ほしぞloveログ

天体観測始めました。

Mちゃんがくることに

4連休の中の金曜日、Mちゃんが自宅に来ることに。前回の牛岳でAZ-GTiを使って自動導入でき、M27、M13、M31など撮影できたのですが、やはりMILTOLなのでハロがどうしても大きいのです。それを直すために声をかけたました。なので今回の目的はUV/IRカットフィルターを入れてみて、どれだけ星像が改善するかです。ついでに、キャンプとかの外でPCを充電するバッテリーを選びたいようなので、お母様とはそちらを相談です。

実は連休前にお誘いしたときに、天気予報で晴れそうだったのが水曜と金曜です。金曜の方が都合がいいとのことだったので、19時でも20時でもと言っていたのですが、20時頃になっても連絡がありません。後から聞いたのですが、ケーキ屋さんのお仕事が連休で忙しく、遅くなってしまったとのことです。お仕事のこととか考えていなかったので申し訳なかったです。それでも20時半頃でしょうか、無事に到着しました。


大容量外部バッテリー

ちょうどその時間、オリンピックの開会式もやってたので、まずはクーラーの効いた涼しい家の中に入ってテレビを見ながらバッテリー談義です。

目的は電視観望で使っているDELLのノートパソコンを、キャンプとか行った時に何日か使いたいというものです。話を聞く限り、予備のDELLの専用バッテリーを持つのは不可能、Type Cとかでもないので汎用で充電するのも不可能のようで、結局専用のACアダプターで充電するのが唯一の方法のようです。一応自動車からAC出力にして充電するのは持っているとのこと。でも車のエンジンをかけないと充電できないので、予備のバッテリーを持っておきたいということのようです。

今買うんだったら、40000mAh以上、70000mAhくらいが値段的にもこなれているようです。もちろんこれ以上の大きさのものもありますが、
  • 2万円以上と高価になってくること
  • 当たり外れがあること
  • 長期間の使用では性能低下か壊れる可能性があること
など懸念事項もあります。私が思うのは値段的にも技術的にもこなれたものを、調子が悪くなったら交換し続けるほうがいいのではという話をしました。

例えば、今私が使っているバッテリーは2018年に買ったものですが、結構調子が良くて、AC100Vも12VDCも問題なく、充電の入力もDCでできるので、車から充電することもできます。ですが、この機種自身はもう販売されていなくて、その後継機が



になります。これを勧めておきましたが、それとて実際に当たるか外れるかはわかりません。外れたらすぐに返品すること、実際にキャンプに行く前に何度か本当に充電できるかとか確かめておくこととか話しました。

あ、そもそも40000mAh(ミリアンペアアワー)とかがどういう意味かなどを話しました。40000mAhは40Ahと同じ、かつ3.3Vで考える必要があるので、40と3.3をかけて150Wh(ワットアワー)にいかないくらいだということ。150Whだと150Wの機器がで1時間使えるということなどでです。これでもピンと来ていないようだったので、例えば600Wの電子レンジが15分使えるという説明にするとやっと実感できたようです。もちろん600Wの電子レンジは出力が高過ぎて使えないのですが、どれくらいの時間持つかという感覚はわかってもらえたようです。

実際にはACアダプターでPCを充電するので、効率も悪く、おそらくこの外部大容量バッテリーで1回かせいぜい2回近く充電できるかくらいかと思います。PCがフル充電でカメラを接続して持つ時間がこの間の牛岳の実績から2時間半くらいでしょうか。なので屋外で使うときは最初から外部バッテリーに接続しておいた方がいいかもしれません。外部バッテリーが無くなったら、あと2時間半とか考えるといいのかと思います。


UV/IRカットフィルターを試す

話している間に外食していた家族が帰ってきてたので、あとはお母さん同士で話してもらって、Mちゃんと私は外でフィルターを試します。牛岳の後、AZ-GTiを使ってみたらしいのですが、北に向けるのを忘れたりとか、PCの充電を忘れてたりとかで、まだあまりうまくいってないようです。今回は基礎も含めて、
  • 三脚の水平を出すこと
  • MILTOLの水平を出すこと
などを確認しました。水準器は三脚とAZ-GTiについているのですが、精度的にあまり当てにならないことが多いので注意が必要です。MILTOLの水平出しは、別途カメラ用の水準器が余っていたのでそれを使ってもらうことにしました。

その結果、ワンスターアラインメントでもそこそこの精度で自動導入ができていました。もちろん初期の北向きの精度が出ないので、初期アラインメントの時の水平のズレは探って探さなくてはいけません。でもそれさえやってしまえば、あとはASI224MCの小さなセンサー面積でもそこそこの精度で自動導入できるようになります。

今回はわかりやすい月で初期アラインメントしていったん撮影し、次に前回牛岳で撮影したM27を導入し撮影しました。この時点で、前回牛岳で撮ったM27と比較すると、明らかに星像が小さくなっています。ただし、満月前日の月夜なので、M27自信のあぶり出しとしては前回の牛岳の方が有利で、Mちゃんは星雲部の仕上がりは少し不満だったようです。。でも前回はASIImageで露光時間を長くして撮影しただけですが、今回はASILiveを使ってライブスタックして分オーダーの撮影をしたので、そこは有利なところです。その後、M20三裂星雲、M8干潟星雲と進みます。

M27ではないですが、実際の画像を比較してみます。前回牛岳で撮影したM13がこちら。恒星が大きく肥大しています。

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今回、M27の後に見たM8干潟星雲です。星像があからさまに改善しているのがわかるかと思います。

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いくつか気になったこと

ヒストグラムのオートストレッチで少し気になることがありました。Niwaさんからチリの電視観望でASI Studioのバージョンを上げたらオートストレッチが効きすぎるようになったというのです。ところが我々のほうは逆で、オートストレッチが弱過ぎてマニュアルでもっと三角の間を狭めてやらなければあぶりだせないことが多かったです。どうもこれ、ノイズに関してもオートストレッチのデータとして使っているようで、月明かりのようなノイジーな状況ではどうしても三角の幅が広がってしまうようです。こう考えると、Niwaさんがチリのようなノイズがない環境で強調されすぎるというのは理解できるような気がします。

そういえば、AZ-GTiでSynScan Proの上ボタンを押しても下ボタンを押しても両方とも鏡筒部が下に行くというトラブルが何度かありました。自動導入し直すと元の位置に戻るので、ハード的に空回りしているとかではないようで、どうもソフト的なバグな気がします。あと、牛岳の時にあった接続ができなくなるトラブルはもう無くなったと言っていました。今回もそんなトラブルはなかったです。


撤収

私はこの日虫除けを塗って、かつ長ズボンでいたので蚊には悩まされなかったのですが、Mちゃんは蚊に刺されまくっていたようです。「虫除けいる?」と聞いたのですが、既に塗っているとのことですが、全然効いていないようです。あまりに痒がるので、結局自宅に退散しました。その後はもう撤収となり、前回持っていった「宙のまにまに」の続きの後半5巻と、釣りキチ三平で有名な矢口高雄の「やまびこ」の残りを持って、帰宅となりました。

その際、サイトロンの電視観望入門の冊子を持っていくか聞いたのですが、AZ-GTiを買ったら付いてきたとのこと。どうやら当初のPlayer Oneのカメラだけでなく、いまではかなりの機器に付属しているようです。「協力者のところに私の名前入っているんだよ」と言ったら、そのことは気付いていなかったらしくて驚いていました。

そうそう、ケーキを大量に持ってきてくれました。お母様がケーキ屋さんならではなのですが、もうとってもとっても美味しくて、私もパクパク食べました。でもあまり無理しないでくださいね。気軽にきていただくのが私としては嬉しいです。もしお店で余ったとかだったら嬉しいので、ありがたくいただきます。

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既に子供に一個食べられています。

まとめ

さて、今回はUV/IRフィルターで星像が格段に改善しました。次のハードのアップデートはQBPとかでしょうか。でもその前に、フリーソフトとかで画像処理が先ですね。画像処理で仕上がりは格段に良くなるはずです。

今回もとても楽しかったです。またきてくれるかな?

そうそう、このブログを書いている今日、Mちゃんが同じ学校の友達を自宅に集めて月とかを見るそうです。うまくいっているといいのですが。ポルタとかなら慣れているので、大丈夫だとは思います。


昨日光軸調整したVISACですが、その日の夜遅くに晴れてきたので、少し見てみました。

結果だけ言うと、シンチレーションがいまいちで星が揺れていて、いろんな方向にぶれていたので評価は保留です。まだ3つの固定具を視野から隠してないこともあるので、きちんとした評価はそれが終わってからにしようと思います。ただ、一応ある程度きちんと星には見えていたので、少なくとも光軸調整が全然間違っていたということはなさそうです。


満月間近の月

その後少しだけ月を撮影しましたが、画面で見ていても細かい揺れが多く、細部を比べると前回ほどの解像度は出ませんでした。やはりシンチレーションがよくなかったのかと思います。それでも全体を写した月と思えば、強拡大しない限り細部にそこまでこだわる必要もないので、私的には満足です。

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  • 月齢12.7日
  • 撮影日: 2021年7月23日0時22分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間5ミリ秒x125/250枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、ICE、DeNoise AI
でもこれ実は画像処理で少しインチキしています。画素数が多過ぎてRegistaxが使えないので、ImPPGを使っているのですが、どうしても細かいノイズがのってしまいます。ノイズ除去をするために、ここにDeNoise AIをSharpを1と最低にして、ノイズ除去を20と軽くかけてみました。

DeNoiseの処理としてはかなり軽くて、暗い部分のノイズはてきめんに減りましたが、明るいところのノイズがまだ残っています。ただ、やはり月の場合は偽線が出る可能性が否定できなく、今回は試しに使ってみましたが、明るいところのノイズが消えるくらいまで強くするとどうしても不自然に見えてしまい、あまり使いたくないなあというのが正直な感想です。今回は最低限のノイズ除去だけという感じです。ちなみに、Sharpen AIも試しましたが、こちらは偽線が出まくりでさすがに使うのを躊躇しました。

Registaxが使えないという理由でImPPGを使い続けるなら、うまく相性が合うノイズ処理を見つけるのが課題かと思います。


赤外の透過波長の違いの比較

今回の撮影は少し余裕があったので、IRパスフィルターの比較をしてみました。使用したのはサイトロンのIR640、IR720、IR800で、それぞれ640nm、720nm、800nm以上の波長のみを通します。

