ほしぞloveログ

天体観測始めました。

星を始めたのが2016年5月、それ以降日本で日食が見られたのが2019年の1月6日と12月26日と先日の2020年6月21日の3回。2019年は両方とも冬なので日本海側の富山ではほとんど見られず。というわけで、今回の日食は実は星を始めてから初めての日食になります。

最近忙しくて、最低限の時限ネタの撮影だけはしているのですが、画像処理をしている時間が取れません。当然ブログも進まないです。溜まる一方なので、まずは新しいものからというので日食だけ処理します。


日食撮影の準備

日食当日、朝から晴れていますが、日食時の天気予報は微妙。SCWで見ても富山が晴れと曇りの境界となっています。撮影場所をどうするか迷っていましたが、前日のテストで夕方近くになると太陽の位置が電線が引っかかることが判明。そのため、見晴らしのいい近くの神通川の堤防下の河原に決めました。

朝から準備を始めますが、こんな時に限って庭の木を切るのを頼まれたり結構時間ギリギリです。以前、富山のIさんに雑誌を譲ってもらった時にいただいた太陽用のフィルムを鏡筒とカメラレンズに取り付けます。河原への移動は5分もかからないのですが、16時には日食が始まるとして15時には着いていないと機材を出す時間も無くなってしまいます。結局自宅を出たのが14時半頃。結構ギリギリです。

今回は3台体制での撮影になりました。
  • EOS 6DとSamyang 14mmレンズで広角、三脚に乗せての固定撮影
  • FS-60CBにASI178MCで日食の形、AZ-GTiの経緯だモードで追尾
  • PSTと1000mmの屈折でHα、CGEM IIで追尾
です。

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向こうに見えるのが6D、手前がFS-60CBです。

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さらにHα撮影用にPSTです。

実際の準備はドタバタ状態でした。まず、6Dにつけたレンズが14mmでしたが、もう少し焦点距離の長いものでも良かったかもしれません。横向きで撮影して、日食開始から終了まで縦の半分くらいを占めました。なので倍の焦点距離にして縦向きで撮影するくらいでちょうど良かったくらいでした。でも時間に余裕がなくて画角も結構適当に決めたので、放っておけるこれくらいの画角でも良かったかもしれません。

AZ-GTiは経緯台モードでガイド無し、CGEM IIも以前FireCaptureでガイドを試したですが、今回はその余裕もなくガイド無しです。極軸合わせもできていないので、AG-GTiもCGEM IIも数分もすれば太陽の位置がずれていきます。仕方ないので、手動ガイド状態でずれたら合わせるということを2時間半くらい繰り返していました。

天気はというと、最大食くらいまでの前半は快晴に近かったのですが、

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徐々に雲が出てきて、

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食の終わりの頃にはかなり厚い雲に覆われました。

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それでも雲に隠れながらも時々は撮影できるくらい見える時もあり、結局最後食の終わりまでなんとか太陽を見続けることができました。


広角での撮影

EOS 6Dで1分おきに149枚撮影してgifアニメにしたものです。

Blink

5分おきに比較明合成してみました。

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反省点としては、同じ画角で太陽フィルムなしのものを撮影しておけば景色と合成できたので良かったかもしれません。今回は時間がなくてフィルムをレンズに直接貼ってしまったのですが、やはり簡単に取り外せるように別途穴あきのフードとかを用いてそこにフィルムを貼ったら良かったかと思いました。


食の様子

FS-60CBでもう少し見てみます。実際には167枚撮影していて食の様子をアニメにしようと思っていたのですが、途中雲にやられて位置合わせが難しかったので、今回は諦めて15分おきの9枚だけを取り出して一枚の画像にしました。

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あまり目立たないように明るくしてますが、カメラのセンサーが少し汚れていて、少しシミができてしまいました。やはり時間に余裕を持って準備したかったです。

PSTで日食時のHα画像を撮影

太陽の全体像を写したかったので、センサー面の大きいASI294MC Proを使いました。ただしPSTのBFが5mmと小さく画角がここで制限されるので、ある程度太陽を画角の真ん中にキープしておく必要があります。前述したように時間的に余裕もなくガイドもできなかったので、手動で真ん中のあたりにキープしているに過ぎません。この状態で、1分ごとに100フレームし、合計118ショットを撮影しました。ところが前半モノクロの8ビットで撮影してしまい、どうもゲインが高すぎたようでうまく光球面が出ませんでした。最大食の少し前にこのことに気づき、RAW16にしRのみをGとBに比べて大きくしましたが、前半はほとんど使い物にならなかったです。後半も雲にやられてアニメ化するにも厳しかったので、最大食の一枚だけを処理しました。

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なんと前日クマがこの場所で駆除されていた!

準備中も撮影中も、結構何人かのお客さんがきてくれました。でもみんな鮎釣りの人です。「こんにちは」と声をかけるとみんな「何か見てるのですか?」と物珍しいのか、興味津々のようです。「今日日食ですよ」というと、ニュースとかで聞いていた人がほとんどで、「え、太陽見えなくなるのですか?」とか聞いてくれます。「もう欠けてますよ」といって、太陽グラスで見てもらうと皆さん結構喜んでくれます。

もう終わりがけの頃、鮎の様子を見にきていたご夫婦が話しかけてきてくれました。なんでも前日にすぐ見えるところでクマが駆除されたとのことです。この奥様が発見者とのことで、駆除されたのが子グマだったのでまだ親グマがいる可能性があるので、注意して声をかけているとか。撮影始めの頃にはたくさんいた鮎釣りの方たちも、終わりの頃にはすっかりいなくなって、最後はほぼ自分一人でした。さすがに怖くなって、もう食も終わっていたので、すぐに後片付けをして自宅に戻りました。

以前金環日食とかの時は子供と観察したりしてましたが、実際には撮影なども含めた日食は初めての体験といっていいかと思います。やっぱり準備不足のこともありドタバタしましたが、全国的に見たら富山はかなり天気に恵まれていたようで、結構満足できました。画像処理が遅くなってしまったのですが、いつかまたチャンスがあったらもう少し戦略を練ってみたいと思います。

でも次回の日本での日食は10年後。その時はどんな状態になっているのか?機材も進化しているでしょう。もしかしたらもう興味が他にいってるかもしれません。10年後なんてわかんないですよね。



PST分解中継の関連で、Niwaさんがエタロンのことについて記述してくれていました。



なんかよくわからないけど、エタロン祭りです。今日は昔「P.S.T. (その5): のエタロンの考察」で説明したエタロンでの光の折り返し回数について、式で書いてみます。

太陽望遠鏡で使われているエタロンの特性は、(光の位相を考えない)限定された状況下なら簡単な四則計算で求めることができます。エタロンのモデルとして、2枚の鏡が距離を置いて向かい合わせに平行に置かれている状況を考えます。光の振幅を\(E\)と書きます。
etalon
上記図のように、エタロン周りの光を定義します。\(E\)は光の振幅なので、2乗したものが光の強度になります。\(E_\mathrm{in}^2\)がエタロンに入ってくる太陽光の強度を表し、\(E_\mathrm{a}^2\)はエタロン内部の光の強さ、\(E_\mathrm{out}^2\)が接眼部に出てくる光の強さになります。
\[\begin{eqnarray}E_\mathrm{a}  &=&  t_1 E_\mathrm{in} + r_1 E_\mathrm{d}\\ E_\mathrm{b}  &=& E_\mathrm{a} \\ E_\mathrm{c}  &=& r_2 E_\mathrm{b} \\ E_\mathrm{d}  &=& E_\mathrm{c} \end{eqnarray}\]\[\begin{eqnarray}E_\mathrm{ref}  &=& t_1 E_\mathrm{d} + r_1 E_\mathrm{in} \\ E_\mathrm{out}  &=& t_2 E_\mathrm{b} \end{eqnarray}\]これを解くと、
\[\begin{eqnarray} E_\mathrm{a} = E_\mathrm{b}  &=& \frac{t_1}{1 - r_1 r_2} E_\mathrm{in}\\ E_\mathrm{d} = E_\mathrm{c}  &=& \frac{t_1 r_2}{1 - r_1 r_2} E_\mathrm{in}\\ E_\mathrm{out} &=& \frac{t_1 t_2}{1 - r_1 r_2} E_\mathrm{in} \end{eqnarray}\]となります。

