ほしぞloveログ

天体観測始めました。

先日の年越し電視観望で、智さんのレデューサーがうまく働かなかった件の追記です。

これは鏡筒とレデューサーという2つのレンズを使うと合成焦点距離はどうなるのかという極々一般的な問題です。基本となる合成焦点距離の式については以前の記事



をご覧ください。今回の記事に合わせて、式を見やすい様にTeX化しておきました。


0.5倍レデューサーの計算例

例えば焦点距離800mmの鏡筒に、焦点距離が50mmのレデューサーを取り付けてみましょう。レデューサーをCMOSカメラに取り付けるためのアダプターの長さによって、センサー面からレデューサーまでの距離はほぼ一意に決まってしまいます。

センサー面からレデューサーまでの距離が決まると、拡大率も一意に決まってしまい、以下のグラフのような関係で表されます。

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しかもこのセンサー面からレデューサーまでの距離に応じて、フォーカサーで対物レンズまでの距離を調節してやる必要があり、以下のグラフで表される距離おいてのみ焦点を合わせることができます。

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逆にたどると、フォーカサーでの調整距離がせいぜい10cmくらいあったとしても、センサー面からレデューサーまでの距離が取れる範囲は高々10mmちょっとです。なのでアダプターをきちんと選ばないと範囲から外れてしまい、焦点を結ばなくなるというわけです。


サンプルファイのアップロード

Livedoorブログではファイルのアップロードもできるようなので、上のグラフを書くために作ったファイルを添付しておきます。Excelで作ったものなので多くの人が読めると思います。

Sample file (Excel形式)


アダプターについて

安価なレデューサーの焦点距離ですが、例えばレデューサーで指などをみてみると分かります。せいぜい50mmくらい離れたところでピントが合うくらいなので、焦点距離は50mm程度ということがわかります。これに相当するセンサー面からレデューサーまでの距離は25mm程度です。そうやってみるとASIカメラに付属のアダプターにレデューサーを取り付けると40-50mm程度にはなってしまうので、はやはりこのアダプターは長すぎます。

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ではどんなアダプターがいいかというと、ZWOからロープロファイルカバーとかいう名前で出ていて、国内だとKYOEI星見屋などから購入することができます。これはカメラの赤いカバー部分を取り外して、その代わりに取り付けるタイプです。

でも実は私が持っているのは全く別のもので、言うなればC(S)マウントから31.7mmへの変換アダプターです。

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この写真では上がカメラ側について、したがレデューサーを取り付ける側。

これにASIカメラ付属のCSマウント変換アダプターを取り付ければ、うまく赤い部分を外すことなく取り付けることができます。

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いうなればこれ



とかこれ



の短いバージョンなのですが、探したけど見つかりません。どなたか知りませんでしょうか?

じゃあ私はどこで手に入れたかというと、多分昔Revolution Imagerを買った時についてきたのをそのまま使ったのかと思います。


本ブログとTwitterで宣伝しておいた名古屋の名城公園での電視観望ですが、大晦日という忙しい時間にもかかわらず一般の人、地元の同級生、天文マニアと何人もの人が集まってくれました。天リフさんでも告知して頂いたおかげです。


いざ実家の名古屋へ

天気予報によると、天気は問題なさそうでしたが、風が強いという予報が出ていたが少し心配でした。当日、車で名古屋に移動する際はずっと曇りで、小雨もぱらついていたので少し心配でした。

私自身は12月31日の午後に名古屋入り。実家に少し寄って用事を済ませてから16時半前くらいに現場に到着しました。ホントは暗くなる前くらいでいいかなと思っていたのですが、Twitter上で午後かなり早いうちから、5月に観望会で一緒だった高校生の智志君が既に現場についたと連絡があったので、急いで用事を済ませて名城公園に向かいました。まだ少し雲は残っていますが、夜半にかけて晴れていくでしょう。風もたいしたことはありません。なんとかなりそうです。


現場到着、早速高校生の智志君が

現場に着くと既にスターバックスの横に智志君が機材を展開してました。でもここだと建物があって少し視野が悪いので、いつものように階段デッキ上に移りました。

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この日の名古屋、とにかく寒い。風があるせいもあって夕方でもすでにかなり体感で寒いです。しかも智志君、てんこ盛りの機材を自転車と電車で持ってきたとのことで、上の写真の通りなんと上着なしです。「自転車で暑くなるから」とのことですが、流石に寒そうです。ちょうどコートとスキーウェアが車に入っていたので、コートを貸して、さらに自分もですがカイロを智志君にも渡し、やっと少しマシになりました。


セットアップ開始

階段デッキの上のほうで機材をセットします。

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機材を設置している途中から、周りにいた人たちに声をかけて、まだ明るいうちの月を見てもらいました。今回は入門用のSCOPETECHも持ってきているので、興味がある人には自分でマニュアル追尾や、最初から導入までしてもらいます。子供たちも何人かきてくれました。子供は暗くなってからだとなかなか来れないので、明るいうちに月を見てもらうことができてラッキーでした。これは早く来てくれた智志君に感謝ですね。


月の電視観望開始

暗くなり始めるくらいから、早速月の電視観望も始まります。

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月齢5日なのでまだそこまで明るくなく、CMOSカメラのゲインを上げると地球照もよく見ることができます。やはり一般の方だと望遠鏡を覗く機会もあまりないようで、クレーター初めて見たという方もたくさんいました。

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智志君も最近手に入れたというASI183MCで、同様に電視観望しているのが写真の奥に写ってます。


たくさんの人が

名城公園に来る前に、うちの子に頼まれて、二人を栄近くの東急ハンズに送っていきました。ハンズの帰り17時過ぎに名城公園に寄ってくれたのですが、ちらっとだけ顔を出して、後はスターバックスに直行。18時の閉店近くまでいて、寒いからといって今度は電話だけで顔も出さずにバスに乗って帰ってしまいました。上のNatsuは最近はギター、それに今回名古屋で買ったベースに夢中な中3の受験生、大丈夫か?下のSukeは中1で卓球部に入り最近は卓球しかしてません。二人ともあまり星に興味は示してくれなくて、成長の過程なのですがまあ寂しいものです。


何人か、天文好きな方も来てくれました。最初に来てくれたのは、名前を失念してしまいましたが60歳位の方で、直接告知を見たのではなく、知り合いに今日こんなのがあるよと教えてもらったそうです。聞いてみると東亜天文学会のメンバーの方で、相当経歴は長いようです。

程なくして、まささんが参入。最初わからなかったのですが、どこかで見た顔。よくよく聞いてみると名古屋のドブソニアン勢力の中の一人で、これまでも星まつりで何度かすれちがっているそうです。それどころか、3年半前の一番最初に行った原村の星まつりで息子のSukeと一緒にドブの人たちに「星雲に色がつきますか?」と一番最初に聞いた人らしいということが判明しました。あの頃は訳もわからず尋ねまくっていましたが、結局それが今の電視観望につながっています。そう思うと感慨深いです。この日も大口径で星雲に色がつくかどうかの議論に移ったことは、ごくごく自然な流れです。

このころ、Facebookで繋がっていた高校の同級生が息子さん二人を連れてわざわざ来てくれました。高3と中3の男の子で素直そうな子でした。旦那さんの実家に行く途中に寄ってくれたのとことです。子供二人も理系に興味があるようで、ノーベル賞を取った梶田さんの講演を聞いた話とかしてくれました。聞いたところ今年また同窓会とかもあるようです。たまに地元でこういったイベントをやって昔の知り合いが来てくれるのはとてもうれしいです。
 
同じ頃にTwitterで参戦を予告してくれていた智さんが到着。 結局電視観望機材を持ちこんでわざわざ恵那から電車で移動してきてくれたとのことです。 折角なので智さんの機材で電視観望はじめますが、早速問題が発覚です。

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智さんの電視観望でのトラブルシューティング

まず簡単に月を入れたのですが、何故かきれいに見えません。ピントが合わないようにも見えますが、どうも月の周りの光芒が明るすぎて恐ろしくコントラストが悪いみたいです。少なくとも私はこれまで電視観望でこんなのはみたことがないです。

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面白くなってきました。さて、何が悪いのか一つづつチェックしていきます。鏡筒は笠井の8cmクラスだったでしょうか、そこにASI385MCを付けています。

