、C14は口径30cm以上なので、個人で普通に扱うぶんには十分過ぎるくらい大きくて重くて、このくらいが限界なのでしょう。私はMEADE社の25cmを譲ってもらったのですが、これとてすごく本格的で、まだまだ準備不足で、春までになんとかしたいと思っているくらいです。

もう一つの別の手段が、詳しい人を見つけて、本当に安価な、中古でもいいので入門用の屈折型望遠鏡を買うことです。詳しい人に聞きながら、これで十分に楽しめて、趣味として続きそうならば、次のステップに進めばいいのかと思います。でも、この方法の欠点は、月を見てすごく興奮して、その後恒星をみてどれも同じかと思ってしまって、惑星を見てちょっと面白くて、頑張って星雲を見て図鑑とかで見る写真とあまりに違ってがっかりして、最後は続かなくなってしまう恐れがあることです。

やはり土星はカッシーニの間隙まで見えたほうが楽しいでしょうし、星雲は色がついていた方が当然面白いでしょう。そのためにはやはり撮影などする必要が出て来ます。星雲に色をつけるだけなら、今なら電視という手もあります。これはこれで少し敷居も高いのですが、電視なら入門用鏡筒でも十分楽しめると思います。自動導入付きの赤道儀があるとより楽しいので、そのぶん敷居は高くなります。

ステップアップの順序として、電視、自動導入と機材を充実させていくのは悪くない手だと思います。いずれにせよ、退屈しないうちに撮影ができるくらいの機材にステップアップしていかないとなかなか続かなくなるかもしれません。

そのためのアドバイスとして、詳しい人と一緒に楽しむというのは一つの手だと思います。詳しい人はだいたい機材も余っていることが多いので、初心者にとっては意外なほどいい機材を安価で譲ってもらうということもよくある話です。


5. より深い世界へ

この趣味は天井知らずで、贅沢を言ったらはっきり言ってきりがありません。色々工夫して安価に楽しむ方法もある一方、トンデモなくお金をかける方法もあります。究極的には個人で天体ドームを持ってしまうことなどでしょうか。そんな両極端でなくても、色々な種類、色々な性能の機器が各社からたくさん出ています。これらをゆっくりと選ぶこと自体も楽しみの一つですし、じっくり考えて選んだ機材は必ず愛着が湧くものです。

また、いくらいい機材を持っていても、光害やシンチレーション(空気揺らぎ)の少ない素晴らしい星空には、結局は勝つことができません。田舎から天文ショップに行くことは遠いので大変なのですが、光害のない都心から離れたところに住んでいるというのは、それだけで高価な機材を買うよりはるかに価値があることのなのです。環境のいい星空を求めて海外へ行く人たちもいます。

いずれにせよ、趣味の世界でのことなので、自分ができる範囲で、無理をせずに、楽しみながらやるのが一番かと思います。




 

2016年5月に天体観測を始めました。その頃の試行錯誤の記事を、これまでの経験を踏まえて、まとめてみました。これから天体観測を始めたい方への参考になれば幸いです。


1. 天体ショップ で買った鏡筒赤道儀

星に興味がある方は天体ショップをのぞいてみるといいです。敷居が高いのも事実ですし、どの機材がいいのかも最初は全くよくわからないと思います。実は私も、何年か前から出張で秋葉原に寄る機会があるときに2、3度スターベースをのぞいたことがありました。しかしながら、恥ずかしいことに何もわからないので店員さんと会話することもできなくて、そのまま出てきたりしていました。もし星に興味があるのなら、勇気を出して店員さんに話しかけてみる方がいいと思います。基本的に店員さんは星好きな人ばかりです。色々教えてくれると思います。その場では購入しなくても、それがきっかけで色々調べ出し、その気になってそのうちに購入に至ってしまうかもしれません。
 
娘と一緒に、春にスコーピオに最初に顔を出した時も、まだ望遠鏡をしかも赤道儀とセットで購入するなんて考えてもいなかったです。今だからこそ、軽いのと撮影で有利なので、小口径の素性の良い屈折型鏡筒の良さがわかるのですが、当時は単純に光量が多くなる大口径の鏡筒がいいと思い込んでいました。多分店長さんはVixenの屈折とか勧めていたと思います。でも聞く耳を持たずに購入したものは口径が200mmもある反射型のSkyWatche社のBKP-200でした。

気軽に始める趣味としてはすごく高価な買い物で、当時は清水の舞台から飛び降りる気持ちで赤道儀やアイピースと合わせて購入したのですが、これがきっかけとなって、これまですごく楽しく続けてこられているので、今思うといい買い物だったと思います。でも、もし今の知識と経験を持って最初に買うとしたら、間違いなく現在主力で使っている、無茶苦茶稼働率の高いタカハシのFS-60Qです。ただ、これはニュートン反射もシュミットカセグレンも実際に使ってちょっと満足した後での意見なので、特に自分の手で触ってからでないと納得できない人には、受け入れられない意見かもしれません。

(機材の選定についても少し書いていますので、よかったらその2を見てください。)