この式は光の位相を考えない簡略化された式ですが、ここからでもいろいろなことがわかります。簡単にするためにさらに、\[r_1 = r_2 = r\]\[t_1 = t_2 = t\]としてしまいましょう。2枚の鏡を同じものを使うということです。この場合式はもっと簡単になって、\[E_\mathrm{a} = E_\mathrm{b}  = \frac{1}{t} E_\mathrm{in} \]\[E_\mathrm{out} = E_\mathrm{in} \] となります。理由は鏡の反射率と透過率には
\[r^2 + t^2 = 1 \] という関係があるからです。(ここでは鏡には反射と透過以外にロスはないと仮定しています。)

この式の物理的な意味は、2枚の同じ特性の鏡を平行に置いた場合
  • 入ってきた光は全て通り抜ける
  • \(t<<1\)なので鏡の間の光の振幅は\(1/t\)倍に、強度は\(1/t^2 = 1/T\) (\(T=t^2\): 光の強度透過率)になる
という2つのことが言えます。さらに、近似的にはこの強度の増加比がエタロン内部での光の折り返し回数そのものです。
  • 例えば、光(の強度)を90%反射し10%透過する鏡を使うと、1/T=10となるので、10回光が折り返すエタロンとなります。
  • 例えば、光(の強度)を99%反射し1%透過する鏡を使うと、1/T=100となるので、100回光が折り返すエタロンとなります。
さて、これだけではどれだけの波長幅を通すとかまでは求められません。これを求めるには光の位相をきちんと考えて識を解かなければいけません。ちょっと面倒になるので、これはまた今度にしたいと思います。


事の発端は先日の太陽黒点の記事で、RAINYさんが木曜日にコメントをくれたことです。なんでもP.S.T.をジャンクで手に入れたけど、どこのネジも固すぎて何も分解できないとのことです。ちょうど私も2台目のジャンクP.S.T.を手に入れていたのですが、ほったらかしでまだ何もしていないので、いい機会かと思い分解の過程をZoomで中継しようということになりました。

しばらくメールでやりとりして、時期は早いほうがいいかなと週末に決定。RAINYさんが日曜は忙しいとのことなので、明日の土曜日の午前にしましょうと決まったのが、金曜日の夕方です。

この時点で、分解中継を公開にするかどうかまだ迷っていました。というのも、そもそもPSTの分解なんてマニアックなこと、何人の人が興味を持つのか?でもまあ、中には見てみたい人もいるかもと思い金曜の夕方にTwitterでアナウンスしたので、またしても直前アナウンスになってしまいました。太陽望遠鏡の場合、改造には危険を伴うのでいつもようなオープンで参加してもらうのではなく、Twitterのダイレクトメールで参加表明してくれた方だけにアドレスをお知らせしました。

それでもだんだん大袈裟な話になってきたので、決定した金曜夕方らか準備に取り掛かります。必要な道具は円筒部分を挟んで回せる工具。パイププライヤーと言うらしいのですが、なぜか自宅にあるはずのが見つかりません。仕方ないので急遽近所のホームセンターでとにかく買いに行くことにしました。田舎でお店が20時には閉まってしまうので、夕食前に行くことに。

ホームセンターでは通常のものより大きく開くタイプのプライヤーを見つけました。普通は直径40mmくらいまでのものが多いのですが、今回70mmくらいまで開くのがあったので、PSTの鏡筒部分や太いエタロン部分でも大丈夫そうです。もう一つキッチン用のキャップオープナーを買ったのですが、結局こちらはなんの役にも立ちませんでした。

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さて、こんなマニアックなテーマなのに、金曜のうちになんと4人もの奇特な方が参加表明してくれました。RAINYさんも他の人を個別に誘っている可能性もありますが、少なくとも私とRAINYさんも入れると6人にはなります。

PST自身は箱にものがきちんと入っていることだけ確認しました。以前到着した時に一度開けてはいますが、まだ太陽を見てもいないので、そもそも稼働するかどうかもわかりません。実際に分解できるかどうかは、臨場感を味わってもらうために、次の日の本番まで何も触らないでおきます。


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まだ箱に入りっぱなしの2台目のPST。

朝も休みの日にしては少し早めに起きて、中継用のカメラの準備をしました。今回は手元をできるだけ広角で綺麗に映そうと、webカメラがわりにEOS 6DにCanon USが開発したWebcam Utilityを使うことにしました。実はこれ6D Mark IIは対応していますが、6Dは正式には対応していません。でも実際には対応外でも使えることをこの前テストしています。ただ、今のところWindowsでしか動かないので、別途Surfaceマシンを撮影用に使うことにしました。録画もこのSurfaceですることにします。他の操作は別途Macでやることにしました。

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朝の準備の様子。

困ったのは音声です。やはりマイクとスピーカーはMacの方が良いようです。Surfaceではハウリングが起こりやすく、どのマイクをオン、どのスピーカーをオフとか制限が厳しかったのです。記録テストをしましたが、画像は記録しているPCが映しているもの、音声は他に接続されたPCからのものも全て録音することがわかったので、基本マイクとスピーカーはMacのものを使うことにしました。

準備が完了したのが開始時間10時の5分前くらい。最後にコーヒーを用意して、10時ちょうどくらいにPCの前に行くと、Niwaさんがすでに入ってくれていました。程なくして、シベットさん、RAINYさんも入って、Zoom中継の始まりです。と言っても、工具を忘れていたりで段取りが悪くて私の方がドタバタしてしまい、実際の開始は少し遅れてしまいました。メンバだーけ言うと、途中からやくもふさんが遅れて入ってきてくれて、さらにRAINYさん経由でMさんが入ってきてくれました。RAINYさんが他にも何人か声をかけてくれていたようですが、おそらくみなさん忙しいとのこと。かく言うMさんも仕事中とのことでした。あと、開始してからDMを届けてくれた方がいて、私が分解に夢中で気付けなくて参加できなかったので本当に申し訳なかったです。

さて実際の分解ですが、今回RAINYさんの1台に加えて、シベットさんもジャンクPSTを1台手に入れていて、あとは私が2台と、合計4台です。私の最初の1台はすでに分解したことがあるものなので、すぐに外せますし、外して構造を見ることもできます。一旦この1台目をある程度分解して解説します。

その後、他の3台の分解の挑戦です。まずは接眼部から。接眼部は2つ円筒がくっついています。RAINYさんは全然外せなかったとのこと、シベットさんは先のものだけは外せたようですが、もう一つ本体に付いている方は回そうとしても滑ってしまいどうしても外せなかったとのことです。私はと言うと、とりあえず手でひねってみたら先っぽの方は一つ外れました。

PST2

eyepiece2

でも奥のもう一つはシベット さんと同じく、どのように力を入れても外れません。ここで道具の登場です。まず傷つけないように、円筒部にゴムの板を巻き付けます。昔100均で買ったCANオープナーを使いました。そこをパイププライヤーで挟み回します。でもやはり全然捻れません。かなり力を入れてもシベットさんが言う通り滑ってしまいます。