最初はレンズの曇りを疑いました。でも鏡筒をざっと見てみますが、まだ機材を出したばっかりで冬場で空気も乾燥していて、曇りのようなものは確認できません。ほかに何が問題があるのか?こんな時、トラブルシューティングで一番大事なのは問題の切り分けです。

まず、今のこの場で私の方で使っていてとりあえず問題のないASI294MCを、智さんの鏡筒につけてみることにしました。これで光芒が改善されなければ鏡筒側が悪く、改善されればカメラ側が悪かったことになります。結果は光芒がなくなり、月も全く問題なくきれいに見えるようになりました。ということは問題はカメラ側にあることになります。

ではカメラの何が悪いのでしょうか?曇っている?ホコリがついている?よくよく聞くとレデューサーを付けてあるとのこと。でもレデューサーなら私もASI224MCでセンサー面積が小さい場合は普通に使ってましたし、レデューサーが悪さをすることは基本的にないはずです。それでも智さんがレデューサーをはずしてみると、なんと変な光芒は見事に消えて無くなりました。レデューサーそのものが悪いのか?聞いてみるとSVBONY製とのことです。でもSVBONYって安いけど決して品質が悪いわけではありません。私も双眼鏡ひとつ持っていますが、全然不満ないです。というか、よくこの値段でこの品質が出せると思うくらい素晴らしいです。

それならと思い、私がこれまで使っていた手持ちのレデューサーをたまたま持ってきていたので、こちらに交換してみます。これで光芒が消えるなら本当にSVBONYのレデューサーが悪いということになります。結果は、同じように光芒が出てしまいます。この時点でSVBONYのレデューサーに問題があるわけでなく、何かレデューサーそのものに一般的に問題があることが分かりました。SVBONYのレデューサーAmazonでも最安で性能も十分でいいと思いますよ。

でもまだ納得がいきません。次に、智さんのカメラに私の手持ちレデューサーを付けたまま、私のFS-60CBに取り付けます。これは予想通り光芒が見えます。ここで、最後に智さんのカメラだけを私のASI224MCに取り替えます。以前はASI224MCで普通に見えていました。結果はこれでもまだ光芒が残っています。確認のため、月だけでなく明るい星でもやってみます。M42です。

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やはり同じように光芒が出ていてボヤボヤです。これまでこんなことはなかったので、何か違いがあるはずです。ここで心当たりのある唯一の違いが、レデューサーをCMOSカメラに取り付けるためのアダプターだと気づきます。今回使っていたのがZWOのカメラに標準でついてくる少し長めのもので、

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これだと長すぎるので私は普段短かめのアダプターを使っていたことです。

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残念ながら短いアダプターはこの日は持っていなくて直接試すことができなかったのですが、もうこの違いでしか説明できません。ずっと昔に、レデューサーがなぜ0.5倍に自動でなるのか考えてみたことがあります。今回きちんと検証できていませんが、やはりセンサー面とレデューサーの位置が離れすぎているのが問題なのかと思われます。短いアダプター持っていなかったのが悔やまれます。


やっと星雲電視観望

21時前くらいでしょうか、ここらへんで智さんの帰宅時間が迫ります。オリオンがビルの上にやっと上がってくることでしょうか。せめてと思い、ギリギリ見えるようになったM42だけは電視で見てもらい、ここで智さん退散です。東亜天文学会の方もここで帰宅なさるとのことで、智さんをJR駅まで送っていってくれることになりました。折角機材を持ってきていただいたのに、あまり時間をかけることができず残念でした。でも智さんがあとでTwitterで一人だと解決できなかったと書いてくれていました。来て頂いた甲斐はあったのかなと思い少し嬉しくなりました。

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その後気を取り直して、本日のメインの電視観望を再開です。といっても、寒いのと天文談義の方が盛り上がり、肝心のメインはなんかまったりモードです。とりあえずは馬頭星雲と燃える木。

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燃える木はまだ分かりますが、馬頭さんが厳しいです。かろうじて形が分かるくらいでしょうか。

次はバラ星雲。

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うーん、本当に厳しいです。ギリギリまで炙り出してこれです。かなりキワをついているので周辺減光も相当目立ってしまうレベルです。一応フラットを撮影して、SharpCapの機能にあるリアルタイムでのフラット補正をかけてみました。

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周辺減光は少しマシですが、以前厳しいことには変わりありません。あ、光害防止としてQBPを入れてもこれくらいです。名古屋ど真ん中の電視観望だとここらへんが限界でしょうか。

23時頃でしょうか、年越し直前に最後のゲストのkima_Aquariusさんが到着です。オリオンとか一通り見せて、次のモンキー星雲です。

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バラ星雲よりはすこしマシで、形もなんとかわかります。

ここらへんでだんだん雲が出てきました。雲間のクラゲ星雲を何度か入れているところで。0時ちょうど、年越しです。今年も充実した星ライフを送りたいのですが、仕事も忙しくどうなることやら。

肝心のクラゲですが、年が明けてやっと雲まで見ることができました。それでも流石にこの光害地では淡過ぎで、傘のところがかろうじて分かるくらいです。

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とにかく寒い。とても寒いです。しかも雲が広がってきて空を見ることもできなくて、むしろ話の方が盛り上がります。


智志君

あ、そうそう、智志君ですがこんな中でも電視観望とか撮影とか色々やっていたようです。

智志君の機材はSCOPETECHの80mm鏡筒。焦点距離が1000mmなので多少大きめになります。そこにASI183MCを取り付けて、AZ-GTiで自動導入までしています。鏡筒のF値が10を超えているので多少暗いのですが、月とかは明るいので電視観望でも問題ないはずです。M42とかは暗いことよりも、視野が多少狭くなるので中心部を見ることになります。SharpCapもまだ慣れていないようで、ヒストグラムでM42も十分明るく見えるようになることを伝えたら喜んでくれているようでした。

その状態で撮影を始めていました。ガイドとかはないので露光時間を伸ばすことはあまりできませんが、それでも何十秒かで露光していて、数十枚とか撮影できたようです。途中、SharpCapのLive Stackでアラインメントを試してたようで、1枚目以降うまくアラインメントできないというので少しみてみると、揺れが大きくて星を星と認識できていないようでした。揺れの原因は何かと思って探ってみました。最初は階段デッキがやわいのでそのせいかとも思いましたが、それよりもはるかに顕著だったのが風です。やはり鏡筒が大きいせいもあり、AZ-GTiだと少し強度不足で、風が吹くと途端に星像がものすごい数の線を描き出します。しかもよくみるとAZ-GTiと鏡筒の間に自作のL字のアダプターを入れているようで、ここも揺れを増幅させているようです。今回はこれを外すと、鏡筒が縦に90度回転してしまうので一から初期アラインメントし直しのため、直すのは諦めていたようですが、次回はここら辺が課題になると思います。

それでも撮った画像をその場で処理するなど、相変わらず高校生とは思えないくらいものすごい熱心です。それもそのはず、今高3なのですが、大学に推薦で既に合格して進路が決まっていること。しかも天文系の学科とのことです。大学生になったらアルバイトなどでお金を貯めて、もうごくごく自然にいい機材につぎ込むことになるのでしょう。若いというのは開けていく道しかないので羨ましいものです。

そんな智志君も、午前1時前くらいでしょうかお母様が現地まで車で迎えにきてくれました。少しだけお話ししましたが、高校生でこれだけのめり込むと親としても大変なのかと思います。でもこの興味を摘むことなく見守っているご両親の寛大さには敬服します。無事に大学が決まってほっとしたとおっしゃっていました。これも好きなものがあったからならではなのかとも思います。

帰るときの機材を見て、お母様も呆れていましたし、我々も呆れていました。ものすごい量の機材を自転車と電車で持ってきたというのです。完全に車で運ぶような量です。しかも上着は無し(笑)。あ、そういえばノートPCのバッテリーが持たないというので、手持ちのものを貸していたのですが、荷物の量を考えたら追加バッテリーを持ってくるのも無理だったと思います。

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京都の「星を求めて」での再開を約束して、この日は帰っていきました。将来アマチュアとして続けるのか、天文関連の仕事につくのか、はたまた研究者にでもなるのか、楽しみです。期待してしまいます。


