ほしぞloveログ

天体観測始めました。

先日、名古屋に帰省したときに生えてきたFC-76を、自宅に帰ってから実際に試してみました。

FC-76はフローライトレンズを使った口径76mm、焦点距離600mmのアポクロマート鏡筒です。往年のタカハシの作り込み感が半端なく、質実剛健、細部ものすごく丁寧、高級感に溢れていて、持っているだけでも満足感が満たされます。レンズキャップが鋳造物で、重いので下を向けると落ちてしまうと購入時に注意を受けました。キャップだけみても今では考えられないこだわりです。元々はファインダーもあったようですが、今回はファインダーはついていませんでした。でもどうせCMOSカメラで電子ファインダーにしてしまうので特に問題ありません。問題は対物レンズ。結構な白濁です。その分本当に、その場で決断できるくらい格安でした。

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レンズの白濁について

いろいろ調べてみると、この白濁現象は1987年くらいまでの初期のFCシリーズに使われたレンズの反射防止膜がモノコートだった時代のものに、時間が経つとどうしても起きてしまうようで、避けようがないとのこと。1987年より後の後期型のマルチコートになったものはこのような白濁現象は起きないとのことです。

白濁が起きる場所は、弱いと言われている2枚目のフローライトではなく、最初の一枚目の対物レンズの背面(接眼側)だそうです。確かによく見てみると、表面は綺麗。中のどこかが汚くて、ちょうどその表面に見えるレンズの裏面くらいの位置に見えます。

結構ひどいので、この白濁をなんとかできないか調べてみました。まずタカハシはもう清掃や再コーティングなどは受け付けていないようです。(2019年5月11日追記: スターベース東京で確認したところ、現在でも清掃、調整を受け付けているとのことです。)他のメンテナンス会社でも、いくつか清掃をしてくれるところが見つかりました。自分で分解して、レンズ研磨のようなことをして強者もいるみたいです。一眼レフカメラの昔のレンズの白濁除去で探すと、アルカリ溶液でコーティングを除去してしまう例も見つかりました。

おそらく今回のものはコーティングの劣化なので、コーティングを除去してしまえば白濁は無くなるだろうと予測しています。その代わり反射防止の効果がなくなるので、一般的には4%ほどの反射が出てしまいます。ARコートは普通1.数%の反射率に抑えてくれるので、3倍くらいの反射光が出ることになります。大したことないかもしれませんが、多重反射でゴーストにもつながるので注意が必要です。

あと、自分で分解してクリーニングする場合には、光軸調整をきちんとして元に戻さないとダメなようです。私は屈折の光軸調整はごくわずかしかなく、全然自信がないのが正直なところです。これを機会に屈折の光軸調整に挑戦してもいいのかとも思いますが、タカハシなのでやはり躊躇してしまう気持ちもあります。まあとりあえずこの白濁が実際にどれくらい影響するかよくわからないので、まずは一度覗いてみることにしました。


FC-76の実際の見え味

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接眼側から対物側を覗いても、白濁がはっきり分かるので心配でした。とりあえず手持ちのタカハシの鏡筒バンドでサイズが合うものに取り付けて、アリガタを噛ませて赤道儀に載せました。アイピース口も元々25.4mm用ですが、手持ちのVixenの31.7mm交換アダプターで現行のアイピースが使えるようにします。アイピースはとりあえずそこらへんにあった、Vixenのポルタに付属の格安のものです。

昼間の景色を見てみます。白濁のひどさからあまり期待していなかったのですが、覗いた瞬間、その見え味にうっとりしてしまいました。もちろん白濁の影響はあるのでしょうが、アイピースで見ている限り全く気になりません。多分コントラストは落ちているのでしょう。確かに少し眠い気もします。それでも収差の少なさ、カリッカリの分解能の良さ、これで2諭吉さんちょっとなら十分すぎるくらいの性能です。FS-60Qでもそうですが、やっぱりフローライトっていいんですかね。分解清掃はもっと白濁が耐えられなくなるくらい進むまでしないことにしました。電視観望用にと考えていましたが、この分解能だともったいないくらいです。新型フラットナーを持っているので、うまくいくと撮影にも使えそうです。

試しにFC-76にASI294MC Proをつけて直焦点で撮影してみました。.serファイルで動画で撮影した一枚をjpegにまで落として、上下ひっくり返したものです。画像処理は何もしてません。拡大してみるとわかりますが、遠くのBSアンテナの4つのビスまできちんと写しこんでいます。ぱっと計算すると、ビスの直径が13秒角くらい、ビスの円を描いている黒線が3秒角くらいで、これだけみるともう少し出てそうです。3秒角でもすでにエアリーディスク径の2倍くらいなので、まあ相当なもんです。

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実は同じ構図でMEADEの25cmと比較していたのですが、分解能は口径と焦点距離の分FC-76が不利なはずなのに、口径差3倍以上でもFC-76も決して負けていません。焦点距離を合わせたら口径の差は消えてしまいそうなくらいです。それよりも考えさせらたのは画像の安定度で、軽いこともあるでしょうし、光軸調整が流石にタカハシレベルなのもあるのでしょうか、むしろFC-76の方がブレないです。この件もう少しまとまったらまたレポートします。

というわけでかなり使えそうなので、まずは鏡筒バンドとアリガタプレートなど、実戦配備に耐えうるように少し予算を割くことにしました。


GW特集の記事、もしかしたらもう一本書くかもしれませんが、こちらはちょっと時間がかかるかもしれません。

昨晩の観望会から明け方に帰宅してしばらく睡眠をとり、朝9時頃にあぷらなーとさんからの電話で目が覚めました。13時頃にスコーピオで待ち合わせです。それまで少し時間があったので、5月19日で閉店になるという名古屋のスターベースに行ってきました。

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実は2016年のGWに星を始めるときに、一番最初に立ち寄った店がここです。でもその時は値段を聞いてびっくりで流石に手が出ることはありませんでした。その後も何度か立ち寄ったことはありますが、たいしたものを購入したことはありませんでした。それでも店長さんも私のことを多少覚えていてくれていたようで、今回も小一時間くらいでしょうか、お話ししてきました。店長さんが引退するのは少し前から決めていたそうで、後継者を探したけれどなかなか見つからなかっとのこです。望遠鏡のことを知らない一般の人からの応募もあったが流石に好きでないと厳しいとか、知り合いの方にも声をかけたがタカハシの顧客は比較的裕福な方が多いので逆に難しそうとか、それほど簡単な話ではないようです。2000年に現在の場所に移転してから19年間で万引きとかもわずか数回で、天文ファンには変な人はたくさんいるけど悪い人はあまりいないと言うのがある意味実証されたような裏話を聞くこともできました。

昨日の観望会で店頭にはもうほとんど何も残っていなかったとか聞いていたのですが、意外に掘り出し物もまだ残っていました。店長さんによると、閉店ということでこの機会に引き取ってもらいたい人も多く、回転がいつもよりずっと早いとのことです。閉店まで残り10日くらいですが、ちょくちょく覗くと新しい掘り出し物も見つかるかもしれません。ショップにすぐ行くことができるような状況は大都市ならではで、羨ましい限りです。

秋葉原のスターベース には電車で行くのですが、名古屋のスターベース は車で行くからダメですね。私も気づいたら、なぜか一本生えていました。あぷらなーとさんが「遠征生え」なら、私の場合は実家に帰ってなので「帰省生え」とでもいうのでしょうか。


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車の中で一本生えてきたことに気づいたとき。

生えてきたのは灰色の旧旧色時代のFC-76です。値段が値段だったので完全に気絶買いです。レンズに曇りがあるので、ジャンク扱いで部品取り用とか書いてありました。確かに撮影には厳しいかもしれませんが、それでも電視観望なら十分に使えそうです。今の手持ちの新フラットナーもリングだけ76用のを買えば使えそうです。後日レポートを書きます。

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白濁は結構ひどい。その分格安でした。

あと、その場にあった製版用のCarl Zeissの300mm F5のレンズもかなり欲しかったのですが、こちらはなんとか思いとどまりました。以前「星を求めて」で隣の人に見せてもらった製版用レンズを使った収差ほぼ無しの手作り鏡筒を再現したかったのですが、すでに鏡筒を買ってしまった後だったので予算も少なく、泣く泣くあきらめました。

その後、SCOPIOに移ってあぷらなーとさんと店の前で開店時間に待ち合わせ。2日前に旅行からの帰りで立ち寄った時に雑誌だけ購入したのですが、今日は改めて気合を入れて訪れてます。

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K店長にSkyWatcherから新しく出た太陽観測用の自動導入経緯台を見せてもらいました。GPSが付いていてそこそこ北に向けてボタンを押すとものの数分で勝手に太陽にまで鏡筒を向けてくれます。

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最初に適当に北向きに置いた様子。

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数分後にはこのように自動で太陽を追っています。
影を見ると太陽方向に向いているのがわかりますね。
(追記: すみません、現場では影を見てたのですが、写真に写ってませんでした。)

そもそも太陽は普通のファインダーも使えないので、初期アラインメントが結構手間なのです。時代はここまできたんだなあという感じです。K店長が「覗くともう太陽が入っている」と言うので、あとはカーソルで微調整するだけです。見せてもらったPSTはかなり見える個体らしく、明るくて赤く見えるところが一部オレンジに光輝いていました。プロミネンスもよく見えます。自分が持っているPSTより明るいのかと思います。まあ私のはジャンクもので眼視はほとんどしないし、魔改造で原型をとどめていないので、比べること自体間違っているのかと思います。

そうこうしていると、なんと昨晩のやくもふさんがお店に来ました。特に待ち合わせていたわけではなく偶然です。今晩もどこかに遠征に行くみたいです。私とあぷらなーとさんは、新しくできた奥の展示場に移動。

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あぷらなーとさん物色中。

流石に中野の展示場には負けますが、それでもこれだけ出してあると実物を見て購入できるので非常に便利です。あぷらなーとさんはKenkoのフォーカサーを触りながら「思ったよりいいなあ」とかブツブツ。

ここでは太陽経緯台の固定バージョンも置いてありました。固定バージョンは鏡筒を変えることができないとかいうことでしたが、実際には六角のイモネジが付いているだけなので、特に心配することはなさそうです。

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途中やくもふさんも展示場の方に来てまた3人でいろいろ議論が始まりました。展示場にいたのは20分くらいでしょうか。