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そこで秘密兵器です。1台目の分解の時に鏡筒部とエタロンがどうしても外れなくて一週間格闘して、最後にたどり着いたMR.HOBBYの「Mr.ツールクリーナー 改」です。これは模型用ですがかなり強力な溶剤で、筆やエアスプレーの機材を洗う時に使うもので、「模型の塗料剥がしには使わないでください」というものです。プラモデルとかだとプラモデル基材自身を溶かしてしまいます。昔一度、床にこぼしてひど目にあったことがあります。

このMr.ツールクリーナー 改をごく少量、外れない接眼部と本体の間にたらして、数分待ちます。そして再びゴムで保護しながらパイププライヤーで回すと、今度は先ほどまで力を入れなくても外れました。

Mrtools

Mrtools2

eyepiece

eyepiece2

外した跡をみると、接着剤がついていた後があるので、やはり製造の段階で強固に固定されていたことがわかります。また、「Mr.ツールクリーナー 改」が染み込んで乾き切っていない跡が見えるので、やはり接着剤の融解にかなり効果があったものと推測されます。

さらにさらにですが、中のプリズムが相当汚れていました。液体がいくつも飛び散って乾いたようになっていて、外した時に汚れたにしては液体の量が多すぎるので、今回のクリーナーではないと思います。おそらく製造過程でついたものか、考えにくいですが密閉状態で汚れていったものかと思われます。ラッキーなことにアルコールが含まれているレンズクリーナーで拭き取るとすぐに取ることができました。

と言うわけでどんどん進めます。次は鏡筒部分。RAINYさんは全く外せなかったとのこと、シベットさんはエタロンと本体は外れたけれど、エタロンと金色の鏡筒部分が外せなかったとのことです。私はまず手でやってみるとシベットさんとは逆で、エタロンと金色の鏡筒部分は簡単に外れましたが、エタロンと本体が外れませんでした。外れないところは同様に「Mr.ツールクリーナー 改」を垂らして染み込ませます。

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シベットさんも事前情報でMr.ツールクリーナー 改を手に入れていたので同様に進めましたが、量が多すぎてロゴ部分にかかってしまい、塗料が簡単に取れてしまったそうです。

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PCの画面にシベットさんのCORONADOのO文字が一部消えてしまったのが映っています。

やはり「Mr.ツールクリーナー 改」は相当強力なので、気をつけて扱う必要があります。染み込ませて待っている間に時間があったので、少し会話になりました。今回はあまり自己紹介とかあらわに時間を取らなかったのですが、この時間が少し自己紹介がわりになっていたでしょうか。

そうそう、これは私が悪かったのですが、今回の改造は太陽を見る望遠鏡ということもあり、一番最初に危険であると言うことを確認してから始めるべきでした。このことを話したのがこの時か、もう少し後だったでしょうか。このブログを見ている方にも必ずお願いしたいです。

太陽望遠鏡の改造は危険を伴います。改造したものを目で見ると失明する恐れがあります。口径を大きくしたりする改造は高温で火災になる可能性もあります。改造の際は危険を認識し、あくまで自己責任で行うようにしてください。このブログはこのような改造をできると言うことは示しますが、決して改造を進めることを目的とはしません。またたとえ事故になったとしても責任を取ることはできません。PSTの改造を調べていくと、いずれ海外の例などで大胆な改造していることを知ることになるとおもいます。同様なことをしようとするときの注意点などを日本語で示すことができればと思っています。

繰り返しになりますが、失明などの恐れがありますので、改造などする際は危険を認識し、自己責任の範囲内で行ってください。私は改造後はアイピースで見るようなことはしていません。全てCMOSカメラで映すだけにしています。

と言うような注意を実際のZoom上でもしました。楽しい趣味でやっていることです。事故など起こしてつまらない思いをしないよう、本当に注意してください。

さて、会話をしている最中にパイププライヤーで「エイ、ヤッ」と回すと、多少力がいりましたが、簡単に外すことができました。さらにその後、鏡筒の先についた対物レンズは、クリーナーなしでプライヤーだけで外すことができました。

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全部解体したところでまだ10時40分。12時まで考えていたので、遥かに順調に分解できてしまいました。RAINYさんはパイププライヤーは持っていましたが、Mr.ツールクリーナー 改がなかったこと、シベットさんは逆に、Mr.ツールクリーナー 改は用意していたけどパイププライヤーを持っていなかったことで、今回は分解はこれ以上進めることはできませんでした。やり方は少なくとも伝わったと思いますし、今回3箇所難しかったところを開けることができているので、たまたまと言うことはないはずです。それぞれ後日自分で試してみるとのことでした。

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その後はエタロンの話になり、どうやって光の周波数が選別されるのかを解説したりしていました。Niwaさんは完全に理系の方のようで、鏡の反射率で折り返し回数を決めることができるという理屈をきちんと理解してくれていたようです。ここでのキーワードはFSR(エフエスアール、Free Spectral Range、フリースペクトラルレンジ)とFinessse(フィネス)です。FSRでファブリーペローエタロンの櫛形特性の櫛の間の波長が決まり、フィネスでそれ透過波長がどれだけ鋭くなるかが決まります。ブログでも以前ここや、ここでいろいろ解説していますので、興味のある方は是非お読みください。

あ、そうそう、実はNiwaさんとやくもふさんは、そもそもなんでPSTを分解する必要があるのかをまだ認識されていなかったので、そこから解説したりもしました。PSTは口径4cmしかなくて、分解能が公開で制限されてしまうために、鏡筒部分を同じF値の口径の大きいものに交換すれば分解能を上げることができるという話です。

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私の場合、写っている10cmのアクロマート鏡筒にPSTを取り付けて分解能を上げています。

これも話したのですが、分解能を上げるのにはPSTの改造とういうのはおそらく邪道です。現実的にはCORONADOやLUNTの大口径の太陽望遠鏡を買うか、DAYSTARなどのアイピース側につける太陽用エタロンを使うと鏡筒を選ぶことができ大口径化もできます。メーカー保証もあるので、普通はこういったほうが真っ当なやり方だと思います。PSTは入門用なので安価なこと。それでも新品だと10万円以上はするので、望遠鏡としてみたら決して安いものではありません。太陽望遠鏡の中でみると安価な方なので、それを改造した方がコストパフォーマンスよく大口径につなげることができると言うのが元々の動機です。こう言ったことも理解して、PSTの改造に臨むのですが、私の目指すのはC8で20cmの口径の太陽望遠鏡にすることです。

さて、時間があったので太陽望遠鏡にとどまらず、皆さん色々な方向に話が飛んでいきます。中でも盛り上がったのがホタルです。Mさんが多分私のブログのホタルの記事を見て富山にいつか来たいとか発言したのから始まったのかと思います。それぞれの地域での撮影場所の話はもちろん、何時頃光るのか、オスメスの違いや、満月だとあまり光らないとか、Niwaさんがホタルの写真を見せたりと、星からだんだん離れていきます。そのうちなぜかホタルとカワセミの関係の話になり、Mさん得意の野鳥の話になり、RAINYさんや私もキジの写真を見せたりとか、盛り上がりました。

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まだまだ盛り上がりそうでしたが、ちょうど昼の12時になりキリがいいのと、RAINYさんが午後から仕事とのことだったので、ここで頑張って止めたような感じでした。

最近Zoomでの天文談義もさぼっていたのですが、やはりこんなふうにテーマが決まっていた方がやりやすいですね。もしくは、私は場所だけ提供して、適当に話してもらうとかでも逆に良いのかもしれません。今回のメンバーに聞いても、またこんな会を開いてほしいという意見が多かったので、そのうちにやりたいと思います。でも気まぐれなので、あまり期待せずに待っていてください。


まとめ

とにかく、時間内に無事に分解できたのでホッとしているというのが一番の感想です。うまくいかなくて、どこも分解できなかったらどうしようかと思っていました。

なのであとは気楽なもので、私自身も会話を楽しむことができました。皆さん、おそらく楽しんでいただけたのではと思います。Niwaさんはまだ星を始めて一年経っていないとのことで、ずっと孤独でこんな風に話ができたがよかったと言ってくださったので嬉しかったです。

終わった後、自分自身は結構充実していて、でも疲れていて昼からソファーで座ってずっと居眠りしてしまいした。


富山もホタルシーズンになりました。昨年は雨が多くて結局撮影には行けなかったので、2年ぶりの撮影になります。


天の川とホタルを一緒に撮るぞ!