そろそろ後片付け

さて、若い智志君が帰った後はおじさん組で、ほんとにまったりモード突入です。寒いのと曇っているのと話しているばかりで、もうグデグデ。とうとうAZ-GTiの赤いLEDが2回点滅する様になってきて、こちらももうバッテリー切れが近いみたいです。最後の最後で三つ子銀河だけ入れました。

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QBPを入れたまま見ているので、少し淡くなってしまっているかもしれません。光害の緩和とどちらが得かってとこですかね。

1時過ぎだったでしょうか、まだ予定の2時までには少し時間がありましたが、ここでギブアップ。とにかく寒いです。最後まで残ってくれたまささんとkima_Aquariusさんには片付けまで手伝ってもらいました。ありがとうございました。そのまま現地解散で、私も名古屋市内の実家に帰りました。

実家に着くとさすがにみんなもう寝ています。よく考えたらファミマで買ったサンドイッチ(3切れ入りを三人で分けたもの)しか食べていないことを思い出し、実家で大晦日のご馳走だった豪華焼肉の残りを一人で寂しく焼いて食べてました。


まとめ

今回は年越しを電視観望で過ごすことになりました。昨年は小海の星フェスで電視観望で講演することもできました。電視観望も、もう普通の技術として広まってきているのかと思います。今年もまた心機一転頑張ろうと思います。

かなり寒い中、突然思いついたように呼びかけた形になってしまいましたが、今回の名古屋電視観望オフに参加してくださって皆さま、本当にありがとうございました。ものすごく楽しかったです。また機会がありましたら呼びかけたいと思います。できれば今度は名古屋以外で。でも人が集まるかなあ?


年末の土曜日、次の日もまだ仕事があったのですが、夜から晴れてきたので撮影開始です。ターゲットはバラ星雲。過去に何度か挑戦していますが、いまだに満足したのは撮れていなくて再チャレンジです。


天気は微妙

この日は天気予報では午後蔵から晴れる予定でした。でもずっと曇り空が続いていて、1時間天気予報も時間と共に曇りの時間が後ろに下がっていって、なかなか晴れません。夕方もダメ、夕食前にいったん晴れてご飯食べてから外に出るとまた一面曇り。のんびりして夜21時頃に出ると星は見えるけど薄曇り。22時過ぎにもう寝ようかと思って最後外に出ると、やっと晴れてました。すぐに準備を始めます。

機材

バラ星雲だと画角的に600mmとフルサイズでぴったりくらいなので、この日はいつものFS-60Qではなく、同じ600mmのFC-76を持ち出すことにしました。あの白濁レンズのFC-76です。

  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm、対物レンズが白濁) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEMII
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • フィルター: サイトロン QBP(Quad Band Pass) filter
  • 日時: 2019年12月29日0時52分-44時17分
  • 場所: 富山市下大久保
  • 月齢: 22.1、ほぼ下弦の月
  • 撮影対象: バラ星雲 (The Rosette Nebula 、NGC 2237-9, 2246、Caldwell 49)
  • 露光時間: 300秒 x 32枚 = 2時間40分

いつも通りSharpCapとASI178MCで赤道儀の極軸を合わせて、その後はコンパクトなStickPC上のBack Yard EOSで撮影、その画像をAll Sky Plate Solverで位置特定して、赤道儀の向きとの誤差をCarte du Cielにフィードバックして位置合わせをします。

でもここでトラブル。この状態でプレビューをすると何故か画面が流れています。PHD2で見ていてもターゲット性自身がどんどんずれていく始末。極軸の精度がものすごく悪いのか、赤道儀のトラッキングレートが恒星時以外になっていないか、ケーブルとか変なテンションはかかっていないかなど、いろいろチェックしましたがラチがあきません。諦めて最初からやろうと赤道儀をホームポジションにしようとしたのですが、何故か少しだけ動いてすぐに止まってしまいます。これは先日交換したバッテリーが悪いのかと一瞬疑いましたが、それも大丈夫そう。さらにCarte du Cielで自動導入しようとしても同じ様に少しだけ動いてすぐに止まってしまって、全然目的の天体まで行きません。何かおかしいです。

この時点でやっと、CMOSカメラからのガイドケーブルと、赤道儀のハントコントローラーにPCからつないであるケーブルを引き抜くと、きちんとホームポジションまで動くことが判明しました。どうも機械系のトラブルとかいうよりは、ソフト系のトラブルのようです。そもそもASCOMドライバーにBack Yard EOS、All Sky Plate Solver、Carte du Ciel、PHD2と合計4つのソフトがアクセスしています。一度全部落として、Back Yard EOSは立ち上げてもASCOMに接続させず、All Sky Plate Solver、Carte du CielだけASCOMに接続して位置特定と赤道美の位置合わせ、その後All Sky Plate Solver、Carte du Cielを落としてからPHD2でASCOMにつないでガイドとしたら、無事に動き出しました。やはり全部をASCOMに繋いでしまうと赤道儀の制御の取り合いになってしまう様です。

あ、あと位置合わせで少しトラブルがありました。All Sky Plate Solver、Carte du Cielどうしても位置のズレが出てしまいます。画角の横幅の5分の1くらいでしょうか、今回バラ星雲の中心がどうしてもずれてしまいます。何度やっても同じようになります。こちらは仕方ないので、マニュアルで少し動かして最終位置調整をしました。以前はこんなことはなかった気がしますが、また時間のある時にテストし直してみます。

トラブルで撮影開始個を遅くなってしまいましたが、その後の撮影は順調そのもの。QBPのおかげもあり、自宅でもISO3200で5分まで露光させられます。後は放っておいて寝るだけです。

あさ8時ころに片付けたのですが、赤道儀用のパワータンクは中のバッテリーを交換したこともあり、全く問題なく朝でも稼働していました。その一方、デジカメのバッテリーが朝の5時半頃に切れてしまっていました。でも朝方少し雲が出たようで、実際に使えたのは4時半頃の画像まで。2時間半以上撮影できたので十分な時間です。


画像処理

まずはJPG撮って出し一枚画像です。苦労した魔女の横顔と違い、一枚だけでも十分に見えています。

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今回は期待できそうなので、最初からフラットもダークも撮影しました。フラットはiPadのColor Screenというアプリで白色最大輝度にして、ISO100、露光時間100mm秒で100枚ほど撮っています。周辺減光とセンサーのゴミはほとんど回避できました。当然空から来る緩やかな被りは少し残るので、PixInsightのDBEで大まかに取り除きます。

ダークも温度をできるだけ合わせる様にしました。昼までのダーク撮影で、いつもは冷蔵庫や冷凍庫に入れたりするのですが、あまり冷えなかったり冷えすぎたりするので、今回はクーラーボックスに冷凍した補正剤を入れてカメラとStick PCごと突っ込みました。機材が濡れない様に注意が必要ですが、温度はそこそこ安定していたのでこれはいい方法ではないかと思いました。保冷剤の位置を調整することで温度もある程度調整することができます。Stick PCごと入れる理由は、BackYardEOSを走らせることができて、センサーの温度をファイル名に書き込むことができて、後から温度管理が楽になるからです。温度がばらつくこともあるので、今回5分のダークファイルを100枚以上撮影し、その中で適した温度のものを37枚選びました。

画像処理も順調そのもの。QBPのせいもあり、青色が出にくいのですが、バラ星雲の中心は青色が綺麗です。少し青色を強めに強調していますが、おそらくこれまででは最も満足のいくバラ星雲になったかと思います。魔女の横顔で苦労したときのテクニックも随所に生きています。


綺麗に出た!