店舗に戻ると早速あぷらなーとさんが、さっきのKenkoのアクロマート120mmを「一本ください」と。ショップに行くとなぜかニョキニョキ生えてきてしまう不思議な現象で、今回は「遠征生え」というものに分類されるそうです(笑)。実は鏡筒の方は長年悩んで決めたとのことですが、ところがこれだけにとどまらず、その場にあったフリーストップ経緯台の初代のPHOTONを見つけて即買いです。バックラッシュが大きいと店長が説明していましたが、あぷらなーとさんのブログを見ると早速解決。

捨てる神あれば拾う神あり★先日のブログで『邪悪さ』を自慢したら・・・お気軽観望専用の邪悪兵器を組んで自慢したところまで...2019年 05月 03日

さらに鏡筒の方も早速ナロー撮影で成果を出しているようで、相変わらずものすごい実行力です。
『遠征生え』した12cmアクロマー...★インスタ映えならぬ『遠征生え』天体観測のため機材満載で遠征した際、現地から帰ってくると出発前...2019年 05月 05日

私の方はというと、笠井から新発売のCS -BINOを買ってしまいました。星座ビノとしては8個目です。どうやらやはりStellaScanの色違いみたいです。また単眼でも独立して販売していることからも、頑張って外すと2つの単眼としても使えるそうですが、私はまだ怖くて試していません。

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そんなこんなで買い物も終わりましたが、本当はあぷらなーとさんを富山に誘っていました。でもこの日は香川の夜が晴れるらしく、手に入れた機材を自宅で試したいとのことで、残念ながら香川に帰ることになりました。名残惜しくお店の前でお別れでしたが、いつか富山まで来てください。大歓迎します。後日談ですが、結局その晩は天気が悪かったとのことで、富山に行けばよかったーと後からメールが来ました。でも香川-富山間はさらに遠くなってしまい、GW中は渋滞もすごかったみたいでなので、あまり無理をしなくてよかったのかもしれません。

GWの天文記事、もう少しだけ続きます。
 

この日の夜は岐阜県揖斐高原近くの藤橋城というところで愛知の高校生の智志君が呼びかけて実現した観望会です。天気も夜半頃からですが、良くなると言う予報です。

実は午前中にあぷらなーとさんからメールが。なんと「今日の観望会参加できるかも」とのことです。去年の夏に香川でお会いして以来で、現地では子供ともどもすごくお世話になりました。是非とも安全運転でと返事を返し、その後「京都で渋滞で遅れそう」とか、「やっと抜けでた」とか何度かメールが。

一方私は夕方から、名古屋の街を満喫している子供たちを拾って、今日の観望会の目的地の揖斐郡の藤橋城に向かいました。高速だと微妙に行きにくい場所で、今回は下道を使いました。結構道も混んでいて自宅の北区2時間半近くかかりました。

今回の観望会は高校生の智志君がTwitterで呼びかけてくれたものです。智志君は自分で光学設計をするようなスーパー高校生で、Twitterで何度かやり取りをしています。到着すると智志君はわかりにくいところに立って道案内してくれていました。智志君は毎回お父さんに載せてきてもらっているとのことです。お父様ご苦労様ですと挨拶したかったのですが、調子が悪く車で寝ているとのこと。しかもこの日は午前1時までと時間制限もついているみたいです (結局天気の回復が遅れて3時半頃までになってしまったのですが)。

到着して少し話してやっと藤橋城のことがわかりました。以前あったふるさと創生事業で旧藤橋村が作ったプラネタリウムのことです。なので地元近くのお城と聞いてもピンとこなかったわけです。場所的には名古屋市内から車で2時間くらいの距離でそこそこ暗い空になり、トイレもあるので観望や撮影には便利そうです。プラネタリウムがあることもあり、天文マニアには来やすい場所なのかもしれません。南側はさすがに名古屋の光害が多少ありますが、北側は十分に暗いと思います。

現地には智志君だけでなく、すでにひいひさんも到着していました。機材を見せてもらうと、智志君がSCOPTEHCの80mmをAZ-GTiに載せたのと、PentaxのK-5で追尾です。ひいひさんはこの日はビノテクノの双眼。ひいひさんとは京都の星を求めてで会っていたはずで、Solar Max3の60mmダブルフタックのBF15mm版を個人輸入したらしく、以前Twitterで太陽撮影のニュートンリングが出てしまった時にやりとりしました。

しばらくすると香川ナンバーのあぷらなーとさんが到着。今回はこの日のために組んだと言う観望用の双眼BORGと、クローズアップレンズとBORG純正とミルトンを3本の比較セット。3本比較セットは面白かったです。天気がまだ良くなかったので公衆電話を見比べたのですが、一番安価なクローズアップレンズが圧倒的です。流石に周辺は歪みますが、中心の分解能は値段からは考えられないくらいです。BORGはクローズアッピプレンズにはおとりましたが、それでも解像度はさすがBORGといったところでしょうか。ミルトンはナローで撮影するとすごいとのことです。じつはこの日アプロナートさんが双眼装置を落下させてしまいました。落下対策を考えていて試していたのですが、たまたまこの日は実装していなかったとのこと。光軸がずれてしまって復活は厳しいとのこと。双眼はアイピースもつくので重くなり、赤道儀の自動導入の遠心力で抜けてしまうことがあるそうです。今回はアイピースがまだ安価なものだったのでそれだけでも助かったとか。私は双眼はほとんど未経験ですが、双眼装置そのものと、アイピースが2つセットで必要なので、なかなかのコストとのことです。いつかの日のための教訓としたいと思います。

さらにその後しばらくして、正月の名城公園観望会でご一緒したやくもふさんと、会社の同僚でつい最近沼に引き込まれたばかりのHさんが到着。やくもふさんは閉店の決まったスターベースで特価で買ったタカハシの100mmのファーストライトでした。HさんはSkyWatcherの130mmのニュートン反射でした。これからどんどんハマっていきそうな雰囲気で、楽しみです。

元々の予報では23時頃から晴れ始めるはずでしたが、ほんの少し星が見えたり、また曇ったりで、なかなか晴れてくれません。仕方ないので、機材談義とお菓子パーティー。机の上には大量のお菓子が並んでいました。

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電視観望用の机にはお菓子がいっぱい。
でもこれかなり食べ尽くした後です。

機材談義はものすごく盛り上がります。私も太陽魔改造機を見せたり、ネタで持っていったスーパーチビテレを見せたりと、大盛り上がり。AZ-GTiのマウント方法はみんなで見比べていました。私はアルカスイスクランプを改造したもの。智志君はVixenの三脚に取り付けられるよう改造していました。ひいひさんもやくもふさんも経験豊かで、話題がつきません。あぷらなーとさんは相変わらす鋭い意見をズバズバ。意外だったのは智志君がものすごく喋ること。光学設計だけでなくいろいろやっているみたいで、数字に強く、多分一番喋っていたのではないかと思います。高校生で機材に制限が出てしまうのは今のうちだけなので、そのまま続けていけばどんどんいい機材をもてるはずです。大学は天文系に進みたいようなことを話していたのですが多分光学設計とかを実践でやっていると数学、物理の知識も自ずとついてくるのかと思います。

結局1時すぎくらいからでしょうか、ちょこちょこ晴れ間が見えてきました。最初の頃は北側と天頂が少し。M51子持ち銀河とかM3とかの球状星団が少し、のちの2時頃くらいからは一瞬全天に近い範囲で晴れ、その後南だけになりました。木星も綺麗に見えてきて、途中からC11まで出てきました。今回は星座ビノもWideBino28とcokin, Nikonといくつか持っていきました。多分ひいひさんでしょうか、StellaScanも持ってきていて、4機種での見比べができました。Nikonの見え味にはさすがに感心されてたようですが、やはりここでもcokinが人気のようでした。cokinは端が多少歪みますが、星を見ている限りはそれほど気になりません。それよりも接眼側の口径が大きいのが快適なようです。

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最初に一部晴れ出した頃は同じような対象をみんなで入れるので、機材間での見比べです。私もいつものFS-60CBとASI294MC ProをAZ-GTiに載せた電視観望セットでいくつか導入しました。いつものM51子持ち銀河に始まり、猟犬座の球状星団M3。
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東から天頂にかけてが少しだけ晴れたので、今年初のM57。
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亜鈴状星雲M27もかろうじて見えました。
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南側が晴れてきたのでアンタレスとM4です。
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天の川中心部でM20三烈星雲とM8干潟星雲です。

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Sukeが途中起きてきて南天を愛機(結局Sukeのものになってしまいました)のEOS Kiss X5でいくつか撮影していました。智志君が少しアドバイスしてくれていたようです。JPEG画像でしたが、一枚少しだけ画像処理してみました。 

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3時過ぎでしょうか、再び曇ってきてこの日は解散です。智志君はお父さんが待ちかねていたようで早々と退散。最後まで残っていたのはあぷらなーとさんとやくもふさんとHさんと私とSuke。片付けながらちょっと話し込んでいました。あ、そういえばNatsuは途中から最後までよく寝ていました。少し小雨もぱらついていて、あぷらなーとさんとショップで合流の約束をして帰路につきました。あぷらなーとさんはここで仮眠をとるそうです。私も途中あまりに眠くて20分くらい仮眠をとって無事に実家に到着、そのまま寝てしまって朝9時にあぷらなーとさんから電話がかかってくるまでぐっすりでした。さて、この日はショップ巡り、まだ続きます

GW真っ只中、この日は星関連で大忙しです。もともと前日から高校生のS君が計画した観望会に参加する予定が、天気が悪くてこの日の夜からに変更。同じく1日午後に、名古屋でちょっと前に太陽を始めたkymさんと、正月に観望会をした名城公園で太陽観望を計画していたのですが、これも雨天で中止。でもせっかくなのでお話だけでもと、名城公園スターバックスで会うことにしました。

レジで抹茶クリームフラペチーノのVentiサイズを注文していたら、携帯が鳴りました。外で電話をかけている方がいたので、すぐにわかりました。でも実はトイレでその前にすれ違っていて、もしかしたらこの人かなあと密かに思っていました。