今年の狙いはなんとしても天の川とホタルを一緒に収めること。一昨年も一応天気の良い日を狙って天の川も撮影しましたが、動画が主役で天の川は申し訳程度の物でした。

今年の6月はじめ、地元でホタルが出始めたとのニュースを聞いたのが満月の少し前です。満月前では天の川が出る時間にもう月が出てしまっているので、天の川と一緒に撮ろうと思ったら少なくとも満月を過ぎるまで待たなければいけません。

満月を過ぎ、月の出が22時半ころになる6月9日、ギリギリ天の川も月が出る前にそこそこ上まで登ってきます。次の日から雨の予報なので、おそらく梅雨前の最後の晴れです。多分この日が今年唯一のチャンスでしょう。 


いつものホタルポイントに到着

ホタルが舞う最盛の時間は20時頃。でもこれだと天の川には早すぎるので、仮眠をとっておいて21時過ぎに自宅を出ます。21時半過ぎには現場に到着。車を公民館の駐車場にとめ5分ほど歩きます。駐車場にはまだ車がたくさんありましたが、もう見学が終わって帰ってくる人がほとんどでした。

ちょうどこの時間から見にくご家族がいて、道がわからないというので一緒に歩いていきました。途中で「星とホタルを撮るんですよ」とか「織り姫、ひこ星あそこですよ」とか、星のことを話しながら現場まで行きました。ホタルスポットは何箇所かあるのですが、いつも行くところには時間外れのせいでしょう、もう誰もいません。それでもじっとしているホタルはそこそこいて、何匹かは空を飛んでいます。撮影の準備をしていると、その家族も「頑張ってください」と声をかけてくれて、帰ってしまいました。それからは誰も来なくて、ずっと私一人だけでした。


実際の撮影の様子

問題はこの日の透明度の悪さです。自宅を出るときに北極星が見えなかったのである程度覚悟はしていましたが、現場についても夏の大三角に毛が生えたくらいしか見えません。もともとあまり暗いところではないのですが、さすがにこの日は天の川はちょっと厳しそうです。南の方がまだ少し暗いのですが、それでもさそり座もアンタレスと3つの星がかろうじて見える程度で、天の川の撮影としては相当厳しい状況です。

試しに撮影してみましたが、撮って出しだとこれくらいです。

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現場でモニターで見るくらいだと、天の川は全く写っていません。それでも何枚か重ねれば少しは出るだろうと撮影を始めました。6DでSAMYANGの16mm F2.8で20秒露光、ISO1600で枚数を稼ぎました。よく似た構図で2箇所で撮ったのですが、使えそうなのは一昨年とほぼ同じ構図のものだけでした。

撮影してたらカメラ背面の下の方に緑のライトが点滅してます。「あれ?こんなところにLEDなんてあったかな?」と思ったら、小さなお客さんでした。

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この後もこの子、撮影が終わりに近づくくらいまでずっと同じところにとまっていました。暗い中で見ているとカメラに特別な機器でもつけたような、なんか得した気分で撮影していました。


画像処理、天の川は写っているか?

自宅に帰って実際に撮影した画像を見てみると、それなりに炙り出せばおぼろげですが天の川が少しだけ見えます。少しやる気になって画像処理を進めてみました。

この時期の天の川が登ってくる時間は、そもそもホタルの数が少ないので、84枚、トータル28分の長時間撮影した画像を比較明合成して見栄えを良くしています。比較明合成をするソフトはWindowsだとSiriusComp、MacだとStarStaxなど、いくつも便利なソフトがありますが、今回はPixInsightを使ってみました。ImageIntegrationで「Combination」のところを「Maximum」にすれば比較明合成ができるようです。

ホタル部分はこれでいいのですが、天の川部分は苦労しました。20秒画像一枚ではあまりに淡くノイジーです。スタックを試みたのですが、今回赤道儀は使わなかったので時間と共に星の相対位置がレンズの歪みでずれてしまい、なかなかうまくスタックできません。

まずSequatorを試しましたが、歪みの補正まではしてくれないようで、スタックすると端の星が線になってしまい、早々に諦めました。

PixInsightのStarAlignmentは歪みも含めて星の位置を合わせてくれますが、これでさえも最初は全くうまくいかず、ほぼ全てのパラメータを触ることになってしまいました。そもそもまず、景色部分が多いと景色の方が位置合わせされてしまいます。そのため、星が写っている部分を切り抜いて、それを参照画像にして位置合わせをします。これでとりあえず星で合わせようとはしてくれますが、それでも端の方は相当ずれます。

結局一番効いたところが「Star Matching」の「Compute Intersections」をオフにすることでした。他にもRANSACのInteractionの数を増やすのも多少効きましたが、あとはほとんどデフォルト設定でそこそこ星像が一致するようになりました。デフォルト以外にすると劇的に悪くなるパラメータもあったので注意が必要です。それでも端のほうは完全には位置合わせをすることができず、1枚、4枚スタック、8枚スタックの画像を比べ、位置ズレとノイズ減少のバランスがなんとか許容範囲の4枚スタックを採用することにしました。

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あと、今回ダーク、フラットは補正していません。ただし淡い天の川なので相当炙り出しているために、ホットピクセルがかなり目立って線を引きます。そのためダーク補正代わりにPxiInsightのCosmeticCorrectionで取り除いています。これで目立たない範囲まで落とせます。またフラット補正代わりに、DBEで周辺減光とカブリを取り除いています。こうしないととてもではないですが、天の川は見えてきません。

もしかしたら一昨年の画像もPIで処理するともっとまともな画像になるのかもしれません。その当時はPIもまだ使えてなかったし、DBEのような強力なフラットツールも使えなかったので、あぶり出しにも限界があったのだと思います。


出来上がり画像

蛍の比較合成画像と、天の川の写った星の画像を合わせるのも大変でした。こういったトータル撮影時間の違う画像を合わせるのは新星景と呼ばれる分野になるのでしょうか。ただ、今回は地上の方が遥かに長い時間になっています。

ホタルも天の川も同じ時間に撮っているので嘘は何もないのですが、ホタルと天の川の撮影枚数が全然違うので、これはどちらかというとやはり合成写真の部類になってしまうと処理をしながら思いました。

それでも見栄えだけは良くしようと努力しましたが、そもそも地上と天の川では炙り出しの度合いがとてつもなく違います。境界の部分がなかなか自然っぽくなりません。結構な時間を費やしましたが、今回はこのくらいが限界です。

integration_RGB_AS3
  • 富山県射水市, 2020年6月9日22時3分から22時36分
  • Canon EOS 60D(ISO3200), 露出20秒
  • Samyang 14mm F2.8
  • ホタル: 露出20秒 x 84枚をPixInsightで比較明合成
  • 星: 4枚をPixInsightとPhotoshopで処理

どうでしょうか?少なくとも一昨年よりは天の川は出ています。それでもまだノイジーですね。ホタルの数は一昨年の方が全然多いです。数はいるので、もっと乱舞している時間に撮影したいのですが、これもまた天の川と合わせると無い物ねだりです。

ホタルの飛ぶ時間、天の川の上る時間、月がない時、梅雨時期にもかかわらず天気がいい日、透明度がいい日と、条件がとてつもなく厳しいです。今回は透明度以外は条件は揃いましたがそれも本当に1日限りのチャンスでした。来年以降さらなるいい日を求めて、続けたいと思います。