2. 遠征とその準備

望遠鏡を手に入れたら、早速組み立てて、夜になったら観望です。最初慣れるまでは自宅のそばの空でもいいので、まずは色々触ってみてください。慣れて来たら是非とも暗い空を求めて遠征をお勧めします。多分最初は望遠鏡そっちのけで満天の星空に夢中になることでしょう。望遠鏡の操作は結構練習しておいても、暗い中なのとあまりに多い星の数で、最初は多分うまくいかないものです。気にせず試行錯誤を楽しむくらいの気分でいた方がいいと思います。それよりも、街中とは違うよく見える星空の素晴らしさを存分に楽しんでください。特に冬は寒かったりするので、くれぐれも準備は怠らないように。もし双眼鏡を持っているのなら持っていくといいかもしれません。高価なものでなくていいです。高倍率なものよりも、むしろ低倍率のものがいいです。望遠鏡で見えなくても、双眼鏡だけでもこんなに見えるのかと、十分満足できると思います。何回か遠征するうちに足りない機材などもわかってくるでしょうし、望遠鏡の操作にも慣れてくると思います。


3. カメラ撮影準備星景写真

もしカメラが用意できたら夜空を撮影してみるのもいいでしょう。私の父親がフィルム時代カメラが大好きだったのですが、それに反発してなのかこの趣味を始めるまで全くカメラに興味がなく、最初は何もかも手探り状態でした。購入したのは一眼レフですが、その中でも一番安い部類の入門用のものです。それでも最初に星が写っただけで大喜びだったことをはっきり覚えています。その後、星雲の写真なども色々撮ったのですが、この時の最初に星が撮れたというインパクトがなぜか未だに一番大きいです。この時の経験をもとに簡単な撮影方法など少しまとめてあるので、参考にしてみてください。ここからしばらくは望遠鏡よりもカメラの方が楽しかったです。実はこの時まで天の川をはっきり見たことはなかったので、写真に撮る天の川がはっきり見えるということがとても嬉しかったです。

4. 天体改造カメラ

最初改造カメラの必要性がなかなか理解できないでいました。通常、カメラは赤外線を写さないように、赤外線をカットするフィルターと呼ばれるものが入っています。星雲は赤外の光を出すので、星雲を撮るときは赤外線も写すことができる、フィルターを外した改造カメラの方がきれいに撮れるということです。ただ、改造を専門店に頼むのは少し敷居が高いことも事実なので、私は中古の改造済みのカメラを安価に手に入れました。ただ、このお店はつい先ごろ閉店してしまいました。ここでは後にもう一台改造済みカメラを購入しているので、こういったお店がなくなってしまうのは非常に残念です。ヤフオクなどでも「天体 改造 カメラ」などで検索すると安価なものがたまに出ています。


5. 直焦点撮影による星雲撮影拡大撮影による惑星撮影

望遠鏡の操作と、カメラの操作に慣れてくると、次は望遠鏡にカメラを取り付けての撮影となります。最初にためすのは直焦点撮影と呼ばれるものかと思います。これで星雲などは綺麗に撮ることができます。ですが、焦点距離の短い鏡筒だと、惑星や小さな天体などを写すのは難しいので、拡大撮影と呼ばれる方法が必要になります。


6. 機材のメンテナンス: 光軸調整改造など

反射型望遠鏡は光軸が狂うことがあるので、光軸調整をする必要があります。 また、使いやすいように改造などをして行くことも楽しみの一つです。私はモーターフォーカサーをつけてみました。こう言った改造を進めていくことで、どんどん使いやすくなり、機器に愛着が湧いてくることでしょう。


7. 次の機器へ

 このころになると、一本の鏡筒では満足できなくなってくるかもしれません。アイピースによる眼視の場合は、アイピースを取り替えることにより、倍率を変えることができるのでいいのですが、直焦点撮影だと鏡筒の焦点距離が決まっていると画角が決まってしまうので、対象の天体もある程度決まってしまうからです。焦点距離を変えるには、焦点距離を伸ばすことができるバローレンズや、逆に短くすることができるレデューサーを使うなどもあります。収差などが気になり出すと、バローレンズやレデューサーの性能も気になり出すことでしょう。口径や、重量など色々変えたいところが出てくると、次の鏡筒に目が映るようになるのかもしれません。ここまでくるともう趣味として相当楽しんでいると言っていいのでしょう。

予算が限られている場合は、オークションサイトなどを覗くのもいいかもしれません。いい機材は人気も高く値段が下がらないこともあります。また状態が悪いものに当たる場合もあります。でも、自分にあったすごくコストパフォーマンスがいい機材に当たることもありますので、うまく利用するとより応用範囲が広がっていくのかと思います。

また、星まつりでも普段の値段では考えられないような特価品が出ていることもありますので、一度のぞいて見るのをお勧めします。星が楽しくなっていたら、星まつりは面白くてたまらないと思います。私は今年は夏から秋にかけて3回泊まりがけで星まつりに参加しました。子供も大喜びなので、家族サービスも兼ねて参加するのもいいと思います。


その2、機材選定に続きます。
 

最近、観測にとっても役に立つ重要アイテムを手に入れました。

指先が出る手袋です。

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イオンに入っているスポーツ用品店で見つけました。Vixenで冬の天体観測用にヒーター付きの手袋が出ていますが、雑誌に載っている値段を見てちょっと手が出ないでいました。上のものは8分の一くらいの値段でした。ヒーターはついていませんが、 この手袋の一番いいところは写真のように出せる指の本数を左右自由に調節できるとことです。親指と人差し指だけでなく、2本でiPhoneやiPadの画面を触ることもありますし、時にはしっかり掴みたいために左手の指先が必要になることもあります。

これまでは何かあるたびに手袋を外していたので、この手袋だと手のひらがとても暖かいです。ただし、出ている指先が冷たくなるのだけはどうしようもありません。 

 

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