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スターバックスにPST(しかも鏡筒なし)。なかなかシュールです。


kymさんは元々天文少年だったとのことですが、長い間天文からは遠ざかっていて、定年を機にまた天文熱がよみがってきたとのことでです。ただ、夜になかなか観測することができないので、昼間でもできる太陽に興味が出てきて、ちょうどその頃このブログでも太陽を始めた記事を書き始めていて、それを読んでPSTの購入を決めたということです。いつも参考にしてくれているということで、嬉しい限りです。最初はPSTの眼視だけだったのですがそれだけだと飽きてしまって、昨年秋くらいから撮影を始めてどんどん面白くなってきたそうです。Twitterにアップすると撮影の腕も上がるとアドバイスを受け、太陽画像をちょこちょこ公開されていて、それを何かのきっかけで私が見つけてコンタクトを取ったのが今回の始まりです。昔の投稿を見ていくと、時とともにどんどん画像が綺麗によくなっていくのがわかります。最近では多分PSTでは限界近いくらいの腕になっているのではないかと思います。次はモノクロのカメラが...とか、PSTの次はどうするか...とか、やはり沼には底がないようです。

実際に会って話していた時に「なんで私に連絡を」とかおっしゃられていたのですが、ただえさえ数少ない太陽好きで、しかもPSTを使って撮影までしている人はそれほど多くはありません。もうこれは十分な太陽仲間です。しかもどんどん腕が上がっているということで、一度お話ししたかったわけです。PSTで普通のCMOSカメラで撮影しようとしても、通常はピントが合いません。私はアイピース口の長さを短くしましたが、kymさんはアイピース径と同じQHYシリーズを使って押し込んでいるのと、ASIシリーズではロープロファイルのアダプターを使って押しこむことでピントを合わせているそうです。前者のアイデアは知っていましたが、後者のアダプターの長さを短くすればピントが出ると言うのは知りませんでした。これだと撮影もだいぶん気軽になります。

テーブルではPSTを分解して中の構造とか見せたのですが、流石に改造まではということでした。とにかく太陽機器は値が張るので、至極まっとうな意見です。それでもやはり今のPSTの解像度の限界も感じているようで、60mmくらいはいつかと言っていました。もう少し太陽観測機器が安価になればもっと人口も増えるかと思いますが、エタロン部だけは精度が段違いなのでなかなか難しいのかもしれません。この日は小雨でお話だけでした。できれば一緒に太陽を見たかったです。太陽電視観望でも十分楽しめることを見て欲しかったです。

2時間ほど話して、一旦自宅に帰り昼寝。夜の観望会に備えます。
後半に続く


 

4月30日で星をはじめてはや丸3年が経ったことになります。本当に早いものです。

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3年経った現在の玄関の様子。自宅常備用です。
奥に太陽用の10cm屈折が見えています。

思えば2016年のGWにふらっと立ち寄ったスコーピオで購入したニュートン反射と赤道儀がきっかけでした。あの時ちょっと無理をして赤道儀にしておいて本当に良かったです。その後の趣味としての広がり方が全然違いました。昨日スコーピオのK店長とも話したのですが、あの時節約して経緯台にしておいたら、多分スタート時の進展具合が全く違ったものになっていたと思います。そういえば、2016年当時、本当に一番最初に寄った名古屋のスターベースも今月で閉店とのこと。3年間の間にスターショップ(旧誠報社)が程なく閉店。三基光学もシュミットも秋葉原から移転。そしてとうとう名古屋スターベースもです。まだまだこれからも移り変わっていくのでしょうか。ケーズデンキで天文機器を扱うことになったのも大きなことでしょう。

最初の一年間は全てが新しく、ものすごい密度でした。久しぶりに時間の進み方が遅くなった気がしました。電視観望に出会ったのも最初のころ、惑星や星雲の撮影も始めたり、星まつりにも参加したりと、家族を巻き込んでものすごく楽しい1年間でした。たくさんの星仲間もできました。この歳で新しい友人が増えることはあまりないのですが、これは嬉しい誤算でした。

2年目の一年間は、慣れのせいか最初の一年よりずっと時間が速く経った気がします。星は季節を感じることができるので、2年目になると繰り返しの感覚が出てきました。天の川も2年目、惑星も2年目、星まつりも2年目。技術的にもいろいろ進化しますが、逆に同じことなのでつまらなくなったとこともあります。。星まつりではたくさんの仲間に再会でき、CANPも初めて参加してさらに星仲間のつながりが広がっていきました。2年目で始めた新しいことは、太陽と立山でのスターウォッチングの参加でしょうか。太陽は改造を繰り返すなど趣味の王道を行っているようでとても楽しく、3年目まで続いています。


3年目の一年を振り返って

今回は3年目の一年間で何ができたのか少し振り返ってみようと思います。

まずは太陽。ちょうど昨年の始め頃からはじめて、PSTに10cmの屈折をつけるという魔改造機ですごく楽しむことができました。フィルターを熱で割ってしまうという大失敗もしました。夏には太陽の電視観望を何度か披露して、昼間でも安全に迫力ある太陽観測ができることがわかってきました。先月は大きな黒点も出て高解像度で撮影することができました。これからも太陽はまだまだ楽しめそうです。

電視観望の技術はある程度確立してきたので、今では観望会では安定してみなさんに見てもらえます。昨年一年間でも何度も観望会で電視観望を披露することができ、大活躍してくれました。電視観望という言葉もかなりというか、もう普通に認識されてきていますし、自らの手で試す方もかなり増えてきているようです。さらには鹿児島の電視観望を前提としたドームが出てきたことや、公共の天文台でも電視観望を導入するところが出てくるなど、大きな広がりを見せつつあるのは本当に嬉しい限りです。

電視観望で大活躍のAZ-GTiですが、これは購入当初からかなり遊べました。値段が値段なので撮影までの精度を求めるのは酷なのですが、アイピースでの観望や、電視観望では即実践投入できるレベルの商品としの完成度があります。しかも赤道儀化して、最後2軸ガイドまでできたので、十分に元を取ることができました。自動導入経緯台としての手軽さは、特に天文入門者やホントに星が初めてとかいう人にむしろオススメです。

夏には天の川の撮影の入門記事を書いたのですが、こちらは思ったより反応がなくてがっかりした覚えがあります。結構気合を入れて書いたのですが、これから天の川シーズンも始まるので、これをみて星景写真を試してみたとか言う人がいたら嬉しいのですが。

物として増えたのはSamyangの14mmの広角レンズでしょうか。これは天の川撮影で大活躍してくれています。値段の割にパフォーマンスが良かったものの一つです。

夏の火星大接近は期待したのですが、大黄雲で模様があまり見えなかったのが残念でした。それでも火星土星も綺麗に撮れたので満足です。同時期の当時中2の娘のNatsuの自由研究も見ていて楽しかったです。結構きちんとまとめていて、学校代表になりましたが、残念ながら市の方では選ばれませんでした。でもそろそろNatsuの天文熱も最後になるかと思います。一応今年のGW中の観望会も、あぷらなーとさんが来ると言ったらと付いてきたのですが、最初だけは起きていましたが、途中からほとんど車の中で寝ていました。もういつまで続くやらです。

あぷらなーとさんで思い出しました。香川の望遠鏡博物館の講演会の帰りにあぷらなーとさん宅に寄らせていただきました。本当にお話が面白い方で、話が機知に飛んでいて、かつ理論的。一緒に連れていったNatsuとSukeを魅了していました。自宅ではお母様にもずいぶんお世話になりました。おとといの観望会で岐阜まで来ていただきました。次回こそはぜひ富山までと思っています。

星まつりは3年目でも出来る限り参加しています。原村、胎内はもう3回参加したことになります。残念だったのは福島でしょうか。台風の影響で中止になってしまいました。その代わりでもないですが、3年目は京都の星を求めてや小海の星フェスに新たに参加しました。大きな戦利品としては、胎内で見つけたファミスコと小海で見つけたスーパーチビテレでしょうか。見え味はともかくとして、昔の古き良き?時代に少しだけ参加できた気がして嬉しかったです。

星まつりではたくさんの星仲間と話せました。このブログを見てくれている人も多くて、話しかけてくれるのはとてもありがたいです。もともと星まつりで暗い中話しかけてくれた、かんたろうさんが富山に来てくれたことも大きいです。昨年自宅に泊まってもらったのですが、まさか富山市民になるとは。あと、去年から富山に就職できたY君の存在も大きいです。星まつりや観望会など、結構イベントのたびに顔を合わせています。Y君みたいな若い人がこの業界を引っ張っていってくれればと思います。お二方とも県天に参加してくれたので、大きな戦力になってくれると思います。

秋から冬にかけては、赤道儀の水平出しの謎解きやらQBPフィルターで遊んでいました。QBPフィルターは自宅撮りの可能性を一気に広げてくれて、かつ色もあまりおかしくならないなど、非常に使い勝手がいいです。同時期にQBPと一緒にFS-60CBの新型フラットナーとレデューサ、およびFS-60Qを自宅でテストしていますが、上々の結果でした。

冬の北陸は天気が良くないのでで、撮影よりは解析とかに時間を費やすことになります。まだ未完ですが、ASI294MC Proでいろいろ検証しています。同様に光学設計も冬の楽しみの一つですが、こちらもシュミットカメラまでたどり着きましたが、シュミカセで止まってしまっています。こちらもまた再開させたいと思っています。

天文ショップにはいつも本当にお世話になっています。KYOEIのMさんにはいつもお世話になっています。いろいろ相談に乗ってもらっていてとてもありがたいです。スターベースのI店長さんはじめ、仲のいいS君にはいつも色々お話させてもらっています。この間あったアルバイトのK君も、S君と共に将来楽しみな若手です。中野に移ったシュミットのH店長にはAZ-GTiのトラブルの件では素早い対応をしていただきました。初めて行けた店もあります。スカイバードのS店長は星まつりでは何度もお会いしているのですが、店舗では初めてでした。相模原に移った三基光学でもM店長と20年以上前にもしかしたら会っていたかもと、大盛り上がりでした。Mさん元気そうで何よりでした。

3年が過ぎとうとう4年目に入りましたが、ものすごいベテランだらけのこの分野ではそれでもまだまだ若輩者です。これからも色々な方にお世話になると思います。まだまだやりたいことだらけなのでこれからも存分に楽しんでいこうと思います。今後ともほしぞloveログ共々、よろしくお願いいたします。


 

2019年のGWはなんと10連休。初日は今年初の数河高原の飛騨コスモス天文台での観望会です。昨年の11月が最後で雪で入れなくなっていたため、久しぶりです。4月初めにはまだ雪が残っていて入れなかったみたいなのですが、ここひと月近くで流石に雪も溶けたようです。でもこの日はGWにもかかわらず寒い寒い。近くの道路表示では氷点下2度。山の上の方は雪も降ったみたいで真っ白でした。