おまけ

おまけで撮って出しJPEGをStarStaXで比較明合成だけした物をいくつかです。

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昨日に引き続き、自宅勤務を利用して太陽撮影です。昼の時間と夕方に撮りましたが夕方の方がシンチレーションが少し良かったみたいです。

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  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.2 (64bit)
  • 撮影時間: 2020/6/8 16:44 ser形式でgain 410, 5ms x 1000フレーム中上位80%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理
昨日の画像と比べると、太陽の自転で黒点が右に移動しているのが分かります。

二日に渡り撮影しましたが、大幅な改善はなく、これ以上の分解能がなかなか出ません。昨年撮ったものがこれで、これまででベストのものです。

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昨年の方がはるかに分解能が出ています。そもそも今見ると、黒点の大きさが全然大きかったこともあります。これ以降、同じ黒点を撮影してもここまでの分解能はでなかったので、おそらくこの日はシンチレーションが良かったのでしょう。

昨年のパラメータを見ながら今日は露光時間を短くしてみたのですが、少し良くなったかもと言うくらいで、大幅な改善は見られませんでした。

焦点距離が足りて無いのと、口径で分可能がリミットされていることはわかっているので、まずはバローで拡大か、もしくはずっと滞っている大口径化を本気で考えた方がいいかもしれません。

久しぶりに目立つ太陽黒点が出ているとのことで、早速撮影してみました。前回の黒点の撮影は2019年の4月なので、なんと一年以上ぶりの黒点撮影になります。

午前中の用事を済ませた頃、仲のいいかんたろうさんから電話がかかってきました。午前中に反射板でさっそく黒点を見たとのこと。「これから撮影しますよ」というと、自宅まで来てくれるとのことです。撮影準備をして雲が晴れるのを待っている頃、かんたろうさんが到着しました。星仲間と実際に会うのは何ヶ月ぶりでしょうか。県内ならやっとこんな交流もできるようになってきました。

雲がたまに晴れますが、いずれも短時間。その間にピントを調整したり、エタロンの角度を合わせたりで、撮影できるチャンスを待ちます。その間、最近手に入れた機材や、撮影した写真とか見せ合います。やっぱり星仲間との会話はいいですね。 

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太陽撮影風景。写っているのはかんたろうさんの手です。

そのうち、何度か晴れ間があり、黒点を含めて何ショットか撮影しました。 その中のワンショットを処理したものです。

15_05_53_lapl4_ap403_IP_cut

  • 鏡筒: 国際光器マゼラン102M、口径102mm、焦点距離1000mm、F10 アクロマート
  • エタロン: Coronado P.S.T.
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影ソフト: SharpCap 3.2 (64bit)
  • 撮影時間: 2020/6/7 14:51 ser形式でgain 320, 12.5ms x 5000フレーム中上位30%を使用
  • 画像処理: AS3にてスタック、ImPPGで細部出し、PhotoshopCCで後処理

 撮影後、自宅の部屋で撮影した画像を見たりして話は全然つきません。そうそう、最近かんたろうさんも私もZEROを手に入れたのですが、この話はまたいずれ。

久しぶりの黒点、結構満足でした。これから太陽活動も活発になっていくのでしょうか。楽しみです。


アンタレス付近を撮影した際のフラット補正に続き、EOS 6Dで撮影した場合のダーク補正について少し述べます。

元々あまり面白くない内容と思い、お蔵入りしようとしていた記事です。でもNINAの使い方の記事コメントでTKさんが撮影時の温度について述べてくれたので、どこまで意味があるか分かりませんが記事にだけしておこうと思いました。大したことは言ってませんが、何かの参考になれば程度です。

温度変化させ撮影した6Dのダークフレーム

今回ダークフレームは180秒露光で冷凍庫と冷蔵度と室温で適度に出し入れしれ温度の上下を行き来させて撮影しています。撮影できた温度は

-2度:3枚
-1度:1枚
0度:2枚
1度:3枚
2度:2枚
3度:2枚
4度:4枚
5度:4枚
6度:3枚
7度:4枚
8度:3枚
9度:4枚
10度:3枚
11度:2枚
12度:3枚
13度:1枚
14度:3枚
15度:5枚
16度:1枚
17度:18枚
18度:12枚
19度:1枚
21度:1枚
23度:1枚
25度:1枚
26度:1枚

の計89枚です。実際に撮影した順序は温度が上下していますが、それを温度別に並べています。実際にダーク補正で使ったものはこの中のうち11度から17度の34枚です。実際のライトフレームは13度から15度までの温度変化なのですが、ダークの枚数を稼ぐために少し温度範囲を広げています。

ちなみに、この温度はBackYard EOSで測定したものなのですが、この温度情報TKさんのコメントによるとファイルのExif情報として書き込まれているとありました。ところが、EOSの中でも温度情報が書き込まれているものと書き込まれていないものがあるらしくて、6Dは私が探した限りは温度情報はファイルには書き込まれていないようでした。他にもAPTでは温度を読めるという情報もありますが、私はまだ試していません。


撮影されたダークフレームの比較

まず、これらのダークファイルを温度が上がっていく方向で動画にしてみたのですが、Youtubeにアップした時点で最初だけブロックノイズが発生し、うまくいきません。まあ、動画で見てもあまり得るものはないので、諦めて幾つか比較するだけにします。

一番温度の低いものをオートストレッチしたもの
Blink00004

と、一番温度の高いものを、(一番温度が低いもののオートストレッチのパラメーターで)ストレッチしたもの
Blink00089
です。この2枚を比べると明らかに温度が高い方が明るく、ノイジーなことがわかります。温度が低いときには縦横の線が見えて、温度が高くなるとその線が熱が上がったことによるノイズで覆い隠されているという状況です。


スタックしたマスターダークの様子

次に、実際のダーク補正に使った、55枚をスタックしたマスターダークフレームです。

masterDark_BINNING_1_EXPTIME_181_integration_RGB_VNG_cut
ランダムノイズがスタックでルート55分の1に減少し、固定ノイズが残ったような状態です。これを見ると、横縞はランダムノイズ成分が多く、縦縞は固定ノイズ成分が多いことがわかります。これはバイアルファイルを見ることでもわかります。

下が、同ISO800で露光時間最小の1/4000秒で100枚撮影してスタックしたマスターバイアスになります。

20190206_bias_6D_ISO800_s4000_x100_integration_RGB_VNG_cut
バイアスノイズは縦縞が多く、これがマスターダークに乗っかっていることがわかります。

上2枚の比較は、オートストレッチ時にパラメータが違うので直接の比較はできません。マスターバイアスのパラメータでマスターダークを表示させたものは直截比較ができるはずで、以下がそれになります。

masterDark_181_integration_RGB_VNG_calibrted_to_master_cut
マスターバイアスに比べて、相対的に青味がかった横縞成分のダークノイズが乗っかっていることがわかります。


輝点ノイズの傾向と、温度変化で出てくるノイズ

次に、撮影時RAWと同時にJPEGで保存されたダークフレームを動画にしたものです。


JPEG動画の方は比較的理解しやすいです。
  • まず、EOSのDIGICエンジンで、背景の細かいノイズがものの見事に真っ黒になっています。
  • ポツポツとある輝点のはホットピクセルに相当するものだと思います。
  • 輝点も固定されたものと、ランダムなものがあるのがわかります。
  • 最後にノイズがバッと増えるのがわかりますが、これが温度が高くなった時です。
  • 不思議なのが、温度が9度前後のところに一枚だけノイズが格段に大きいものがあります。もしかしたら途中光が漏れた可能性が完全には否定できませんが、これ一枚だけというのもあまりありそうでない話で、それよりも冷蔵庫や冷凍庫への出し入れの際に急激な温度変化が起こって、読み取り温度と実際のセンサーの温度が違った可能性の方が高いと思われます。
結局、何が正しいかはここでは決着はつけられないのですが、一つ言えることは、たとえ温度が問題ないように見えてもノイジーなダークフレームが混ざる可能性は否定し切れないということです。今回はこの画像は必要な温度外にあったので使いませんでしたが、ダーク補正の前に一応念のためにおかしなファイルができていないかは、確かめた方がいいということくらいは言えるのかと思います。