結果を見てください。自宅撮影でこれです。バラの細かい構造も結構出ています。私的にはかなり満足です。やはり光害地だとQBPの効果絶大です。

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あえて不満を言うと、QBPのせいか恒星のオレンジ色が出にくいこと。もう少し恒星をうまく際出させることが次の課題でしょうか。

ちなみに、かなり昔に同じ6Dで自宅撮影で撮ったのがこれです。

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2018年の3月なので1年半以上前です。違いはQBPだけのはずなのですが、本当に雲泥の差です。6Dもまだ使い始め、PixInsightも使い始めなので、もちろん慣れや画像処理の腕も違うと思いますが、こうやってみるとなんとか進化していますね。


まとめ

QBPって得意不得意があると思います。Hα領域は自然な色に近くなるので威力が発揮できるのかと思います。反面、青やオレンジは苦手な様で、自然な色に見せるためには画像処理でうまく補填してやる必要がありそうです。

魔女の横顔に引き続き、自宅で色々撮影ができる目処がついてきました。これくらい写るのなら、私的には今のところ満足です。もちろんうまく写るのは限定された天体だとは思いますが、できれば系外銀河まで自宅でうまく撮影できるようになればというのを目標にしたいと思います。


実は魔女の横顔が西の木の枝に隠れてしまった後、薄明まで少し時間があったので春の銀河を短時間ですが撮影しました。時間がそれほどあったわけでもないので、設定は全てそのまま。画角もできるだけたくさんの銀河が入るというだけの超適当です。フラットもダークも魔女さんの時と同じものが使えるので、処理は楽です。

機材、条件など

魔女の時の繰り返しになりそうですが、一応機材関連もフルで情報書いておきます。
  • 富山県富山市自宅, 2019年12月1日4時33分-5時35分
  • FS-60CB + FC/FSマルチフラットナー (口径6cm、合成焦点距離370mm)+ CGEM II赤道儀
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出90秒x36枚 総露出54分
  • f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理

画像処理と撮影結果

画像処理も魔女さんの時とほぼ同じです。同じ様に縦縞が見えるのも変わりません。StarNet++で恒星を除去して強調した画像です。

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フラット補正が周辺で合っていないとか、ゴミの黒いのがたくさんありすぎるとは愛嬌として、縦縞がやはり確認できます。真ん中右がマルカリアンの鎖ですが、一つ一つの銀河の情報が結構範囲にわたって広がっているのもわかります。ノイズを目立たせずに、いかにこの銀河の情報を引き出すかが画像処理の腕の見せ所というわけです。

今回もこの画像からマスク画像を生成しました。これを使うと強調すべきところと目立たせないところの差がはっきりと区別できるので、なかなかいいやり方なのかと思っています。

さて、結果です。

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背景がやはり少し暗いと思いますが、これ以上明るくするとノイズが目立ってしまうので押さえています。上の強調したのに比べると、まだまだ情報を引き出せたとは言い難いですが、1時間を切る露光時間なのでまあこれくらいでしょうか。


ここに文章を入力

はあ、やっと1ヶ月前の画像処理が全て終わりました。なかなか進まなかったこともあり、ブログも書けなくてストレスがたまる一方でした。その間あまり晴れなかったので、大したことはしなかったのですが、実は一昨日久しぶりに晴れてQBPをつかってバラ星雲を撮影しました。明るいQBPとか使える天体はいいですね。撮って出しでも十分見えるので、画像処理も楽そうです。


 

最近仕事の方が忙しく、全然時間が取れなくてブログ更新がかなり停滞してしまっています。年末になってやっと少し時間が取れたので、溜まっていた画像処理を進めます。

今回の記事はもう記憶の彼方で、一ヶ月前のことです。珍しく晴れていたこの週は機材調整とかいろいろやっていたのですが、撮影もしていました。でも画像処理が途中で壁にあたってから全く進まなくなり、今に至ります。撮影条件も既に忘れかけています。やっぱりすぐに書いておかないとダメですね。

この時の撮影の目的はちょっと前の自宅でのバーナードループ撮影で、思ったより魔女の横顔も出ていたので、単体で写したくなったからです。さて、どこまで出てくることやら。


機材

撮影条件はこんなところでした。
  • 富山県富山市自宅, 2019年12月1日0時27分-4時13分
  • FS-60CB + FC/FSマルチフラットナー (口径6cm、合成焦点距離370mm)+ CGEM II赤道儀
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出90秒x58枚 総露出1時間27分
  • f50mm+ASI178MC +PHD2による自動ガイド
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CC + Nik collectionで画像処理

一応ガイドもしましたが、赤道儀がCGEM IIと大きめなのと、FS-60CBで350mmかつ90秒と短い焦点距離と短い露光時間だったので、もしかしたらガイドは必要なかったかもしれません。途中、南天を超えてしまい、反転するのに手間取って1時40分くらいから2時半くらいまで撮影できませんでした。


淡い、かなり淡い

とりあえずJPG撮って出しの一枚画像です。
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はい、魔女さん全く出ていません。いくら自宅撮影といえ、こんなんでうまく出るのでしょうか?

あと、左にたくさん線が見えていますが、多分これSpaceX社のStarlinkです。他の画像も見てみると次々来ています。


画像処理開始

画像処理の時間があまり取れなさそうなのと、一枚画像からあまり見込みがないと思って、最初はバイアスだけ以前撮ったまともなやつで、ダークフファイルは温度も露光時間も違うものを使い回し、フラット補正は無しで処理しました。でも処理してみたら意外に魔女さん出てくるので、もう少しまともに処理してみようと思い、ダークを取り直し、フラットもその時の状況を再現し(回転装置を回していなかったのでなんとかなりました)新たに撮影してきちんと補正することにしました。

画像処理はいつも通りPixInsightです。フラット補正でも処理しきれないところもあったので今回もDBEに頼ります。

今回、少しだけいつもと違う処理を試してみました。nabeさんのブログで紹介されていたように、ArcsinhStretchを再び使ってみることにしました。以前は赤ハロがどうしても出てしまって使うのを諦めたのですが、nabeさんによるとサチっている恒星でハロが出るのは仕様らしいので、今回はサチっていないことを期待してやってみたら、ここは大きな違いが出ました。下はストレッチまでした段階での比較です。ArcsinhStretchを使っていない場合(上)とArcsinhStretchを使った場合(下)になります。

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ArcsinhStretchを使わず、ScreenTransferFunctionと
HistogramTransformation だけで仕上げた場合。 

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ArcsinhStretchでストレッチした場合。

出だしの彩度に雲泥の差があります。当然下のほうがその後の処理もはるかに楽になります。このことは下にもある、StarNet++を使った時の恒星の不自然な繋ぎの解決にもつながりました。


壁にぶち当たる

その後は、最近味をしめてしまったStarNet++で背景と恒星を分離し、最後はPhotoshop CCで仕上げています。ここで2つの壁に当たりました。一つは斜めに走る縞ノイズです。撮影した画像を連続で見てみると、これはすぐに原因がわかりました。SpaceX社のStarlinkです。処理の時に弾いた画像を見せます。

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すごい人口衛星の数です。オリオン座付近なので人工衛星が入るのは仕方ないのですが、この数は流石に閉口してしまいます。今回撮影した全ての枚数に衛星の軌跡が入っていました。一本、二本ならいいのですが、3ー4本同時に固まって次々とくると流石に辛いものがあり、処理でもどうこうなるレベルを超えてきます。

もう一つは、画像全面を覆う縦に走る縞ノイズです。これは最初どこで入ったかわからなかったのですが、いろいろ見ていくとバイアスフレームに全く同じような模様が入っていました。もちろんバイアス補正はしていますし、そもそもバイアスに入っていると言っても、加算したマスターバイアスをものすごく炙り出した状態でやっと見えてくるようなノイズです。うまく補正されていないのかと思い、バイアス補正をなくして処理してみましたがかえって悪化するので、なんらかの補正処理はとりあえずされているようです。ということは、補正した後にも残ってしまった縞があぶり出しの過程で出てきてしまったのかと思われます。あ、もちろん、バイアス補正がダークフレームやフラットフレームも含めてまだうまくできていない可能性も捨て切れません。ここらへんはもう少し検証の余地がありそうです。

この縞ノイズ、これまでほとんど気にしたことがなかったのですが、そもそもなんでこんなことになったかというと、一つの原因がStarNet++で恒星と、その他星雲などをうまく切り分けられて、相当強引な炙り出しが可能になったからです。恒星以外の画像がこちらです。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_org

その他の部分には系外銀河がチラッと写っているのさえもうまくとりだしていることがわかります。これをわかりやすいようにあえて無理やり限界近くまで炙り出してみます。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_shima