出発とアイス事件

夕方17時過ぎにNatsuとSukeと私Samの3人で出発。いつも行く神岡の「もりのや」に行きたかったのですが、どうやらこの日はお祭りで休みみたいです。仕方ないので近くのすき家で夕食を早々と済ませ、そのまま移動。途中山に入る最後のファミマで夕食後のおやつを購入。そこでSukeが選んだマンゴーアイス、「値段がわからんかった」とか言いながら会計して見たら、なんと328円!!!。3人の合計が500円ちょっとだったので私とNatsuの分を合わせた値段よりはるかに高いです。「材料見て、マンゴーだけだよ。」「たまには美味しいものを食べないと舌がダメになる。」とかグルメ気取りで全く反省していません。アイス代の分だけ働いてもらわないと割りが合わないので、ゴミ捨てとか命じましたが、さすがに大人しく従っていました。


現地到着とイカ

夕方18時半過ぎに現地に着くと、すでにいつものSさんが来ていました。実はSさん、先月末の夜中の3時頃にメールがあって、釣ったイカを自宅のところもまで持ってきてくれてました。でもその日は私は出張中。朝まで待って家族が起きてきてからでもいいよとか言ってくれたのですが、あいにく家族は休日は寝坊で9時とか10時にならないと起きてこないので、泣く泣く御遠慮しました。その時のイカの写真を見せてもらいましたが、大きいものは30cmもありました。イカ刺しにしたら本当に美味しそうでした。

Sukeは早速星景写真。ピントが合わんとか言っていましたが、レンズの方がAFになっていました。直して何枚か撮っていました。下のがSukeの作品です。

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西の空で星が山に沈むところです。EOS kiss X5に3千円くらいで買ったキットレンズクラスのもので、撮って出しのJPEGですが、それでも楽しんで撮っています。露光時間とかISOはだいぶんわかってきたみたいです。でもこれどこの領域でしょうか?西の方だとは思うのですが。

前回カメラを三脚につけてパタンと倒したので、今回は反省してか撮影が終わったらすぐに外していました。Natsuは寒いと言って車から出ようともしません。

しばらくしたらKさん一家、看板設置をしていた代表のYさんとSさんが同じ車に乗ってきました。Kさんのお孫さんに当たるのでしょうか、いつもきている高校生の子が同じ高校の天文部に入った友達を連れてきました。岐阜の高校は天文部があるところもまだあるとのことです。まだ星を始めたばかりというので、今は昼間の活動だけみたいです。この観望会をきっかけに星をもっと好きになってくれると嬉しいです。

今回Yさんにある本をもう読まないからと頂きました。クリストファー・ウォーカー編、山本啓二点川和田晶子訳「望遠鏡以前の天文学」という本です。完全に専門書の類です。古代エジプトの天文学に始まり、メソポタミア、プトレマイオス、ギリシアと続き、紀元後からルネサンスへと続きます。最後の方には中国を含むアジアの記述もあります。最後の結論がすごいです。「古代の天文学者が残した観測記録がなければ、われわれは、宇宙の遥かなる広がりの中や、地球それ自体の上で起こる多くの変化に気づかなかったかもしれない。現代の天文学者が、十分な装備を持たずとも勤勉であった先人たちに感謝するのは当然である。」ということです。私もその通りだと思います。古代天文学の知識はあまりないのでじっくり読みたいと思います。


そのうちにO一家も到着。いつものS君とYちゃんです。S君はもう高2で今は愛知の全寮制の高校に通っているそうです。連休ということで飛騨に帰ってきていました。駅から観望会に直行だそうです。でもみんな薄着で寒そうです。小学4年生のYちゃんはなんとスカートで生足。さすが子供です。全く寒さは気にならないみたいです。私も子供の頃は半ズボンで普通に過ごしていたことを思い出しました。

この日は寒くて曇っていたせいのか、流石に一般の人は誰もきていませんでした。子供たちは寒くてすぐにドームにこもってしまいます。のぞいてみると、星を見てるんだだ単におしゃべりをしてるんだか、よくわからないです。話を聞いていると学校の先生の悪口とか、社会はつまらんとか、先生のモノマネとか、本当にろくなことを話していません。まあ楽しそうなのでいいのでしょうか。


電視観望とドーム

私は電視観望です。この日は雲が結構多かったのですが、沈みかけるオリオン座大星雲をまず見ました。もう春です。このオリオン座も程なくして山の端に沈んでいきました。次に見たのがM51子持ち銀河
です。これは結構迫力があるので受けがいいです。

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最後に見たのがしし座の三つ子銀河。今日は雲が多かったので雲の合間合間に見ていたような感じです。電視観望では雲が流れていく様子もわかるので面白いです。他にもばら星雲とか、終わりがけにベガも東から上がってきたのでM57を入れようともしましたが、雲に覆われていてあまりみることができませんでした。ちなみに下のは雲越しに見たばら星雲。必死に炙り出してこれくらいです。うっすらバラの形が見えているのわかるでしょうか?雲さえなけばもっと見えるはずですが、この日はほとんどこんな感じでした。

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一方ドームの方は少し調子が悪かったです。Yさんに聞いたら電気系の制御ボックスに冬の間にカメムシとてんとう虫が入り込んでいてショートを起こしたみたいで、先日取り換えたとのことです。虫達にとっても暖かかったのでしょう。この日はPCとモータをつなぐケーブルが少し調子が悪くて、ステライメージ9で操作をしていてもケーブルを触ると切断されてしまいます。いったん切断されると再接続とかしようとしてもダメで、いったんステライメージを落として、再度立ち上げないと再接続できません。これが3ー4回起こりました。ケーブルのせいなのか、コネクタのせいなのかなどはまだ不明ですが、ケーブル類に触らないように気をつければ大丈夫みたいです。でもこの日は雲が多くて、ドームの方ではテストでシリウスとプロキオンとアークトゥスルを入れたくらいでした。


コスモス天文台と富山県天文学会

雲も多く、とても寒くて、代表のYさんが風邪気味とのことで、この日は22時過ぎに解散となりました。詳しくは下を見ていただきたいのですが、来週には飛騨コスモス天文台と富山県天文学会の合同の観望会があります。「また来週」といって帰路につきました。自宅に着いて見たら、この日は雨が降った後か透明度がすごくいいようで、低空の星もくっきり見えていました。ただ、雲が残っているのは同じで、この日は眠かったのでそのままベッドに潜り込みました。



GWの予定

GW中の天文関連の予定です。もしどこかで顔を合わせたら「ブログ見たよ」とでも声をかけてください。青いFS-60CBで電視観望をしていたら多分私です。
  • 4月30日の夜から5月1日午前3時頃まで、(変更になりました) 5月1日19時から5月2日午前3時まで名古屋の高校生の智志君がTwitterで呼びかけている、岐阜県の藤橋城駐車場での観望会に参加します。電視観望機材を持っていこうと思います。ただ、天気が心配。曇りだった予報が雨になっています。
  • 5月1日の午後1時くらいから、名古屋の名城公園スターバックス横で、少し前に太陽を始めた名古屋在住のkymさんと太陽観測。私は10cm魔改造PSTを持っていって、太陽電視観望をしてみようと思います。興味がある方は是非来てください。太陽も面白いですよ。でもこちらも天気が心配。
  • 5月2日、まだ未定ですが2日もそのまま名古屋にいたらスコーピオに行こうと思っています。13時開店なので、その頃に行こうと思います。余裕があればスターベースに朝から行っているかもしれません。でも前日1日が天気が悪くて太陽がダメだったら、この日はリベンジするかも。ここら辺もまだ少し未定です。
  • 5月6日の連休最終日の月曜日、19時から21時まで飛騨コスモス天文台と富山県天文学会の合同観望会を開催します。参加無料、一般の方にも呼びかけています。お子さん大歓迎で、惑星輪投げや、クイズ大会など、豪華天文グッズが当たるかもしれません。 場所はgoogleの地図で「飛騨コスモス天文台」と検索してください。数河高原のラグビー場の駐車場です。こちらは寒いので防寒具必須です。 -> 雨天の方のため中止となりました。

Twitter
でも呼びかけるつもりです。 よかったらフォローしてください。

星座用のビノがたまってしまいました。いつの間にやら7個です。今回は実際に見たときの感想も含めて、それぞれレビューしてみます。

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左上から下に向かって、
WideBino28(新)、WideBino28(旧)、星座望遠鏡(双眼)、星座望遠鏡(単眼)、
右に移ってテレコンビノで、cokin、JAPAN OPTICS(?)、Nikonです。

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接眼レンズ側です。cokinのレンズ径の大きさが群を抜いています。



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ケースやキャップなども一緒に。順序は上と同じです。

タイトルには星座用ビノと書きましたが、正式な一般名称がよくわかりません。もともと2倍テレコンを利用して自作していたのが主流だったこともあり「テレコンビノ」と呼ばれていることもあります。商品名になるのでしょうが「星座望遠鏡」は分かり易い名前だと思います。でも一般の人にはそれでもなんのことやら、星座用の望遠鏡って???だと思います。「星座観察用双眼鏡」なんて長い呼び方もあるようです。とりあえずここでは「星座ビノ」と呼ぶことにします。


星座ビノとは

ここで少し、どれくら星座ビノがすごいのか説明しようと思います。まずこれらのビノを昼間にのぞいてもほとんどその価値はわかりません。ちょっと拡大されるだけで目で見るのとあまり変わらない。なんでこんなものにこんな値段を出すのか、全くわからないと思います。実際私がそうでした。原村の星まつりで昼間にのぞいても全然理解できなかったのです。でもこれを夜に、しかもある程度の光害地で使うと評価は全く変わります。大抵は「何これ!」「めっちゃくちゃ見える!」「こんなに星があるの!」と驚嘆の声を上げることでしょう。


見える星が増える理由 

見える星の数が増える理由はひとえに低い倍率にあります。普通双眼鏡というと10倍とかそこそこの倍率で、一見倍率が高い方がいいと思ってしまうかもしれません。ところが星座ビノの倍率はどれも2倍程度です。この2倍というのが非常にバランスが取れた倍率なのです。2倍の倍率ということは、2x2=4で4倍暗い星まで見ることができます。これはビノをのぞいたときに一辺2倍の長さに拡大してみるということなので、面積で考えると4倍に拡大してみることになります。すなわち明るさは4分の1になるわけです。ところが星は点光源なので、面積がなく広がらないために明るさは変わりません。星の明るさは変わらず周りの明るさを4分の1にするので、4倍暗い星まで見えるということになります。

では4倍暗い星(明るさが4分の1倍の星)とはどういうことでしょう?星は等級という単位で明るさを表します。都会や光害地では肉眼ではせいぜい2等星程度までしかみることができません。3等星まで見ることができればまだそこそこ暗いところになりますい。この等級という単位、2等級の差があると明るさは5倍違います。星座ビノでは4倍くらいの暗い星を見ることができるので、ざっくり2等級近く暗い星まで見ることができます

では等級ごとにいくつくらいの星があるのでしょうか?