まとめ

大した内容ではないですが、一応まとめます。
  • BackYard EOSで記録された温度は、必ずしもセンサーの温度と一致はしていない可能性が高い。 
  • 撮影された個々のダークフレームにはバイアスノイズ+ランダムなノイズ+固定されたダークノイズ(固定されたホット、クールピクセル含む)
  • スタック(他数枚を加算して、平均化されたという意味)されたマスターダークにはバイアスノイズ+スタック枚数のルート分の1されたランダムなノイズ+固定されたダークノイズ(固定されたホット、クールピクセル含む)
と、今回せいぜい言えるのはこれくらいでしょうか。

こうやって考えると、ダーク補正には輝点ノイズを除去するという役割が大きく、他には「ある温度である長時間露光した時の固定ノイズ」を補正するという役割があるはずですが、今回の結果ではあまりあらわにはその状況を表すノイズだけを可視化するには至っていません。マスターダークからマスターバイアスを除去した画像がそれになるはずですが、うまく除去する方法がわかりませんでした。仮にうまく除去できたとしても、それが本当に固定されたものなのか、ランダムノイズが消し切れずに残ったものなのかは切り分けは難しいでしょう。

もっというと、今回見せた画像は全てPIのオートストレッチで炙り出して初めて見えた画像です。あぶり出さなかったら、全く見えず効果の程は全然わかりません。ではダーク補正は見えていないので効果はないかというと、もちろんそんなことはなく、欲しいライトフ画像も炙り出して得られるもので、その結果ノイズが浮き出てきて、その状態でのダークノイズの除去は効果があるはずです。

でも今回は全部定性的な話のみで、定量的には何も示せていません。もう少し評価方法をいろいろ考えてみたいと思います。

あまり大した結果を示していなくて読んでいただいた方には申し訳ないのですが、ノート程度と思っていただければありがたいです。


前回のアンタレス付近の画像処理をする際、フラット補正で結構うまくいったので、別記事で書いておきます。




フラット補正の方法

フラットですが、これまで口径60mm程度の小口径鏡筒はiPadをフラットライトパネルがわりにして使っていました。でもTSA-120位のある程度の口径になってくると、まだきちんと合わせることができません。また、フラット補正情報のS/Nを稼ぐために暗い光はダメで、明るい光なら大丈夫ということもわかってきました。RGBのカラーバランスも大切そうで、液晶パネルはある程度の波長依存性があるという情報もあるようです。

その過程で思ったのが、フラットライトパネルでなく、暗くない自然光が均等にある状態があればいいのではということです。例えば以前見学に行った木曽シュミットでは、ドームの壁に吊るした白いスクリーンを撮影してフラットフレームにしているとのことです。

IMG_2444

最初、口径が大きいのでフラットパネルライトに相当するものがないのでこうしているのかと勝手に思っていたのですが、むやみに明るい必要はないこと、波長依存性があまりないこと、完全に均等でなくてもどうせ焦点は合わないことなどを考えると、むしろこういったシンプルなほうがいいのではと思ったのです。


実際のフラットフレームの撮影

なので今回は撮影は少し暗い部屋で、廊下の障子越しの光を写してフラットフレームとすることにしてみました。

IMG_0196


見ている限り口径60mm程度のローカル範囲では均等、明るさ的にも十分です。ヒストグラムを見ながら、ISO100で露光時間20ミリ秒でピークが中央に来る程度にして100枚撮影しました。

100枚をスタックして出来上がったマスターフレームになります。オートストレッチして周辺減光を見やすくしています。

masterFlat_BINNING_1_FILTER_NoFilter_integration_RGB_VNG
100枚のマスターフレームをスタックしたMaster flatをオートストレッチしたもの。

ただしこれだと、天体撮影時に時間変化するようなカブリの移動は補正できません。特に今回は撮影中、薄明に少し入って背景の明るさが変わった時に明らかにカブリが変わったことを実際に見ていたので、1次的な変化で変わるようなカブリはPixInsightのDyamicBackgroundExtraction (DBE)で補正することにします。


バッチ処理でのフラットの補正

まずは1枚目のRAW画像をオートストレッチしてJPGにしたものです。周辺減光がかなりあるのが分かります。

LIGHT_6D_180s_800_+13cc_20200530-00h44m10s100ms


次に、これらのRAW画像をPixInsightのWeightedBatchPreprocessingの自動処理でフラット補正をして、スタックした実際の結果が下になります。

masterLight-BINNING_1-FILTER_NoFilter-EXPTIME_181.5_PCC_slope

これを見ている限り、周辺減光は相当きれいに除去することができています。

ただ、やはり予想通り、1次的に変化するようなカブリが見られました。これはDBEで4隅のみを4点、もしくはそれぞれの4点の中間も合わせて8点を指定することで簡単に除去することができます。DBEで補正とともに抜き出してみます。


DBEで4点指定のカブリ補正

まずは四隅の4点のだけ指定した場合。除去された部分を見てみます。

masterLight_EXPTIME_181_5_PCC_background2

分かりやすいようにオートストレッチしていますが、きれいに横向きのカブリが出てますね。そのカブリを補正したものが下です。

masterLight_EXPTIME_181_5_PCC_DBE

すでに悪くないです。でも8点指定した場合と比較すると分かりますが、まだ少し濃淡が残っています。


DBEで8点指定のカブリ補正

念のため8点指定の場合を見てみます。

masterLight_EXPTIME_181_5_PCC_background2

masterLight_EXPTIME_181_5_PCC_DBE3

8点指定の方がやはりいいですね。これなら、かなり炙り出しがいのある画像になったというものです。

おそらく4点だと平面、8点だと縦横で2次曲面での補正になるのかと思います。

ここで少しコツですが、スタックしているとディザーなどの画角のズレで、縁の方は一部明るさが違ったりします。その明るさが違う部分に点を打つのではなく、全枚数がスタックされた部分の外側の方に点を打つときれいにスロープが取り除かれます。縁の明るさがずれている部分は後でトリミングすればいいでしょう。


考察

今回の一番のポイントは、周辺減光とカブリをうまく切り分けられたことかと思います。カブリは長時間撮影の場合は変化するはずで、それを平均化したフラットフレーム一枚で補正し切るのは、原理的に難しいはずです。でも周辺減光さえきれいに補正できていたら、あとは簡単なスロープだけで補正できるので、ソフト的に補正してしまえばいいはずです。

こうやって考えると、少なくとも周辺原稿をきちんと補正できる「自然光を利用したフラット補正」は悪くないのかと思います。

今回のフラットフレーム撮影時のポイントは
  • 波長依存性の少ない実際の空に近い自然光。
  • S/Nが悪くならないように光源に十分な明るさがある。
  • 鏡筒がある側の撮影場所は暗く、邪魔な迷光があまり入らない。
  • 光源がフラットになるように、今回は障子を通った光を使った。
  • ランダムノイズが無視できるような十分な枚数。
と言ったところでしょうか。


まとめ

口径が60mmの時は、これまでのフラットライトパネルを使っての補正でもうまくいったことはありますが、これほど周辺減光がきちんとれることは稀で、大抵は補正の残りが四隅とかにあって、毎回DBEで苦労して補正していました。銀河とかならいいと思いますが、全面星雲とか、暗黒帯ウヨウヨとかだと、DBEの多数点指定ではせっかく炙り出したい天体を、無駄に禍補正してしまったりします。