この画像を見ていると、全体に縦の線がかなり気になります。ゴミ起因の黒丸は無視してください。撮影中ゴミが移動していたみたいで、全然補正し切れていません。左の方の太い少し斜めに走る線がStarLinkの影響です。全体に覆う縦線が、バイアスにも入っているノイズです。バイアスをあえて強調してみましょう。

20190316_bias_6D_ISO3200_s4000x100

Lightフレームにも同様の縦縞が入ってしまっているがわかると思います。これらの縞ノイズが、画像処理の過程で星雲とか背景の淡い部分を炙り出していくと目立ってきてしまいます。

この縞ノイズは結局センサー自身が持っているもので、昔のデジカメではこれが相当大きかったそうです。今使っているEOS 6Dなどの天体撮影に適したカメラではかなり目立たなくなったとのことなので、普通にあぶり出すレベルでは、あまり問題にならないのでしょう。私もこれまでほとんど気にしたことはありませんでした。

今回は自宅での庭撮りで、フィルターも何も無しのわずか90秒露光というかなり厳しい条件なので、最初の撮って出し画像でも分かる通りものすごく淡い像しか写っていません。StarNet++を使って強度の炙り出しをする様になると、結構この縞ノイズが気になるようになってきました。

何か解決策はないかと思っていたら、PixInsightからのメールでちょうど似た様なテーマを扱っていました。今回はこの手法は用いていませんが、結構大変そうなので余裕のあるときにきちんと検証してみたいと思います。

あと最近ずっと不満だったのが、StarNet++の弊害なのでしょうが、とにかく明るい恒星がうまく背景とつながらなかったことです。どうしても恒星がサチってしまうか、不自然につながってしまいます。でも今回怪我の功名でしょうか、StarNet++が出した恒星以外をもとに、さらにそこからマスク画像を作り、恒星の周りの光芒を強調しすぎないように、マスクを何段階かに分けて処理する手段をある程度確立することができました。

同時に、これまであまり理解できていなかったPhoshopのアルファチャンネルを利用して、複数のマスクを入れ替えながら処理する方法もやっとわかりました。

マスク処理に関してはまだ未熟な点はありますが、以前よりはだいぶんマシになったかと思います。


処理結果、ここまで長かった

さて、そんなこんなで紆余曲折して長い時間かかってしまった結果ですが、以下のようになりました。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_mask_all2a_cut


センサー面のゴミが目立っていたのは手で補正しています。また縦縞ノイズを目立たせない様に、背景を少し暗くしてあります。恒星の一部中心はまだ飛んでいますが、一番懸案だった繋ぎの部分はあまりに不自然なことはなくなりました。


今回のまとめ

いろいろ問題があってえらい時間がかかってしまいましたが、自宅での撮影で1時間半露光でこれだけ魔女さんがでるのなら、まあ満足といっていいかと思います。

実は合計5回画像処理をフルでやって、やっとここまでたどり着きました。結果は画像処理にものすごく依存することがわかりました。最初のなんて今見るとノイジーで、階調不足で、かつ光芒部分が全部サチっていてひどいもんです。

その過程で
  • ArcsinhStretchが改めて有用であることがわかった。
  • StarNet++での恒星の自然なつなぎ方の手法が確立できた。
  • Photoshopのマスクの使い方に慣れた。
  • バイアスノイズが縞ノイズとして入る可能性がある。
など、いくつかのことを学ぶことができました。少し画像処理の上達を実感することができた1ヶ月でした。

あとまだ一つこの日に撮った画像が残っています。でもすでに記事が長くなりすぎたので、次の記事で今度はあっさりと書こうと思います。

 

だんだん恒例になってきました。二年前一年前に引き続き、今年も実家帰省に伴い、いつものように名古屋の名城公園スターバックス横で電視観望をやろうかと思っています。名古屋の都会の中でも、なんと星雲が見えてしまいます。オリオン大星雲はもちろん、馬頭星雲や燃える木、バラ星雲まで挑戦します。


日時

今年実家の名古屋滞在は12月31日と1月1日の夜だけで、どうやら12月31日のほうが天気が良さそうです。皆さん忙しい時間かもしれませんが、よかったら参加してみてください。というわけで、時間と場所は

日時: 2019年12月31日の月が見える夕方くらいから、多分年が明けて2時くらいまで
場所: 名古屋の名城公園のスターバックス横あたり


としたいと思います。


何が見えるの?準備は?

月が21時半頃に地平線に沈むので、月が見たい方は早めに来てください。建物の影に隠れるので月が実際に見えるのは20時過ぎくらいまでかと思います。その後は星雲、星団などです。冬なのでオリオン大星雲が大迫力で綺麗に見えると思います。

かなり寒いので、
できるだけ暖かい格好をしてきてください。

長時間いる場合はスキーウェアとかでもいいくらいかもしれません。使い捨てカイロとかもあったほうがいいです。一応エンドレスですが、PCのバッテリーが切れたらおしまいです。予備バッテリーも持っていくので、多分夜中2時くらいまでは大丈夫かと思っています。

来たい方は自由に参加してください。お腹が空いたら適当に各時で周りのレストランなどで食事を取るとかしてください。でも大晦日で営業しているかどうか不明です。スターバックスは18時までの営業のようです。何か手持ちで持ってきておいたほうがいいかもしれません。私はもしかしたら夕方早いうちに食事をとってしまうかもしれません。


アクセス

詳しい場所はGoogleマップとかで「名城公園 スターバックス 」とか検索すればすぐにわかると思います。アクセスですが、
  • 公共交通機関の場合、地下鉄名城線の名城公園駅2番出口すぐです。大晦日ということもあり、地下鉄も終夜運転するようです。詳しくは名古屋市交通局のページをご覧ください。
  • 市バスもありますが、こちらは終夜運転などはなく、休日ダイヤになるそうです。詳しくは同じく名古屋市交通局のページをご覧ください。
  • 車で来られる方は、休日はスターバックス横の道沿いが公園利用者向けに駐車可能になります。夜はおそらくスペースは空いていると思われますが、いっぱいの場合はすぐ南に有料の駐車場もあります。

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こんな感じに展開します。名古屋城も綺麗に見えるはずです。


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スターバックス横か、奥に見える階段の上辺りに陣取ります。



星雲を見てみたい方、電視観望に興味がある方お待ちしてます

電視観望に興味がある方はもちろん、星雲を見たことがないので見てみたい、月のクレーターを見てみたいという一般の方や天文初心者の方も大歓迎です。夕方から20時くらいまでは月も綺麗に見えると思います。自分の機材で電視観望を試してみたけどよく分からないとかいう人は、機材も持ち込めるならその場でいろいろ聞いてください。時間の許す限り一緒に試してみましょう。

もし誰も来なくても、普通にそこら辺にいる方たちにも見てもらおうと思っているので、完全に自由参加形式です。機材だけがおいてあって、その場にいない場合は食事かトイレに行っていることもあるので少しお待ちください。

Twitterでも状況を中継します。人が来てるかどうかとかの様子もそこでわかるかと思います。万が一、開始が遅れたり中止になる場合もTwitterでお知らせします。情報が欲しい方はフォローしておいてもらえるとありがたいです。

今年は果たしてどうなるのか?天気は?人は集まるの?いろいろ不安ですが、とりあえずやってみます。


星を始めた時にAdvanced VX用に同時に購入したセレストロン製パワータンク 7。もう3年半使っていますが、結構な頻度で使っていてさすがにバッテリーの持ちが悪くなってきました。特に冬になり気温が低くなると顕著です。中身のバッテリーのみはサイズ違いでいくつか持っていて、自動車用のバッテリーケーブルなどで直接繋いでも使えるのですが、パワータンクのガワ(外皮)にライトがついていたりして便利なことも多いので、結局持ちが悪くなってきてもついついパワータンクを使ってしまいます。でもパワータンクごと新品に買い替えるのももったいないので、中身のバッテリーだけ交換することにしました。


注 意
  • 電源関連を触る場合、感電や火災などの原因になる場合があります。この記事は中身のバッテリー交換を推奨する目的ではありません。あくまで自分でやったことのメモに過ぎません。参考にする場合も必ず自己責任で行うようにしてください。
  • また製品を分解した場合には、当然メーカーの保証などは受けられなくなりますので、こちらも自己責任でお願いします。 