1等星:21個、2等星:68個、3等星:183個、4等星:585個、5等星:1858個、6等星:5503個

だそうです。たとえば2等星までしか見えない都会や光害地では約90個の星が見えます。これが2等級余分に見えるようになって4等星まで見えるとすると、約850個にまで見える数が増えます。なんと約10倍の数の星が見えるのです。実際には上の表には南半球で見える星も入っているので、数としては半分程度ですが、10倍近くの数の星が見えるようになるということは変わりません。高々2倍倍率を上げるだけで、10倍近くの星の数が増えるというのだから効率がものすごくいいのです。

では調子に乗ってさらに倍率を上げたらどうでしょうか?確かにより暗い星までみえるので、見える星の数は増えます。が、今度は視野が狭くなって「一度に」見える星の数が減ってきます。しかも狭い範囲を見ることになるので、いったい空のどこを見ているかがわからなくなってくるでしょう。この2倍程度という倍率は、大多数の星座の一つ一つがすっぽり視野に入るくらいの倍率なので、自分がなんの星座を見ているかすぐにわかるのです。しかも星座にある小さな星まで見えてくるので、星座早見盤と見比べながら星座を自分で一つ一つ確認して形をトレースすることができます。自分でやってみるとわかりますが、これはかなりおもしろいですよー。星座ってホントにこんな形を結んでできているんだと実感することでしょう。こんな理由から「星座」ビノなんて呼ぶのが適しているのかと思います。

2倍という倍率は本当に微妙で、覗いてみてもあまり視野が狭くなった気がしません。もちろん視野は狭くなっているのですが、人間の目が焦点を合わせられる範囲はそれほど広くはないので、ちょうどそこらへんの範囲と、星座ビノで視野が狭くなる範囲が一致するくらいにあるためだと思います。一方星の数は上の理屈通り、本当に増えて見えます。これはびっくりするくらい増えたように感じます。「わー、こんなに星が隠れてたんだー」という言葉を発したくなるくらいです。

さて長くなりましたが、いよいよレビューといきます。まずは現行機種で、簡単に手に入れらるものからです。


現行機種

WideBino28

販売: 笠井トレーディング
倍率: 2.3倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で39mm、接眼側が実測で8mm)
入手方法: アマゾン、各種天文ショップ
値段: 1万6千円程度

長所: 入手しやすい。歪みは少ない。おすすめ。
短所: 接眼側の径が小さい。ピント合わせが軽いので首からぶら下げておくと服とかに当たってずれる。光軸中心から目がずれると大きくぼやける。現行機種の中では少し値段が高いほう。


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私が一番最初に手に星座ビノです。星を始めた年の原村の星まつりで見たのが最初です。もっとも、その時は価値を全く理解できずに、「なんだ大して拡大もしないのに高い双眼鏡だなと」思ってしまいました。望遠鏡で暗い星が見えるようになる理由がわかってから、天の川を倍率の低い双眼鏡で見たらどうなるのだろうと思った時に、初めて「あ、だから原村であんなのが売ってたんだ!」とやっと理解できてすぐに入手しました。

もともと笠井トレーディングからの販売で、私はKYOEIで買いましたが、一般の天文ショップでも売っています。今ではAmazonで手に入れられるとのことで、とても入手しやすくなっています。たまにヤフオクとかで元の笠井よりも高額な値段をつけてあることがありますが、専門業者でもなんでもないところが高く売りつけようとしているだけなので、こんなところでは買わないように注意してください。

とても見やすく、値段もそこそこ。入手性もよく、一番おすすめです。ピントも合わせやすいですが、つまみが軽くて、首からぶら下げていると服とかに当たって勝手につまみが回ってしまい、ピントがずれてしまうことがよくあります。見え方も特に不満なく、よく見えます。倍率も2倍より少し高いので、多少暗い星まで見ることができます。

接眼レンズが少し小さいのですが、視野に関しては特に不満はありません。光軸中心から目の位置がずれると大きく像がボケるのが気になります。なんでこんなことを書くかというと、子供はなかなか上手く光軸中心に目を合わせられないからです。子供は最初はピントを合わせるのさえも難しいです。大人なら多分全く問題ないです。

私としては入手性や見え方なども考え、これが一番おすすめで、とにかく迷ったらこれです。


星座望遠鏡(単眼、両眼)

販売:  スコープテック
倍率: 1.8倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で42mm、接眼側が実測で20mm)
入手方法: アマゾン(単眼双眼セット)、各種天文ショップ
値段: 単眼7千円程度、両眼1万4千円程度

長所: 現行機種では接眼側のレンズ径が大きい。入手しやすい。日本での開発、設計で、スコープテックが日の出光学に持ち込んで企画したもの。単眼だと一番安価(ただし、この記事を書いている間に笠井から最安値のCS-BINO 2x40が販売されました)。
短所: 周辺が少し歪む。

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発売は2017年だったと思います。原村星まつりで販売された直後のものをスコープテックのブースで手に入れました。もともと単眼で売っていたものを、去年2018年の原村の星まつりの頃に両眼アダプターの販売が始まりました。2つとアダプターを買うと双眼になるというものです。私は双眼の方も原村の星まつりで手に入れました。今では双眼用のセットとして、2つとアダプターが一緒になって売っているようです。

私が買った時は全部単眼(合計3つ)でレンズキャップがついてこなかったですが、今は単眼のものは対物側のキャップは付属するみたいです。でもアマゾンの写真を見ている限り、双眼セットにはキャップがついてこないように見えますが、どうなのでしょうか。

倍率が1.8倍とより視野を広く取れる代わりに、暗い星までは少し見えにくくなっています。光軸ずれに対しては上のWideBino28よりはるかにマシですが、周辺像が少し歪みます。でも実は、星座ビノ一般に言えることですが、歪みは昼間は目立って気になるかもしれませんが、夜に星を見ているとそこまで気にならないです。

値段が安いのも特徴で、試しに単眼でというなら7千円程度で購入できます。倍率も低いのであっさりした見え味が特徴でしょうか。でもこのあっさりというのは、コストも考えたらなかなかできるものではなく、日本のメーカーという特徴が出ている一品だと思います。とりあえず単眼で試してみたいというのならこれ一択です。


その他、現行機種

現行機種でまだ購入していないものが2つ (3つ?) あります。VixenのSG2.1×42とサイトロンの星空観測双眼鏡Stella Scan 2x40です。Vixenのは現行機種では結構高めなのと、サイトロンのは店舗に行ったときに何も欲しいものがないときに買おうと思ってとってあります。特にサイトロンのものはケーズデンキで購入することもできるので、天文ショップなどがないところでも、実際のものを見て決めることができると思います。これらはいつか購入したらまたレビューしたいと思います。

さらにこの記事を書いている間に、つい先日WideBino28を販売している笠井トレーディングからCS-BINO 2x40という星座ビノが発売されましたが、どうやらこれはサイトロンのものと同等の色違いらしいという噂があるのですが、実物を見たわけではないのでわかりません。単眼でも販売しているようで、価格もかなり戦略的なものになっていて、星座望遠鏡よりも安価になっているようです。(追記: 初出でCS-BINO 2x40の販売元を間違ってしまいました。ご迷惑をおかけしました。)


旧型機

ここからは現在では普通には販売されていない、多少入手困難なものです。入手順に書いていきます。普通のお店で手に入れるのは難しくなりますが、それでも特筆すべき特徴を持ったものもありますので、参考に書いておきます。


旧型WideBino28

まずはWideBino28の旧型。

販売: 笠井トレーディング
倍率: 2.3倍
口径: 公称40mm (対物側が実測で39mm、接眼側が実測で8mm)

長所: 歪みは少ない。
短所: 接眼側の径が小さい。光軸中心から目がずれると大きくぼやけるのは現行機種と同じだった。

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三重県のアイベルに行ったときに入手しました。現行機と違って白色がベースです。笠井のページで見ると、旧型機でも黒いので、さらにもう少し昔のもかと思われます。適合目幅や重量など多少違いはありますが、倍率など大きなところは同じです。見え味も現行機とほとんど変わらない印象です。中古のせいか、紐がついていなかったりキャップがなかったりします。安く入手できるのでなければ、現行機を買ったほうがいいかと思います。



テレコンビノ

ここからはテレコンビノと呼ばれる、デジタル用の2倍程度のテレコンを双眼用に自作したフレームに取り付けたものになります。基本的にピントを合わせる機構がないので、目が悪い人は星もボケて見えてしまいます。その代わりにレンズ径が大きいので、メガネをかけても視野が狭くなりません。目が悪い人はメガネをかけて見るほうがいいです。


cokin テレコンビノ

販売: ケンコートキナー (DIGITAL TELE LENS-200-52mm)
倍率: 不明、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡とほぼ同じなので1.8倍?
口径: 対物側が実測で65mm、接眼側が実測で38mm

長所: とにかくレンズ径が大きい、ピント合わせをする必要がない(できない)ので、子供でも扱いやすい。
短所: 周辺ひずみが大きい。分解能が少し劣る。

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cokin製の2倍のテレコンを利用した自作のビノです。昨年の小海の星フェスで、趣味で作っているという方から手に入れました。このビノの特徴はとにかくレンズ径が大きいことです。対物側も大きいのですが、接眼側もそれに負けないくらい大きいのが特徴です。そのためすぐに星を視野に入れることができて、ほとんど迷うことなくすぐに見ることができます。初心者の方、特に子供に大人気です。観望会でも「これが一番いい」という方が多いです。欠点はピント調整ができないこと。これはテレコンビノに共通で、私はこのピント調整ができないということを最初知らなくて、購入してから「あ、しまった」と思いました。ところが意外や意外、観望会では調整をする必要がない(できない)ので、逆に扱いやすく、これも一番人気の理由です。このことが元で、もっとテレコンビノが欲しくなり、下の2種を最近ヤフオクで落としました。