撮影したのは上の画像の左上の方。上の写真は撮影後回転しているので、下の写真では右上に見えてしまっています。ASI294MM Proを常温で、Bin1モードにして分解能を上げ、画角を一辺4分の1の2072x1410にしました。露光時間を5ミリ秒に固定していますが、ゲインは画面の明るさに合わせてヒストグラムがフルになるように変えています。IR640、IR720、IR800の順にそれぞれゲイン200、270、340です。

撮影中の動画で見ている分にはIR640、IR720はあまり変わらなかったですが、IR800は明らかに見た目で揺れが少なくなっているようでした。もちろんその分IR800では暗くなります。

画像処理はAS!3でRegistaxになります。Waveletのパラメータは比較しやすいように全て同じにしてあります。画素数を少なくしたのでこれらの画像はRegistaxを使うことができました。RegistaxのDenoiseが細かいノイズに結構効くので、ImPPGよりももう少し攻めることができます。

とりあえず3枚並べます。

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IR640

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IR720

00_56_05_lapl2_ap3279_RS
IR800

わかりやすいように一部切り出して拡大します。

comp

左からIR640、IR720、IR800です。IR640、IR720はほとんど変わりませんが、細かいところを比べるとIR800は解像度が明らかによくなっています。ただ、IR800の場合は光量が減ったのを補正するためにゲインを上げたせいかと思いますが、ノイズが少し残っています。

波長が長くなれば揺れが小さくなるという、まあそこそこ予測通りの順当な結果ですが、分解能の違いがあると言ってもごくごくわずかで、シンチレーションの違いで出るさの方が遥かに大きい気がします。なので無理してIR800以上で撮るとかよりは、揺れの少ない日を狙った方が素直な気がします。


かゆくて、かゆくて

本当はもっと続けたかったのですが、とにかく蚊が多くて、あまりにかゆくて自宅に引き返しました。明るいところで見たら三十箇所くらい刺されてました。自宅なのでゆるゆるの格好で、Tシャツ、短パン、サンダルとかなので、そりゃあだめですよね。

ムヒを塗って痒みが収まってきたところで再び外に出たら相当曇ってきてました。雨の心配もあったのでその時点で撤収することにしました。


まだまだ連休

連休中は天文イベント目白押しです。

今回の月の撮影は木曜夜のことで、ブログは次の日の金曜夜に書いてますが、この金曜の夜はMちゃんが自宅に来てくれました。そのことも記事にしたいのですが、ネタがどんどん溜まって書ききれなくなりそうです。

しかも明日の土曜は13時から天リフの「星と宇宙の夏ライブ2021」です。こちらもかなり楽しみです。




わたくしSamがオススメの重力波のお話、よかったら聞いてみてください。




連休初日、朝からVISACにかかりきりでした。懸案事項だった光軸調整です。色々やりましたが、多分正しい方法に辿り着いたと思います。


準備

道具はASI294MCと小さなCマウントレンズ。副鏡あたりにピントを合わせて見るために、別途レンズが必要です。VISACには2インチのアイピースなどが取り付けられるアダプターを使います。カメラで映した画面を見るためのPCなども必要です。

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最初の試み

まずは最初の挑戦です。これは失敗その1となります。

1. ASI294MCに50mmのCマウントレンズを取り付ける。
2. VISACに2インチアダプターを取り付け、そこにレンズごとASI294MCを取り付ける。
3. 取り付ける際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けること。
4. カメラの像をPCに映す。使ったソフトはSharpCapです。同心円状のガイド線を出すとわかりやすいです。
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画面を見る限り、中心から明らかにズレているのがわかります。

5. 画面に見えている副鏡の中心が、画面の中央に来るように、鏡筒手前の内側の3つの押し引きネジを調整する。
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すでに結構あっているように見えます。でもまだ早とちりです。

6. 画面に見えている中心の副鏡の外周が中心に来るように、副鏡の角度を3本の押しネジと、1本の真ん中の引きネジで調整しようとしたら、画面に見えている副鏡の中心も動いてしまったので、接眼部の調整が全く意味が無いことになり、ここで行き詰まります

ざっと試してみてこの段階で分かったことは、2インチアダプターにカメラを挿入しても結構隙間があるのでガタガタ。横に揺れるというよりは、ぐらぐら回転してしまいます。ネジの固定具合で画面の中心が簡単にずれてしまいます。ネジを占める際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けると、毎回同じように固定でき再現性があることがわかりました。


2ndトライアル

少しVISACの光軸調整で検索してヒントを得ることにしました。すると副鏡を外すことで、そのねじ穴を接眼部の調整の指標にするアイデアが見つかりました。でも結局はこの方法も途中で行き詰まり、失敗2となります。新しいところは赤で書いておきます。

1. ASI294MCに50mmのCマウントレンズを取り付ける。
2. VISACに2インチアダプターを取り付け、そこにレンズごとASI294MCを取り付ける。
3. 取り付ける際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けること。
4. カメラの像をPCに映す。
5. 副鏡を取り外す。
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外した副鏡の鏡面を見てみると、大したことないですが少し汚れてました。
良い機会なので掃除をしておきます。

6. 副鏡を取り付けるネジ穴の位置を画面上で確認。
7. ネジ穴の中心が画面の中心にくるように、鏡筒手前の内側の3つの押し引きネジを調整する。
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8. 副鏡を再度取り付け、
画面に見えている中心の副鏡の外周が中心に来るように、副鏡の角度を3本の押しネジと、1本の真ん中の引きネジで調整する。
9. 鏡筒手前の外側の3つの押し引きネジを調整し、4本のスパイダーが中心になるように持っていく。
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10. これで完了と思ったのですが、ASI294MCの前面をアダプターにぴったりくっつくようにしながら、アダプターのネジを緩めて、カメラを180度回転させると、なんとが全てあっていた同心円とスパイダーが画面中心からずれてしまいました。ここで失敗と判断しました。

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合わせ終わったと思ったところ。

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カメラを180度回すと、画像の中心から全然ズレてしまいました。


一体何がおかしいのか

ここでかなり迷いました。何がおかしいのか?ずれている可能性があるものを挙げてみると
  1. カメラセンサーの法線と、カメラの円筒ケースの軸もしくはカメラの前面の平面がずれている。
  2. フォーカサーが接眼部の軸と平行に取り付けられていない。
最初に考えたのはこの二つです。

でも1はこれまでもカメラを回転させたりして撮影していますが、ここまで顕著にずれが見えたことはありません。
2についてはフォーカサーを前後に動かしてみましたが、画面は対称に拡大縮小されるので、恐らくこれも大丈夫そう。

ここで思いついたのが、もしかしたらCマウントレンズの光軸がズレているのではというものです。

最初床の上でレンズをつけたままカメラを転がしてみたのですが、どうもよくわかりません。ここで、副鏡を外したVISACに取り付けて、カメラをアダプターにピッタリつけたまま回転させてみました。センサーがきちんと取り付けられていて、レンズの光軸もずれていなければ画面の中心を軸として画面が回転するはずです。ここで明らかにずれが見えたので、レンズの軸がずれていると考えることにしました。


3度目の正直か

レンズの光軸にずれがあると仮定して、どうしたら光軸調整ができるか考えたのが、次の方法です。
  1. ASI294MCに50mmのCマウントレンズを取り付ける。
  2. VISACに2インチアダプターを取り付け、そこにレンズごとASI294MCを取り付ける。
  3. 取り付ける際、アダプターにカメラの前面が平面できちんと接するように押さえながら取り付けること。
  4. カメラの像をPCに映す。
  5. 副鏡を取り外す。
  6. 副鏡を取り付けるネジ穴の位置を画面上で確認。
  7. ASI294MCの前面をアダプターにぴったりくっつくようにしながら、アダプターのネジを緩めて、カメラのみ回転させる。
  8. 回転させた時の画面上の回転中心が、ネジ穴の中心になるように、鏡筒手前の内側の3つの押し引きネジを調整する。これはレンズの光軸ががカメラセンサーの法線とずれている可能性があるからです。
  9. カメラのみをアダプターから傾けて、画面の中心にネジ穴の中心が来るように、頑張ってアダプターのネジを調節し固定する。このアダプターですが、ネジが2つしかないので、もう一つ穴を開けタップを切って3つのネジにしたほうがいいかもしれません。
  10. 上手く固定できたら、それがずれないように気をつけながら副鏡を取り付け、画面に見えている中心の副鏡の外周が中心に来るように、副鏡の角度を3本の押しネジと、1本の真ん中の引きネジで調整する。
  11. 同じくカメラがずれないように注意しながら、鏡筒手前の外側の3つの押し引きネジを調整し、4本のスパイダーが中心になるように持っていく。
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最終的に合わせ終わったところです。
まだカメラは傾いたまま取り付けられています。

写真を撮る余裕がなかったので、取れたのは調整後の写真だけです。 

最後に、カメラのズレを直して見てみました。
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なんと、上下は少しずれてますが、触る前の一番最初の写真の位置とよく似ています。おそらく、最初から光軸はかなりあっていたと思われます。長くかかりましたが、そのことに確証が持てただけでも良かったのかと思います。


まとめ

この方法、原理的には多分正しいと思います。少し心配なのは、
  • カメラをずらして固定するのが難しかったので、少しズレがあるかも。先にも書きましたが、3つ目のねじ穴を空けた方がいいかもしれません。
  • そもそもカメラをずらした方が良かったのか、カメラをずらすのでなく見えている中心を画面中心と改めて定義してから合わせた方がいいのか?
2つ目の疑問は、多分前者の方が正しいと思います。全然間違ったことをやっていないか、星像を見て試そうと外に出たのですが、曇りで月も見えません。なのでこのブログを書いているというわけです。

あと、どの写真にも写っていますが、主鏡の固定具でしょうか3つの遮蔽物がかなり目立ちます。おにぎり星像の原因の可能性大です。本当は光軸調整よりこちらを隠すようなリングを作るべきなのですが、今回は光軸調整としました。


四連休は

明日の金曜はMちゃんが来る予定。UV/IRフィルターを入れて星像がどう変わるか試してみようと思っています。
明後日土曜はいよいよ天リフさん主催の「星と宇宙の夏ライブ2021」です。気合を入れて参加します。


 

そういえば、6月26日に開催された天リフさん主催の天リフ超会議「ガチ天」ですが、まとめ記事を書くのを忘れてましたので、ちょっと前のことですが思い出してみます。




ガチ天に参加!