今回の「自然光を利用したフラット補正とDBEでのシンプルカブリ補正」という手法が、例えばまだうまくいっていないTSA-120とかのより大きな口径のものでもうまくいくなら、なかなか確定しないフラット補正のいい手法になるのではないかと思います。引き続き同様の方法で試していきたいと思います。


今週は週末に近づくにつれ、どんどん晴れてきました。透明度も良さそうです。少し月が沈むのが遅いですが、久しぶりの気合の入った撮影です。


久しぶりに気合を入れて準備

木曜の夜、仕事が終わってから少し撮影しようと準備したらすぐに曇って仕方なく撤収。しばらくして寝る直前に空を見たら快晴で、すごい透明度でした。でも次の日仕事もあるので、泣く泣く諦めることに。

金曜の夜も晴れてそうです。この日も昼間の立山を見る限り透明度はまだ良さそう。せっかく透明度がいいので、たまには暗いところに行こうと、機材を準備して車に荷物を積み込みました。と言っても、前回田んぼに映る天の川を撮ったところ。通勤途中を一本外れて山の上に向ったくらいで、自宅からも20分くらいの近距離です。

ターゲットはアンタレス付近です。焦点距離の短いカメラレンズにするか、FS-60CB+レデューサーにするか迷いました。2年前に同じ場所を撮影した時にはまだレデューサーも持っていなくて、フラットナーも旧タイプのもので撮影していました。まずは少し視野を広げた状態で撮ってみようと、FS-60CB+レデューサーを選びました。うまくいったら、いつかもう少し短い焦点距離のカメラレンズで少し広い視野で撮ってみようと思います。

IMG_0184
TSA-120用に用意したガイド鏡もつけたら、結構禍々しい機器になってしまいました。

このレデューサーをつけると、短いアダプターを外さないとピントが出ません。短いアダプターのところを鏡筒リングで固定していたので、それができなくなり、カメラ回転アダプターを内側に入れ込みその外につけたレデューサーを鏡筒アダプターで固定しなくてはいけません。暗いところでこれをやると難しいので、明るいうちにカメラの角度も含めて変更、調整しておくことがコツです。

月がしばらく明るいので出発までに少し仮眠をとります。22時頃、空を見ると少し雲がありますが、昨日のように途中から晴れることも十分あるのでとりあえず出発です。


自宅外での撮影でトラブル続出

現場に到着しましたが、月のある西方向は晴れ。でも肝心の東から南にかけて厚くはないですが雲がかかっています。少し迷いましたが、とりあえず設置を始めます。運良く設置途中からどんどん晴れてきて、全面快晴になりました。

ところが撮影準備の間、いくつかトラブルがあり撮影開始時間が結構ギリギリになってしまいました。
  1. 最近撮影用PCで活躍しているSurfaceでSharpCapのPolar Alignで極軸を取ります。N.I.N.Aで一眼レフカメラでまだ撮影したことがなかったので、今回挑戦しようと接続までしましたが、温度情報が読み取れなさそうなことに気づき諦めました。
  2. 仕方ないのでBackYard EOSに移ろうとしたら、SurfaceにはBackYard EOSがインストールされていないことに現場で気づき、急遽Stick PCに変更。
  3. Stick PCに交換し、BackYard EOSを立ち上げても、なぜかカメラを認識せず。BackYard EOSを再起動したり、PCを再起動したりで、気づいたのはUSBケーブルがまだSurfaceにつながったままだったこと。これだけで20分くらいロスしました。
  4. そのころにはアンタレスが南中を超え始めていたので、赤道儀を反転させたのですが、その後StickPCがネットワークに繋がらなくなりました。StickPCはモニターがないので、ネットワークに繋がってないと画面を見ることもできないのです。外に出た時はELECOMの小型ルーターを持っていっているのですが、とりあえず原因がわからず、PCを再起動してだめ、ルーターを再起動してやっとつながりました。これで10分くらいのロス。
結局トラブルだけで40分位のロスがあり、やっと撮影を始めたのが月が沈んだ30分くらい後の午前1時少し前でした。

でもその後は順調そのもの。以前この領域の長時間撮影で縞ノイズに悩まされたので、今回はPHD2でガイドしながら、BackYard EOSと組み合わせてディザー撮影をします。FS-60CBに0.72倍のレデューサーをつけるので、焦点距離は255mmでF4.3程度になりかなり明るくなります。なので、ISO800で露光時間180秒としました。

IMG_0177

風が多少強かったですが、CGEM IIに軽い鏡筒を載せているだけなので、多少ガイド信号は揺れますがこの短い焦点距離では問題にならないでしょう。一枚撮りでもすでに色が出ていますし、暗黒帯の暗い部分も見えています。期待できそうです。

IMG_0178

薄明までの2時間少し、意外にもちょっと寒いので基本的に車の中で待機です。その間にTwitterに投稿したり、ちょくちょく外に出て久しぶりの濃い天の川を満喫したりと、少し眠気もありましたが、すぐに時間が経ってしまいました。結局撮影できたのは1時間半分くらい。ディザーがそれぞれ1分くらいかかるので、少しもったいなかったです。途中、マニュアルで数枚に1回だけディザーするようにしました。

あ、そうえいば撮影中、なんでも名前解決の問題か何かでずっと天リフ接続できなくなっていて寂しかったです。普段いかに天リフを見ているか実感できました。

薄明開始の午前3時頃、実際に少し明るくなってきたのがわかり、ダウンロードされた画面を見ても背景の明るさが変わってきたので、ここで撤収としました。夏至の近くだと薄明までいてもまだ時間が早いので、寝る時間があるのがいいですね。片付け後すぐに車を走らせ、午前4時頃には自宅に到着し、そのまま寝てしまいました。

次の日、フラットとダークを撮影して画像処理です。フラットは昼間の自然光を利用して100枚ほど撮影しました。ダークは冷蔵庫と冷凍庫を利用して温度を調節しながら撮影。89枚撮影して、適当な温度に入った34枚を使いました。


画像処理

画像処理はいつものPixInsightで、今回はWeightedBatchPreprocessingを使ってみました。出始めの時に少し使いましたが、あまり変化がわからずその後はBatchPreprocessingでした。NiwaさんのブログでWeightedBatchPreprocessingについて詳しく解説されていたので、久しぶりに使ってみました。と言っても比較とかまではしていないのでただ使っただけです。

撮影したライトフレームは35枚で、全て使うことができました。あとは新たに撮影したフラット、ダークフレーム、使い回しのバイアスを使います。後はいつものStarNet++で分離してPhotoshopで処理です。今回は細部を残したかったのでDeNoise AIは無しです。


masterLight_EXPTIME_181_5_DBE_PCC_DBE_AS_all_PS8_cut

  • 撮影日: 2020年5月30日0時47分-3時11分
  • 撮影場所: 富山県富山市小糸
  • 鏡筒: FS-60CB+0.72倍専用レデューサー(合計焦点距離255mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO800, RAW)
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI178MCによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間180秒x35枚 = 1時間45分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC

透明度など条件が良かったこともあり、1時間半程度の露光時間でしたが、色もそこそこ出てるのでまあ満足です。暗黒帯もきれいに出ています。今回、思うところがあり、少し派手目にしてみましたがどうでしょうか?