ピント調整ができないと言っても、パンフォーカス(被写界深度を深くする事によって、近くのものから遠くのものまでピントが合っているように見える)なので、調整がないこと自体は気になりません。それでも目が悪い人はそれなりにしか見えないので、眼鏡をかけて見たほうがいいです。私は最近度が進んでしまっていてメガネがあまりあっていないので、ちょっとボケてしまいます。

見え味ですが、レンズが大きく見やすいのはとてもいいのですが、かなり歪みます。夜だとあまり歪みが気にならないのと、レンズ径が大きいのには代え難い扱いやすさがあるので、もし入手できるのならこれはかなりおすすめです。ただ、分解能が少し劣るのを不満に思う方がいるかもしれません。


メーカー不明 テレコンビノ

販売: 不明、JAPAN OPTICS? (DIGITAL HIGH DEFINITION 2X TELEPHOTO LENS)
倍率: 公称2倍?、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡とほぼ同じなので1.8倍?
口径: 対物側が実測で45mm、接眼側が実測で31mm

長所: ひずみが少ない。軽い。安価だった。
短所: 多分入手がすごく困難。色収差が目立つ。分解能が少し不満。

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まだ購入したばかりなので、実戦では使えていません。でも明るいところで見る限り、歪みとかは少ないです。あえていうなら少し色収差が大きく、分解能が他と比べると足りないことがわかります。


Nikon TC-E2 テレコンビノ

販売: Nikon (Tele Converter TC-E2 2x)
倍率: 公称2倍、実視ではSCOPTEHCの星座望遠鏡より倍率は高く、笠井WideBino28よりは倍率が低い。
口径: 対物側が実測で52mm、接眼側が実測で17mm

長所: ほとんど文句がない。キリッとしていて、ひずみも少ない。意外に入手しやすい。
短所: 中古だが、最近レンズ単体が高騰していて高い。

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念願のNikon TC-E2を使ったテレコンビノをやっと手に入れることができました。以前、小海で実物を見せてもらったのですが、見え味は素晴らしかったです。その時は他に買いたいものもあり手が出ませんでしたが、ヤフオクで手の届く値段で出ていたので今回落札しました。ところが、フレームの作りやパッケージがcokinのテレコンビノとよく似ています。もしやと思ってヤフオクで連絡を取ってみたら、小海でcokinを売ってくれた方と同じ人で私のことも覚えていてくれていたらしく、Facebookでも友達になってしまいました。この方はまだいくつもNikonのTC-E2を持っているとのことで、最近フレームを大量に作ったのでこれからもいくつか販売するらしいです。フレームを自作するのは結構大変そうなのと、テレコン自身も高騰しているのですが、こういった方から入手できるというのはありがたいことです。

見え味は改めて見ても素晴らしいです。歪みも色収差も少なく、これがテレコンの最高峰と言われている理由がよくわかります。接眼側のレンズ径がcokinには負けているので、子供とかの評価ではパッと見の視野は負けるかもしれませんが、大人なら間違いなくこちらの方が見え味に納得すると思います。


まとめ

7機種(実質はWideBino28が新旧の違いだけ、星座望遠鏡が双眼と単眼の違いだけなので5機種)をじっくり見比べてみました。1機種だけだとあまり気にならないことも、さすがにこれだけ一度に見比べると違いがよくわかります。Nikonは間違いなく見え味は最高でしょう。ピントを合わせられないのが唯一の欠点と思えてくるくらい、本当に素晴らしいです。今ならまだ入手することもそれほど難しくはありません。笠井のWideBino28は現行機種の中ではおすすめです。SCOPTECHの星座望遠鏡は双眼で買っても2つの単眼として二人で使うこともできるのでお得です。私は持っていませんが、サイトロンのStella Scanは全国にあるケーズデンキで実物を見ながら購入できるので、こちらもいいかもしれません。

色々比べましたが、基本的にはどの機種を持っていっても、実際の星空を見ればびっくりするでしょう。本当に「こんなに星が隠れてたのか!」というのを実感できるはずです。一般の方にはこんな小さな双眼鏡にしては少し高価に感じるかもしれませんが、下手な望遠鏡とか、倍率の高い双眼鏡よりもはるかに楽しかったりします。まだ経験されたことがない方は、騙されたと思って是非とも一度お試しください。

つい先月の末にも天ショップ巡りをしましたが、今月も関東方面に用事があり少しだけ時間が取れたので、秋葉原でスターベースとKYOEIに行ってしまいました。

スターベース

まずはスターベースです。

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ここで面白かったのは、仲のいいS君に紹介された新人のK君です。4月からアルバイトで来ているとのことで、上の写真にも姿が写っていますが、入店した時にちょうど店の前で鏡筒を触っていました。「あ、見慣れない人だ、ずいぶん若そうだな。もしかしたらメーカーの人かな?」とか思っていましたが、スターベースでのアルバイトさんとのことなので、これからも会うことができそうです。S君によると、K君はガチガチの眼視マニアだそうです。現在都内の大学院生で、高校の頃から天文部で活躍していたとのことです。でもよくよく話してみると、このほしぞloveログのことを知っていて、しかもTwitterでフォローしあっているということがわかりました。というか、ブログを相当読み込んでいてくれて、かなり突っ込んだ話をすることができました。眼視中心なのは撮影が大変だというのも理由の一つらしいのですが、この間のラッキーイメージの記事も読んでいてくれて、ラッキーイメージはガイドとかもなく機材がシンプルそうなので興味があるとのことです。

K君がせっかくの眼視マニアということで、これまでわからなかったことをいくつか聞いてみました。例えば「撮影用にいい鏡筒なのに、眼視用に向かないとはなぜか」とかです。単純に考えると撮影でアラが見えないくらい十分に使える鏡筒なら、眼視なんかは全然問題ないのではと思っていたからです。K君曰く、「眼視では中心像を強度に拡大することがあって、ディフラクションリングだとか見えた方がいいが、4隅はあまりこだわらないことが多い。逆に撮影用には4隅もこだわるために中心像だけを求めるようなことはないので、中心像だけを比べた場合、眼視に向いた鏡筒があるのでは。」とのことでした。私自身はあまり眼視のことはよくわかっていないので、本当に素人質問で申し訳なかったですが、わかりやすく答えてくれました。

実はスターベースのブログでFOA-60を使って、鉄道や航空機をものすごくシャープにとっているページがあって、かなり興味を惹かれていたのですが、ちょうどK君が触っていたのがFOA-60でした。アイピースのチェックをしているとのことで、少し見せてもらいましたが、ものすごくシャープに見えました。しかも軽いとのことなので、確かに長焦点レンズとしても使えるのかと思います。私も今度、手持ちのFS-60Qで航空機とかの撮影を、一度試して見たいと思っています。

あと、ちょっと前にTwitterで知り合った高校生の話が出ました。高校生でなんと光学設計までやってしまうような子なのでもう完全な天文マニアかと思いますが、K君も彼のことを知っていたので、一部で話題になりつつあるようです。彼が今度、岐阜で観望会を企画しているようです。ちょうど元号が変わる日の夕方から夜中にかけてで、私もたまたま近くに行くので、できたら電視観望機材を持って参加しようと思っています。「こんな子が将来光学設計とかの道に進んでくれたらなあ」とか3人で話しながら盛り上がっていました。スターベースのS君もK君も、高校生のS君も期待の若手です。この分野を引っ張っていってくれるような存在になってくれると嬉しいです。アマチュア天文界が、若い人や女性も含めて広がっていくような、未来のある分野になっていってくれればと、切に思います。


KYOEI

その後、夕方遅くにKYOEIに移動しました。途中、アイドルらしき女の子たちが走っているバスの中で歌って踊っているのを横目にKYOEIまで向かいました。

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秋葉原もどんどん変遷しています。私が初めて秋葉原を訪れたのは大学で東京に出てきたときでした。その頃は電気街とかパソコン街とかいう雰囲気でした。天文を初めた3年前からでさえも、秋葉原の天文ショップは変わっています。4件あった天文ショップが、今は2件だけなので少し寂しいですね。せいぜいそこにヨドバシとキタムラが加わるくらいです。もう少し天文とかカメラ関連で回れる店が増えるとより楽しいのですが。

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さて、KYOEIではずっと欲しかったZWOのフィルターホイールを購入しました。電動の5枚のフィルターを入れることができるものです。在庫切れのところが多かったのですが、KYOEIさんが在庫をもっていたので、無事に購入することができました。開けてみたら細かいネジやら、多分フィルターを固定する薄い板だと思うのですが、これが何枚もとか、いろいろ部品が入っていました。これで手持ちのバーダーのRGBフィルターと唯一のモノクロのASI290MMで少し遊べそうです。惑星も今年はRGB撮影に挑戦しようと思っています。いつかナローバンド撮影とかもやってみたいと思いますが、そちらは一からフィルターを揃える必要があります。

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もう一つ、最近話題になっているケンコートキナーのスターリーナイトフィルターが欲しかったのですが、どうやらちょうど次の日発売で、しかもサイズがいろいろあり、大きいのは結構高いとのことで、今回は手に入れることができませんでした。Samyangの14mmには大きいものでもそのままでは取り付けることができないそうです。なので購入する際にはどのサイズをどうやって取り付けるかをきちんと考えなかればダメみたいです。

と、こんなことを含めていつもの仲のいいMさんとずっと話しをしていました。MさんはRevolution Imagerの頃からいろいろ相談に乗ってもらい、いつも親切にしてくれるのでとてもありがたいです。この日も、星や機材ネタ、鳥のことなど、話は多岐にわたります。最後はインフレーションやビッグバンのことまで話が広がりました。そんな中で、先週撮った黒点の画像を見せたら流石にびっくりしていました。このブログをずっと読んでくれている方はわかるかと思いますが、あの太陽画像は、実売の1/4位で買ったジャンクPSTと、貰い物(実売価格も全然安価だったみたいです)の10cmのアクロマート屈折の魔改造機で作ったもので、機材としてはとてもじゃないですが高性能とは言い難いものです。単に値段と口径のみが取り柄で、高級機と比べたら操作性やらエタロン精度やら、欠点も数え切れないほどあります。撮影に使ったカメラのASI290MMだけはKYOEIさんで(めずらしく)新品で購入しているので、その成果をお見せできたような形になります。それでも私的にはこの機材でここまで撮れれば結構満足だったのですが、そのことを話すとMさんも大いに喜んでくれました。いつも小物ばかりの購入で話を聞いてもらって申し訳ないです。