わたしはまだ、ガチと呼ぶにはそれほど長くこの天文趣味を続けているわけではありません。他の多くのガチ勢の方々みたいに、天文少年だったような思い出もありません。なので最初「ガチ天」に参加しようとは思っていませんでした。ガチ天の講演者がある程度揃った時の顔ぶれを見るとあまりにすごくて、自分も含めてとてもじゃないけどこのメンバーに分け入って話をしようとは思えませんでした。こりゃあしばらく埋まらないんだろうなと思って、天リフ編集長さんに聞いてみたところ、案の定なかなかメンバーが集まらず「ガチ」と言うのが響きすぎたようだとのこと。ならいっそのこと怖いもの知らず状態で、どんなネタにするか相談させて頂きつつ、頑張ってエントリーしてみましょうかということになりました。

最初考えていたネタは4つくらいありました。
  • いつもの電視観望
  • ノイズの話
  • 太陽の話
  • 制御の話
などです。

電視観望に関しては、天リフ編集長から「今回は別の話の方が」とのお勧めがあり、最初に外しました。

ノイズの話はあぷらなーとさんと被りそうだったので、少しあぷらなーとさんと話しました。すると、一般的なノイズというよりはあぷらなーとさんがこれまでやってきた独自ノイズハンティングの話ということでした。できるだけかぶらないようにと、私はもし話すとしたらセンサー解析のようなことにしようとその時点で考えました。天リフ編集長もセンサー解析に興味がありそうでしたが、真面目に話すと本当にガチのガチみたいな話になってしまいます。冷静に考えると興味がある人にはいいけど、興味ない人には面白くないような気がしてきました。

制御の話も似たような反応になるかもしれません。制御も面白いとは思うのですが、もし話すとしても天文というよリはもう少し一般的な話になってしまう気がします。


太陽の話に決定!

太陽はこのブログでも反応の少ない部類でこれもまたマニア向けなのですが、こちらは機材の改造で進化していく様子を見せることができます。これなら太陽自身にはあまり関心がなくても、天文機材の話としても聞いてもらえそうなので、天リフ編集長に話し、結局太陽の話でエントリーさせて頂くことになりました。

と言っても、太陽も古くから成果を出している方も多くいて、果たして私のような高々太陽暦3年の初心者が、ガチなんかと言って話していいのかという心配もあります。話せることは、手持ちではせいぜい魔改造と大口径くらい。真っ当な太陽道とはかけ離れています。

でも、工夫して機材の性能を出すというアマチュア天文の醍醐味のような話は太陽という分野に限らず、同じ天文仲間ならわかってくれると信じながらの話を組み立てて、スライドを作っていきました。太陽の話を他人にするのは初めてのことなので、資料作りは一からです。太陽観測は危険も伴うので、安全に対する喚起もとても重要です。でも、ストーリー自体は頭の中にある程度できていたので、資料作りは思ったより順調に進み、かなり早くにまとまりました。

前回のCP+の生中継の反応がすごくよかったので、当日天気が良ければ、C8での太陽Hαの生中継をしようとも考えました。


ガチ天当日

ところがガチ天の前日の天気予報ではトークの時間はどんどん下り坂です。当日、朝のうちはまだ晴れていたので、もう生中継は諦めて、事前にビデオを撮影しておくことにしました。

さて、いよいよ6月26日の午後、本番です。あらかじめ講演者と参加希望の視聴者のいるZoomへつなぎます。私が接続したのは、ガチ天が始まる20分くらい前だったでしょうか。開始の15時まですぐに時間が過ぎます。始まりは天リフ編集長の司会から。講演のトップが大御所の津村さん。ものすごい歴史で、もうただただ尊敬です。津村さんの話が終わると、二番手はとうとう私です。今回は1人で45分間と「ガチ」の名に相応しく長丁場です。

実際には自分のトークが始まってしまえば、あとは特に緊張することもなく、スライドに沿って話していくだけです。ネット越しなので反応があまりわからないのですが、チャットには刻々と書き込みがなされていきます。と言ってもあまり読む余裕はないので、やはり感触はあまりわからいのですが。自分のトークが終わってしまえば後はもう気楽なもので、他の方の話もリラックスして楽しく聴くことができました。

もし私の太陽トークに興味がある方で、また見ていない方は、天リフさんが講演者別に別途切り出してくれています。


自分のトークを改めて見てみると、まあ早口になってしまったりであまりスムーズとはいえないのですが、それよりも中継時のビデオの解像度がかなり落ちてしまっているのが問題でした。そもそも太陽Hαの動画なんて、モノクロでノイズみたいに見えるので、どうしても解像度を自動的に落とされてしまうのかもしれません。ここは今後の課題です。


Q&A

せっかくなので、当日コメントで出ていた質問に答えておこうと思います。

星の玄さん:  「20cmでも結局入ってきた熱は、反射して筒先から逃げていく、と考えて良いのでしょうか?なんか不思議...」
  • そうだと思います。UV/IRカットフィルターがどれくらい吸収しているか定量的に評価するのは難しいのですが、外して触ってみても全く熱を持っていません。なので、反射か透過でここで吸収していることはほとんどないと思います。エタロンもHαとそのFSR周期以外は反射なので、フィネスが20だとすると全エネルギーの95%は反射です。

PicoTubeさん: 「フィルターの反射光が鏡筒内の部品に当たって熱を持ったりしないのかな?」
  • 基本的に逆経路を辿るはずなので、副鏡と主鏡に当たるのみだと思います。副鏡も触って見る限り全然熱くないです。

星の玄さん:  「昼間のひなたでのPC使用だと、液晶画面が見にくいことが多いのですが、何か工夫していることはありますか?」
  • 車のトランクのドアを開けて、その下に机と自分自身が入るようにしています。自分自身も影に入らないと、画面に反射して見辛くなります。この状態でも部屋の中で見るのと比べると相当な差があり、どうしてもの時はリモートで自宅の中から操作、撮影しています。

PicoTubeさん: 「筒先フィルターでフィルム状のやつがありますが、使わなかったのはデメリットがあるのでしょうか?」
  • あれはND4とかND5なので、1000分の1とか10万分の1の明るさになってしまいます。そこからHαを見ようとすると暗過ぎてしまうからです。

播州やたらさん:「ERFに7nm幅のHαフィルターを使うって、レンズの前にでしょうか?」
  • BFの後、CMOSカメラの先端です。ここまでで十分減光されているので、この位置で構いません。

MASAHIRO KUSABAさん:「Daystarだとどのくらいいけるのでしょうか」
  • すみません、Daystar使ったことないのでわかりません。でもDaystarで大口径を攻める方が遥かに正しい道なのでERFを先端にきちんと付けるとかすれば、PSTよりも簡単に、真っ当に解像度を出せると思います。

でもこうやって改めてチャットを見ていると、当日の反応がわかってありがたいですね。MaxHeadさんや、のん太さんの「ひので」というコメントは、私にはもったいなすぎるくらいの褒め言葉でとてもありがたいです。

後日、天リフ編集長からアンケートで書かれていた感想が送られてきました。たくさんの意見があったのでここでは紹介しきれませんが、読んでいてとても力づけられる嬉しいものばかりです。一部だけ紹介させていただきます。
  • 切磋琢磨し得た成果は何であってもうれしいものです。太陽の細かな表情を観ることができ感動しました。
  • これぞ趣味。市販の機材をどう活用するか、目から鱗が落ちた。
  • 学生時代ファブリペローエタロンを使った研究をしていたのでとても愛着があります。
  • PSTは私も分解したことはあるので、よく最後までばらしたなぁと、感心するやら驚くやら。いちばん楽しかったです。
  • 危険性をきちんと把握したうえで次々にチャレンジしているのに感心しました。
  • PSTの性能を最大限発揮させるという考え、行動力に脱帽です。
皆様、暖かい感想、本当にありがとうございました。

あと、気になったのが当日のTwitterであったGiraud-Sunさんの
  • あんなイメージしやすいエタロンの説明ははじめて聞きました。唸りました…
というコメントです。エタロンの原理についての説明は自分で考えたので多分オリジナルです。これが伝わったのが、実は一番嬉しかったです。


後日談

さらに後日談ですが、懸賞プレゼントに当たってしまいました!!!

大阪あすとろぐらふぃ〜迷人会さんの「おほしさまかんそくちう!」Tシャツです。

ちょうど今日到着しました。天リフさん、迷人会さん、どうもありがとうございました。星見の時に着ていって、声をかけられたら迷人会さんの宣伝しておきます。

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いよいよ週末は「星と宇宙の夏ライブ」

さて、今週末の7月24日土曜日はいよいよ「星と宇宙の夏ライブ」です。オンライン配信で、昼の12時55分開催です。



今年も星まつり開催は厳しそうなので、天リフさんのイベントは全国の星仲間と交流ができる貴重な機会になります。

今回は天文といってもいろんな分野からいろんな人が話してくれます。どれもとても楽しみなのですが、私のお勧めは最初の重力波のお話かな...。
 


研究クラスタからの話ですが、面白い話をしてくれると期待しています。ただ、非常に残念なことに私はリアルタイムで聞くことができないので、直接聞いた方からの感想なども教えていただけると嬉しいです。

今年は「星と宇宙の夏ライブ」で交流できると嬉しいですね。


やっと梅雨が明け、とてつもなく暑いですが、連日晴れの日が続くようになりました。これから満月期に向かっていくので、月もそこそこの時間まで出ているので、平日でそこまで遅く起きているのも大変なので、気軽に月の撮影としました。


ASI294MM Proでの広角、高分解能の月撮影

やりたかったことは、ASI294MM Proのbin1モードでピクセルサイズ2.3um、8288×5644の高解像度でどこまで月の分解能が出るか確かめたかったのです。具体的な比較として今後も含めてやりたいことは
  1. ASI294MCとASI294MMのbin2での同ピクセルサイズでカラーかモノクロ化の直接比較->分解能は2倍違うはず。
  2. ASI294MCとASI294MMのbin1でのピクセルサイズ半分でカラーとモノクロの違いの比較->分解能は4倍違うはず。
  3. ノーフィルターとサイトロン製IRパスフィルターの640nm、720nm、800nmで違いがあるか?
です。
 
今回は初日ということで、とりあえずの条件出しです。
  1. 鏡筒はVISAC、赤道儀はCGEM II。揺れが効きそうだったので三脚の各足の下に手製の防振パッドを入れています。
  2. ASI294MM ProをBin1の常温で撮影。
  3. フィルターは640nm以上を通すように。
  4. 露光時間はとりあえず10ms、Gian120。
  5. 枚数は500枚のうち上位50%の250枚をAutoStakkert!3でスタック。
  6. あぶり出しはImPPG、仕上げにPhotoshop。
としました。