まずは分解

まず、中身のバッテリーがどんなものかを確認する意味でも分解してみます。

1. 上の小さいライトのはそのままリングを回転させて外してしまいます。赤いリングも忘れずに外してください。赤いキャップも紐を解いて外します。

2. 裏側の蓋を開けて付属のケーブルが入っていたら取り出します。

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3. 裏側からネジを外していきます。ドライバーのサイズはPH2です。PH2にしては通し穴が小さいので、少し細めのドライバーが必要です。きちんとサイズの合ったドライバーを使わないとすぐネジの頭を舐めてしまうので注意です。ネジは全部で8本外します。裏蓋のケースの奥にもネジがあるので気をつけてください。 

3. 下の大きいライトは電球部分は取り出す必要はありません。そのままの形で、付け根のところのネジを外して、反対側から中のシャフトを引き抜きます。 ここからライト部分を外すのに苦労するかもしれません。真上方向に引き上げるのが正しい外し方ですが、これでさえも結構大変です。あせってプラスチックの付け根部分を折ったり、繋がっているケーブルを切断したりしないようにしてください。蛇足ですが、実はネジとシャフトを外した後に見える六角ナットは金属でできていて、ライト部分から外れるのですが、最初に分解するときは気づかないと思います。ここはあえて外す必要はないので、気づかなくても構いません。

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4. ネジ8本と大きいライト部分をなんとか外せば、パカっと全体が開くはずです。その際スイッチ類がポロっと落ちるかもしれないので注意です。

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5. これでやっとバッテリーにアクセスできるようになります。端子を二つ引き抜くとバッテリーを取り出すことができます。端子は少し固いかもしれませんが、引っ張るだけです。その際2つを同時に触らないように注意してください。通電してしまいます。慣れていない場合はゴム手袋などをして絶縁して作業した方がいいかもしれません。


バッテリー

さて、使われてるバッテリーを確認してみるとその名の通り「X-POWER TANK」というもので12V 7Ahのもの。

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セレストロンもこのバッテリーの名前を踏襲して「パワータンク7」とつけたのかと思います。ですが、流石に7Ahは今となってはやはり少し容量不足かと思います。でもこの便利な「ガワ」を使おうとするなら大幅な容量増加は望めないので仕方ありません。サイズは65mm x 95mm x 150mmくらい。これに適合するバッテリーを探します。

同様の仕様でパッと手に入りそうなのは2機種で共に数千円。
値段はYUASAの方が千円くらい高いです。サイズがLONGの方が少しだけ大きいですが、入っていたケースのスペースを見ると長さと高さは余裕があります。ただ、奥行きはケースいっぱいに入っていたので、この1mmが仇になる可能性があります。

でも結局購入したのは
1mm奥行きが長いのは同じ、容量が9Ahなので2割増しくらいです。これでもYUASAの7Ahのものよりも安いです。一応NP7-12/NPH7-12/PE12V7.2/RE7-12/互換と書いてあるので多分大丈夫でしょう。


さてさて、何日か前に注文していたバッテリーですが、本日佐川急便経由で商品が届いたので、早速交換してみることにします。

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再度組み立て

既存のバッテリーに付いているケーブルを取り外し、新しいものに交換します。バッテリーを交換したあとは、逆順で組み立てるだけです。バッテリーケーブルは挿さっているか、スイッチ類がきちんと取り付けられているか、

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ベルト端がきちんと棒にはまっているか確認します。問題ないようなら本体を再び合わせてネジを止めます。大きいライトは外す時よりははめるときのほうが簡単かと思います。予備ケーブルが長いので、折り返してうまく収納します。

肝心なバッテリーのサイズですが、新しいものが1mmほど奥行き方向に大きい違いは全く問題になりませんでした。蓋を閉めるときは少し苦労しますがこれはサイズ違いのせいでなく、ゴム板を一部使っているところがあってクッションのようになるので、オリジナルのバッテリーでもネジをはめるまでは蓋の全周囲がピタッと閉まることはありません。ある程度うまくハマっていると思ったら、ゆっくりネジを順に閉めていってください。途中どうしても溝が縮まらなかったら何か噛んでいるので、再度外して確認してみてください。

組み立て終わったら、無事に電源が入るか、二つのライトは点灯するかなどを確認して完了です。またこれで長持ちするはずです。


充電テスト

新しく購入したバッテリーはフルで充電されていないので使う前に一度充電しておいた方がいいです。私は急速充電用にラジコン用の1万円程度の充電器を使っています。これだと、どれくらいの容量を充電したのか、充電にかかった時間はどれくらいかなどがわかります。当然ですが、急速充電器と謳っているので、パワータンク付属の充電用のACアダプターよりも早く充電できます。

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手持ちの充電器は5年ほど前のものなのでちょっと古いタイプですが、いまだに汎用的に天文用のバッテリーの充電器として使えています。持っているのは当時としてはそこそこ大容量だった5Aタイプですが、これでも十分です。

アマゾンで「RC 充電器」とかで検索するとズラーっと出てきます。リチウムイオン/ LiPo / Life / LiHV NiCD / NiMH PB用とか書いてあれば使えるはずです。特にパワータンクには「PB」と書いてあるタイプが必要です。鉛蓄電池用という意味ですね。Pbがモードが省略されているモデルがあるので購入時は注意が必要です。また、5A以上の大容量に見えても充電器への電源入力がDCタイプになっているタイプがあります。これは充電器以外に別途大容量DC電源を必要として、価格、複雑さ共に増大してしまいますので気をつけてください。

調べてみるとDC電源が必要なタイプが多いので、ACタイプですぐに使えそうな例を挙げておきます。でも私が実際に使ったわけではないので、本当に使えるかどうかの責任は取れません。あくまで自己責任で試してみてください。
  • 例1 6A ACタイプ:SkyRC imax b6 【正規品】 (B6 AC V2 (ACアダプター内蔵))
  • 例2 6A ACタイプ: ICQUANZX b6 V3 80Wプロフェッショナルデジタル放電器
実はこの手の充電器、いくつか触ってみるとわかるのですが、エンジンの開発元は全て同じみたいで、メーカーごとに多少オプティマイズしているだけのようです。

充電は「Pb」モードで「12V、6セル」タイプに設定します。でも今回新しいバッテリーで初充電してみたところ42分23秒かかってフル充電されて、315mAhしか充電されなかったので、最初からフルに近い状態で充電されていたことがわかりました。ちなみにこんなに時間がかかっているのは、フル充電に近くなると充電時間が延びるからです。空に近い場合はもっと効率よく充電していきますので、空からの充電時間でも2時間以内です。

あと、アマゾンで「鉛 充電器」などで検索しても別系統の充電器がズラーっと出てきます。12Vタイプの鉛蓄電池を充電するだけなら専用のこれらのものでもいいのかもしれませんが、私は使ったことがないのでよくわかりません。大電流タイプもありそうで、充電時間が短縮できる可能性もあります。でも見ている限り、どれくらいの時間でどれくらいの容量を充電したのかあらわに表示はできないように見えます。あとコネクタが直接パワータンクにつながらないので、別途うまく接続できるケーブルや端子を探さなくてはいけないと思います。


まとめ

セレストロン製のパワータンク7の中身のバッテリーを交換しました。ほぼ同じサイズでオリジナルの7Ahのものから9Ahのものにしたので、稼働時間は増えることを期待しています。交換自体は特に難しいこともなく、工作などの経験のある方なら特に問題なく進めることができると思います。実際の厳冬期での試用記はまた機会があるときに書こうと思っています。

くれぐれもご注意いただきたいのは、電源関連は最悪の場合、感電死、爆発、火事などの甚大な被害を及ぼすことがあります。鉛蓄電池は電圧もそれほど高くなく、爆発の危険も少ないですが、それでも十分な注意を払って、もしこの記事を参考にする場合も、あくまで自己責任で進めるようにしてください。



おまけ: YUASAのPORTLACシリーズについて

実は手持ちでYUASAのPOLTALACの12V 5AhのバッテリーPXL12072を2つ持っています。この機種は低温下でも定評があり、3年前の福島のフターライトフィスティバルで一個千円で手に入れました。