あともう一つ、途中の「あきばおー」というお店で7インチの小型のモニターを購入しました。Stick PCのモニター用です。Remote desktopですんなり繋がればいいのですが、最悪遠征先とかで繋がらなかった場合の非常用です。IPS方式というもので、小さいですがデモを見る限り結構綺麗に表示できるみたいです。

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とこんな調子でお店を回っていたら、今回はいくつかモノを購入してしまいました。最近はできるだけ無駄遣いは控えようと思っているのですが、ホイールも小型モニターも前々から欲しいと思っていたものなので、その場で見てしまうとどうしても手が出てしまいます。まだ小物だからなんとかなりますが、大物だけはその場の雰囲気で買うことは、今の所かろうじて止めることができています。でも鋭い星像の大口径の鏡筒がものすごく欲しい今日この頃です。はい、値段もものすごいことになるので実際はおいそれとは手が出ません。


先週4月13日、土曜日の太陽黒点は、シンチレーションの観点からもどうやら相当状況が良かったようです。休日だったこと、久しぶりの大きな黒点だったこともあり、他の方の画像も随所にアップされていました。これまでほとんどの場合疑似カラーで画像処理をしていたのですが、コントラストの観点からか多少情報が出にくいようで、モノクロので処理してみました。

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カラー画像と比較するとわかりますが、モノクロの方がコントラスト的に細部がより鮮明に見えます。黒点などは無理に疑似カラー化せずにモノクロの方がいいのかもしれません。

その後、17日と19日、時間を少しだけ見つけて撮影を試みました。17日は夕方太陽が沈む寸前でさすがに低高度で厳しかったこと、19日は昼間でしたが、薄い雲がちょうどかかっている時間しか取れなかったの、いずれも13日の画質にははるかに劣ります。

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2019/4/17、西に沈む寸前。


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2019/4/19お昼頃。新たな黒点が左上に見えています。

画像のクオリティの違いを除いても、どうやら活動がすこし弱くなってきたように見えます。また、19日の画像には小さいですが新たな黒点が出てきたことがわかります。昨日19日の時点でかなり西寄りになっているので、週末には活動領域をまた真横から見ることになりそうです。再びジェットのようなものを撮影できると楽しいのですが、天気はどうなのでしょうか。土曜日は撮影できないので、日曜にかけていますが、どうやらちょっと天気は期待できなさそうです。

13日の画像はおそらく口径で制限された分解能に達しつつあるようです。本格的に20cm計画を再稼動しようかと思っています。

ラッキーイメージングを少し始めたのですが、どうも腑に落ちません。トラベジウムの分離がイマイチできていない気がするのです。


星像の大きさについて

もともとは、MEADEの25cmシュミカセで0.1秒と1秒と10秒で星像を比べたのがきっかけです。もしシーイングが悪いせいで揺らぐなら、露光時間が短い場合と長い場合で、星像にあからさまに差がつくはずです。ですが、結果は差はつきますが本当にごくわずか。いろいろ試していたとき気づいたのが、そもそも中心像でもボタっとしていて、星像が大きすぎるのではないかということ。

それでも念の為ですが、M42を高解像度で撮ったと言われている、他の方の、すでに画像処理を施した他とトラペジウム周りを見比べてみると、自分のものはベストではないが、それほど悪いわけでもなさそうです。画像を見比べただけの分離度はそんなに差はありません。

また、もう一つ気づいたことがあって、微恒星がどこまで出るかも一つの指標になりそうです。例えばトラペジウムだけを分離度よく見せかけようとしたら、画像処理でどうにかできてしまいます。でも微恒星が写るかどうかは解像度に結構依っているようで、トラペジウムだけよく分離しているように誤魔化しても微恒星が出てこなくなります。なので、微恒星も同時にみるとどれだけ分解能が出ているかが判別しやすくなります。


目的

と、ここまでが前置きで、今回試したかったのは果たして理屈の上ではどれくらいの分解能があるはずで、実測した分解能とどれくらい乖離があるかを見極めることです。

もともとの目的は、今の手持ちのMEADE25cmおよびC8の性能がきちんと出ているのか、まだ性能が引き出せるい可能性があるのかを探りたいということです。要するにボテっとしている星像はこんなもんで正しいのか、それとももっと改善できるかが知りたいのです。

今回検討したことは4つ。
  1. エアリーディスク(Airy disk)
  2. レイリー限界(Rayleigh criterion)
  3. スポットダイアグラム(spot diagram)
  4. シーイング(seeing)
です。


エアリーディスク

エアリーディスクによる星像がどのようになるかですが、式の上ではエアリーディスク径Dairy

DD=2.44Fλ

のようになります。ここで、は鏡筒のF値で、λ は波長です。ただ、エアリーディスク径といっても、式だけみると一体どこの径のことを言っているのかよくわかりません。よく調べてみると直径とのことです。それでも直径といってもどこのことなのか?これはなぜこの式が出てきたのかの導出を調べるとすぐにわかります。エアリーディスクの振幅は横軸を星像の半径方向、縦軸を振幅ととると1次ベッセル関数で表すことができます。式としては
2J1(x)/x

となり、半径 の関数である1次ベッセル関数 J1(x) を半径xで割ったような式です。この式の導出自身は平面波仮定した波素を無収差レンズに入れた時に、結像点でどのような振幅になるのかを積分してやるのですが、ここでは式の導出自体は目的ではないので、解説はその他専門の文献に譲ります。

上の式は振幅なの、実際の光強度にするためには2乗してやる必要があります。2乗したものをグラフに表すと、
airydisk

のようになります。エアリーディスク径といっているものは、このグラフで0からみて正負の方向に最初に0になる点の間の距離のことを言います。この点を求めるのはちょっと面倒なのですが、Mathematicaなどがあれば

In[192]:= FindRoot[(2 BesselJ[1, x]/x)^2 == 0, {x, 1, 5}]

Out[192]= {x -> 3.83171}

のように簡単に求めることができます。最初にゼロになるxは+/-3.83程度とわかります。

なんでこんなことをするかというと、実際の星像では強度がゼロになるところなど見えるわけがなく、普通真ん中が明るくて徐々に暗くなっていくような正規分布のような強度を持っているものにはFWHM(Full Width Half Maximam, 半値全幅)といって、最大強度の半分になるところの直径で評価します。

ではエアリーディスクのFWHMはどれくらいでしょうか?先ほどの式を2乗したもので、今度は0ではなく0.5になるようなところを求めればいいということになります。

In[198]:= FindRoot[(2 BesselJ[1, x]/x)^2 == 0.5, {x, 1, 5}]

Out[198]= {x -> 1.61634}

で、xが+/-1.62程度です。上のグラフで見ても実際にそれくらいのところですね。 なので、エアリーディスクの式を1.62/3.83=0.42倍したものがFWHMでみたエアリーディスクからくる星像と考えることができます。波長は目視の標準的な緑の550nmを選び、例えばC8の場合F10を考えると

DC8,FWHM=2.44Fλ=2.44×10×0.55[um]=5.66[um]

となり、FWHMでみたエアリーディスク径は5.66[um]となります。

これを現在使っているASI294MCProで何ピクセルに相当するかも見たいので、画素ピッチ4.63[um]で割ってやると、1.22[pixel]となりますが、これだけみるとエアリーディスク径とピクセルサイズが大体同じくらいと、ずいぶん小さいことがわかります。

さらに、um(マイクロメーター)単位のものを秒角(arcsec)で表すために、umからarcsecに変換することを考えておきます。式としては

Cumarcsec=tan(12×60×60π180)×2×f×1000

となり、焦点距離 に依存します。基本的にはある焦点距離のレンズを通したものが、ある大きさ[mm]のセンサー面で結像し、そのセンサーの大きさを単位1としたという意味です。tanの中のセンサーの大きさ「1」を2で割っているのは、センサーの真ん中から片側分の大きさで決まるからです。3600で割っているのは秒から度にするため、あと、Excelなどの関数で計算する場合は単位がラジアンなので度からラジアンへの変換係数として180度で割って、πをかけています。最後の1000倍はセンサーの大きさを[mm]単位、エアリーディスクを[um]と考えたための変換係数です。

例えばC8の焦点距離200mmを入れてやると変換係数は9.70[um/arcsec]となりますが、実はエアリーディスクがF値の関数なので、エアリーディスクのF値と変換係数の焦点距離fがキャンセルします。そのため、エアリーディスク径は視野角の秒で書くとF値や焦点距離にによらず一定で、FWHMで書いた場合0.584[arcsec]程度となります。


レイリー限界

レイリー限界を考えてみます。これも式は調べるとすぐに出てきます。

DR=127.5D[mm][arcsec]

鏡筒の口径[mm]だけで決まる量で、C8の場合の200mmを考えると、0.638[arcsec]となります。単位が秒角で出てくるので、上で求めた変換係数ををかけてやると、6.18umとなります。ん、FWHMで見たエアリーディスク径と結構近いですね。でもこれはある意味当たり前で、レイリー限界が、2つの同じ高さのエアリーディスクを並べた時に、片側の最初の暗いリングの中心が、もう片側の強度のピークと一致する距離と定義したからです。なので結局(元の定義の)エアリーディスク径の半分程度になり、一方FWHMで見た時のエアリーディスク径も元の定義の半分くらいになるので、同じような量になるわけです。

というわけで、結論としてはレイリーレンジはエアリーディスクと同じような原因なので、とりあえずここでは考えなくていいでしょう。

でもなんで一方のエアリーディスクは[um]で求めて、もう一方のレイリー限界は[arcsec] で求めるんでしょうね?両方ともarcsecで式を書いておいた方が、F値によらないので楽な気がするのですが。


スポットダイアグラム

だんだん、現実的になってきます。スポットダイアグラムはなかなか評価が難しいのですが、とりあえずC8相当の口径20cm、F10のシュミカセをLensCalでシュミレートしたスポットダイアグラムを元にします。緑の550nm付近が支配するくらいだと下からわかるように、黒い参照円の直径が20umなので、緑の部分は8um程度です。