撮影は、1枚だと月全体が画面内にギリギリ入るか入らないかだったので、2枚としICEでモザイク合成しました。問題はファイルサイズ。SharpCapで500枚をser形式で保存すると1ファイルが50GBになります。処理もかなり時間がかかります。本当は上にあるように、きちんと条件を変えて色々撮影したかったのですが、今回はこのファイルサイズでめげてしまって、モザイク分2枚撮影しただけで諦めました。

あぶり出しはこれまでのようにRegistaxを使いたかったのですが、大きすぎる画像は処理できないようで、今回はImPPGを使いましたが、処理を強くすると細かいノイズが出てしまいました。RegistaxのDenoiseに相当することができないようです。太陽だと気にならなかったのですが、のっぺりした面がある月ではそのノイズが目立ってしまいダメでした。なので弱く炙り出すに留めてます。他にはNik CollectionのOutput Sharpner、TopazのSharpen AIなどはわざとらしくなってしまったり、偽線が出てしまう可能性があるので使えませんでした。PixInsightが使えそうなのですが、今回は使う余裕がなかったので、今後の課題にしたいと思います。


結果

一応画像処理まで終えて、結果は、以下のようになりました。

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  • 月齢9.5日
  • 撮影日: 2021年7月19日21時56分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間10ミリ秒x250/500枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、Photoshop CCI

撮ったのはこの1枚(2枚合成)だけなので、その他パラメータとの比較はできませんが、かなり解像度も出ている感じです。そこそこ満足の結果です。

昨晩はここまで、次の日も仕事なのでここで就寝です。


少し比較してみた

せっかくなので、いくつか以前の結果と比較してみたいと思います。


リンク先ページの1枚目の写真と比較してみます。VISACではこれまで最も分解能が出ていたと思っているものです。鏡筒は同じ、ピクセルサイズも同じなので、カラーかモノクロかの違いになります。右がASI178MC、左が今回のASI294MM Proです。

VISAC_178MC


うーん、どうでしょう?クリックして拡大して比べてもらった方がわかると思いますが、同等か、下手したら右の178MCのほうが分解している気もします。

もう一つ比較してみましょう。


C8_01

右の178MCはピクセルサイズが問題になってきそうなくらい分解能を使い切った感じ。対する左の294MMはモノクロになった分ピクセルサイズに余裕が出たものの、細部は左ほど出ていない感じです。


まとめ

どうやら今回のASI294MMでの撮影は、過去のもっとよかったものに比べると、カメラの性能では優っているはずが、シンチレーションがそこまでよくなかったか、もしくはピントを合わせ切れていないかでしょうか。これはリベンジ案件ですね。余裕があったらもう少し続けてみます。

といっても、ここまで解像度が出て、月全体を丸々撮れているので、自分的には十分満足なのですが。

続けるにしてももう少し小さな面積で分解能比較はしたいと思います。あと、もしこれ以上高分解能を追求するならバローを入れた方がいいかもしれません。あとはシンチレーション の良い日を狙うのでしょうか。


牛岳集合

7月17日土曜日の朝、最近県天(富山県天文学会)に新しく入会されたHさんからお誘いがあり、牛岳に行くことに。ついでに天文仲間の小6のMちゃんにも声をかけておきました。Hさんは今年の3月に望遠鏡を買い、星を始めたのですがまだまだ色々悩んでいるようです。とにかく19時に待ち合わせ。私は昨晩撮影で4時に寝たのに、なぜか朝7時に目が覚めて、子供を部活最後の試合に送っていく羽目に。あまり寝てないので午後は丸々お昼寝です。

15時半頃、熟睡している途中になぜか 子供から電話が。17時に迎えに行くはずが、試合に負けてしまったとのことで迎えにきて欲しいとのことです。眠い目を擦りながら、Tシャツ短パンと、ほとんどパジャマのような格好で迎えに行き、ちょっと早いのですがかねてから約束していたくら寿司へ。今のくら寿司すごいですね。入店はタッチパネルで出てきた番号の席に行け、テーブルでの清算もお皿を自動カウント、会計も全部タッチパネルで、一度も店員さんに会うことがなかったので、パジャマのような変な格好でも全く気になりませんでした。まあ他のお客さんの目はありますが、あまり他の席の他人のかっこうまで気にしていないでしょう。

自宅に戻ると既にいい時間。急いで荷物を積み込み、18時半頃出発。19時10分くらいに牛岳に到着しました。既にHさんは到着していて、早速機材談義。

現在ポルタ経緯台にED80Sf(多分)を載せていているようです。当然ですが、特に高倍率だとすぐに導入した天体が逃げていってしまうのと、あとやはり揺れが気になるようです。ピントを合わせるだけで揺れてしまうのでかなり困っているとのことでした。まあ、ポルタ経緯台は入門機。片持で、三脚も柔いので、揺れに関してはある意味仕方ないです。そこで赤道儀を考えているとのことなのですが、選択肢も多くて悩んでいるみたいです。赤道儀は多分撮影までするかどうかでラインが引けるかと思います。耐荷重的には十数kg程度までの鏡筒を載せて、ガイドもできるとなると機種も限られています。日本で手に入りやすいメーカーも限られているので、あとはメーカーの特徴や予算や好みになってきます。Hさん自身も色々調べているようなので、「私だったら何を買うかなあ」とか、「次に買うんだったらどこのメーカーかなあ」とかいい所、悪い所を言い合ってました。赤道儀はCGEM IIを買うときに色々検討したので、興味のある方はここをお読み下さい。その後、ハーモニクスドライブが出てきたところが大きな違いでしょうか。でもまあ、今ならまだ最初は普通の赤道儀の方がいい気がします。

実際のCGEM IIを出して揺れの具合を見て、ピクっとも動かないことを確認してこんなに揺れないんだと驚いてました。そういえば三脚も最近はセレストロンタイプの下から押し上げるのが主流ですね。このタイプはホントに頑丈です。あとガイドでPCを使うかどうかとか、撮影用のPCにStick PCを使う話をしたりしてましたが、途中雨がぱらついてきて、機材を一旦車の中に退避させました。その後もしばらく雑談していると、月が時々見えてきたり、星が一部見えてきたり、雨も止んで夜に向かって晴れてくれそうな感じになってきました。

いつものようにその場で会った人と

話していると、子供づれの家族が一組到着。どうも星見のようなので声をかけてみると、小4の女の子で理科で星を見る宿題があるので来てみたとのこと。せっかくなので望遠鏡見ますか?と言って、いつものSCOPETECHの入門機を自由に使ってもらいました。さいしょはお父さんから挑戦して、子供にも月を自分で導入してもらいました。ところがこれがすごく面白かったらしく、ずっと望遠鏡をいじっています。Hさんと一緒に「そりゃあ自分で触った方が面白いでしょう」と頷いていました。

途中星雲の話が出てきたので、その間に電視観望の準備をして幾つかの星雲を見てもらいました。星雲の話をしているときもその女の子はソワソワしていて、どうやら望遠鏡で月を見たいみたいです。子供は興味があるもをやってもらうのが一番です。「こんな話なんかつまんないよね、どんどん好きなことをして下さい」と言って、望遠鏡をさわってもらいます。上手く導入できると「入ったから見てー」とか言ってパパとママに自慢げに見せるところは見ていて微笑ましいです。しきりに「望遠鏡欲しい」と言っていました。もしかうなら、ホームセンターで買うのでなく、安くてもきちんと作っているメーカーのものを買って下さいとだけアドバイスしておきました。SCOPETECHかVixen、今ならCelestronのStarSense  Explorerが面白いでしょうか。

Hさんは人に望遠鏡を見せることもほとんど初めてで、最初この女のことをMちゃんのと思っていたらしく、知り合いに話していると思っていたみたいです。でも途中で初めて会っただと気づいて、「こうやって人に見せるんですね」とか妙に関していたみたいでした。

その後ももう一組、5歳の男の子をもっと小さい赤ちゃんを抱っこした家族が一組きて、天の川が出るくらいの0時頃まで長居していました。木星も土星も登ってきているので、Hさんと一緒に導入にしてみてもらったりしました。途中大きな流れ星が見えてその男の子が興奮してました。

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電視観望はFMA135の実戦投入

電視観望の方はというと、今回の機材は気合を入れて準備したのに立山で活躍できなかったFMA135+ASI294MC Proです。これをAZ-GTiに載せてみました。主導導入でも良かったのですが、MちゃんがAZ-GTiを買ったというので、使える状態にしておこうと思いこの組み合わせにしてみました。感想はというと、やはり自動導入はあったほうが楽で、自分だけならまだいいのですが他にお客さんがいる時などは時間の節約になります。今回見たのは大したことなくて、M57、M27、北アメリカ星雲、M8とM20くらいです。

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下の黒い斜めの影は、南側にある建物の屋根。

何組かのご家族や、たくさんきていた富山県立大学の天文部の方達が15人くらいでしょうか、彼らに見てもらいました。学生の中に電視観望に興味がある子がいて、部員の子達に色々説明してくれていました。県立大の人たちは天文部に新1年生を迎え、新歓観望会のような感じでした。カメラをいくつか持ってきていて天の川の星景狙いっぽかったですが、それまで手持ち無沙汰のようだったので、SCOPETECHや星座ビノを使ってもらいました。何人かの子達は星座ビノ見え具合にものすごく驚いていました。

眼視も面白い、眼視と電視の比較も面白い

途中、かんたろうさんが乱入してきました。ちょうど牛岳に来るとちゅで電話がかかってきて、そのとき長野の御岳にいると言っていました。「どうしようかなあ」とか言っていましたが、ホントに来たようです。かんたろうさんは25cmのGINJIをJPに載せて眼視で色々見せてくれました。M8の暗黒帯、M20とその強拡大での星の密集具合など、眼視もやはり面白いです。M8とかM27とか電視観望と眼視で見比べができたのが良かったです。他の人たちも喜んでいました。

Mちゃん到着

23時前でしょうか、Mちゃんとお母さんがやっと到着しました。科学博物館の観望会に出てから、その後運転して来てくれたようです。途中山に登る道が通行止めになっていると電話があったので心配してましたが、何とか到着できたようです。

Mちゃんも早速準備を始めます。とりあえず赤道儀から試してましたが、すぐに片側のモーターが不調で諦め他みたいです。

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23時を過ぎたあたりから、どんどん人が増えてきました。今日の月の入りは23時半頃で、この頃から天の川がどんどん見えてきます。月が完全に沈んでからしばらくしての天の川は見事なものでした。おそらく透明度も相当良かったのかと思います。別れて2本になるところもはっきりと見えました。木星と土星もかなりはっきり見えたので、シンチレーションも相当良かったのかと思います。