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パワータンクが使えなくなったときの予備でいつも車に積んでありますが、実際にはほとんど出番はなかったです。本当は今回これの後継機種でサイズが合うものを探しました。見つかったことは見つかったのですが、眼玉が飛び出るほど高いです。パワータンク7がまるまる買えてかつ十分なお釣りが来るくらいの額です。なので今回は諦めてコストパフォーマンス重視です。ダメになったらまた替えればばいいかと。


2019/12/29 追記: 実際に使用してみて

冬なのに珍しく晴れたので、撮影を兼ねて新しいバッテリーを使用してみました。夜の22時くらいから使い始めたので少し遅めです。寝ている間に朝まで撮影を続けて、8時頃に起きて片付けてもまだ全然バッテリー切れの様子がありません。

朝バッテリーが切れていると何時まで取れたかなあと心配になります。久しぶりにバッテリーが切れることを心配せずに撮影できました。でも、オチとしてはカメラのバッテリーが切れていたので、結局朝何時まで取れていたかチェックする羽目になったのでした。画像を見たら5時過ぎで止まっていましたが、4時半くらいから薄い雲が出ていたので実質そこで打ち切りでした。

その後フル充電してみたら

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4178mAh使ったことがわかりました。充電時間は161分でした。まだまだ余裕っぽいです。冬の寒さでこれならしばらくは安心できそうです。


最近時間がなくて全然ブログ更新できていませんが、ちょくちょく小物は増えています。今回はカメラ関連です。


L字型アルカスイスプレート

今回手に入れたものはEOS 6D本体につけるL型のアルカスイスのクリックリリースプレート。アマゾンで見つけた安いものです。汎用タイプとカメラの機種ごとの専用タイプがありますが、今回は6D専用品にしました。6D Mark II用もあり、今ではそちらの方が種類が多かったりするので間違えないように注意です。

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機種専用プレートの利点は、アクセルが必要なところには適切な穴が開いていて、ケーブルなどの取り付け時にも邪魔にならないことでしょうか。

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なんでL字プレートが必要になったかの理由です。まず、一眼レフカメラを赤道儀に雲台など使わずに直接載せた時、カメラ底面が基準になるので水平はある程度保証されます。ところが、画角によってちょうど90度カメラを回転させたい時にカメラの横面にはプレートを取り付けるねじ穴がないので手がありません。

実際に飛騨コスモス天文台で一晩に複数枚撮影した時にカメラを回転させる手がなくて、泣く泣く自由雲台を追加して無理やり寝かせるような形にして90度視野を回転させました。でも重さバランスが悪くてレンズの重さも相まって何度かずれて傾いていくのを、自由雲台のボールを相当硬く絞めることで何とか回避しました。

そんな時などに、このL字の短い方にアルカスイスの溝が切ってあるので、ここを利用することで正確にかつ簡単に90度傾けることができます。

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大型自由雲台

すでに上の写真に写ってしまっていますが、もう一つ、大型の自由雲台、VelbonのPH-173を手に入れました。こちらも飛騨コスモスでの撮影の時のように、カメラの重量にボールの摩擦が負けて滑ることがあり、安定性の観点からずっと欲しいと思っていました。秋葉原のキタムラで、かなり古いものですが格安で手に入れることができました。

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実は上部を外してアルカスイスクランプを取り付けようとしたのですが、その場合ボールを貫通して通っているネジをはず必要があることがわかりました。かなり頑張って(潤滑剤、衝撃など)そのネジを外そうとしたのですが結局固すぎてどうやっても外すことができませんでした。今回は諦めて普通にアルカスイスクランプを取り付けるだけにしました。

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手持ちの自由雲台よりもかなり頑丈そうです。星景写真などに活躍してくれそうです。


 


 

今週は晴れの日が多く、月が綺麗だったので、VISACのテストの最中に何枚か撮ってみました。ものすごい分解能です。先々週末の画像処理がまだ残っているのですが、こちらはのんびりやるとして、月の方は時事ネタでもあるので早く処理することにしました。


週末のVISACテスト

先々週末にVISACを少しだけ分解して、三角だった星像が戻らなくなり丸くなってしまったのですが、何が原因で丸くなったのかわからなくて困っていました。その検証のためにM57を改めて撮影したのですが、どうしても中心星が出ません。やはりこれは光軸がずれたのかと思って、改めて月を見てみたらかなりピントがずれていました。そのせいで中心星が全く出ていなかったのでしょうか。

その時に何気なく撮影した月があまりに綺麗だったので載せておきます。VISACにASI178MCをつけて20ミリ秒露光、ゲイン50で500枚撮影serフォーマットで動画撮影し、AutoStakkert!3でそのうち250枚をスタックし、Registax6でwavelet処理、さらにPhotoshop CCで調整しました。処理してから驚きました。びっくりするほどシャープです。

2019-12-08-1044_1-Capture_19_44_09_ 19_44_09_lapl5_ap7205_RS
コペルニクスから虹の入江までです。
CMOSカメラの取り付けが甘くて、少し角度がずれしまっています。

もうキレッキレで、こんなの初めてです。どうもこの日は各地で途中からシンチレーションが特別良くなったようで、SNSでは月の投稿が目立っていました。

こんな日はチャンスなので、ピントもきっちりあっているのですが、あいにくのM57はこのころにはとっくに沈んでしまいました。


次の日

次の日も同じように、VISACのテスト。今回は前日の反省を踏まえ、まずは月でピントを合わせます。この時ティコを撮影しておきました。10ミリ秒でゲイン60、前日と同様に同様に500枚撮影し、250枚使っています。

2019-12-09-0954_6-Capture_18_54_38_ 18_54_38_lapl5_ap6312_RS

その後、そのピントのままM57を1時間ほど撮影してみます。それでもやはり中心星が全く出ません。

夕食後、そのままのピンドで改めて月を導入してみてみると、またしてもピントが大きくずれています。どうも温度順応する前に合わせたピントはまるっきり役に立たないようです。

さらにこの段階でもう一枚。アペニン山脈北部から、プラトンなどまで。露光時間は10ミリ秒、ゲインは110、500枚撮影し400枚使いました。

2019-12-09-1222_8-Capture_21_22_53_ 21_22_53_lapl5_ap6798_RS

でもこの日の画像、同じように処理しているのにイマイチ昨晩のようにムハッ !となりません。なぜでしょうか?改めて動画を見てみると、やはりこの日の方があきらかに揺れています。あと、ピントが少し甘いかも。揺れているとピント位置がわかりにくくなるようです。

この日の最初の月は鏡筒を出して30分くらいの温度順応が不十分と思われる状態。前日の月とこの日の2枚目の月は鏡筒を出してから2時間以上は経過しているので、温度順応は十分と思われます。この日の2枚を比べてみると、温度順応にかかわらずボケてしまっています。

この日のピントは温度順応前に合わせたものも、温度順応後に合わせたものもそこそこで、温度順応の時間とともにピント位置がずれていくと考えられます。実際にこの間に1時間ほど撮影したM57を見てみると、温度順のしていない最初の画像に合わせたものが、時間が経つごとにピントがずれていくのが後の方の画像で確認できました。


VISACについて、この日わかったこと

M57で二日とも中心星さえも出なかったくらいなので、VISACによほど何か悪いことが起きているのではないかと思ったのですが、前日の月がこれくらい分解能よく出ていることを考えると、そこまで光軸調整が悪いとも思えません。M57は月の明るい中、かなり低空、しかも温度順応していない状態での撮影だったので、条件としては悪いです。このせいで中心星まで出なかった可能性も否めません。今シーズンはもう低い空でしか撮影できないので、M57を使ってのVISACの検証は来シーズンまで諦めることにします。トラペジウムに関しては少なくともC8程度には分解していそうなので、こちらで検証を進めて撮影に進みたいと思います。

もう一つ、シンチレーションが撮影結果に直結するのを改めて実感することができました。動画が残っているので、月に関してはどんな状態に見えればシンチレーションがいいかの判断がつきそうです。出来上がった月の画像の違いは妻でさえもわかったみたいで、前日のシャープな方を見てからこの日のボケているのを見て「あー、違う!」と叫んでいました。シンチレーションが良くてここまでシャープに写ると相当楽しいです。