IMG_6880

緑だけでなく、可視光とされる範囲の波長を考えると40umくらいになってしまいます。

IMG_6881

どの色までを考えるかはなかなか難しいです。実際の色のついた星をある波長依存性を持ったカメラで撮影して像を結んだものが、映った星像となるので、一概にはなかなか言えません。ここでは最大系として可視光を仮定します。

スポットダイアグラムは点光源とみなせる線素が多数入った時に収差によってどれくらいスポットが広がるかを示している図であって、少なくともLensCalではエアリーディスクの効果は入っていないようです。なので、それぞれの線素がエアリーディスク径を持つと仮定すると、スポットダイアグラムの外部にエアリーディスクの半径分の広がりを持つと考えることができます。スポットダイアグラムのFWHMは外周にある線素のエアリーディスクのFWHMだけ考えればいいので、下の手書き図のようにFWFMで考えたエアリーディスクの半径を外周に持つような台形に近い形となり、それをスポットダイアグラムの径と考えていいのかと思います。

IMG_6879

計算すると、スポットダイアグラムの広がりの40[um]にFWHMでのエアリーディスク径5.66[um]を足すことになって、45.66[um]。ピクセルに直して、9.86[pixel]です。かなり大きく、C8の場合はスポットダイアグラムが支配的なのがわかります。

ただしスポットダイアグラムを見てもわかるように、実際には端の方ほど密度が少ないので、このモデルは多分正しくなくて、やはりもっと中心が盛り上がったような、FWHMでは測ってももっと径が小さく出るようなモデルにするべきかもしれません。ここら辺は次の課題とします。


実際の星像と比較してみる

さて、実際に撮影した星像を見てみましょう。2019/4/4にC8でASI294MCPro撮影したものです。

IMG_6884


シーイングの影響を少なくするために露光時間25msecで撮影した動画から、一枚だけ抜き出してFWHM測定します。測定はPixInsightを使いました。そのままのRAW画像だとBayer配列なので、PixInsight上でDeBayerをして、測定したい星像を選択します。選ぶのは少なくともサチっていない星。さらにFWHM測定ツールがカラー画像には適用できないので、gray scaleに変換してから測定しています。結果は12.62[pixel]とのこと。計算より3割ほど大きいですが、まあまあの一致です。

ただし、例えばトラペジウムのところを3次元の等高線図で見てみると、

IMG_6882

結構尖っていてあまり台形っぽくないので、やはりモデルの方があまり合っていないかもしれません。実際にはスポットダイアグラムも端の方の効果が小さくなる気がするのですが、その一方でそのようにすると形ももう少し尖り、計算上の見積もり径は小さくなるので、結果としてはズレていく方向になってしまいます。

もう一つは観測時に鏡筒のピントや光軸がずれていた可能性があることです。ピントはSharpCapでFWHMが最小になるように合わせたので、それほどずれているとは思えませんが、光軸はあまり自信がないです。露光時間がもっと短ければ、さらに計算値に近づくかもしれません。ここら辺も次回もう少し見直すところでしょうか。


シーイング

やっとシーイングにたどり着きました。シーイングが悪いと、露光時間が増えていけば星像が大きくなるはずです。

ではC8で露光時間を先ほどの100倍の25秒かけて撮影した動画から一枚を取り出したものを見てみます。同様のFWHMを測定してみると結果は19.56pixel。0.25秒の時の倍近くなので、明らかに肥大しています。

IMG_6885

この大きさがシンチレーションで決まっているとすると、スポットダイアグラムで決まるような径を持った星像がシンチレーションで揺らされて、ランダムにある範囲内を動き回ると考えられます。スポットダイアグラム径と同程度のゆらぎの場合にはスポットダイアグラムの形や強度も揺らぐと考えられますが、ここではそれはないと仮定します。そのため簡単なモデルとしてはやはり、スポットダイアグラムの時と同様に外周にエアリーディスクの半径が付いた台形型の星像が得られるとします。

モデルからどれくらいのシーイングがあれば星像はどのくらいの大きさになる計算できます。実測が19.56umなので、先に求めたumから秒角への変換係数を用いると、25秒露光ではシーイングにより9.3秒角も揺らされていることになります。日本では2秒角だと静かな方で、3秒角くらいが平均、ひどいと10秒角くらいになるとのことです。確かにこの日シーイングはひどかったと考えられますが、一応C8の結果の9.3秒角は10秒角という範囲内で、評価はそれほど間違っていることはなさそうです。


MEADE 25cmで測定した時の場合

以上のことを、前回MEADEの口径25cm、焦点距離1600mmで測定した時の結果とも照らし合わせてみます。MEADEの場合、エアリーディスク系はFWHMで0.85[pixel]とかなり小さくなります。これはF値が小さくなるためです。そのためスポットダイアグラム、シーイングでも外周のエアリーディスク半径自身が小さくなるので、ともに星像の肥大が多少抑えられます。

例えば、前回
  • 0.1秒露光: FWHM = 6.952 pixel
  • 1秒露光: FWHM = 7.333 pixel
  • 10秒露光: FWHM = 8.108 pixel
という結果が得られましたが、これはあくまでスタックされたものです。それでも0.1秒露光の動画から一枚だけ抜き出してきてFWHMを測定しても6.0pixel程度とほとんど変わりません。スタックはそこそこうまくできていることがわかります。また、10秒露光でも肥大がそれほどないことから、この日はシーイングが相当よかったことがわかります。

例えば10秒露光で、もし星像がシーイングで制限されているとしすると、その揺れ幅はモデルから4.4秒角程度と計算できますです。C8で測定した時よりもはるかにシーイングの影響が少なく、揺れも少なかったものと考えられます。実際の動画を今更ながら見ても、ほとんど揺れていなかったことがよくわかります。トラペジウムのところで分離が悪いように見えましたが、あからさまにサチっていたので、これは何の評価にもなっていませんでした。

このような日はスポットダイアグラムで支配されるような星像がえられているはずなので、スポットダイアグラムがさらにいい鏡筒を選ぶことで、星像の大きさは改善されるはずですが、逆に言うとラッキイメージングで星像があまり改善されない日ということもできます。

本当はC8でやったような計算をMEADEの25cmでやりたかったのですが、MEADE用のスポットダイアグラムがなかなか計算できない、もしくは見つからないのです。なので、MEADEのスポトダイアグラムは適当に仮定していますが、もしこの日がシーイングの影響が小さくて、スポットダイアグラムがほとんど径を制限しているとすると、18[um]ほどになります。これが正しいなら、中心像に関してはC8よりもMEADEの方がはるかに性能がいいことになります。ただし、四隅のコマ収差はF値の2乗に反比例して悪くなっていくので、MEADEの方が(10/6.3)^2=2.5倍くらい大きく出るはずです。コマ補正は必須でしょう。


考察

モデル化などまだ不十分な点はありますが、それでも今回のことからいろいろなことがわかります。
  • 露光時間が長くなると星像が肥大化することが確かめられた。
  • 露光時間によって径が変わる範囲では、シーイングによる影響が効いていると思って間違いない。
  • C8で測定した日はシーイングが悪かったようである。
  • このような場合、星像の大きさは現実的に撮影するような1秒以上の時間単位ではシーイングに制限されている。
  • 1秒をはるかに切るような短時間露光では、シーイングの影響のない星像を得ることができる可能性があるが、明るさが足りない、撮影枚数が増える、スタック処理が大変などを考えると、あまり現実的ではない。
  • ラッキーイメージで露光時間を短くすれば星像の改善にそのまま繋がる。
  • MEADEで測定した日はシーイングが良かったようである。
  • 短時間露光のスタック方法も、特に問題ないこともわかった。一枚だけの星像の径と、スタックした後の星像の径を比較すればすぐにわかる。
  • このような日は鏡筒の、特にスポットダイアグラムの性能が効いてくるので、より性能のいい鏡筒が星像を改善する。
  • 逆に言うと、ラッキーイメージでの星像の改善をあまり望めない日でもある。
画像を見ただけでは実際の径は全然わかりません。階調圧縮や拡大でFWHM径は容易にかわってしまいますし、単に画像処理で小さく見せてしまうこともできます。サチらない範囲で星像を撮影して、きちんと測定することが大事です。


課題もまだあります。
  • スポットダイアグラムの中心と端の部分で同じように評価していいのか。端の方が密度が薄くはずなので、実効径はもう少し小さくていいはずである。また、波長によってスポットダイアグラムがちがうので、これも端の方がより密度が低く、実効径はもう少し小さくなるはず。
  • 超短時間で露光した場合は、スポットダイアグラムで支配されるような径に一致するのか?もしそうなら、それがスポットダイアグラムの実測径とすることができそうである。

結論

まず結論の一つとして言えることは、実際の撮影では、短時間露光の動画を見て、明らかに揺れている場合は露光時間を短くとるといいということでしょう。短時間露光の動画を見て、あまり揺れていなければ露光時間を延ばしてリードノイズの効きを緩和していった方が有利です。

それでは今回の元々の目的の、C8やMEADEで撮影した星像はおかしいのでしょうか?それとも正しかったのでしょうか?計算してみると、シーイングにかなり左右されますが、少なくとも説明できる範囲内には入っているようで、光軸など多少の改善の余地はあるものの、性能としておかしなことが出ていると言うことではないようです。

シーイングがいい時にはこの鏡筒の性能に制限されることもありますが、シーイングが悪い時には性能は何ら問題ではないということがわかります。ただし、ラッキーイメージングでシーイングの影響を除いていく時に、鏡筒の性能で制限される時がくることがあるはずです。それでも現実の1秒程度の露光時間でもまだシーイングが効いている(星像が揺れている)時には鏡筒はこのままで十分でしょう。ただしこれはあくまで中心像のみの話で、周辺像の例えばコマ収差が効いてくるような場合はシーイングの影響よりもスポットダイアグラムで見た径が効いてくるので、この補正をきちんとするなりする必要があります。四隅の短時間露光映像もきちんと見て、全然揺れていなければラッキーイメージの効果はあまりなく、むしろ鏡筒の性能を改善した方がいいということです。

いずれも、結論としては短時間露光の動画を見てスポットが動くならラッキーイメージングで鏡筒の性能に迫る努力をする、動かないなら鏡筒の性能で制限されていると判断して差し支えないと思います。


まとめ

色々長々と書きましたが、計算量は大したことはありません。これだけの検討でかなりのことが納得できました。ラッキーイメージングで露光時間をどれくらいにすれば価値があるのかもだいぶんわかってきました。次回以降、実際の撮影で試していきたいと思います。

 

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