AZ-GTiでのファーストライト

その後、Mちゃんも今日のメインのAZ-GTiを出します。いつかくる誕生日プレゼントを先取りとのこと。ちょうど在庫が出た時に発注して、先週くらいに到着したらしいのですが、テストがありしばらくの間は封印。昨日の金曜にやっとテストが終わり、本日土曜の朝から開封していたとのことです。

でも今晩は初めての機器を実際に使うので焦らずにセットアップ。ハーフピラーに取り付けるところを少し手間取ってました。鏡筒部は以前組み立てたMILTOLとASI224MC。使っていたソフトはASI Image。画面上でとりあえず何かカメラに反応があるのを確認します。途中SynScanをSynScan Proに変えたり、ちょっとした接続トラブルがあったのですが、無事に接続できました。

最初木星でアラインメントを取りますが、まずは「あー、動いたー!」と大喜び。それもそのはず、自分の機器での自動導入は初めてです。

レンズが空に向いたので、星が見えるようにピントを調節。無事に星が見えてきました。最初にアラインメントで導入した状態では木星は入りませんでしたが、少しずらすと木星が見えます。中心にマニュアルで持っていきアラインメント終了。ところが、次のすぐ近くの土星を入れてみると、全然ずれて土星が画面内に入ってきません。これだけ近いのに導入できないのは何かおかしいです。聞いてみると、どうやら水平を取っていなかったのでこれが原因でしょう。三脚についている水準器を見ながらあらためて水平を取り直します。

一旦AZ-GTiの電源も落とし、初期位置に戻し、また最初からアラインメント。こんどは木星、土星と立て続けに入ります。使っていたASI Imageは本来DSO撮影用のソフトです。基本的に暗い天体用なので木星も土星も明るすぎて、縞とか輪っかとか見えません。焦点距離が200mmなので、小さすぎて形まで見ようとするとゲインとか露光時間とか調整する必要がありますが、どうもASI Imageだと調整範囲が限られていて厳しいです。ソフトをASI Liveとかに変えようとしましたが、前にインストールしたはずのものが見つかりません。まあ惑星は諦めて、淡い天体に行きます。


とうとうDSOが!

明るい星は映るものの、どうも淡い星がうまく映らないので色々パラメータをいじります。結局ゲインがLowになっていたのが問題でした。淡い星がなんとか見えたので、Mちゃんはアルビレオを見ることに。ですが赤と青の組み合わせに見える星が画面内にいくつもあり、いまいちどれか分からず。恒星はあまり電視観望は向かないですね。

次はメインの星雲。比較的大きくて明るいM27をめざします。でも一発目ではやはり入りません。そこでまずはアルタイルを入れてもらうことに。やはりアルタイルも少し画面からはみでますが、明るいので少しずらせばすぐに画面内に入ってきます。そのときどの方向にずれていたかを頭に入れておきます。次にM27を導入して、それがアルタイルがずれていた方向にあると仮定して、そこが画面中心に来るような方向にずらしてやります。するととうとうM27がはいってきました。

「わー!!!こんなに綺麗に見えるんだー!!!」ともう大喜び。よっぽど嬉しかったのでしょう。「おもしろすぎ」とか「嬉しすぎ」とかキャーキャー声を上げまくり。それもそのはず、最初はポルタ経緯台でM42を導入して、赤道儀はさらに導入が難しく、やっと自動導入する手段を得たわけです。しかも放っておいても追尾してくれて逃げていかないので、撮影も落ち着いて出来ます。そのご露光時間を30秒程度まで伸ばしてどんどん綺麗な画像を出していきます。ASIのソフトすごいですね。ストレッチを常にオートでかけているので、露光時間を伸ばすとユーザーからは単純にノイズが減った効果だけがうまく出るように見えます。

あ、ちなみにこれらの作業全部Mちゃんがやってます。私は基本見てるだけ、どうしても困ったときにだけ声をかけてます。露光時間の設定も、どう写っているかの確認も、実際に撮影モードで画像に落とすのも、どこのフォルダに保存されるかのの設定と確認も、きちんとファイルになっているかの確認も全部Mちゃんが自分でやっています。後、やはり初心者に親切だと思ったのが、ストレッチされた見たままの画面がそのまま保存され得るのがデフォルトになっていたこと。普通はRAWがデフォルトなので、保存された画像を見て暗い!なんで?と思ってしまうはずです。

「M13って見えそうですか」と聞いてくるので、「うーんまだ大丈夫じゃない」と答える間も無く、自動導入を始めてました。今度は画面下の方ですが、一発で入ってきます。AZ-GTiの自動導入に感激したのか「これかなり便利ですね。」と赤道儀と比較して言います。

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次にM31のアンドロメダ銀河。入った途端に「わー!」露光時間を何通りか伸ばして、180秒は完全にサチることを理解。最後60秒に決めて撮影。ボソッと「沼だ...。」とつぶやいていました。

最後、M57を導入しようとして、少し見えたところでPCのバッテリー切れで終了。Mちゃんのこの嬉しそうな様子を見て、お母さんもちょっと満足そうでした。なんでも自宅だとベランダ観望になり、北側が見えないそうです。AZ-GTiなら初期アラインメントに北側の星も必要ないのでちょうどいいと思ったみたいです。

私はというと、Mちゃんの様子を見ているだけで幸せでした。小学生にとってはAZ-GTiはかなり高価なはずで、勧めたはいいけど贅沢にならないかと少し心配していました。でもこれだけ喜ぶのなら今後使うことも考えて十分な価値があるのではと思います。そうそう、夏にキャンプに行くらしくて、そこで電視観望をしたいとおもっているみたいです。1番の問題はPCのバッテリー。屋外で途中充電できないので、AC電源付きの大容量バッテリーがあるとなんとかなるのではと思いました。

この時点で午前2時くらい。多分小学生には限りなく眠い時間でしょう。お母さん曰く、こんな遅くまで起きてたことはないらしいです。多分ものすごく眠いのと、ものすごく嬉しくて興奮気味で、かなりハイになっていて、機材を片付けるのが大変そうでお母さんが困っていました。どう見ても眠そうなのですが「明け方までいる」と口ではいうものの、もう限界っぽいです。それでもお母さんは「まだいてもいいよ」と言っていましたが、流石に帰ることになったようです。大学生もいたので、ホントは色々話したりするもたのしいはずです。帰りの車の中ではいい夢を見るのではないかと思います。

あ、帰るときに自宅で焼いてきたというチョコクッキーを頂きました。今朝家族で食べたらおいしいおいしいと言って、下の子がほとんど食べてしまいました。私と妻が食べれたのは1枚づつ。ほんとにおいしかったです。


撤収

気づくと2時半。この日は3時には薄明に入り始めるので、ここら辺で撤収です。Hさん、かんたろうさんともまた再開を約束して帰路に着きます。結局は私はいつものように人がいるところでは撮影できず。透明度もシンチレーションもよかったので勿体無いと言えば勿体無いのですが、それよりも人がいる時は話していた方が楽しかったりします。


久しぶりのブログ更新

梅雨でなんのネタもなくて、仕事など他でもいろいろ忙しかったので、ずーっとブログ更新をサボってました。こんなに長い間書かなかったのは初めてです。

と言っても天文関連のことを何もやってなかったかというと、そうでもなくて、来週必要なスライド作りなんかは結構進みました。特に富山市で廃止になってしまった天文台に関しては色々議論や実作業もあり、かなりの時間を割いていました。ここら辺のことについてはいつか書ける時が来たら書きますね。

ブログを再開する気分になったのは、昨晩7月16日の夜遅くにとうとうまともに晴れたからです!しかも金曜なので休日前。月齢6日なので23時頃には月も沈みます。実は22時に外に出た時はまだかなり雲があって、SCWの予報も雲が多そうだったので諦めてたのですが、気楽に「脱力タイムズ」を見てる途中に外に出てみたら、天頂がかなり晴れてます。10分くらい見てたら下の方のガスってたのが消えはじめ、白鳥座の羽の先も見えてきました。天頂は天の川もうっすら見え始めたので相当透明度が良さそうです。


久しぶりの望遠鏡

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これは望遠鏡を出さないわけにはいきません。今回のターゲットはVISACでのM57です。もうかなり前に到着したASI294MM Proをやっと試せます。今回はRGBで撮影するので、フィルターホイールをVISACに取り付けます。ZWOのアメリカンサイズが5枚入るフィルターで、カメラのUSB端子を利用してカメラに付属のUSB2の短いケーブルで繋ぎます。
IMG_2827

オフアキ用のカメラがついてますが、これは今は穴塞ぎのためだけで、将来のためです。

さてさて、久しぶりの極軸合わせをして、その後ベガでCGEM IIの初期アラインメント。さらにカメラの回転角をベガを画面上で左右に移動することで合わせます。その後M57を自動導入します。どうやら、一見しただけでもかなりシンチレーションが良さそうです。

実はASI294MM Proのファーストライトは1ヶ月以上前で、6月10日に同じM57を試しています。でもシンチレーションがメタメタで、雲も多くて結局Redを撮った後、Greenを撮っている途中で曇ってしまい、お蔵入りにしました。その時の画像と比べても、この日はあからさまに星が小さいです。M57の中心星も余裕でくっきり見えています。

でも星像がまだいまいち決まりません。一応副鏡の調整を六角レンチでしましたが、どうしても斜め方向に十字のようなものが残ります。四隅だけでなく中心部でも同じ状況が見えるので、接眼側を合わせる必要がありそうです。これは至急の課題なので、土日の昼にでもやってしまおうかと思います。

とりあえず星像に関しては諦めて、ピントを合わせます。今日はモノクロ撮影の手始めなので、RGBフィルターを使って撮影してみようと思います。でまずはフィルターホイールでRedに合わせ、M57のすぐ近くにある2つの星を使ってピントを合わせます。これがよく分離できるようなところに合わせました。


久しぶりの撮影

撮影方法はSharpCapで、露光時間10秒、Gain220のラッキーイメージングです。短時間撮影なのでオートガイドもなしです。撮ってる画像を見ていると、星像が小さいものと、流れてしまうなもの、大きくなっているもの、同じ10秒でも一枚一枚で相当差があります。この中の良いイメージのみを採用するつもりです。

Redを30分、180枚を撮影。その後Greenに移って同じく30分撮影しますが、Redに比べて恒星が明らかに少ないです。これは緑の恒星はほとんどないことから納得です。さらにBlueも30分。Blueの恒星はもっと少ないです。これだとほとんど赤い星になってしまいそうですが、こんなんでホントに良いのでしょうか?