(先週の)土曜の昼間、少し時間を取ることができたので、ずっと放っておいたVISACの調整をしてみることにしました。

まず前提条件です。以前8月の暑い時にVISACで撮影した星像です。あからさまに三角になっています。

Capture_00_19_48_00_19_48_lapl5_ap3050_DBE_cut

ブログの記事にはしていませんが、この後にも再度星像が三角になる事を試しているので、再現性もありです。これを直したいということです。

いろいろ調べてみると、どうも
  • 主鏡の固定ネジを締めすぎているために、主鏡が歪んでしまっているのが原因
という説と
という意見が主流のようです。


VISACの分解開始と清掃

まずは中を見てみようと、筒側部分にあるネジを3本外します。さらにアリガタを取り付けているネジ2本の計5本を外すと、主鏡部分が筒から簡単に外れます。

寒いところから暖かい部屋の中に持ってきたので、反射面が少し曇っていたためにあからさまに気づいたのですが、恐ろしく汚いです。

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最初曇っていることにさえ気づいていなかったので、なんじゃこりゃと思ったのですが、しばらく時間が経つと曇りが消え、一見綺麗に見えるようになりましたが、流石にレンズクリーナーで清掃しました。

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かなり綺麗になったのですが、それでもやっぱり完全には汚れを取りきれません。とりあえず今回ここは妥協します。


3つの爪をいじる

爪が3つ見えるのですが、これはどうやら固定に使っているというよりは落下防止のようです。歪みを引き起こしいてるネジは別にあるという話ですが、今回はそこまで達していません。慎重を期すために、まずはこの3つの爪だけを考えます。

と、ここで気づいたのですが、どうやら他のVC200Lには主鏡押さえ用のリングが入っているようです。私の個体にはありませんでした。古いモデルなので最初からついていなかったのか、それとも以前のオーナーがとってしまったのか定かではありません。でも現行モデルにはついているということはやはりあった方がいいのでしょう。時間がある時に自作することにします。とりあえず今回はリングのことは今度の課題として残しておきます。

爪自身が歪みを作っている可能性も否定できないので、まずはどれくらい主鏡を押さえつけているか調べてみました。ところが、ネジがゆるゆるでほとんど締まっていません。本当に万が一の落下を防止するような感じです。もう一つの可能性が、爪の形自身が光を遮って三角に見せている可能性があるかもということです。なので今回2つのことを試してみました。
  • 一つは爪をひとつ外してみます。これは光を遮っているならば3角の形が変わるだろうと推測したからです。
  • もう一つは、残り2つの爪のネジをかなりきつく締めてみることです。これで主鏡が歪むなら星像が変わるはずです。
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外した爪です。L時型でゴムでできています。
ネジが当たるところに金属の板を被せてあります。

ところが2つのことを一度にやったのはやりすぎでした。夜になって見てみた星像の結果が下の写真になります。

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これを見ると点像から全くずれてしまったことがわかります。


すぐに元に戻すが三角にならない

流石に焦ってしまい、すぐに再現性を見るために爪のネジの締め具合を元のゆるゆるに戻し、外していた爪も元に戻しました。光軸が少しずれた可能性もあり、実際内外像を見てもずれているのがわかったので、星像を見ながら主鏡側の押し引きネジを調整し光軸を合わせます。なんとか元に戻ったように見えます。

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ところがここでもう一つの失敗に気づきました。以前撮影した三角の星像は確認していたので、今回は星像を見る前に昼間に分解をしてしまったのです。光軸を合わせても、星像が丸になってしまうのです。温度が高い方が主鏡が膨張するので、夏の方が三角になりやすいという記述を思い出しました。

ここで3つの可能性が出ました。
  1. 冬なので温度が低く、主鏡の歪みが少なくなり星像が丸くなった。
  2. 光軸調整を失敗して点像が出なくなり、星像が肥大化してしまい三角が出なくなった。
  3. この日はシンチレーションがすごく悪かったので、そもそも短時間でもブレてしまって星像が丸くなってしまう。
というものです。以前撮影したM57の星像が残っているので、今の状態で撮影したものと比較すればわかるのですが、冬のこの時間ではM57はとっくに沈んでしまっています。この時期でもまだ早い時間だとM57は見えるので、できれば来年になる前に、晴れてシンチレーションがいい時に一度試したいと思います。


もう一つの可能性

ここでもう一つ、もしかしたらということに気づきました。まだ全然仮定の段階ですが、もしかしたら星像が三角になるのは振動のせいかもしれないということです。飛騨コスモスの時も高度の低いM57を見たときは星像は丸で、天頂付近のM1を見た時には三角になったのです。夏にM57で星像が三角になったときは暑い上に天頂付近での撮影。今回トラベジウムを見ているときは寒い上にまだ低空です。しかも赤道儀を叩いても鏡筒を叩いても、コスモス天文台の時ほどではないですが、星像が揺れます。でも結局三角の星像を再現することができなかったので結論は出ず。やはりまずはM57で星像が肥大化していないか一度比較してみることにします。

でもなんでこんなことを思ったかというと、分解した際に主教の反射面をかなり注意深く見たのですが、少なくとも私の目には歪みのようなものが全く見えなかったのです。主鏡歪み説が本当かどうかは、今のところなんの証拠もありません。出来るだけ他の情報に惑わされずに、自分で納得しながらもう少し客観的に検証を進めていこうと思います。

あともうひとつ、振動説の可能性をなんで思ったかというと、筒がペラペラすぎるからです。主鏡を取り外す時やはめる時に力を入れると簡単に曲がってしまいそうなほどペラペラです。軽いのはいいのですがもう少し強度があってもいいと思いました。なので、取り外しの回数をどうしても減らしたくて、2つのことを一度にやってしまったのが今回の敗因の一つでした。取り外しは何度か試して多少慣れたので、次回はもう少し分解回数を増やして慎重に事を進めたいと思います。


トラペジウムで試写

こんなどうしようもない状況ですが、一応トラペジウムで試写をしてみました。
  1. 露光時間: 0.1秒、gain: 570(max)、撮影枚数500枚
  2. 露光時間: 1秒、gain: 370(maxの10分の1)、撮影枚数50枚
  3. 露光時間: 10秒、gain: 170(maxの100分の1)、撮影枚数50枚
でもこの日は結局シンチレーションが悪すぎました。下のGIFアニメは0.1秒露光の動画の最初の100コマです。トラペジウムの間の距離の半分くらいはシンチレーションで動いてしまっています。
2019-11-30-1325_7-Capture_F001-051_a
0.1秒露光の星像の動き。

でもこの0.1秒露光をAutoStakart!3で500枚中の上位250枚コンポジットした場合、それほど壊滅的にはならなくて下のようにそこそこ綺麗になってしまいます。
10s
0.1秒露光を250枚コンポジットした画像。

さらに10秒露光で50枚中上位25枚コンポジットしたものが、下のようになります。シンチレーションのせいと思いますが星像の肥大が見えます。
10s_cut
10秒露光を25枚コンポジットした画像。


グダグダだけど、一応まとめ

上記結果と、以前星像がどこまで小さくなるか検討した時の議論



および、今年の3月にMEADEの25cmシュミカセでトラペジウムの分解能を測定した記事の結果を合わせると、



やはり今回は短時間露光と長時間露光で星像の肥大が認められるので、シンチレーションが悪かったと結論づけることができると思います。そのため分解能を議論するほどの結果は得られなかったと言えると思います。

もう一つ、今更ながらVC200Lの三角星像の海外記事を読み直していました。この記事の結論としては、
  • きちんと温度順応をしてから
  • スパイダーを避けるマスクを作ってから
  • 光軸調整をきちんとやってみると
三角星像は改善したという事です。今回確かに、VC200Lを外に出してかなり放っておいてから光軸調整をしたので三角が無くなった可能性も否定できません。もし本当にこれが正しいならばもうこれ以上することはなくなります

いろんな可能性がありすぎてまだ迷走状態ですが、少なくとも
  • 現在の星像は丸である
  • 周辺まで含めてコマ収差などの星像の歪みは見られない
  • 光軸がまだずれていて星像が甘い可能性もあるが、MEADEの中心像くらいの分解能は出ている
ということは言えます。MEADEはコマ収差と片ボケがあったので撮影使うには厳しかったのですが、これに比べたらVISACはすでにかなりマシで、とりあえずもう使い始めてもいいのかもしれません。


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