反省点を挙げるなら、青と黄色はいいのですが、まだ赤の諧調が乏しいです。特に下の方の広い赤の領域はもう少し時間をかけたいところでしょうか。

Annotationです。少し文字を大きくして見やすくしてみました。あと今回気付いたのですが、文字の大きさとか変えて再度レンダリングすると、前の文字が残ってしまうようです。その場合、一度ImageSolveからやり直すとリセットされて、前の文字は出てこなくなります。

masterLight_EXPTIME_181_5_DBE_PCC_DBE_AS_all_PS8_cut_Annotated



ちなみに、2年前のものがこれです。

light_BINNING_1_integration_DBE_ABE_color_cut

この日も透明度は悪くない日でした。露光時間が51分で少し短いですが、あとの違いはレデューサーだけです。あ、ディーザーもやってなかったですね。やはり2年の間に色々と進化していると思います。この次の週に3時間撮影したのですが、

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_stretch_ps_cut

縞ノイズが酷くてあまりうまくいかなくて、その後、昨年は天気がよくなかったりとかで、なかなかチャンスがありませんでした。2年越しでディザーもできて縞ノイズも克服できて、やっとそこそこ満足です。


まとめ

自宅外での星雲撮影は久しぶりでした。特にこれだけカラフルな領域はフィルターがなかなか使えないので、やはり暗いところはいいです。天気も良く、透明度が良くて、月もなくて、次の日休みでとなると、年間でも何日もあるかどうか。まだやっと自粛ムードが解けたくらいで、遠征とまでは行きませんが、近征でもこれだけ色が出れば悪くない環境です。まあ、田舎暮らしの数少ないいいところでしょうか。


ちょっと間が空きましたが、N.I.N.A.の試用記の続編です。



前回の記事を書いてからなかなか晴れなくて、やっと日曜の夜に少しだけ星が見えたのでテストしました。本当は撮影までしたかったのですが、結局曇ってしまいNINAのテストだけで終わってしまいました。

第一回の撮影までに加えて、今回は少し応用編。導入など、撮影の準備に相当する部分になります。撮影までのことなので、本当はこちらを先に説明しても良かったのですが、一度赤道儀で導入して撮影まで進めてしまえば見通しが良くなると思ったからです。


スカイアトラス 

最初に左アイコン群の「スカイアトラス」でターゲットを調べるといいでしょう。左上に対象とする天体を入力します。例えばM57と入力すると、その情報が出てきます。

IMG_0155

その際、「オプション」「一般」タブの「スカイアトラス画像ディレクトリ」を設定しておくといいでしょう。ここはスカイアトラスで画像を表示するために使います。サイトのダウンロードページの一番下にある「Misc」のところの「Sky Atlas Image Repository 」をダウンロード、展開して、「スカイアトラス画像ディレクトリ」で設定したディレクトリに置くと、「スカイアトラス」の「詳細」のところにカタログ画像が表示されるようになります(TKさんに教えてもらいました。ありがとうございました。)。

このスカイアトラスのところで「導入」ボタンを押してしまっても導入はできるのですが、次のフレーミングで導入した方がいいでしょう。


フレーミング

撮影時にPCがインターネットに接続されているなら、フレーミング機能が便利です。デフォルトで縦横3度の視野角を見るようになっていますが、画像を落とすのに結構時間がかかります。今どれくらいダウンロードしたか表示があるとよかったかもしれません。

一旦ダウンロードした画像はキャッシュに保管され、キャッシュを表示することを選べばインターネットがない環境でも確認することができます。撮影時にインターネット環境がないなら、事前に対象天体の検索して画像をダウンロードしておくといいでしょう。

ダウンロードした画像があると、撮影時の画角や位置を確認できます。

IMG_0156

M57を囲んで大きな四角い枠が見えます。これが接続されているカメラと、この画面の「画像の読み込み」の「カメラパラーメーター」の「焦点距離」から計算された、撮影した場合の画角になります。

黄色の丸は、現在赤道儀(望遠鏡)が向いている位置になります。上の写真の場合、M57の中心からは少しずれた位置にいることになります。でもこれは実際に向いている位置とは限らなくて、N.I.N.A.が「赤道儀が向いていると思っている」位置です。この数値は接続した赤道儀から得ています。なので、この状態で撮影しても、黄色の場所が中心なるとは限らず、後のプレートソルブを使い誤差を無くします。

さて、画角を示すこの四角は移動することができます。四角の中心が導入したい目的の位置になります。今はM57の中心が四角の中心になっているので、ここで「導入」ボタンを押してみます。すると実際の赤道儀の向きに合わせて、一旦黄色い丸が画面からはみ出し、しばらく待つと

IMG_0160

のように、黄色い丸が画角の中心にきます。

この際、もしガイドをしっぱなしなら、PHD2のオートガイドを外すのを忘れないようにしてください。また、導入が終わったら、撮影前に再びPHD2のオートガイドをオンにするのを忘れないでください。

でもまだ注意です。ここですでに画面中央に目的の天体が導入されたかに見えますが、本当にその向きに向いているかどうかの保証はありません。赤道儀の持っている情報と実際の向きが合っているかは保証がないからです。ここで次のプレートソルブの出番です。


プレートソルブ

プレートソルブは思ったよりはるかに簡単にできました。もともとAPTで「PlateSolve 2」と「All Sky Plate Solver(ASPS)」をインストールしていたからというのもあります。この場合は「オプション」「プレートソルブ」のところでパスを通すだけで使えてしまいました。

IMG_0101

具体的には、撮像ページで右上「ツール」アイコン群の左から3つ目「プレートソルブ」を押してプレートソルブパネルを出します。

IMG_0165

パネルの位置がわかりにくいかも知れません。「画像」パネルの下のところに「プレートソルブ」タブが出ていると思いますので、それを選択します。ここで「同期」が「オン」になっていると、プレートソルブが成功した際の位置情報が赤道儀にフィードバックされ、赤道儀上の一情報が書き換わります。その際「ターゲットの再導入」を「オン」にしておくと「エラー」の値よりも誤差が大きい場合に再度自動で導入し直してくれますが、導入は後で自分でもできるので、とりあえずはオフでいいでしょう。「露出時間」と「ゲイン」なども適当に入れます。準備ができたら、真ん中の三角の再生マークのところの「画像素取得してプレーとソルブ処理します。」を押します。

勝手に撮像が一枚始まって、プレートソルブが始まり、うまく位置が特定できると「成功」のところにチェクマークが出ます。

IMG_0164

フレーミングでM57を中央にしたにもかかわらず、やはり実際に撮影するとずれしまっていて、その誤差を赤道儀側にすでにフィードバックしているので、今一度フレーミングを見てみると、

IMG_0166

のように、黄色い丸がずれているのがわかると思います。横にずれたのはカメラが90度回転しているからです。この状態で再度「導入」を押すと黄色い丸がM57のところに行き、実際に撮影してみると

IMG_0168

のように、今度は本当に赤道儀がM57の方向をきちんと向いていることがわかります。


その他

ASI290MMでLRGB撮影をやってみようと思っていて、かなり前に勝手ずっと使っていなかったZWOのフィルターホイールを繋いでみました。ポイントはEFW用のASCMOドライバーをZWOのページから落としてきてインストールしておくことと、NINAを一度再起動することです。これでNINAの「機材」の「フィルターホイール」からZWOのフィルターホイールとして認識され、選択することができるようになります。

IMG_0162


フォーカスに関して
  • オートフォーカス機能はあるようですが、マニュアルでのフォーカスをサポートするような機能は見当たらない。と思っていたら、撮像の右上のツールのところにありました。今度使ってみます。

まとめ

だいたい試したのはこれくらいでしょうか。2度に渡って使用して、その使い勝手をレポートしましたが、2回目は撮影まではしていないので、まだ説明が不十分なところもあるかもしれません。例えば、フォーカサーとかフラットパネルと接続した撮影の機能もあるみたいで、ここら辺は機材を持っていないので試すことができません。

とりあえず十分すぎるくらいの機能があることもわかって、撮影するには何も不便なところはなく、ベータ版でもすごく安定しています。

前回と今回の記事を読めば導入して撮影するまでできるのではないかと思います。わかりにくいところがあったらコメントしてください。私も全部理解しているわけではないですが、質問に答えがてら理解していきたいと思います。


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