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Redの10秒1枚どり。オートストレッチしただけです。

Blueを取り終わったところでちょうど午前3時前。薄明の始まる時間です。空を見上げたら、白鳥座の羽の先まで凄くはきり見えます。それどころか、白鳥座あたりから西の低い方はそれほどでもないですが、北の方向へ、冬の天の川までかなりはっきり見えました。1年に数回しかないレベルの透明度です。星を見つつこの日は撤収。

RGB処理はほぼ初めてなので時間がかかりそうです。画像処理は土曜以降。まずはブログの再開からです。処理が終わったらまた書きます。


ASI294MM Pro

ASI294MM Proにした理由ですが、まず第一はASI294MC Proを持っていること。これにMMが加わると、カラーでRGB、モノクロでLなどができます。さらに、最も大きな理由が、ピクセルサイズがMMだと半分になることです。同じマイクロフォーサーズですが、MCはピクセルサイズが一辺4.63μmで、4144×2822、MMはBin1モードにすると一辺2.32μmで、8288×5644まで解像度が上がります。そもそもカラーからモノクロにした時点で解像度が倍、さらに特殊なBin1モードで倍なので、一辺4分の1になるわけです。これまで1ドットで表されていたのが、実行的に16ドットで表すことができるようになります。これは分解能を出したい時には条件次第で相当有利になるはずです。その代わり、ダイナミックレンジはMCの14bitあったものが、MMでは12bitになってしまいます。また、IMX294系の最大の欠点アンプグローはMMのIMX492になってもそのまま残るようです。

なので多少の欠点は存在するものの、ASI294MC Proと併用することもあり、解像度の点でASI294MM Proを選びました。

普段太陽撮影にはASI290MMを使っていますが、こちらのピクセルサイズが2.9μmなので、こちらもASI294MMに置き換えることを考えてます。290よりもピクセルサイズが小さいため、C8 +PSTとの組み合わせで、十分明るい太陽ではかなり鏡筒の限界まで迫ることができるので、シーイングさえ良ければ分解能がさらに上がる可能性があります。面積はどうせPSTのエタロンの平行度の限界から、一部しか使えないので、ROIでバッサリ切ってフレームレートを上げてしまえばいいかと思います。


まとめ

久しぶりのブログなので、土曜の朝なのに起きてぱっと書いてしまいました。この日も朝から晴れなので、太陽撮影です。あ、どうせ朝から赤道儀出すなら片付けなければよかった...。

(土曜朝に追記:  暑すぎです。午前中に太陽撮影しようとしたら、C8が外に置いているだけで熱くなります。撮影まで心配なので鏡筒前面に蓋をしておくのですが、その黒い蓋が既にもう熱い。気付くとCGEM IIも撮影用のPCもかなりの温度でした。PSTはC8の影になっていて、外して触ってみても熱くなかったので大丈夫だとは思いますが、ちょっと熱さ対策ができるまで怖いのでC8での撮影はストップします。)

前回立山に登ったのが2019年の9月なので、2年近くぶりになります。前回は標高2000mの弥陀ヶ原に行きましたがが、あまりの天気の悪さで星が全く見えず、ブログの記事にもしていません。ブログの記事になっているのは2018年10月10日。この時も弥陀ヶ原です。突風と雲間の中少しだけ天の川を撮影したのを覚えています。

今回の行き先は弥陀ヶ原よりも少し上の標高2300mの天狗平。しかし、今回も天気が悪くてほとんど星の写真がありません。最近忙しくてブログ更新できていないので、日記がわりに気軽に書いておきたいと思います。


いざ立山へ

立山は規制が厳しく、マイカーで入山することは基本的にできません。一般の人が立山に登るのは大きく2通りの方法あります。一つは旅行会社が企画するツアーバスに乗って行く方法。富山県民はたいていはふもとの「立山あるぺん村」まで車できて、そこで観光バスに乗り込みます。富山駅から出ている観光バスも一部あるみたいです。勝手に連れて行ってくれるので簡単ですが、旅の楽しみは次の立山駅経由の方が楽しいかもしれません。

もう一つは地鉄(富山地方鉄道)で立山駅まで来て、そこからケーブルカーとバスで登る方法です。地鉄は富山駅から乗れるので、遠方から来る方はこちらの方が一般的かもしれません。

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立山駅です。

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ここ立山駅から美女平までケーブルカーに乗ります。

立山駅には「立山カルデラ砂防博物館」があります。かなりの部分が無料で見学できるので、時間があったら立ち寄るといいかもしれません。

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立山カルデラ砂防博物館入口。駅から徒歩1分くらいでしょうか。

美女平からはバスに乗り換えて、それぞれの目的地まで行きます。木々の間から称名滝が見えます。
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バスの最終地は標高2400mの室堂ですが、今回はその手前の標高2300m地点の天狗平にある立山高原ホテルが目的地です。

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この日泊まる宿「立山高原ホテル」です。

到着時には少し青空が見えていました。遠方に剣岳を見ることができました。

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中央奥に雲間から剣岳、通称「つるぎ」が見えています。
見えている建物は立山高原ホテルです。


散歩の途中に雷鳥をペアで見ることができました。つがいで見ることができたのは初めてです。

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もう雪の時の白い羽はかなり消えていて、夏に向けた茶色になってきています。赤いトサカがある方がオスだそうです。人を怖がる様子は全くなく、近づいて行っても逃げることはありません。これは雷鳥を驚かすようなことをしないからだそうです。立山に来ている人たちは、マナーが良いということの表れでしょうね。

夕方近くになると雲海が見えてきました。
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雄大な雲海の風景。小さく見える影が人です。


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眼下は雲海、太陽にはハロがかかっています。幻想的な景色でした。

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夕暮れの風景。山端に太陽が沈んでいきます。


立山高原ホテルでのスターウォッチング

今回泊まるホテルです。標高2300mとは思えないリゾートで、とても雰囲気のいいホテルです。奥が食堂になっています。

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夕食は豪華でとても美味しかったです。

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美味しそうな食事。実際とても美味しかったです。

夕食後、スターウォッチングがあります。スターウォッチングがあるのは大抵が週末です。開催日は限られていますので、興味がある方は宿泊日に開催されるかどうか、予めホテルの方にお問い合わせください。

この日は夕方こそ少しだけ青空が見えましたが、スターウォッチングが始まる19時半からはほとんど曇り。ごく稀に天頂付近のアークトゥルスが見えたりもしましたが、天の川が見えるようなレベルではありませんでした。そのため1時間くらいの星についてのお話をした後、お客さんと少しだけ外に出てみましたが、ほとんど星は見えず。用意しておいた超コンパクト電視観望機材もほとんど役目を果たすことはできず、ほとんどのお客さんはすぐに部屋に戻ってしまいました。

その中で一組だけ、お父様と二十歳くらいの息子さん二人の親子3人組がしばらく残っていてくれたので、少しだけ星の案内をしました。といっても夏の大三角と、北斗七星の尾っぽがかろうじて見えたくらいで、立山の星を満喫というには程遠かったです。その中で、彼らと富山市天文台について少しだけ話しました。

富山市天文台が今年3月に廃止になってしまったのですが、彼らも富山市民で子供の頃に何度も天文台に行っていたそうです。いろいろ思い出があるようで、今回廃止されたことを知ってとても残念そうでした。子供の頃に星を見たことは心に残っていて、その機会がなくなるのは寂しいというようなことを言っていました。こんな話を聞いてしまうと、やはり今回の天文台の廃止はとても残念で、子供たちの星に対する興味の受け皿という意味で、今後かなりの損失になるのではないかと思われます。今のところ代替施設ができているわけでもないので、地道に天文台の再開または代わりになる施設を市の方に求めていきたいと思います。


夜の撮影

天気が天気なので、スターウォッチングは早々に切り上げ、のんびりと温泉に入りあきらめモードだったのですが、温泉から出て部屋に戻る前に外に出てみると少しですが星が見えます。もしかしたらと思い、機材を持って撮影準備に取り掛かります。

ところが雲は晴れてくるどころか、時間と共にだんだん濃くなってきました。かろうじて撮れたのが夏の大三角方向にワンショット。少しだけ白鳥座付近に天の川らしきものが見えています。

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立山高原ホテルの上に夏の大三角が見えます。
雲越しに天の川の赤いところが一部見えています。

もう一つは南の方向。

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雲越しの南の空。さすがに天の川もほとんど見えません。
下に写っているブルドーザー、あだ名を聞いたのですがどうしても思い出せません。

右のさそり座の形がよく分かります。天の川の一番濃いところを見てるはずですが、雲越しでほとんどわかりません。

一方眼下を見ると、この時間帯には雲海もすっかり無くなり、富山の市街地の明かりがよく見えました。
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ブルーファイア現象 ?

今回の目玉は星ではなく、間違いなくこの写真でしょう。夜に地獄谷と呼ばれる方向を撮影したものです。
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真ん中に青白く光っている部分が見えるのが分かりますでしょうか?右に見える建物はこの日泊まった立山高原ホテルですが、これはずっと手前にあって、地獄谷はずっと上の室堂まで行って、そこから山を奥の方に下ってアクセスできる場所にあり、ここから見るとかなり遠くの下の方です。

今回は露光時間をかけての明るさですが、この光は実際に目で直接見ても周りからわずかに明るくなってるのが分かります。拡大してみます。

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闇夜に青白く輝く地獄谷。 

明らかに雲とは違う煙のようなものも確認できます。明るいところも均一な明るさではなく、広範囲にわたって強弱があるのが分かります。また、左の方にも暗いですが光が見えます。人工的な光だとこうはならないと思います。夜に地獄谷に行ったわけではないのでホントのところはわからないですが、やはり何か闇夜に光っているのかと思われます。

地元の富山県天文学会の方の意見では、こんなところに人工的な光はなく、おそらく硫黄のガスが燃えるブルーファイア現象なのだのことです。硫黄は低温で発火するとのことで、例えばジャワ島の火山が有名とのことです。

いつか夜にもっと地獄谷近くに行って撮影してみたいです。


プロのカメラマンの方と

実は今回、プロの写真家の方と一緒でした。ポートレートが専門ということですが、星を撮ってみたくなったとのことで今回友人にくっついてきたそうです。私はもっぱら天体写真のみで、普通で言う写真に関しては全くの素人なので、いろいろ聞きたかったことがありました。特に技術と感性に関してです。

夕食の時話す時間があったので、少しですがいろいろ興味深い話が聞けました。まず、技術に関しては昔ほど差がなくなっているとのことです。デジカメになって、どんどん高機能化してきて、昔必要だった技術、例えばフィルム巻きをいかに速くするかとかはもう今となってはもう必要なくなってしまった。こんなことがたくさんあるとのことです。だから逆にプロと言うからには、技術だけでない、その根拠が必要というような話を聞くことができました。

私が悩んでいるのは特に天の川を含む星景写真です。手順通りにやっていけばアマチュア天文家がいいと思うような写真にはなるのでしょうが、個人的にはそこまでいかずに、撮ったそのままの方が好みになることが多いです。例えば天の川を中央に持ってくるときは周辺減光がむしろ天の川を引き立たせてくれます。光害も私の好きな黄色から黄緑、青へのグラデーションを醸し出してくれたりします。

こんなことを聞いてみたら、やはり写真家としては写真に自分の考えを込めることが大切だとのアドバイスをいただけました。例えばポートレートでも、写真によってまるで別物のように結果が違ってくるそうです。

でも面白かったのはここからで、写真を見たときに良い悪いの基準はあるのか、例えばコンクールで良い悪いの評価は個人によるのかとかいう話になりました。そこで聞けたのは、やはり良い悪いを「言葉にする必要がある」ということでした。感覚、感情、思いなどはもちろん大事でしょうが、プロとしていいと評価する根拠みたいなのが必要だという意味なのかと思います。「もしかしたら将来AIが客観的な基準を示すような時代が来るかもしれませんね。」と無謀なことを聞いてみたのですが、笑いながら「そうかもしれません。」と少し神妙そうに答えてくれたのが印象深かったです。時間がそこまでなくて深いところまでは話せなかったですが、プロの方の意見はやはり大きいです。多分全く違う視線を持っているのかと思います。とてもいい経験になりました。


まとめ

今回のメインは星関連ではなくブルーファイアになってしまった感があります。ちなみにこの記事のタイトル「地獄谷の神秘の光ブルーファイア」は妻がつけたものです。私のオリジナルのタイトルはシンプルに「立山」でした。「そんなのだからいつもダメなんだ」と怒られました(笑)。

妻がいろいろアイデアを出してきました。ブルーファイア君とかゆるキャラを作って観光化すればいいとか、ブルーファイアソフトクリームを作ったらいいとか、市街地にテーマパークを作って3DのVRで見えるようにしたらいいとか、訳のわからないことを言っています。でも本当に実際の光を見てみたいようです。

確かに普通に立山に泊まる人も、夜に星を見ること位まではあってもわざわざ歩いて地獄谷が見えるところまでは行かないので、あまり知られていないというのも納得かもしれません。少なくともネットで立山の地獄谷でブルーファイア現象というのを検索しても何も出てきませんでした。でも裸眼でも光っているのが見えるので、地元の人は意外に普通に知っていることなのかもしれません。

でも結局妻は、あの画像は露光時間を延ばした故のものだということを理解してから、あまり興味を示さなくなりました。最後「期待して見に行ったらショボかった観光地の典型的なやつみたいだ」というようなひどいことを言っていました(笑)。淡い光ですが、目で見ても十分インパクトはあると思うので、きちんと説明しようとしたのですが、もう無駄でした。妻さえ説得できないようなら観光化は難しそうです(笑)。

そういえば、立山を旅行記のように書くのは初めてかもしれません。残念ながら星はあまり見えませんでしたが、コロナで昨年は立山に登れなかったので、本当に久しぶりに宿に泊まった気がします。ホテルの方から、やはりなかなかお客さんが戻ってきてくれなくて大変だとのことを聞きました。早く収束して観望会なども普通にできるようになって欲しいものです。


P.S.

最近、忙しいのでブログが全然更新できていませんでした。梅雨時で星が出ないのでネタがないということもありますが、実は余っている時間のほとんどを使って、来週6月27日28日に配信がある天リフの超会議拡大版「ガチ天2021」に使うトークの資料を作っていました。

今回は太陽について話すつもりです。まだプログラムは発表されていないようですが、太陽のHα生中継を考えているので、明るい早い時間帯になると思います。太陽について話すのは初めてなので、資料も一からで大変でしたが8割方完成しました。よろしければぜひ配信をご覧ください。

実は今日の午後から晴れる予定で、太陽撮影をしようと思っていたのですが、結局曇りで撮影できず。今書いてるブログ記事は写真を貼り付けるだけのシンプルなものにしようとしてたのに、意に反してどんどん長くなってしまいました。しかもTwitterでブルーファイアの写真だけ宣伝にでもと思って流したら、わずか4時間でいいねが既に200超え、リツイートも今見たら60超えです。こんなのは初めてでちょっとびっくりしてます。


皆既月食の敗北で打ちのめされ、仕事が忙しいのと、天気がイマイチでしばらく立ち直れなかったのですが、5月29日の土曜日、晴れたので今度山に行くための準備をしました。超コンパクトな電視観望システムの構築です。でもその後も、しばらく乗り気にならず、記事も今になってしまいました。

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皆既月食の日に一瞬だけ見えた月です。その後撤収まで二度と出てきてくれませんでした。夕方青空が見えてきたのでTSA-120とFS-60CBと50mm+6Dで広角とフル体制だったのに...。

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歩きでも持っていける電視観望システム

来週6月12日、久しぶりに立山に行きます。スターウォッチングの講師です。車は駅に止めてそこからケーブルカーとバスなので、持っていける荷物の量が限られます。立山のスターウォッチングも最初の頃は張り切ってAdvanced VXを丸々海外旅行用の大きなトランクに入れて持っていってたりしたのですが、そのうち機材の軽量化とともにNexstar、AZ-GTiと楽になっていきました。それでも鏡筒はずっとFS-60CBでした。前回FMA135で電視観望を試したのですが、口径3cmにもかかわらず、その性能の良さとコンパクトさもあり、すこぶる快適でした。



でも欲望にはキリがなく、これだけコンパクトになってくるとAZ-GTiでさえ大きいと思ってしまうのです。立山は歩きもありますし、荷物は軽ければ軽いほどいいです。もう少しコンパクトにならないか試してみました。ポイントは3つです。
  1. AZ-GTiを無くしてただの自由雲台に
  2. ついでに三脚も超コンパクトなものに
  3. ASI294MC Proの広いセンサー面積を利用
組み上げた様子はこんな感じです。

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重さは三脚まで合わせても1550g。これなら歩きでもほとんど苦にならないでしょう。でもコンパクトにしても使いにくかったらしょうがありません。そのため検証したいことが3つあります。
  1. 手動できちんと導入できるか?
  2. 星雲はリアルタイムで見えてすぐに見つかるか?
  3. M57などの小さな星雲を解像できるか?
ここら辺を順次確認してしていきたいと思います。


まずはいつものM57

立山でのスターウォッチングが20時くらいからだと思います。6月なので、その時間M57は確実に昇ってきています。M57を見るべく、まずはベガを目印として導入します。導入といっても自由雲台のネジを緩めて、ベガの方向に向けるだけです。ちょっと狙いをつけるのに手間取りますが、さすがに明るいのでPCの画面で見てもすぐに分かります。ただ視野角から言っても、こと座全体が入るか入らないかくらいなので、注意深くM57に向かいます。

問題はこの視野角で見るとM57は相当小さくて、恒星と区別がつきません。

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どこにあるかわかりますか?場所としては真ん中少し下の明るい2つの星の間です。拡大していくと見えてきます。

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明るい星2つを拡大します。明るい星が上下にあって、その真ん中らへんです。これでもまだ厳しいくらいですかね。

すごいのは、FMA135はかなりの解像度なので星が肥大することがほとんどありません。マイクロフォーサーズサイズのASI294MCなら四隅までほぼ完璧です。もっと拡大するとM57がちゃんと見えてきます。SharpCap上で600%まで拡大したものをiPnoneで撮影したものが下になります。これだけ拡大しても恒星とはっきりと区別できるのはさすがの性能です。

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それでもこれだけ拡大しているので、解像度はギリギリと言ったところでしょうか。中心星は残念ながら見えませんが、M57とはっきりと認識できます。


早速トラブル

でもいきなり問題点が露呈しました。気軽に机の上に置いて見ていたのですが、PCの操作をするたびに机ごと揺れるのです。

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そのため、まずM57の導入を済まし、Livestackを立ち上げたところでPCを膝の上に置いて、Livestackをリセットして画像をスタックします。そうしないとブレブレになってしまうのです。地面に置くか、別の独立した机に置いた方がいいかもしれません。

M57の結果:
  1. は一応手動で導入できたので合格。
  2. はリアルタイムで見るには小さすぎ。
  3. はギリギリ合格。
としました。


かわいいM27

次に昇りはじめのM27亜鈴状星雲です。

これはとにかく難しかったです。M57から下に下がっていけばいいのですが、目印がないと星図などと比べながらかなり注意深く移動していく必要がああります。ゆっくりやればいいのですが、お客さんがいて早く見せなくてはと焦ると多分導入できないと思います。M27はM57と比べると大きいですが、それでもかなり広角でとても小さいので、よほど注意深く画面を見ていないと見逃してしまいます。

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解りますでしょうか?下の木の左上、ぼやけた電線の少し上です。かわいいM27が見えています。時間的にも昇りはじめの頃です。

見つかった後は拡大すれば十分きれいに見ることができます。
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M57よりはだいぶん大きいので、M27ならもう十分な解像度かと思います。

M27の結果:
  1. の導入は難しい。
  2. はかろうじて星雲と認識できる。
  3. は十分解像する。
となりました。


屋根から昇る北アメリカ星雲

北に向かって白鳥座を見ます。ある程度時間が経ってくると白鳥座も昇ってくるので、観望会途中から見えてくると思います。北アメリカ星雲は相当大きいので、導入は簡単です。デネブを見つけたらその少し下にあります。ただし、やはりFMA135のF値では暗いのか、リアルタイムで見るには少し淡いです。でも場所は大体わかるので、露光時間を伸ばすかLivestackするかですぐに出てきます。

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屋根から昇る星雲シリーズですが、このネタ以前もやったことがあり、 私のお気に入りです。面白いのは、屋根と星雲の位置を調整するのに気軽に机を持ち上げて、ちょうど両方が視野に入るようにできることです。初期アラインメントとかが存在しないので、途中でも机ごとだろうがなんだろうが移動できます。

北アメリカ星雲の結果:
  1. の導入は簡単。
  2. は淡いのでリアルタイムだとちょっと厳しい。
  3. はもちろん余裕。
大きな星雲は楽です。


M8干潟星雲とM20三列星雲ここに文章を入力

一度南のほうに行きます。白鳥座が見えている頃には天の川中心も見えるようになっているでしょう。まずは大物のM8干潟星雲とM20三裂星雲です。

これは一発で導入できました。ここら辺まで明るい星雲だとFMA135でも探しながらリアルタイムで見ることができます。

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今回は自宅でのテストで、月がでいないと言っても光害もあるのでQBPをFMA135の先端に取り付けているので、三裂星雲の青はほとんど出ていませんが、立山でフィルターなしで試してみたら周りの青色も見えてくるかもしれません。本番が楽しみなところです。

M8とM20の結果:
  1. の導入は簡単。
  2. は探しながらリアルタイムで見える。
  3. 3はもちろん余裕。
明るくて大きな星雲は超快適です。


M16とM17

すぐ上のM16わし星雲、M17オメガ星雲も見つけるのは簡単です。

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評価はM8とM20と同じです。


最後は網状星雲

最後は白鳥座に戻って網状星雲。こちらは目印のデネブとサドルから少し離れているのと、やはり淡いのでリアルタイムでは見えず、導入に少し時間がかかりました。

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網状星雲結果:
  1. の導入は少し時間がかかる。
  2. は淡いのでリアルタイムだとちょっと厳しい。
  3. は視野角的にもいい感じ。
この頃には月も雲も出てきて明るくなってきたので、ここで撤収としました。

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ちなみに月も拡大するとこれくらいの解像度で見えます。

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月としては少し解像度不足の感もありますが、機材を変更しなくても見えるので、観望会ではこれくらいでも重宝するのではないでしょうか?


まとめ

FMA135とASI294MCProと自由雲台を使った超コンパクト電視観望システムですが、大きな星雲はマニュアル導入で問題ないでしょう。立山はかなり暗くて環境の良い空なので、淡くてもさらに見やすくなると思います。ただし、M57とかM27とかの小さな星雲はお客さんがいる場合はAZ-GTiがあった方が安全な気がしました。でもお客さんと一緒に導入の苦労まで楽しむとしたら、マニュアル導入でも良いかと思います。

FMA135の性能は特筆すべきだと思います。これだけ短焦点で、これだけの分解能で、この値段。相当小さいM57から大きな網状星雲の全景まで、かなりの範囲で見ることができます。鏡筒の性能が遺憾なく発揮され、これまでとは一線を画した電視観望システムです。

今回、相当コンパクトなシステムとなりましたが、ASI294MCがProでないノーマルモデルならさらにコンパクトになって、超々コンパクトシステムとか言えたかもしれません(笑)。

でももうこれだけコンパクトならカバンに常時入れておいてもいいくらいです。夜になったら突然サッと取り出して電視観望!なんかかっこよくないですか?

いや、普通の人から見たらかなり変な人ですね...。


sanpojinさんのSharpCapでの極軸測定がうまくいかないという記事を見て、どうもたわみが原因な気がしました。三脚の足を伸ばし切って極軸測定しているため、足元が弱くて、赤経体を90度回転させるとたわんで正確な測定ができていないのではと思ったのです。

逆に、もしたわみによって極軸調整の精度がずれするなら、そのSharpCapでのズレの値評価することでたわみ自身が定量的に測定できるのではと思い、今回考えてみました。

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たわみの測定原理

簡単なところから考えます。

まず、赤道儀が完全に天の北極を向いていて、極軸に誤差がない状態を考えます。もしこの状態でSharpCapで極軸調整をしたら、誤差は0と出ます。この誤差がなく、赤経体が最初上を向いている状態を初期状態としてはじめます。
  1. 最初極軸に誤差がない状態から、SharpCapの極軸測定中に90度赤経体を西側に回転させたときにたわみが発生したとします。簡単のために、鉛直方向に鏡筒が傾き、視野が1度角下を向いたとします。
  2. このときSharpCapは極軸が元々1度ずれていたのか、それともたわんだ結果1度角ずれて見えているのか分からないため、とにかく極軸が1度ずれていると表示してしまいます。
  3. そこで人間が赤道儀の仰角を1度(間違えて)上げることでSharpCapは正しく極軸が設定されたと勘違いをします。でも現実にはこの時点ではSharpCapも人間も本当は極軸が間違っていたのか、たわみでずれたのか知る由はありません。
さて、この90度回転している状態で、再度極軸調整を最初からやり直します。
  1. 鏡筒はまだ下に1度角ずれたところを見ていますが、SharpCapはそんなことは知りませんし、お構いなしです。
  2. 再び赤経体を90度戻す方向に回転させると、今度は鏡筒のたわみが解消され元の位置に戻ります。
  3. そのとき、西側に倒していたものを戻したので、鏡筒は東側にたわみが1度角戻る方向に動きます。
  4. SharpCapは最初の鏡筒の位置のズレなどお構いなしなので、最初から見て視野が1度東にずれたことのみを認識します。すなわち極軸が東1度ずれていると表示するわけです。
  5. と、同時に1回目の調整で勘違いして赤道儀を上に1度角ずらしてしまっているので、そのズレも検出されます。そのため、SharpCapは東と上方向に極軸が1度角ずれていると認識します。
2度目の測定で出た結果のズレは元々たわみから来ているので、たわみのずれの量そのものと比例しているというわけです。

最初極軸が理想的にあっている状態から考えましたが、もし1度目の極軸調整の前にもともと極軸がずれていたとしたらどうなるでしょうか?それでも1度目の調整を終えた後は「極軸があった状態+たわみでずれた位置」になるので、2度目の調整時のはじめには同じ状態になりますね。


イメージしにくい場合

上の説明を読んでもなかなかわかりにくいと思います。まずはSharpCapでの極軸調整(ちょっと古い記事ですがリンクを張っておきます。)を一度試してみて下さい。これをやらないと何を言っているのかよく分からないと思います。

その上で、90度赤経体を回転させたときに、たわみの代わりに赤緯体をコントローラーで例えば1度角落とす方向に回転させることを考えてみて下さい。その赤緯体の回転を補正するように、赤道儀全体の向きを変えるというようにイメージするとよくわかるかもしれません。

赤経体を90度戻すときも、先ほど赤緯体を1度角落としたのをコントローラーで戻してやると考えるとわかりやすいと思います。


他の方向のたわみの例

他のたわみの方向も同様に考えてみます。
  • もし最初に赤経体を90度西側に傾けたときに、たわみが西側(外側)に1度でるなら、それを補正するように東に赤道儀を1度間違って調整し、2度目の極軸調整で90度戻すときに上に1度角たわみが戻るのを下向きに補正するので、東の下向き方向に極軸がずれていると表示されるはずです。
  • 赤経体を西に回転させたときに、たわみが東側に起きることもあるでしょう。
  • 視野を考えているので、もしかしたらたわみ(見ている方向が)が上向きに動くことも可能性としてはあるでしょう。

全部の場合を書き出してみる

全部の場合をまとめて書いておきます。

赤経体を西に回転させたとき
  • たわみが下向き -> 東上向きのズレになる
  • たわみが西向き -> 東下向きのズレになる
  • たわみが東向き -> 西上向きのズレになる
  • たわみが上向き -> 西下向きのズレになる

赤経体を東に回転させたとき
  • たわみが下向き -> 西上向きのズレになる
  • たわみが西向き -> 東上向きのズレになる
  • たわみが東向き -> 西下向きのズレになる
  • たわみが上向き -> 東下向きのズレになる
となります。


一般化

簡単な数学で考えてみます。今、東のズレと西のズレをそれぞれ右のズレと左のズレと考えると、赤経体を西に回転させたときは、「たわみからSharpCapでのずれ」の変換が+135度の回転写像、赤経体を東に回転させたときは「たわみからSharpCapでのずれ」の変換が-135度の回転写像と考えることができます。

一般化すると、SharpCapで最初の極軸調整で90度赤経体を進めて、2度目に90度戻してたときの誤差を(x2, y2)とすると、たわみによってずれた角度(x1,y1)は

x1 = x2 cosθ - y2 sinθ
y1 = x2 sinθ + y2 cosθ

となる。θは赤経体を西に回転させたときは+135度、赤経体を東に回転させたときは-135度である。ただし、赤経体を元の位置に戻したらたわみは戻るものと仮定する。

ということが言えます。

ちなみにsin135°=1/√2、cos135°=-1/√2なので、

x1 = -1/√2 (x2 + y2)
y1 = 1/√2 (x2 - y2)

となります。


現実的には

でもこのままだとちょっと計算が面倒なので、簡単のためにもっと現実的な場合を考えましょう。基本的にたわみはほぼ垂直方向にのみ起こると考えってしまって差し支えないと思います。なので、x2とy2の絶対値はほぼ同じような値になると期待できます。SharpCapの2度目の極軸調整で出てきた誤差のx2かy2のどちらかの値を√2 = 1.4倍くらいしてやった値が実際のたわみと考えてほぼ差し支えないと思います。

もしx2とy2の絶対値に結構な差があるならば、たわみに横向きの成分があることになります。

まじめに計算してもいいのですが、もし更なる測定を厭わないならば、最初に西向きに赤経体を回転させて2度測定したならば、次は東向きに赤経体を回転させてさらに2度測定します。東向きの誤差の結果をx4、y4とすると、(もし横向きのたわみが西に回転させたら西に、東に回転させたら東に出るならば)
  • x2とx4は逆符号で、絶対値は似たような値
  • y2とy4はどう符号で絶対値は似たような値
になるはずです。なので、x2+x4は0で、
  • (x2-x4)/2が横方向のたわみを表し
  • (y2+y4)/2が縦方向のたわみを表します。
一番厄介なのが、もし横向きのたわみが西に回転させたら西に、東に回転させても西に出る(多分レアな)場合で、これはどうしようもないです。向きだけでなく、たわみの大きさも違う可能性があり、東向きと西向きを測定し、真面目に計算する方が早いです。まあ、そもそも横方向のたわみを相手にすること自身稀だと思うので、こんなのはホントにレアなケースだと思いますが。


任意の回転角のたわみ量

今回の結果は赤経体を90度傾けた時のたわみ量です。90度以下の場合はφにたわみを知りたい赤経体の角度を入れてcosφを上の結果にかけてやればいいいと思います。


赤緯体の場合

でも今回求めたのは、今回は赤経体の角度が変わった時のたわみ量だけなんですよね。赤緯体が回転した時のたわみ量はSharpCapを使う今回の方法では全く太刀打ちできません。赤緯体の方でまたいいアイデアがあったらブログに書きます。


まとめ

とりあえず頭の中でざっくり考えただけなので、もしかしたら何か勘違いしてるかもです。一度実際のSharpCapを使って、夜に赤緯体の回転をたわみとして試してみようと思います。

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